水曜日, 2月 23, 2011

行動のゆらぎとその機能的意義

 ラボの論文紹介で「Performance variability enables adaptive plasticity ‘crystallized’ adult song」(パフォーマンスのゆらぎは結晶化した大人のさえずりの適応的可塑性を可能にする)を紹介した。以前読んだのだが、今書いている論文の参考文献に引いていることもあり、再度読み直してみた。
 鳥はさえずり(歌)を学習しそれを”結晶化する”(ある一定の構造になり、そこから変わらない)のだが、そのような大人の固い歌にもわずかではあるがゆらぎがある。そのような行動のゆらぎは、単にモーターが制御しきれないから存在しているだけなのか、それとも何か機能的な意義があるのだろうか?後者の可能性を実験的に調べたのがこの論文である。
 ゆらぎでふらふらしているということは、逆に言うと試行錯誤的に探索できるということである。それを上手に利用できれば、より良い行動に変化することができる。この論文で示したことは、簡単に言うとそういうことだ。これもまた行動実験としては良い論文だ(前はこれを紹介した)。

金曜日, 2月 18, 2011

MacBook Airの入院

 昨晩、論文を書いている最中に「バキッ」という音がして、MacBook Air(愛称はShannon)のヒンジが壊れて蓋が180度開いてしまう状態になってしまった。修理に出せば時間もかかるし、費用も見当がつかない。セミナー発表を控えてえらいことになった...orz いっそのこと新しいAirを買ってしまおうかと思ったが、今夏に大刷新されたモデルが出るとの噂もあるので、今買うのはためらわれる [Link]。
 うーんと頭を抱えていたところ、妻がインターネットで調べて、初代MacBook Airで同様の故障が多発しているらしいという情報をゲットした。確かに、僕と同じような症状の書き込みがあちこちで見つかる。そしてAppleのホームページで、ヒンジの故障については無償で修理するということがわかった [Link]。
 これ幸いとさっそく今日、渋谷のリンゴ直販所(アップルストア)に持っていって修理を依頼してきた。見積額は58,550円!!しかし、この件に関しては無償でやってくれるそうだ。昨年の春にはMac Proの電源が破裂するという事態があったが、この時もAppleはただで直してくれた。3年ぐらい経つとあちこちがたがくるなあ。今回は1週間ぐらいでなおるそうだ。

日曜日, 2月 13, 2011

バレンタインイブ

 高円寺のお気に入りのカフェを2つはしごし、妻のおごりでバレンタインごちになった。ランチはバーボンタコスカフェで、僕はツナ・タコライス、妻はタコスのセットを注文した。ツナ、サルサ、アボカド、レタス、玄米、これらがいい塩梅に混ざり合って味も食感も絶妙。フレッシュジュースは絞り立てで、特にパインがおいしい。
 デザートはこの近くのcoffee amp.以前ブログで紹介したお店)で僕は珈琲とバナナケーキ、妻はカフェラテとアフォガードをいただいた。こちらもおいしい!高円寺はたくさんカフェがあるのがいいですね。久しぶりにゆったりとした日曜の午後を過ごしたのでした。


金曜日, 2月 11, 2011

対称性

 目下、「リズム」に関する論文を書いている。ドラフトは一通り書けたのだが、全然満足のいくできではない。まだ説明不足や過多が目立つ。また、内容的にパターンや規則に関する豊かな表現が必要になるのだが、僕のお粗末な英語だとどうしても単調になってしまう。
 どうしたものかと悩んでいる時、書棚から引っ張りだしてきた本にヒントが詰まっていた。UCLA Storeのセールで買った「Symmetry: The Ordering Principle」という本だ。「対称性」について書かれた12ドルの薄い本だが、そこで使われている表現や構成がとてもシンプルで美しい。内容もまた良い。美しいものを説明するのだから文章もまた美しくありたい。確か邦訳もあったと思うが英語版をお勧めする。
 ちなみに、物理学者は「対称性」と聞くとハアハアする。なぜなら「対称性あるところに保存則あり」と学校で習うからだ。例えば、運動量保存則は空間の並進対称性と、エネルギー保存則は時間の並進対称性と関係している。話は変わるが、香椎由宇は1万人に1人の奇跡の「左右対称顔」だそうな。あらゆる美しさの根源に対称性がある。

土曜日, 2月 05, 2011

残り2ヶ月

 学振研究員の期間も残り2ヶ月を切った。この間にやらなければならないことは山のようにある。ここまでピンチだと、もはや笑うしかない。GTDの第一歩として、まず懸念事項を書き出してみる。
  • (最低でも)論文2本:一本は共著者のところで止まっている。もう一本は今書いているところ。
  • 言語進化の本の原稿:そろそろ執筆を開始しないとやばい。しかし、どうせ書くからには内容の濃い面白いものを書きたい(今回は思想地図βのように自由には書けないだろうな。一応、論文集だし。)。
  • 社会的知能発生学研究会の発表:若手外部講師を引き受けることになった。発表時間はたっぷり3時間で、複雑系と言語進化とからめて研究の話をして下さいとのこと。しっかり準備をしないと。
 この他にも、pingpongのデータ解析、国際会議でのポスター発表やラボでのお別れセミナーなどなど。前途多難ですが、すべてこなして、気持ちよく新年度を迎えられるようにしたいものです。