月曜日, 9月 22, 2008

神々のWeb3.0

 怪しいタイトルの本だが、読みごたえがあってちゃんとしていた。CERN(欧州原子核研究機構)のティム ・バーナーズ=リーがWWWの技術を作ったのが1991年。Windows95がTCP/IPを標準搭載したことから爆発的にインターネット(Web1.0)が普及し、現在はGoogleが牽引する形でWebが進化し続けている。ティム・オライリーがWeb2.0を提唱してから3年もたたないうちに、Webとそれを取り巻く環境は激変した。
 Web1.0は、放送局のように一方的に情報が流れる静的な世界。ユーザは受動的な情報の消費者となる。一方、Web2.0では、インターネットに接続した無数のユーザが情報を発信、受信、共有し、Webに新しい価値が蓄積される。つまり、ユーザは能動的な語り部となる。
 では、Web3.0とは何か?(ちなみに、こんな課題を授業で出した)本書では、ウェブがネットワーク型のメディアであるという動的な性質を更に有効活用して人間関係の解析やカスタマイズ性を高めた「個に密着したサービス」が出てくるだろうと予測している。そして、アテンション・エコノミー(人々の注意(アテンション)は有限のリソースであると考え、「いかに気をひくか」がWeb経済を駆動するという考え方)に要請される形で、言語とは違う新しい表現方法が創発する可能性もある。ユーザが日々蓄積していくWeb上の知識、その膨大な量を質へと転換できたとき、Web3.0ムーブメントは起きるのかもしれない。

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