木曜日, 12月 30, 2010

SANTOとネルケン

 何度か高円寺のカフェを紹介しましたが、今回はCafe SANTOネルケンを紹介します。
 Cafe SANTOはHappy!高円寺で知ったのですが、家からすぐの早稲田通り沿いにあるお店です。店内にはかわいい小物や絵本がおいてあって、おしゃれでいい感じです。駅から離れていることもあってそれほど混んでおらず、落ち着いて過ごすができました。オーダーした珈琲は独特の香りのするもので、僕の好みとは違うものの、これはこれでありです。穴場です。


 もう一つは以前ちょっと紹介した名曲喫茶ネルケン。クラシックが流れ、たくさんの絵とアンティークの机や椅子のある店内は、独特の雰囲気があります。そして素敵なマダムが丁寧に珈琲を入れてくれます。なんだか50年ぐらい前の時代にタイムリップした感じがします。知る人ぞ知る名店です。

土曜日, 12月 25, 2010

クリスマスイブ

 去年のクリスマスイブはロサンゼルスで過ごした [Link]。24日の午後、ラボの人たちは早々にいなくなり、最後まで残っていた僕が部屋に鍵をかけて、自転車を飛ばして家に向かったことを覚えている。ああ、あれからもう一年が経つのか。月日が経つのは本当に早いなあ。あの頃僕は何をしていただろうか?多分、公募の書類と論文を書いていたのだと思う。結局、今年はこの2つで苦労することになった。
 そして今日は東京で過ごすクリスマスイブ。今年もまた妻が腕を奮ってディナーを作ってくれた。メインメニューはローストビーフとカニピラフ。蟹缶を使ってもメヒコのような味が出せるそうだ。待ちきれずローソンのロールケーキを食べてしまったが、クリスマスケーキは近所のラブリコチエに予約をしていて、明日受け取る。ここのケーキはお手頃な値段でおいしい。
 今日はちょっと良い知らせがきた。人事を尽くして天命を待つ。あるいは、果報は寝て待て。いい子にしますから、もっと良い知らせが来ますように。

月曜日, 12月 20, 2010

思想地図β

 思想地図βの献本が届いた。Vol.1の特集はショッピングとパターン。僕は「鳥の複雑なツイートとその進化的デザイン」という随筆風論文を寄稿させていただいた。最初に執筆のお話をいただいた時は、本当に僕なんかでいいのかと不安に思った。しかし、自分の研究を広い視点で捉えて、一般の方にも分かりやすく伝えたいという思いから執筆をお引き受けした。一体、自分にどんな作品が書けるのかを試してみたかった、とういうのもある。
 楽しくもあり苦しくもある執筆活動は約1ヶ月ほど続き、原稿用紙にして20枚ほどを書き上げた。論文を書くのとはひと味違う難しさを体験した。だから編集の方々から「おもしろかった」とお褒めの言葉をいただいた時は、本当にうれしかった。それなりに味のある作品になったのではないかと思う。あとは読者諸氏に判断をゆだねたい。執筆の機会を与えていただき本当に感謝です。
 (僕以外は)著名な執筆陣による極玉の文章とすごいボリューム。一般書店では12/21発売です。コンテクチュアズのホームページAmazonでも購入できます。これは絶対買いです。

火曜日, 12月 14, 2010

iPhone - 電話

 「iPhone-電話 = iPod touch」というのが一般的な理解だが、僕は本当にiPhone4をiPod touchとして使っている。というのも、義兄がSoftBankの回線があまりに繋がらないことに業を煮やしてKDDIのアンドロイド端末に乗り換えたため、安く譲ってもらったのだ。電話が受けられないのは不便だが、契約すると少なくとも野口英世6人分は毎月飛んで行く。そもそも僕はほとんど電話をしないし、ネットもWiFiかemobileを使うので、電話を受けること以外は全部できる。電話をするときはウィルコムを使うし、Skypeでも電話はかけられる。今のところ何の問題も無く、iPhone4は最強のPDAとして活躍している。カメラがきれいなのがまたうれしい。下の写真はiPhone4で撮ったもの。
  • 近所のクリスマス装飾
  • 妻の作った角煮(高エネ研のみなさんにいただいた圧力鍋で作りました)

土曜日, 12月 11, 2010

英作文

 ニールス・ボーア研から来ている人たちと議論する機会に恵まれた。僕は複雑ネットワークを使った鳥の歌解析について紹介した。とても関心を持ってもらえたので、何だかいつもより饒舌に英語で説明ができた。Krishnaさんはずば抜けてスマートで、「一を聞いて十を知る」感じで僕の話を理解してくれた。共同研究で、母親と子供のやり取りを連続記録してその系列データを分析しようとしているそうで、それに僕の手法が使えそうだと言っていた。早くこの論文を世に出さねば。
 今週から新しいそして懸案事項だった論文に取り組み始めた。しばらく書き進めた後、自分が使っている英語表現を見てみると、昔からたいして上達していないことにがっかりする。もちろん内容の面白さと正確さが一番大事なわけだが、どうせ書くなら味のあるものにしたい。そういう思いもあり、最近はできるだけ毎日英作文を書くようにしている。大きなホームランを打つための素振りだ。今使っているこの本が説明がしっくりきてよい。

土曜日, 12月 04, 2010

下へ下へと根を伸ばせ

何も咲かない寒い日は下へ下へと根を伸ばせ 
やがて大きな花が咲く
 元マラソン選手の高橋尚子さんが好きな言葉だそうだ。苦しみの中にあるとき、とても勇気づけられる。
 4月からの自分を振り返ってみると、努力がなかなか実らず、ここまで結果らしい結果が出ていない。公募も苦戦中で、文字通り就職の「超氷河期」を体験している。特に11月は書類選考の落選通知が来ては落ち込み、がんばろうを気持ちを持ち直した矢先、また落選通知が来るというサイクルが続いた。ようやく書類選考に通り、面接もパスして、最後の模擬授業で落とされるという不運も経験した(最終候補者は4人もいた!)。これは正直堪えた。
 今は我慢の時なのだと自分に言い聞かせ、くさらずにコツコツとやるしかない。今できることは、これまでの仕事をきちっと論文という形にまとめること。今日ようやく論文の改稿が1つ終わった。共著者からのコメントはまだないが、シンプルで分かりやすくなったのではないか。来週から新しい論文に取りかかり、しかるべき雑誌に投稿する。きっと根は伸びている。
 少なくない時間をかけて作った模擬授業の資料なので公開します。発表は45分、質問は5分で、お題はウェブコンテンツのイントロダクション。もっとうまくやれたのではないかと思ったりもしますが、その時やれるだけのことをやったので悔いはないです。

月曜日, 11月 29, 2010

おいしくていい湯な結婚報告会

 11/27(土)にいわき市勿来にある温泉施設「関の湯」で、親戚のみなさんにお集まりいただき結婚報告会を開いた。今月の11日で結婚生活も3年目に突入したのだが、親戚に結婚を報告するのはこれが初めてだった。というのも、僕らは入籍してすぐにロサンゼルスに行ったので会を開く機会がなかったのだ。
 結婚式をあげず、温泉施設で披露宴をするなんて夫婦はまずいないだろう。でも、僕らは形よりも実をとりたかった。堅苦しいことは抜きにして、シンプルに結婚の報告だけをする。親戚には普段着で来ていただき、いわきのおいしい海の幸と温泉でくつろいでもらう。それが僕らが望んだことだった。教会や式場でする結婚式も厳かで良いものだと思うが、こういうアットホームな会もまた良いと思う。「和俊の式はおいしかった」とか、「良い湯だった」、というような記憶に残る会になったのならば幸いだ。
 ちなみに、関の湯は新しくて広々てしていて本当にいい温泉施設です。いわきに行く機会があれば立ち寄ることをぜひお勧めします。(マルトというスーパーに30%引きになるチケットが置いてあるので、それを持って行くとお得です)

月曜日, 11月 22, 2010

Office for Mac 2011を買った

 さんざん迷ったのだがMac用のOffice 2011を買った。新しいのが欲しかったというより、あまりにもOffice 2008の出来がひどすぎて、文房具として使い物にならなかったからだ。論文ならTeXで書くし、ちょっとした文章やフォーマットがないものならPages 09を使う(Pagesもできが良いとは言えないが、Word 2008よりはまし)。Amazonでの評判もあまりよくない新Officeだけど、目に見えて改善されたのが起動にかかるスピードと操作時のフットワークの軽さ。初代Macbook Airでもさくさく動く。まだバグが残ってたり、Windows版との互換性の問題などもあるが、とりあえずは快適。
 Macを複数台持っている研究者の人は注意。Office 2011のアカデミック版は1台のMacにしかインストールできません。2台のMacにそれぞれOfficeを入れたい場合は、下のようなファミリーパックを買うことになります。しかし、ファミリーパックは科研費では購入できません。Microsoftの販売戦略ですね。僕は自腹を切りました。

訂正:ファミリーパックだと3台までインストール可能です。

月曜日, 11月 15, 2010

エトアール通りのカフェ

 高円寺には素敵なカフェがたくさんあるのだけど、その中でもエトアール通りには良さげなカフェが集まっている。日曜の昼、ブランチがてらに行ったのがレインボーカフェ&グリル。僕は日南鶏ケイジャン風チキンと野菜の鉄板焼き(880円)、妻は手作り!バターチキンカレー(780円)をいただいた。この味はなかなかのもの。とてもおいしい。常連さんぽいお客さんが次から次へと来ていました。
 ただ1つ残念なのが、喫煙と禁煙のスペースが分かれていないこと。コーヒーの味は普通かな。美味しいブランチを食べるには良いカフェだと思います。



 次回はこの近所にあった名曲喫茶ネルケンに挑戦したいと思います。レトロな趣でよさげ。

火曜日, 11月 09, 2010

引出物

 今月末、親戚のみで集まって結婚報告会をするので、そのときに渡す引出物をあれこれと探していた。妻がMoMAストアのウェディングギフトでおしゃれで機能的なグラスを見つけたので、さっそく問い合わせてみたが、必要な個数がないとの返事が来た。しかも、引出物は1ヶ月前までには注文しなくてはならないらしく、緊急手数料も取られると書かれていた(MoMAストアは好きだけど、このぶっけらぼうなメールの文面はいただけない)。
 ボダムというメーカーのグラスで、ホットでもアイスでも使える。気を取り直してウェブで同じ商品を探していたところ、Amazonでもベルメゾンでも楽天でも買えることがわかった。なんだ、最初から楽天にしておけばよかった。熨斗やギフト用包装もしてくれ、商品もすぐに届いた。こんな風に気持ちよく買い物ができるというのは、とっても大事だと思う。

火曜日, 11月 02, 2010

論文の難しさ

 厳しい査読コメントを読むのはしんどい。僕が提出した論文はリジェクトされたが、4人の審査員がついたので評価は分かれたようだ。方法の新しさや有用性はみな評価してくれたものの、データが足りないというのが一番の敗因だった。これ以上データ数を増やすわけにもいかないため、次に投稿するときには解析方法に重きを置いて、解析結果はケーススタディーという形にせざるを得ない。とことん意地悪なコメントもあれば、参考文献を教えてくれたり、こうした方が分かりやすいなどの親切なコメントもあった。
 改めて投稿した論文を見直してみると、気持ちはこもっているものの、説明が足りないところや言い過ぎなところがあることに気づいた。流れる水のごとくなめらかにロジックが頭に入り、言葉は控えめながらグラフが力強く物語る。そんな論文を書きたい。先達のいい論文を多読してそこから学ぶことと、やはり論文の書き方の最低限の作法を知っておく必要がある。図書館で借りた下の本は、簡潔にそれが書かれていて良かった。今はぐっとこらえて根を伸ばす時期。

日曜日, 10月 31, 2010

unconference

 pingpongのワークショップに参加してきた。Uncoferenceという聞き慣れない形式でやるというとこで、どんな議論になるのか想像がつかなかった。unconferenceは、議題や話す人が前もって決まっているのではなく、参加者が自ら議論したいテーマを挙げてセッションを企画し、他の参加者も議論したいテーマに参加するという参加者牽引型の会議だった。
 昨日のシンポジウム(僕は法事で参加できなかった。Ustでその模様が見れます。[Link])と関係あるテーマをと思い、僕は「コミュニケーションの進化的デザイン:過去、現在、未来」というテーマでセッションを企画した。コミュニケーション媒体の制約がコミュニケーションそのものをデザインするという側面があり、例えば音声言語ならば、「音」という一次元的なメディアだからこそ、言語の統語構造の複雑さは生まれたのでないか、というような考え方ができる(その他の要因もあるだろうけど)。一方、Twitterなどのオンライン性の高いテキストベースのコミュニケーションの機会が増えれば、そのような制約を反映してコミュニケーションの形式やあり方もかわるかもしれない。このように、「メディアの進化」が「コミュニケーション進化」を牽引することがあるとするならば、どのようなことが起こりうるか、またそれをどのような視点で捉えればよいか、というようなことを議論した。僕の力不足もあり、議論が十分収束したとは言えないけどとても刺激的な議論で、良い経験をした。

日曜日, 10月 24, 2010

はやぶさ

 今一冊の本を読んでいて、とても元気づけられている。「はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語」という新書で、これが書かれたのははやぶさが地球に戻ってくる前の2006年だ。恥ずかしながら僕が探査機「はやぶさ」のことを知ったのは、2010年6月13日に無事地球に帰還してニュースになったときだ。この大ニュース以前に本書は、はやぶさを人類史上初の大冒険であると伝え、開発にまつわる物語を極玉のサイエンスノンフィクションとして描いている。数あるはやぶさ本のなかでも、特に読みごたえがある本だと思う。とにかく文章がいきいきとしていて面白い。著者を知ってびっくしりた。理系なら多くの人が知っているだろう「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ」の著者、吉田武さんだった。数理工学の先生だと思い込んでいたので「えっ」という感じだった。
 1章には「宇宙開発の父」と言われる糸川英夫博士が、いかにして逆境から成果を生み出してきたかが書かれている。正確に言うと、吉田さんが糸川博士の気持ちを代弁をしているわけだが。p.72の好きな段落をちょっと長いが引用したい。
 (燃料が)個体か液体か、という論争は目的達成の立場から見れば、全く意味の無いものである。何であろうと、ロケットを正しく飛翔すればそれでいいのであるから。しかし、頼みもしないのに向こうからやって来てくれた折角の試練である。それを真正面から受けて克服するとき、技術の分野に大きな進歩がもたらされる。科学も技術も、安住の地には、その華を咲かせない。安易な妥協をすれば、営々と築き上げて来た技術を継承できなくなるだけでなく、肝心の探究心すら失ってしまう。

 心に留めておきたい言葉だ。

金曜日, 10月 15, 2010

TED

 クーリエの今月号にTEDの記事が載っていた。TEDとはTechnology Entertainment Designの頭文字をとったもので、年一回カリフォルニアで、様々な分野から著名な人物を招いて講演会を行っている。講演者にはビル・クリントン(アメリカ元大統領)、E.O.ウィルソン(社会生物学者)、ジェームズ・ワトソン(DNAの発見でノーベル賞)、ボノ(U2のボーカル)、スティーブン・ホーキング(宇宙物理学者)などがいる。
 TEDの通常の講演は18分と決められていて(観る方としては集中できるちょうどいい時間)、この短時間で、最高の頭脳たちが最高に刺激的な講演をする。それは一流のエンターテインメントである。太っ腹にもその模様がネットで閲覧できる [ここ] [日本語字幕付きはこっち]。
 昨日観てとてもおもしろかった「優れたリーダーはどうやって行動を促すか」というトークを下に貼っておきます。
 「ネット・バカ」に警鐘を鳴らしつつ、ここでもまたネットの力を思い知らされる。自分が真に憧れるような知性は、旧来の大学や研究所の中にはもはやなく(言い過ぎではあるが)、TEDのような全く新しいコミュニティーの中に生まれるのかもしれない。


月曜日, 10月 11, 2010

ネット・バカ

 あなたはここ数年、自分は落ち着きがなくなったと感じたことはないだろうか?メールをチェックし、インターネットでニュースやブログを斜め読みし、誰か面白いことをつぶやいていないかとTwitterを見る。その間にも新しいニュースやメールが飛び込み、誰かがどこかでつぶやいている。理解しようがしまいが情報は次々と更新され、前進を余儀なくされる。この真ただ中にいると、えも言われぬ焦燥感がつきまとう。
 この本はまさに上に述べたようなことを問題にしている。つまり、インターネットというテクノロジーの進化がいかに人の思考習慣を変え、それによって脳にはどのような物理的変化が生じうるのか、ということである。双方向性やリアルタイム性が増したメディアの進化、そして脳の神経可塑性(環境に応じて柔軟に変わることができる脳の性質。逆に言うと、それだけ脳が環境からの影響を受けやすいということ。この本もお勧め。)、この2つが密接な相互作用を続けると情報の質も量も大きく変わり、それは人そのものも変える。このことには、もちろん良い面も悪い面もある。「昔は...」的なノスタルジーは無用だが、手放しでテクノロジー万歳でもいけない。このことにわたしたちは自覚的でありたい。メディア進化と神経可塑性を重ねて議論する、というチャレンジングなことをやってのけたとてもおもしろい本。

火曜日, 10月 05, 2010

セミナー発表二連ちゃん

 今日はラボのセミナーで2つ連続で発表をした。論文紹介はもともと担当だったのだが、K先生が風邪を引いて急遽ピンチヒッターとして研究発表もすることになった。結果的にはセミナーは盛り上がり、いい質問が(中にはすぐに応えられない難しい質問も)たくさん出て、発表者としてはとても楽しかった。
 論文紹介ではOferたちの仕事で、睡眠が鳥の歌学習にどのような影響をあたえるか?という論文を紹介した(Dere ́gnaucourt et al. Nature 2007)。行動データだけで実に見事に「睡眠と発達学習の関係性」を示した論文で、Natureの中でも白眉。彼らが見つけたのは「睡眠後に歌が劣化する」という奇妙な現象。
 ひな鳥が歌を練習をしてせっかく上手になったのに、翌朝になると歌がへたっぴになっている。そして、午前中にものすごく練習してまた歌がうまくなって、また翌朝になると歌が劣化している。しかし全体としては、「睡眠後の劣化」と「練習による上達」を繰り返しながら、最終的に歌をちゃんと学習する。では、どうして睡眠は歌の劣化を引き起こすのか?この論文では、「睡眠→聴覚フィードバックがない→誤差修正できない→歌が劣化→再学習する必要(逆に言うとチャンス)→再練習→睡眠...」というサイクルが発達学習にはあることを示唆している。発表資料を以下に添付します。

水曜日, 9月 29, 2010

変貌するメディア

 森美術館でやっているパブリックプログラムに参加してきた [Link]。今日のお題は「変貌するメディア―ビジネスやアートは新たな価値にどう向き合うのか?」で、講師は小林弘人さん。ワイヤードの創刊を手がけたり、大ヒットした「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」の監修をした方だ。
 Twitterやfacebookなどのソーシャルメディア、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadに電子書籍、テクノロジーの進歩がネットの世界を変え、メディアのあり方も大きく変化しようとしている。これまでのビジネスモデルは成り立たなくなる。そのような言及はネットでも本でも目にするが、実際のところはどうなのか、どうすればいいのか、そんな興味で参加した。
 発表はとてもシンプルでわかりやすく、門外漢の僕でも楽しく聞くことができた。新しいメディアではコミュニティーが中心になる。あらゆるものがフラット化・コモデディー化(潤沢産品)していく中で、「希少」を見つけ出すヒントがそこにある。そのようなことをおっしゃっていた。「つぶやき進化論」を最近読んだばかりだったので、なるほどなと思えた(ちなみにこの本はソーシャルメディア全般の話なので、このタイトルはミスリーディング)。

月曜日, 9月 27, 2010

take five

 今日も冷たい雨が降っている。物理学会から戻ってきてからは気持ち的にも雨だ。自分の発表には関心を持ってもらえたし、質問やコメントもあった。しかし不満を抱えて帰って来ることになった。自分に対する不満だ。「学会に参加する態度がまるでなってない!」資料作りは前日、発表練習もしない。どんな発表があるのかも当日に知る始末。院生のときは前もって資料を作り、発表練習をし、どの発表を見るのかもスケジュールを立てた。見たい学会へは夜行バスで駆けつけた。知らないことは片っ端からメモしたし、質問もした。そういうことを疎かにしないのがプロ。反省。take five(5分休憩)。明日は晴れる。

月曜日, 9月 20, 2010

ぶらり横浜散歩

 SOGO横浜でやっているゴーゴーミッフィー展に行って来た。数年前、板橋の美術館でやった展覧会以来、すっかりディック・ブルーナーのファンになった。「ミッフィーのちょっとした悲しみや喜びを表現するのに、どれだけの時間がかかると思いますか」というブルーナーさんがビデオで語っていた言葉が印象的だった。シンプルなキャラクターだからこそ創作には一切のごまかしがきかない。最もシンプルにして最も緻密な世界が描かれている。今回もまたミッフィーTシャツを買った。34歳でも着れますとも。


 元町に足を伸ばし、ぶらりウィンドーショッピングをした後、妻のお勧めの霧笛楼でカフェった。店内はゆったりとしていて雰囲気がよく、ケーキもコーヒーもおいしかった。ちなみに僕がいただいたのは、横濱元町ロールとネルドリップのブレンドコーヒー。たまの贅沢です。


土曜日, 9月 11, 2010

ネイチャー・センス展

 ネイチャー・センス展に行ってきた。森美術館に行くのはこれが初めてで、六本木ヒルズがなんぼのもんじゃいと思っていたけど、すごかった。高速エレベータで53階まで上がると、高層階にいることを忘れさせるぐらいの広々とした、しかしよくデザインされた空間が広がっていた。そこから見える高層ビル群がまたすごい。野心的な起業家たちがここから東京を見渡しながら、天下取りの夢を見ているのだろう。
 さて、このインスタレーションだが、環境や観客と一体化した作品を視覚だけでなく、現場の空気を感じることができてよかった。不定形な自然をどう捉え、どう作品に取り入れるのか、吉岡徳仁篠田太郎栗林隆の3人の独特な自然観が展開される。下の写真は、吉岡徳仁の「Snow」という作品と(フラッシュをたかなければ写真撮影はOK)、六本木ヒルズ53階から見た東京の夕暮れ。






月曜日, 9月 06, 2010

プログラムは一日にしてならず

 イチローのような天才バッターですら毎日の素振りを欠かさない(10年連続200本安打の偉業に向けて努力している姿は心を打つ)。天才とはほど遠い、僕のような凡人はなおのこと、毎日の鍛錬を怠ったら駄目ではないか。これは常日頃から思っていることだが、なかなか実行できていない。とはいえ、自分にとっての「素振り」を見つけ出してそれを続けたい。
 いろいろあるだろうが、直接的に僕の研究のでき(強いては、おまんまが食べられるかどうか)に関わってくるのは、プログラミングの腕だ。まさにシミュレーションやデータ解析をしているときはいいのだが、論文執筆などでそこから長いこと離れてしまうと、知識だけでなく、プログラミングの腕や感が確実に落ちる。プログラムを書くというのは、ものごとを抽象化し、具体的な手続きを考え、プログラミング言語で表現するということである。知識だけでなく、鍛錬があってのプログラムである。そこで、Python、R、Javaが中心になると思うけど、毎日何かしらのプログラムを書いて、メモ代わりにブログに載せることにした。タイトルは、「プログラムは一日にしてならず」。自分だけでなく、誰かの役に立つならそれもまたよし。

金曜日, 9月 03, 2010

夏休みと昆虫

 9月になりました。いつの間にか夏休みが始まっていつの間にか終わっている、毎年そんな感じです。少なくとも高校までは「夏休み」という感覚をちゃんと持っていました。特に小学校の夏休みは昆虫採集に熱中して、朝の5時起きで近所の山に行き、クワガタやセミを捕まえていました。いまではすっかり忘れてしまいましたが、当時、だいたいの虫の名前は言えました。日高敏隆先生の「なぜ飼い犬に手をかまれるか」という本を読んでいて、ふとそんな夏休みらしい夏休みを思い出したのでした。
 この本は、動物や昆虫を題材にしたエッセイ集で、動物行動学者らしい正確でしかしどこか暖かいユーモラスな文章が綴られています。そして、最後の数編は、生物多様性、なぜ老いるのか、利己的な遺伝子、ミームについて、実際の生物を長年研究してきたからこその意見が書かれています。日高先生は、ソロモンの指環利己的な遺伝子の名訳でも知られています。サイエンス・サイトークの日高先生のトーク(2005年11月20日放送)を聞いて、僕はすっかりファンになりました。日本動物行動学会で一度だけお会いしたこともあります。僕の発表を会場の上の方で聞いていらしたのを覚えています。僕の発表をどう思ったのでしょうか。あのときちゃんと質問しておけば良かった(日高先生は昨年逝去された)。

日曜日, 8月 29, 2010

祭りの後

 夜のロードワークに行ってきた。今日は高円寺阿波踊りがあったので、夜の一時近いというのに、駅前の商店街にはまだたくさんの人がいた。この阿波踊りは町おこしの一環として始められたものらしいが、今では、2日間でのべ100万人の観客が訪れる東京屈指のイベントになっている。つい4時間ほど前まで、高円寺駅には底が抜けそうなくらいの人だかりができていた。駅構内では立ち止まることも許されず、大きく迂回して自宅に帰ってきた。その時から比べると今は静けさを取り戻し、祭りの後独特のけだるさがある。酔っ払いの奇声の背景に秋の虫の声が聞こえる。阿波踊りが終わると、夏の終わりが近づいているのだなと思う。





木曜日, 8月 26, 2010

月を撮る

 本郷で輪読会とミーティングをした後の家路。お茶の水の駅へ向かう途中橋に人だかりができて、みんな携帯のカメラで写真を撮っていた。何だろうとカメラの先を見ると、まんまるなお月様が空に昇ろうとしている。しばらく見とれていた。
 最近の暴力的な太陽とは違い、控えめにやさしく街を照らしている。僕が見てようが見てまいが、27日の周期で月は地球のまわりを回っている。少しずつ角運動量を増しながら。その温厚さと実直さを目の当たりにすると、自分はまるでなってない気がする。そんなことも、お月様はするっとまるっとお見通しかもしれない。

火曜日, 8月 17, 2010

勿来の関

 奥州三古関のひとつ、勿来の関(なこそのせき)に行って来た。実際にここに関所があったわけではないそうだ(所在については諸説ある)。公園として整備され、源義家(平安末期の武将)の銅像あったり、関所の門や昔の街道が再現され、勿来関文学歴史館まで続いている。途中には勿来の関が登場する和歌が表示されている。平安時代から繋がっているんだと思うと感慨深い。名前は「来る事勿れ」ですが、来訪の価値ありです。
  • 関所の入り口
  • 源義家の像。「吹く風を 勿来の関と思えども 道も背に散る山桜かな」
  • 和泉式部の和歌。いつの時代も女性の感情表現は直球。
  • この実きれいだな。

金曜日, 8月 13, 2010

カフェの小風景

 カフェの店内を見るともなく見ていると、いろんな人が目に入ってきておもしろい。道玄坂のモスの場合、男1女3という変則編成の若者グループを見かけると、だいたいは中国か韓国からの観光客だ。ホットドッグをほおばりつつ、ガイドブックを見ながら次の行き先を相談している。
 長居してワードで書類を作っているビジネスマンもいる。お店がノートパソコンの電源を解放しているのだ(でも、携帯とかDSとかの充電はなぜか禁止)。蛍光ペンを片手に啓蒙書を読んだり、資格の勉強をしている上昇志向ビジネスマンもいる。
 そして最近よく見かけるのは、ある変なお年寄りカップル(たぶん夫婦じゃないと思う)。二人とも金髪で、異様な雰囲気を醸し出している。注文を終えて席に着くと、縫いぐるみの猫(狸かな?)を取り出して、なでながら「xxxちゃん。今日も暑いね。***食べる?」と話しかけたりする。最初はテレビ番組のビックリかと思って、カメラを探してしまった。でもそうではない。他のお客さんもその異様な光景に視線を向けている。しかし、この二人と一匹は気にせず独自の世界で食事を続けている。カフェにはいろいろな人がいる。

土曜日, 8月 07, 2010

恵比寿のアマンディーヌ

 ロサンゼルスに住んでいた頃よく行ったカフェ、アマンディーヌ。以前も書いたように、日本にも何店舗かある。今日は恵比寿にあるお店に行って来た。LA店はカフェのみだが、恵比寿店は一階がカフェで二階がレストラン、それより上階はパーティー会場になっている[Link]。
 ランチメニューの中から、僕はランチプレートのチキンを、妻はキッシュを注文した。ドリンクなしで千円前後なので若干高めだが、値段以上においしい。となりのお客さんが注文していたけど、ボリュームのあるパンケーキが人気メニューだ。ケーキはLA店ほどは種類がなく、あのケーキを期待していたのでちょっとがっかり。LA店とは全く別のお店だと思った方がよい。でも、落ち着いた大人な感じのするいいお店だった。次回はパンケーキに挑戦したい。

火曜日, 8月 03, 2010

もし武田信玄の軍師がドラッカーの『マネジメント』を読んだら

 ビジネス書コーナーに行くと平積みされたドラッカーの本をよく目にした。これは起業家の心得集みたいなものだろうと以前は気にも留めなかった。しかし今年に入ってから、となりに必ずこの「萌え系」の表紙を見るようになった。「もし野球部のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」。タイトルからおおよそ内容の検討がつくがおもしろうそうだ。表紙が表紙だけに買うのを躊躇われたのだが、近所の古本屋で安かったので買って読んでみた。
 もちろん内容は、野球部を更生するためにドラッカーのマネジメントの教えを生かす、というもの。アイデアとしては悪くない。タッチのように野球のシーンはそれとして楽しかったし、ドッラッカー語録を具体例付きで知れたのもよかった。だからこそこれほど売れているのだろう。しかし、話の進み方が予定調和的過ぎて、ちょっとひねりが少なかった。ちなみに萌え系の表紙をとると、ドラッカーのマネジメント・エッセンシャル版に見えるようになっている。
 「人は城、人は石垣、人は堀」と表現していた武田信玄の時代も現代も、いかにして組織をうまく回すかというのは変わらず難しい問題なのだ。


水曜日, 7月 28, 2010

3

 最近は道玄坂のモスによって、アイスコーヒーを飲みつつ考え事をしてから大学に行きます。モスが好きという訳ではないけど、手頃なカフェがないのです。UCLAにいた頃はPeet'sによってからラボに行くのが習慣でした。たった$1.80の、苦くて心地よくてクリエイティブな時間と空間。懐かしい。
 4月からしばらくの間は、家とラボの単純往復の日々でした。しかし、アップアップしていた先月、何かが足りないことに気づきました。それは「家とラボの間にカフェを挟む」ということでした。カフェで過ごす1時間は加速度を生み出します。その間、アンプラグドになり(つまりネットなしで)自分と向き合う時間が生まれ、悩みが悩みではないと気づいたり、解決策が降ってきたりことが多々あります。
 家―ラボの2よりも、家―カフェ―ラボの3の方が僕は生産的になれるようです。2と3は大きく違います。天下三分の計も、クラスター係数の最小単位も、三項随伴性もみんな3です(詭弁ですかね...)。3は創造の源なのかもしれません。

日曜日, 7月 25, 2010

トウモコロシ?

 夏と言えば僕の好物トウモロコシ。小さい頃はちゃんと言えずにトウモコロシとよく言っていた(となりのトトロのメイも言ってた)。
 全米で話題になった「キングコーン」というDVDを見た。アメリカ人の髪の毛に含まれる炭素を調べると、そのかなりの部分が実はトウモロコシに由来する、という怖い事実からこのドキュメンタリーは始まる。別にアメリカ人がトウモロコシばかりを食べているからという訳ではない。
 トウモロコシは姿や形をかえて私たちの口に到達する。例えば、牛の飼料として使われ、その肉がハンバーガーやステーキなどの食肉になる。あるいは甘味料として炭酸飲料に使われる。毎日口にするほとんどの炭水化物のおおもとにトウモロコシがある。また、トウモロコシはバイオ燃料としても注目されるなど、われわれが野菜として食べる以外にも、経済や環境に大きな影響を与える。
 とても考えさせられる作品だ。日本語版のDVD特典にあった監督へのインタビューのコメントが示唆に富むものでよかった。


日曜日, 7月 18, 2010

伊豆のおもひで2010

 伊豆を旅するのはこれで三度目。前回は二回とも東伊豆だったので、今回はレンタカーを借りて、西伊豆から南伊豆を回ってきた。あいにくのお天気だったけど、ひどい雨には降られなかったのは幸いだった。伊豆には山も海もおいしい食べ物もあって、何度行っても楽しい。
※堂ヶ島の写真を追加しました (2010.7.21)。
  • 初日に泊まったホテル星のなぎさ。各部屋に露天風呂が付いている。そこからの眺め。
  • 洋風な夕食はおいしかった。
  • 堂ヶ島の観光フェリーから獲った天窓の洞窟。きれい。
  • 南伊豆から修善寺に向かう途中、旧天城トンネルを通った。何かが出そうな雰囲気。何度撮っても写真がぶれてしまった。もしかして...。
  • 天城の道の駅のすぐそばにある浄蓮の滝。この日の水量が多かったので、迫力があった。下まで降りると真夏でもひんやりと涼しく、わさび田が見れる。
  • 修善寺。空海が創建した当時は真言宗、現在は曹洞宗の寺だそうだ。
  • 修善寺の近くの和カフェ一石庵。冷たい抹茶と和菓子がおいしゅうございました。

最後に沼津であじの干物をお土産に買ってから帰宅。あじの干物うまい!
久しぶりにゆっくりとした時間を過ごしました。

月曜日, 7月 12, 2010

パンを焼く

 貯まったエコポイントで妻のほしがっていたホームベーカリーを購入した。最近、自宅でパンを焼くのがはやっているらしく、ヨドバシ秋葉原店のホームベーカリー売り場には、夫婦で見に来ている人が大勢いた。価格は性能に応じてピンキリで、パン生地を捏ねて焼くだけのものなら7000円程度で、もうちょっと良いのになると1万5千円ぐらい。お餅がつくれたり、蒸しパンが作れたり、となると2万円を超える。結局、パンを焼く以外には使わないだろうということで、評判のよかったパナソニック製の一番安い機種にした(下のやつ)。
 そしてさっそくパンを焼いてもらったけど、とてもうまい!今まで食べてた食パンは何だったのかと思ってしまう。焼きたてのパンは何もつけなくても、ほんのりと甘く香りがよい。約4時間ほどでおいしい食パンが一斤できる。思ったよりも音は静か。アレンジ次第では、食パン以外にもいろいろなパンができる。これは良い買い物をした。



火曜日, 7月 06, 2010

アジサイWay

 アジサイを見に井の頭線に乗って散歩をして来ました。しかし時期既に遅く、アジサイの見頃は過ぎていました。もう一週間早ければ、紫やピンクに包まれながら吉祥寺から渋谷までの区間を楽しめたのに。がっかりして駒場東大前で下車してキャンパス内を歩いていたら、やっときれいなアジサイを見ることができました。

 それから、正門まえの花壇にはきれなバラがたくさん咲いていました。いつもは脇道からラボに行くので、こんなところにバラの花壇が
あるなんて知らなかった。

 キャンパスの裏門からでて、松濤を抜け、渋谷の素敵なカフェ「マメヒコ」へ(U野さんに教えてもらいました)。ここの珈琲は深入りでおいしいです。下はアイスコーヒー。デザートには、僕はバニラアイス、妻はレアチーズケーキをいただきました。これもおいしい!

 久々の休日らしい休日でした。ウィークデーは鬼のように働き、ウィークエンドは王様のように遊ぶ。めりはりは大事ですな。

土曜日, 7月 03, 2010

書く

 7月になりました。先月のカレンダーを見てみるとビッチリと予定が詰まっていて、なるほど圧迫感があったわけです。そのほとんどは、論文、翻訳、原稿と「書く」に関するものでした。
 論文は投稿までこぎつけたものの、先日、不採用の結果が来たので、また書き直して別のジャーナルの投稿しなくてはなりません。結果的にNatureScienceに振られてしまったけど、準備の過程で自分の主張を批判的に検討できたので、結果として内容は洗練されたと思います。ジェレドも内容を評価してくれたので心強い(同時にデータの少なさも指摘された。これはどうしようもないorz)。彼はチャックの親友で、「銃・病原菌・鉄」の著者(Natureのゲストエディタでもある)。先日のCSD10の発表でも「fascinating!」と言う声が上がった。さて次が本番。満足のいく論文に仕上げて投稿したい。
 ご縁があって、翻訳と原稿の執筆もしていました。いや、まだしています(汗)。自分が「書く」立場になってみると、本屋や図書館に行くのがつらくなります。名訳と迷訳、名作と迷作を目の当たりにすると、自分の表現は他の人にはどう映るのだろうか?と気になるのです。どんな形であれ、自分の表現が書店に並ぶのはやはりうれしいこと。このピンチとチャンスの混合体を逃げずに受け止めて、自分++の糧にしたい。





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日曜日, 6月 27, 2010

coffee amp.

 高円寺を散歩していたら素敵なカフェを発見した。いつもならば迷わず七つ森なのだが、新しいお店を開拓しようと思い、新高円寺方面にもう少し歩いた。見つけたお店はcoffee amp. [Link] 店内には珈琲豆を焙煎する機械が置いてあって(これ)、ここで自家焙煎をしている。ちなみにこの機械、普通に買うと200万円はするそうだ。
 置いている珈琲豆の種類は、ケニア、ルワンダ、ガテマラ、マンデリン、ブラジル、ハウスブレンド。ちょっと豆は高いけど、店内でいただくぶんにはまあまあのお値段。今日はとても暑かったのでさすがにホットは飲まなかった。僕はアイスカフェオレ、妻はアイスメイプルラテとチョコケーキをいただいた。うん、合格。店内は広くないが、雰囲気は良い。またお気に入りが一つ増えた。


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木曜日, 6月 24, 2010

告白

 妻が面白いと言っていた湊かなえの「告白」を読んだ。女性教師が学生を前にした告白「○○は死にました。しかし事故ではありません。...」(1章)が衝撃的で、続きを読まないという選択肢はあっという間に消えた。話の構成もテンポもいい小説だ(ネタバレになるので詳しくは書きません)。誰もがもつ陰の部分がオブラートに包むことなく吐露されていたり、あっさりと人の命が消えてしまったり。ちょっとこわくなる。そして後味の悪さもまたこの小説の特徴だ。主演が松たか子で映画化されているので、こちらも見てみたい [Link]。



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金曜日, 6月 18, 2010

Twitterという耳

 僕がTwitterを利用し始めたのは昨年の暮れで、ラスベガスに向けて出発する時の掛声が初ツイートだったと思う。最初は意味もよくわからず、あれやこれやとつぶやいてみた。たわいもない日常のこと(珈琲なう、とか)、自身への掛声(がんばるぞ、とか)、ネットサーフィンで見つけた情報(Natureの記事のリツイートとか)、よく知りもしない借りて来た言葉(我思う故にほにゃらら、とか)。ゆるいオンラインコミュニケーションという独特の文化にのめりこんだ。と同時に、発言の一挙手一投足が記録され、発信されることへの不安もあった。
 最近改めて気づいたのは、Twitterは第二の耳だということだ。自分がつぶやかなくても、いつも誰か情報の雲の中でつぶやいている。その中には新鮮なネタや極上の言葉があったりする。新しいものへの脊髄反射的な忌避はよくない。Twitterとはさみは使いようだ。英語の勉強にだってなる。謎の外人にフォローされるようになりますが...。


火曜日, 6月 15, 2010

今頃僕は...

 去年の今頃、僕は夢中で研究をしていた。新しい研究はまだどう進めていいかわからず、前の研究室でやりのこした宿題も山のようにあった(今も抱えていますが...)。でもそんな状況も楽しみながら過ごしていた。今にして思えば、カリフォルニアそしてUCLAの環境はすばらしかった。新しいことに挑戦しようという意欲がどんどん湧いた。
 帰国して二ヶ月以上が過ぎた。自分でも飲み込めない複雑な状況に、なかなか研究のペースが確立できないでいる。4月、5月と国際会議や研究会などを入れすぎたのもまずかった(来週もあるのだが...)。6月は特にひどい。多分、虫の居所が悪いのは、コントロールできないものや状況に翻弄されているからなのだ。「チャンスは準備された心に降り立つ。」ならば備えなければならない。そして、事業仕分けも必要だ。なんでもかんでもはできない。あれは廃止、これは縮小。やりたいことのど真ん中を射抜く。写真はUCLA最後の日に撮った写真。

金曜日, 6月 11, 2010

iPad, 私板

 iPadを手に入れた。ニューヨークのアップルストアで一度触っているので、これが初めてではないが、暇さえあると(暇でなくても)ついつい触りたくなってしまう代物だ。純正のiPadケースも買ったけど、つけない裸のままの方が美しい。でかいiPhoneとか、携帯とノートパソコンの中間とか、いろんな風に言われているけど、どれも的を射てないんじゃないかな。中身は確かにMacだけど、この大きな平たい画面(ここがポイント)をタッチすることで、直感的にデジタルデータに触ることができるインターフェイスは、やはり画期的だ。すべて既存の技術で出来ることとはいえ、ここまでの完成度はさすがApple。
 今は、もっぱら論文やKindle本を読むために使っている。大量の研究資料を持ち運べて、どこでも読めるのはうれしい。もうPDFは印刷しなくても、十分、iPadで読める。紙代とインク代がかからいのはエコかな。電気代がかかるので、実際の所はどうなのか分からないけど。iPhone 4Gの気になるニュースも出ているが、こちらはしばらく様子を見てから。りんごを一口かじると、お金がかかる。

土曜日, 6月 05, 2010

合羽橋道具街

 東京での新生活。素敵なキッチン道具や食器一式をリーズナブルに揃えたい。そんなとき、あなたならどのお店を選びますか。IKEAニトリ無印?それとも、ベルメゾンの通販?実は、合羽橋(かっぱばし)道具街が意外な穴場です。業者さんが商売道具を調達する道具街として有名ですが、それだけではありません。一般家庭で使うキッチン道具や食器も豊富にあって、カフェで使われているようなテーブルやカップなども手に入ります。中には半額以下の格安で売られている商品もあったりします。
 このあたりを散策すると、スカイツリーが見えたり、合羽橋珈琲という素敵なカフェ(コーヒー、紅茶、ケーキ、いずれもおいしい。雰囲気も良し。値段もまあまあ。)があったり、なかなか楽しいです。1つ注意しなくてはいけないのは、営業時間が9時〜5時なのと、日曜はほぼすべてが閉店ということです。合羽橋道具街の散策、お勧めです。


日曜日, 5月 30, 2010

英語力

 中学からずっと英語を勉強し、アメリカに留学までしたのだが、自分が思うような英語力はなかなか身に付かない。英語で議論をしていて、自分の考えが間違っているからではなく、英語力がないために議論に負けてしまうことも少なくない。そして、とても悔しい思いをする。英語で考え、適切な単語と構文を選択し、切れ味の良い文を生み出す、そんな生きた英語力が欲しい。
 僕の経験から言うと、受け身的に単語帳を眺めたり英会話を聞いたりするよりも、英語で日記を書いたり英作文する(特に、高校の英作文の問題集を片っ端からやった)など、能動的に英語で表現する経験をした方が、上達の度合いは大きかった。最近さぼっているが、Natureのホームページに載っているアブストラクトを翻訳するというのも勉強になる(Nature Asiaに登録すると、アブストラクトの翻訳と原文が対比して読める)。最新の科学的話題も勉強できるし、わかりやすい研究要旨の書き方も学べて、一石三鳥。もっとこれらを計画的に継続しないと駄目なのかもしれない。自分で書いた英文をチェックするのには、Googleの検索が役に立つ。Googleとはさみは使いようだ。

水曜日, 5月 26, 2010

イマココ

 「今、ここ、私」というのは、人間とは何か?を議論をするときには必ず出てくるキーワードだ。哲学でこれをやると深刻で、夜も眠れなくなるし、食べるラー油(下)をかけたご飯もおいしく食べられなくなる。しかし、「イマココ: 渡り鳥からグーグル・アースまで、空間認知の科学」が扱っているのは、そうした哲学的な問題ではなく、空間認知という科学的な観点から「今、ここ、私」を考えるということだ(私については明示的には入ってないけど)。
 トピックは多岐にわたる。まず、昆虫や動物がどのような認知能力を使って、エサや巣への道を見つけたり、迷子にならずにすんでいるかなどの事例がたくさん紹介されている(このパートが冗長な気がするが)。その後、トピックは人間の空間認知に移り、家や都市の実空間の設計特徴とそれに関係する心理学、さらにはインターネットのバーチャルな空間や自然環境、未来にまで話は及ぶ。最後に、「アーキテクチャの生態系: 情報環境はいかに設計されてきたか」の著者、濱野智史さんが情報空間のアーキテクチャについてわかりやすい補論を寄せている。
 ところどころ訳が読みにくいのが残念だが、盛りだくさんと意味ではお得な本だ。目次は以下の通り。

イントロダクション

パート1 アリがショッピングモールで迷子にならないわけ
第1章 ターゲットを見つける
第2章 ランドマークを探す
第3章 ルートを探す
第4章 世界に埋め込まれた地図
第5章 ネズミの頭の中の地図
第6章 ヒトの頭の中の(混乱した)地図

パート2 空間をつくるヒト、ヒトをつくる空間
第7章 家の中の空間
第8章 働く空間/働きかける空間(ワークスペース)
第9章 都市空間
第10章 サイバースペース
第11章 自然空間
第12章 空間の未来



土曜日, 5月 15, 2010

NetSci2010

 ネットワーク科学の国際会議NetSci2010のためボストンにあるMITメディアラボに来ている(下の写真。建物はデザインと機能性が両立していて素敵)。先月のEVOLANG8に引き続き、今回もポスター発表。気合いを入れて望んだが思ったほど観客は来なかった。それでも、M田さん、I庭さん、S山さんに研究を紹介できたのは良かった。
 この学会の面白い所でもあり難しい所でもあるのは、「ネットワークを使う」というところ(道具)は皆同じなのだが、見ている対象やモティベーション、背景知識がそれぞれ違うので、にわかには話が通じないということ。Facebookやタンパク質の相互作用などの大規模データの解析をしている人、ランダムネットワークの数学やシグナル伝達のシミュレーション研究をしている人、などなど。これらの垣根を超える心構えがないといけない。
 バラバシに挨拶したときに聞いたのだが、彼の新作「Bursts」は既に翻訳が決まっているらしい。Linked(邦訳は新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
)に引き続き、また売れるんだろうな。

月曜日, 5月 10, 2010

緑道散歩

 風が心地よい新緑の5月。日本では一番過ごしやすい時期ではないだろうか。今日は高円寺から緑道を通って中野の図書館へ。あれやこれやといそがしいときこそ、こんな風にゆっくりとした時間を過ごしたい。「いそがしい」を口癖にしたくないですね。
  • この奥に高円寺がある。いいことがありますように。チャリン、チャリン(20円)。
  • この季節はツツジがきれい。ピンクらしいピンク。
  • 緑道を歩いていると、思いがけずにゃんこに出会う。「ハッ!」
  • 図書館の中には勉強熱心な猫が。見習うべし。