土曜日, 1月 23, 2010

アメリカで研究すること

 石井裕さん(MITメディアラボの副所長)が「米国MITの独創・協創・競創の風土」と題して、若手研究者に向けた書いた文章がとても良かった [Link]。アメリカでの研究の雰囲気を感じることができる。MITメディアラボと言えば世界屈指の学際的研究所。そこでどのようにして独創的な研究を生み出し、テニュアの職を手にいれたのか、自身の経験談がいきいきと書かれている。僕がぐっときたのはこの言葉。
独創的なアイデアは決して真空からは生まれることはない。既存のアイディアや知識を、新しい視点から組み合わせることにより、新しいアイデアは生まれる。単なる既存知識の翻訳に終わらずに、クオリティの高いアイデアを一貫して生み続けるには、技術と人間に関する自分なりの視座を確立し、それをベースに本質的な問いを発することが重要になる。
 独創的なことをやってのけた人だからこその説得力がある(注:「独創性が大事だ」、「最近の若者は独創性が足らん!」と喝破している先生自身やその先生の研究はさほど独創的でないことが多々ある。)アメリカで研究している研究者のほとんどは、「独創的な研究をして、絶対一発当ててやる」と思いながら熾烈な競争をしている。時々悲鳴を上げそうになるが、この熱に触れることがアメリカで研究することの1つの意義かもしれない。

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