土曜日, 11月 10, 2012

「現れる存在」が発売されました

 翻訳のプロジェクトが立ち上がったのが2009年。確か僕がUCLAに行く前だった。そして、担当した9章の下訳を仕上げたのがその年の夏で、夕食後、書斎で毎日2時間ぐらいずつ翻訳の作業したのを覚えている。(むちゃくちゃ大変だった...)そして、2010年の春から夏にかけて、プロジェクトのメンバーが集まって、時にはSkypeで、議論しながら互いの訳をチェックした。2010年の夏合宿でも議論が行われた。本の内容の難しさから、翻訳の作業は困難を極め、一時は本当に出版にまでこぎ着けるのか不安になった。
 2011年3月に、著者のアンディー・クラーク氏が来日し、東大駒場キャンパスで講演を行った。(残念ながら僕は参加できなかった)しかも、あの大地震の当日にだ。そのときの講演と議論が、この本の付録として収録されいる。そして、池上さんの素晴らしい解説も収録されている。
 最終的に、先輩の森本さんと師匠の池上さんが大変な監訳作業を成し遂げ、この「現れる存在」がようやく完成した。東京の書店にはもう並んでいると思う。
 身体性認知科学を志す人はにはぜひ読んでほしい本だ。内容は決して優しくないが、研究のヒントが詰まったとても良い本だと思う。僕自身、翻訳を通じて多くのことを勉強させてもらった。



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