木曜日, 11月 20, 2008

The Audacity of Hope

 バラク・オバマ著。邦題は「合衆国再生」。アメリカ合衆国の歴史に残る大統領が誕生したのかもしれない。建国以来のアメリカ民主主義への信念と変革への強い意思、溢れるほどの教養とバランス間隔、そして行動力、本書をちょっと読むだけでもこれらが伝わって来る。



 そして、この人の文章能力の高さはずば抜けている(ブッシュ大統領と比べるとなおさら)。込み入った事情や微妙なニュアンスを説明するときも、変幻自在に言葉を操り(しかし、慎重に言葉を選び)、構成された文章は水を飲むみたいにすっと入って来る。科学者にありがちな論理のゴリ押しではなく、意気に感じるという類いのものだ。これは小手先でまねできることではない。本書はアメリカの政治史を知る上でも重要だが、物事の伝え方を学ぶ上でもとても参考になる。
 オバマ氏の勝利演説を観て、誰もが(よほどの天の邪鬼以外は)目頭を熱くしたと思う。改めて観てみても心打たれる(字幕付き勝利演説の映像をリンクします。上向きの三角ボタンで字幕のOn/Offが換えられます)。この本とはがらりと変わって、わかりやすい言葉とストーリーで観衆を感動させる熱をもっている。 Yes we can. 強い言葉で導いてくれるリーダーが日本にも現れてほしい。



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