木曜日, 12月 12, 2013

ジャーナルクラブ

 研究室ではジャーナルクラブ(論文紹介)と勉強会をしっかりやろうと思っている。ユニークな研究をするためには、手を動かして作業をするだけでなく、先行研究や関連研究を時間をかけてフォローし、基礎を身につけておく必要がある。
 今回は僕が、複雑ネットワークの古典ともいえるWattsとStrogatzのNature1998を紹介した。この論文は何度読んでも素晴らしい。大変ではあるが、熟読して発表資料を作ると理解がうんと進む。
 マスターピースを片っ端から熟読しよう。

 

月曜日, 12月 09, 2013

いい質問とは

 学会や研究会、セミナーやゼミに参加して毎度思うのが、「いい質問やコメントをするのは難しい」ということだ。ある意味、発表よりも質問の方が何倍も難しい。
 出身研究室の文化が染み付いているせいか、相手に間違いがあれば遠慮なく指摘する、自分の正しいと信じることは遠慮なく意見する、ということを僕は当たり前としてきた。相手が先生であれ、学生であれ。こういう質疑応答の中で理解が深く正確になり、参加者全体に利すると。
 ところが、分野が違うと必ずしもこれがよいやり方とは限らないようだ。先日見かけたこのツイートが端的にそれを表現している。[Link]
 日本でイノベーションとかが生まれにくいとされるのは、色んなアイディアの粗やリスクを過剰に指摘して「こんな細かなことに気がついて指摘できる頭のいいオレ」をアピールしたがるお利口さんたちのせいかもしれない
確かに工学や芸術など「創る系」の分野では正しければいいというわけでなく、アイディアの多様性が大事だし、少々の矛盾を抱えつつも現実世界にモノを実装せねばならない。そんな人に向かって重箱の隅をつつくようなことを言って、やる気をそぐのは野暮というもの。そんな考え方にも一理ある。
 発表のプラスとマイナスの両面を見た上で一言もの申す、それができるのが理想だろう。

月曜日, 12月 02, 2013

正の螺旋スイッチ

 毎年言っている気がするが、今年も残すところわずかとなった。ここ数ヶ月、あまり進歩感を感じられない日々を過ごしてしまったので、正直焦りを感じる。周囲には着実に成果を上げている人がいるというのに...。
 しかし、人と比べても仕方ない。それよりも、眼前の事に我を忘れて夢中になることができていない今の自分の問題。研究するにしろ、雑用するにしろ。文字通りハングリーだった昔の、「自分の中に入って行く」ような研ぎすまされた感覚と、枯れない泉のようなやる気。これらを取り戻すことが大事。
 そうすれば、正のスパイラル(螺旋)・スイッチは自ずと入る、はず。

金曜日, 11月 22, 2013

初講義

 名大での初めての講義を終えた。「複雑系科学特論」という大学院の授業で、各講座の先生がリレー式で講義をする。僕は「生物と社会に見られる自己組織化」という題目で2週にわたって講義をした。必修科目でないため受講生が少なかったのは残念だったが、楽しく講義ができた。来年度も同講義を担当するので、さらに内容に磨きをかけたい。
 それから余談ですが、本日、分担執筆を担当した「行動生物学事典」が発売されました。執筆者とはいえ本はもらえないので、まだ現物を手にしていませんが。

日曜日, 11月 10, 2013

ラボ

 研究室ができて2年目。現在一緒に研究している学生は、修士が1名、学部生(来年、笹原研所属)が1名。2人ともTwitterのデータを使った研究をしている。
 自分の過去を振り返ってみると、大学院の研究経験は人生最大の宝物だ。多様な才能を持つ個性的な同僚や先輩、後輩たちと切磋琢磨した。そして1つのことに時間を忘れて没頭できる貴重な時間だった。学生たちにはそんな経験をして、世の中に羽ばたいてほしい。
 これから長い教員生活、いろんな学生に出会うと思う。一を聞いて十を知る切れ者もいれば、いまいち要領の悪い学生もいるだろう。しかし、それぞれに持ち味がある。ここは研究者だけでなく、社会で活躍する人材を育てる場でもある。どんな個性的な人物がやってきて成長し、巣立っていくのか楽しみだ。

月曜日, 11月 04, 2013

Kindleゲット

 出張のたびにMacbook AirとiPad miniとiPhoneを持ち運んでいたが、何か余分だと感じていた。ダブっている機能がかなりあるのだ。
 特にiPhoneとiPadはほぼ同じことができて、違うのは画面の大きさぐらい。iPadの方が画面が大きくて、飛行機やホテルで資料を読むのに便利かなと思って携帯していた。でも、明るいiPadの画面をずっと見ているのは辛い。
 読書専用のデバイスとして、新しいKindle Paperwhiteを購入した。これができることはただ1つ。電子図書の閲覧だけ。Emailもインターネットもできない。でも、それがいい。無意味にネットしたり、Emailを書いたりできないので、帰って読書に集中できる。そして、Eインクの奇麗さは紙の本に匹敵する。これからはiPadの替わりにKindleを携帯する機会が増えそう。
 ちなみに、画面が小さいので論文のPDFを読むのは厳しい。PDFをKindle用に変換することもできるが、図や複雑なレイアウトがあると無茶苦茶になってしまう。

 

木曜日, 10月 24, 2013

テネシー

 「動物の発声系列の解析」に関する研究会に参加するためにテネシーに来ている。国際線から国内線の乗り継ぎに失敗したり、何かの手違いで帰りの便がキャンセルされたりと出だしはずっこけたが、研究会は楽しかった。
 このテーマに関係する約40名ほどの生物系と数理系の研究者が一堂に会した。単に発表を聞いて質疑応答するだけでなく、テーマごとにグループに分かれて議論し、最終的には参加者全員で1つの論文に仕上げる。
 正直、グループ作業についていけるか不安だったけど、自分が好きなことなので自然と「発言したい」と気持ちが湧いてきた。大御所、若手、院生が協力して1つの作業をするのはとても楽しかった。そして、大御所の先生の豊富な見識と見事な議論、衰えない知的探究心としたたかな交渉術を目の当たりにした。
 今月は研究費の申請や研究発表の準備などでいっぱいいっぱいで、とても海外出張に行きたい気分ではなかったけど、本当に来て良かった。

月曜日, 10月 14, 2013

エリートの基本

 近所の本屋さんでたまたま手に取った本が面白そうだったので買った。ゴールドマン・サックス、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ハーバード・ビジネススクールでのキャリアで共通する基本、それは次の4つに分類されると書かれている。
  1. 人との「つながり」を大切にする
  2. 「自分」磨きを一生継続する
  3. 「日々の成果出し」に強くこだわる
  4. 「世界的な視野」を常に意識する
 本書では、これらの4つに関する48のポイントがまとめられている。研究者には直接当てはまらないこともあるが、たいていのものは「なるほど出来る人は違うな」と感心する。
 例えば、「名前を覚えることは人間関係の基本」、「斬新な思いつきよりも骨太な意見」、「会議で発言しないのは欠席と同じ」など。当たり前と言えば当たり前だが、これらを常に意識して行動できる人がどれだけいることか。
 明日からまた怒濤のような日々が始まる。忙しい時こそ、こうした基本に立ち返るべき。

 

金曜日, 10月 11, 2013

やられたらやり返す

 帰ってきた論文の査読結果は惨憺たるものだった。ワディントン・ランドスケープは発達の理論的探求にとって大事な概念で、iPS細胞が世に出て、ますますその考え方の重要性は増している。
 ところが3人の査読者のコメントは、「これに関する記述は無意味などころか混乱を生む」というものだった。さらには「内容がテクニカル過ぎる」とか「標準的な用語を使え」とか。あぁ、生物学とはかくも保守的な分野なのか。
 理論生物学の雑誌に再投稿した方が良さげだが、「大幅に書き直して再投稿すれば、見てやらないでもない」的なことが書かれていて、このまま引き下がるのもしゃくなので、解析を完璧にやり直して、査読者のコメントに全部答えてやる。それで落ちたらそれまで。
やられたらやり返す。倍返しだ。

土曜日, 9月 28, 2013

作文の秋

 間もなく10月。実りの秋ではあるが、大学の先生にとっては作文の秋でもある。科研費の申請書の〆切があるからだ。これが当たるのと当たらないのでは、来年度の研究費の額が天と地ほどの差がある。
 僕は若手Bが来年度まであるので個人的には出さないが、別の科研費の分担研究者のお誘いを受けているで、そちらの申請書作成には何らかの形で関わることになる。
 科研費は出さないが、民間の研究助成を1つ出すことにした。1週間ぐらいかけて、研究助成の申請書を書き終えた。なかなか辛い作業だが、頭が整理されるのはよい。来年度から修士の学生が研究室に来るので絶対に当てたいところ。彼が大学院を卒業する時、大きな実を結ぶように。

 

日曜日, 9月 22, 2013

ゴールド

 初めてゴールドカードを手にした。といっても、年会費無料の名古屋大学カードというやつ。名大の卒業生と職員は加入することができて、このカードで買い物をするといくらか名大同窓会に還元されるらしい。
 財布の肥やしと化しているたくさんのキャッシュカードやクレジットカードを、整理してすっきりさせたい。その一環として、自分のクレジットはこれに一枚に集約することにした。無料とはいってもゴールドなので、付帯保険の額が大きかったり、空港のラウンジが使えたりと、使い勝手は良さそうだ。(ゴールドではなく金メッキだ、という意見もある。)
 何となく嬉しいのだが、「これを使う=お金が減る」ということなのだよな。使うとお金が貯まるカードってないのでしょうか?(あるわけないけど...)

月曜日, 9月 16, 2013

一日前の新聞

 今月から新聞を取り始めた。これまでは、ネットで最新のニュースを見られるのだから(有料のものも増えたが)、時代遅れの紙媒体の新聞など必要ないと思っていた。それも一理ある。しかし、それだと興味のあるニュースだけをつまみ食いして、情報を偏食してしまう。全部の記事に目を通すからこそ得られる知識もある、と最近思い始めた。そして何よりも、新聞も読めない大人は格好わるい。
 というわけで最近は、出勤の電車の中で一日前の中日新聞を読んでいる。(当日の新聞を持って行くとひんしゅくものなので)国内外の時事ネタだけでなく、地元の歴史や何気ない記事が新鮮で面白い。Googleニュースのように、アルゴリズムでランク付けされた記事を読むのとは違った良さがある。
 そういえば大学生の頃、やはり一日前の新聞を読みながら満員の小田急で通学していたことを思い出す。学生寮で取っていた朝日新聞を持ち出していたのだ。寮長にはバレていたと思うが、一日前の新聞なので怒られたことはない。

日曜日, 9月 08, 2013

ECAL2013


 中国東方航空の機内で出るコーヒーはインスタントなので、カターニャ空港でカフェ・アメリカーノ(1.7ユーロ)を飲みながらこの文章を書いている。
 9/1〜9/6まで人工生命の国際会議ECAL2013に参加してきた。ECALに参加するのは実に8年ぶり。今回の開催場所は、イタリアのシチリア島にあるタオルミーナという小さな町で、エトナ山やグランブルーにも登場した海岸のある観光保養地。食べ物は観光地価格で高いが、どこのレストランに入っても美味しい。
 僕は初日のCollective Behaviours and Social Dynamicsというワークショップで発表した。このワークショップの招待講演は勉強になった。本会議の方は、自分の研究の興味からすると期待はずれだった。以前はもっと言語やコミュニケーションのモデル研究があったのだけど。
 来年はALIFE14がニューヨークで開催されるので、何とか研究をまとめて発表したい。

木曜日, 8月 22, 2013

待ち遠しい

 今年は少しの長めのお盆休みをとって、宮城の親戚、東京と福島の実家に行って来た。名古屋も暑いが東京もそれと同じぐらい暑かった。それに比べるとやはり石巻やいわきはだいぶ涼しかった。家族にも親戚にも久々に合えたし、お墓のご先祖様も拝んできた。
 さて、休みは嬉しいのだが一週間以上ラボに行かないと、だんだん大学に行きたくてそわそわしてくる。大学が待ち遠しいなど傍から見れば変だと思われるかもしれないが、やっぱり研究者という仕事が好きだ。名大の環境も。
 休み中研究はしなかったが、とある財団の研究助成の申請書を仕上げた。まだ大学自体は夏休みだが、僕は実りの秋に向けて動き出す。


金曜日, 8月 09, 2013

一休み

 6月末に論文を投稿して以降、遅々として研究が進まない。困った。毎日何やかんやで忙しかったのだけど、一体何をしていたのだろうかとカレンダーを見直してみた。
 大学教員の仕事としては、修士の中間発表や大学院入試があった。研究会の準備や報告書の作成もした。とある研究費の事務局の仕事もした(ている)。そして、ここひと月半で3つの論文の査読を引き受けた。
 なるほど、これでは進まない訳だ。特に、査読依頼が立て続けに来るのは予定していなかった。査読依頼が来るということは、自分の研究が認められてきたということなので、喜ばしいことではあるのだが。
 ここらで一旦休憩して、クールダウンした方が良さそうだ。明日から一週間ほど夏休みをとった。休暇中仕事はしません。たぶん。

日曜日, 8月 04, 2013

DIEで発表

 


 これは有田・鈴木研でやっているDIE(Do it in English)で発表したときの資料。作るのにはそれなに時間がかかった。でも、 1つ1つの発表をおろそかにしない。それが大事。

日曜日, 7月 28, 2013

ソシオ201307

 今月の20日〜21日、2013年度第1回目の社会的知能発生学研究会が名大で開催された。今回は幹事を勤めたので、講師の依頼や会場の準備、懇親会の手配などの仕事をした。
 特に大変だったのが講師の依頼で、みなさん先生方はお忙しいので予定がすでにあって、調整には時間がかかった。(中には「薄謝」という理由で断られたこともある。ものには言い方があるだろうに。)しかし最終的には、話を聞きたいと思っていた、すばらしい先生方に講師を引き受けていただくことができて、議論はいつも以上に白熱した。
 そして、幹事の最後の仕事は報告書の取りまとめ。講演内容は多岐にわたるので、まとめるのにとても苦労した。[Link]

日曜日, 7月 14, 2013

ダウニー

 名古屋には素敵なカフェがたくさんある。以前も紹介したカフェ・ダウニーはカリフォルニアのフードやスイーツが食べられるカフェ。市内に何店舗かあるが、今日は植田店に行ってきた。
 Aランチは、ハンバーガーやサンドイッチなどのメインの他に、スープ、ケーキ、ドリンクがついて1,260 1,360円とお得だ。僕はチーズバーガーとミックスベリータルト、妻はパストラミとクルトンが入ったサラダ、桃のケーキを注文した。かなりお腹いっぱいになる。痩せねばと思いつつ、たまのご褒美ということで胃袋にゴーサイン。
 ちなみにダウニーのトイレにはRalphs(LAに住んでいた時にお世話になったスーパー)のチラシが貼ってある。特売のガロンサイズのコーラが載っているチラシも、日本で見ると立派なアート作品になる。このチラシを見ていると、カリフォルニアに帰りたくてホームシックのような気分になる。また研究で長期滞在する機会もあるだろう。

火曜日, 7月 09, 2013

暑い...

 この殺人的な暑さはいつまで続くのだろうか。ラボでは、先週末までは窓を全開にしてエアコンなしで頑張っていた。しかし、今週のあまりの暑さに仕事にならないので、29℃の温度設定でエアコンを使い始めた。しかし、昨今の電力事情もあり、名大では省エネ対策に取り組んでいて [Link]、日中はこんなメールが頻繁に届く。

東山地区構成員各位
只今、東山地区の電力デマンドは、上限電力値を超過しています。
13:10 15,720kw
このメールが届くと慌ててエアコンを切り、電化製品の使用をできるだけ避けるようにする。酷い時には、登校した直後にこのメールが届くこともある。まだ何もしていない...。
 この暑さが続くようならば、生活のリズムも変えた方がよいかもしれない。朝1時間早く家を出て、1時間早く帰宅するとか。

月曜日, 7月 01, 2013

ピロリ退治

 先月の人間ドックでは特に大きな問題は発見されなかったが、コレステロールが高めなのとピロリ菌が見つかった。コレステロールは普段の食事と運動に気をつけるしかない。一方、ピロリ菌は胃ガンや胃潰瘍など、様々な悪さをするので一刻も早く退治したい。ピロリ菌を除去した場合、胃ガンのリスクは1/3に減るそうだ。
 そこで、人間ドック受けた病院で診察を受け、ピロリ菌を除去する抗生物質を飲み始めた。薬を朝晩の2回、1週間飲み続ける。そして、2ヶ月後、ピロリ菌を除去できたかどうかを検査する。だいたいこれで7~8割は除去できるとのデータがある。
 ピロリ菌除去は保険適応になるので、僕の場合は、初診と一週間分の薬代で1,300円ぐらいだった。ランチ2回分のお値段でピロリ退治できるなら安いものだ。病院でもらったこの冊子がわかりやすかった。[Link]

日曜日, 6月 23, 2013

人は信念と共に若く

 都立大でお世話になった千葉先生の退職記念パーティーに行ってきた。行きはこだま、帰りは夜行バスというしんどい移動だったけど、本当に参加してよかった。
 先生は都立大で学位を取られ、それからずっと都立大一筋で教育と研究に携わってこられた。最後の挨拶の言葉は、今どんな研究をしているかというお話。退職してますます研究に邁進されるのだろう。
 同期のメンバーや先輩方にも久しぶりにあって、酒を飲みながら楽しく語らった。僕が都立大に在籍したのは修士の2年間だけど、本当に密度の濃い、そして生涯の友と出会えた素晴らしい時間だった。直属のボスだった浜津さん、ラボのボスだった広瀬さんにも挨拶し、名古屋でがんばっていることを報告した。
 最後に広瀬さんが紹介していたサミュエル・ウルマンの詩を紹介したい。つまらんことで悩んでいる場合じゃない、要は気持ちの持ちようだと、元気をくれる詩だ。
人は信念と共に若く、疑惑と共に老いる。
人は自信と共に若く、恐怖と共に老いる。
希望ある限り若く、失望と共に老い朽ちる。


土曜日, 6月 15, 2013

Q & A

 ミュージックステーションのB'zの演奏を聞いて確信した。今月のへービーローテーションはこれで決まり。先日発売されたベスト盤(B'z The Best XXV 1999-2012)に収録されているQ&Aは、B'zらしい爽快なロックナンバー。
 このベスト盤には、僕が大学4年生だった1999年からやっと定職を得た2012年までに、B'zが発表したシングル全曲が収められている。自分が病めるときも健やかなる時も、迷える時も悩める時も、これらの曲にどれだけ元気づけられたことか。
 B'zのロックは言わば合法的な麻薬みたいなもの。突き抜ける高音と気持よく歪んだギターで、不安も頭のもやもやも一瞬で吹き飛ばす。  
 さあ、行くぞ。表現は止まらない。
 


日曜日, 6月 09, 2013

密な一週間

 とにかく密な一週間だった。3日は日本進化言語学フォーラムに参加した。大御所Luc Steelsが来るので、もう少し人が来るかと思っていたけど、かなり聴衆は少なかった。「聴衆が少なくてごめんね」という司会の言葉に、「大勢のセミナーも、少人数のセミナーも、僕には等しく重要だ」と言って、手を抜かずに丁寧に発表する姿勢は立派だった。僕はPLoS ONEの内容を言語進化とからめて発表した。
 翌日から7日までは、富山で開催された人工知能学会に参加した。この学会への参加は2回目だが、以前にもまして盛況な感じを受けた。ただ発表件数がものすごく多く、レベルは玉石混交。(石がかなり多め)学生の発表の場という側面もあるのだが、指導教官がちゃんとしているところと、そうでないところの差は歴然としていた。僕が発表したセッションはとにかくTwitterだらけ。でも、Twitterを素材にして、ソーシャルダイナミクスのおもしろい研究している発表は1件もなかった。ここが自分の踏ん張りどころかな。
 学会中、Chuckたちと書いた論文の方法にケチをつけるメールが来たので、それに反論したり(アメリカの某大学の名誉教授らしい)、研究会のやり取りをしたり、プレスリースの文章を書いたり(載らなかったけど)、論文を直したりして、気持ちをなかなか学会に集中できなかった。こんなことではいかんなぁ。

木曜日, 5月 30, 2013

初Nature

 Oferたちとの共同研究の論文がNatureに掲載されました。
D. Lipkind, G. Marcus, D. Bemis, K. Sasahara, J. Nori, M. Takahasi, K. Suzuki, O. Feher, O, P. Ravbar, K. Okanoya, and O. Tchernichovski (2013), Stepwise Acquisition of Vocal Combinatorial Capacity in Songbirds and Human Infants, Nature
 研究の経緯や、一度リジェクトされてから受理に至るまでの経緯はGary Marcusが記事[Link]を書いているので、そちらを参照。とてもうまい記事なんだけど、これを読むとまるで僕ら日本人は何も貢献していないように見える... orz。
 僕が特に貢献した部分はDinaの解析結果の追試。Dinaとは別のやり方でデータを解析して結果がちゃんと一致することを示した。直接論文には載っていない地味な確認作業ですが...。
 研究の重要性と話題性、どちらが欠けてもNatureには載らない。これがPLoS ONEなどのお手軽なオンライン・ジャーナルとは大きく違う点。ずば抜けて良い研究をして、Natureに論文を書くぞ。

水曜日, 5月 29, 2013

金持ちはますます

 これは研究の世界にも当てはまる。研究費をガッツリ獲得する人がチームを組み、論文を大量生産する。(中身はともかく)そして、論文を大量生産したグループはまた高額の研究費を獲得しやすい。当然、逆の負のスパイラルに陥る場合もある。
 研究費の助成期間は通常3〜5年なので(民間は1年のものが多い)、短期間で成果を出すことが求められる。逆に言うと、短期間で結果が出るような研究ばかりになる。
 Natureダイジェストの「スローな科学」という記事がとても印象的だった。太陽の黒点の記録観測400年、ベスビオ山の監視170年、肥料の効果を検証170年、天才児の人生の追跡90年。
「... 彼らはただ、後世の研究者の役に立つだろうと考えて、自分が見たものを忠実に記録していた。」
「こうした姿勢こそが科学の土台になるのです。最終的にどのような結果になるのか、気に病んだりしないのです。」
 こういうスローな科学もお金の問題はつきまとうのだろうが、目先の成果を気に病むのというのとはスケールが違う。現行の研究費のシステムで僕も勝負しなければならないので、短期的成果と中長期的成果の両方を視野に入れて、お金の問題は戦略的に取り組まないといけない。科学的探求のために。

土曜日, 5月 18, 2013

人間犬

 生まれて初めて人間ドックを受けてきた。[Link] 日帰りコースは約4万円(共済の補助を適用後)で、メニューは以下の通り。

  • 基本メニュー(視力検査や血液検査など)
  • 前立腺がん検査
  • CT検査(内臓脂肪)
  • ヘリコバクター・ピロリ菌検査
  • 胃部内視鏡検査 (経鼻)
  • 動脈硬化検査
  • 脳MRI&MRA
  • マルチスライスCT検査(胸部)
  • 精密骨

 朝9時から始まって、待ち時間もあまりなく、検査はテンポよく進んだ。胃の内視鏡検査までは... 。これが辛かった。
 まず鼻に局所麻酔をして、鼻からゼリー状の麻酔を流しこんで喉の所で止め、程よく麻痺してきた頃に、細い胃カメラを入れて検査開始。
 麻酔がかかっているとはいえ、痛気持ち悪い。先生は慣れた手つきでカメラを操作し、モニターを見ながら解説してくれる。でも僕はそれどころではない。「何かあったら言って下さい」と言われたが、喉に麻酔が効き過ぎて声が出ない。ゲップを必死にこらえながら、モニターに写ったピンク色の胃を見ていた。「意外と綺麗だな」と思って見ていたら、先生から一言。「36歳のわりには胃炎がありますね。」... orz。
 しかし、軽度の胃炎以外は特に問題がなかったのは何より。検査でピロリ菌が見つかったら、抗生物質で退治した方が良いそうだ。ええ、退治しますとも。自分の胃にピロピロした奴らが家賃も払わず住んでいるのなんて勘弁ならない。
 二週間後に結果が郵送されて来る。特に問題がなければ、今後の大きな励みになる。
 

 
 

火曜日, 5月 14, 2013

説教おじさん

 へんなおじさんが、大学のスタバにしばしば出没する。浅黒く、スーツを着て、いかにも教授然とした格好でやって来て、突然話しかけてくる。
 先日、とうとう僕も話しかけられてしまった。こんな風に。
お:(僕が読んでいる本を見て)「コミュニケーション学の本ですか。」
僕:(びっくりして)「ええ。ソーシャルメーディアを介したコミュニケーションに興味があるんです。」
お:「コミュニケーションの目的とは何ですか?」
 僕:「... いろいろですね。」
お:「それじゃ何の意味もないな。」
僕:「... そんなことないですよ。」
お:「あなたにとっちゃね。」  
吐き捨てるように最後の言葉残し、一方的に会話を終了させて去っていった。
 このおじさん、学生にもこんな感じで絡んできて、「それじゃ意味が無い」とか「学問をやる資格が無い」だのと言って学生に説教をする。決して名大の教員ではない。掲示板でも話題になっているようだ。[Link]  ニヒリズムの塊みたいなこの御仁は、一体、何がしたいのだろうか。
 ちなみにこのおじさんは、スタバにマイタンブラーを持参してコーヒーを買っている。こんな意地悪にも20円割引は適用される。

水曜日, 5月 01, 2013

論文が出たどー

 PLoS ONEに論文が掲載されました。
K. Sasahara, Y. Hirata, M. Toyoda, M. Kitsuregawa, and K. Aihara, Quantifying Collective Attention from Tweet Stream, PLoS ONE 8(4): e61823, 2012
 研究や論文執筆の苦しさが報われる瞬間です。苦労の度合いで言えば前作の方がはるかに大変でしたが、この論文も泥臭い作業を粘り強くやって出版までこぎつけました。
 今回は、Twitterにおける人々の集合注意(Collective Attention)の創発とその背後にある社会的相互作用について研究しました。学術論文としては珍しいタイプのものだと思います。面白いことは保証しますので、ぜひダウンロードして読んでみて下さい。

月曜日, 4月 29, 2013

名古屋港水族館

 名古屋港水族館に行ってきた。GWということもあって、小さな子どもを連れた家族がたくさん訪れていた。
 この水族館でまず目を引くのがシャチの水槽。シャチを飼育している水族館は全国でも珍しい。ショーの時間になると、4頭の巨大なシャチがジャンプや回転を見せてくれる。「海のギャング」なんて呼ばれているのが信じられないぐらい愛くるしい。1頭はまだ子どもで、現在、名前を募集中だ。
 もう1つの目玉が、イワシのトルネード。ちなみに先日、「たるんだイワシに活を入れるためにマグロを投入した」というのがニュースになっていた。イワシの大群がキラキラと光りながら渦を描くその様子は圧巻。これを見るためだけにでも水族館を訪れる価値がある。実は馬人参方式で、ひもで吊るした餌をあちこちに移動させて、イワシたちを誘導している。
 おまけの楽しみは、水族館の入り口付近にあるえびせん館。いろんなえびせんを試食させてくれるだけでなく、無料のコーヒーまである。とても美味しいのでオススメ。

 

水曜日, 4月 17, 2013

大学教授という仕事

 著者の杉原先生はだまし絵や錯視で有名な数理工学の専門家だ。以前、ソシオの研究会でお会いしたことがある。東大を早期退職され、今は明大で特任教授をされている。
 本書は著者の大学教員としての経験にもとづいて、大学教授という職業がどのようなものかについて、実に率直に書かれている。大学や研究室運営のこと、論文執筆や学会のこと、研究費取得のこと、などなど。しばしばこの手の本には、アカデミック畑の揶揄や若者を扇動する文言が溢れているものがあるが、本書はそれらとは違う。工学系の教授としての経験が1つの見本として淡々と書かれている。
 これから大学教員としての経験を積もうとしている僕にとって参考になった。大学に職を得ようと考えている方は、学生のうちから読んでおくと良いかもしれない。

月曜日, 4月 15, 2013

「いい線行ってるそこそこの研究」を超えて

 2013年度新学期が始まりました。キャンパスには新入生の若いエネルギーが溢れていて、おじさんにはまぶしいくらいです。などと言っているわけにもいかないので、テンションを上げて頑張りたいと思います。
 昨年は着任してからバタバタしていて、研究室のホームページも準備できなかったので、ここ数日でリニューアルしました。笹原研の志望者が増えることを期待しつつ。内容は少しずつ充実させます。ちなみにロゴは妻が作ってくれました。
 今朝、Oferから(厳しいけど)建設的なコメントをもらったので、4年ぐらいかかっているこの論文を完成させなければなりません。(こういうコメントは本当に励みになる)これまでの自分の論文を振り返ってみると、どれも「いい線行ってるそこそこの研究」止まりなので、その壁をぶち破りたい。結果は明白なので、あとは僕の腕しだい。でもすごく難しい... 。
 「いい線行ってるそこそこの研究」を量産しても仕方がない。そこを超えなきゃ。

土曜日, 4月 06, 2013

言語の社会心理学

 この本の要約とレビューの依頼を受けて、四苦八苦しながら原稿を書いた。完成したものはゲンロンサマリーズのメールマガジンで配信される。(4/5(金)に配信されました)
 新書を熟読して要約するなど大学の宿題以来で、人が書いたものを理解して、自分の視点を入れつつまとめるのは骨の折れる作業だ。自分で一から文章を書くのとはまた違った能力が求められる。時々書いた文章の良し悪しが分からなくなることがあるのだが、そんな時は自分の「感覚」を信用するようにしている。
 さてこの本は、対人場面における言語を社会心理学の文脈で分析したもので、コミュニケーションの研究をしている僕にとっては大変興味深い。言語が生物学的な産物であるとともに、社会の産物でもあることを改めて思い知らされる。
 僕は遅筆で、毎度文章を書くときは四苦八苦するのだが、これはこれで論文の執筆とは違った苦しさと楽しさがあった。

月曜日, 4月 01, 2013

3年ぶりの物理学会

 約3年ぶりに物理学会に参加して発表してきた。今回の会場は広島大学。遠いとおいとは聞いていたが、本当に広島大学は遠い。広島駅から最寄り駅の西条までは山陽本線で 約40分、さらにそこからバスで約20分。しかも激混み。
 僕は西条に手頃な宿を見つけたので、自分の発表以外の日は、ホテルから約70分歩いて大学へ通った。ちなみにこの近くには、J-Cafeというカフェと銀亭という定食屋さんがあってなかなか良かった。
 初日の朝一のセッションは座長を務め、次のセッションで最近受理されたTwitterの研究に関する発表をした。自分の研究はあまり物理ぶつりしてないので、会場の反応が気になったが、それなりに好評だったようで、質問も2つ出た。また、都立大時代の同期のK君が発表を聞きに来てくれた。K君は東大で頑張っている。
 さっさと自分の発表は終わってしまったので、その後はK君や都立大でお世話になった先生の発表聞いたり、面白そうな発表をいくつか聞いた。しかし、それ以外は締切が迫った原稿書きに四苦八苦していた。何とか間に合いそうだが、締切を抱えて学会に参加するのはこりごりだ。

月曜日, 3月 25, 2013

研究助成授与式

 先日内定を頂いた堀科学芸術財団の研究助成の授与式と懇親会に参加してきた。研究助成に選ばれた若手研究者と愛知県内の三芸大の学生の芸術展入選者が一同に介しての式展だった。
 今回は29名の研究者が助成対象となり、情報分野が8名、医療分野が14名、エネルギー分野が7名という内訳だった、若手研究者のための助成金なのだが、もらった資料によると僕はすでに年齢的には上のほうで、一番下は博士課程の大学院生、そしてほとんどが30代前半という感じだった。うーん。
 来賓者には名大や名工大の総長、三芸大の学長、前愛知県知事と、そうそうたる方々がいらっしゃって、「若い時にもらう100万円の研究費は、偉くなってからもらう1億円の研究費よりもありがたい」というようなことをおっしゃっていた。確かにそうかもしれない。
 この研究費で大規模計算をするための速いコンピュータを買う予定なので、研究成果を出せるように頑張りたい。


 

木曜日, 3月 14, 2013

二本連続

 今日は自分史上珍しい日となった。まず、朝、メールをチェックしていたら共同研究者からメールが来て、論文がNatureに受理されたとの知らせ。この論文は一度リジェクトされたのだけど、その後、データや考察を大幅に補強して、徹底的にコンセプトをわかりやすくして再投稿したもの。リジェクト後に僕はこのプロジェクトに少し関わることになり、論文に名前を連ねている。まずはめでたい知らせ。
 そして寝る前、やはりメールチェックをしていると、3/11に再投稿した論文がPLoS ONEに受理されたとの知らせ。こちらは僕の研究。それにしても3日で結果が帰ってくるとは早い。問題だった査読者も今回は文句がないようだ。
 ということで、1日で2本の論文が受理された。そんなこともあるんだね。出版されたらまた告知します。

  • D. Lipkind et al. Stepwise Acquisition of Vocal Combinatorial Capacity in Songbirds and Human Infants, Nature (accepted)
  • K. Sasahara, Y. Hirata, M. Toyoda, M. Kitsuregawa, and K. Aihara, Quantifying Collective Attention from Tweet Stream, PLoS ONE (accepted)




日曜日, 3月 10, 2013

コンコンコンとぎゃぁーぎゃぁー

 議論とフィールドワークをするため、カリフォルニア州アマドール郡に来ている。LAから車を飛ばして7時間ぐらいかかった。僕が論文で解析したオオムジツグミモドキ(California Thrasher)のさえずりはここで録音されたものだ。
 着いてすぐ打ち合わせをして、その後、ボルケーノのUnion Innのバーで夕食をとった。雰囲気も食事も相変わらず素晴らしくて、僕の中では10本の指に入るぐらいのお気に入り。次回は妻も連れてこよう。ちなみに、ボルケーノという地名は火山とは一切関係なく、「火山の底」みたいな地形だからという理由でついたらしい。そして、Union Innはゴールドラッシュの頃に建てられたそうだ。興味深い。
僕、Martinと奥さんのDalian、UCLA院生のカイ(Martinの自宅にて)
今日は朝からMartinの家の近くの調査地に行き、新しい録音システムを見学して、後は一人でフィールドワークに出かけた。このために購入したレコーダ(LS-14)の操作を覚えつつ、いくつかさえずりを録音した。なかなかMartinのようにきれいな録音ができない。機材の性能だけでなく、腕と経験がモノを言うのだろう。でも、LS-14は使い勝手は良い。
 明日は早起きをしてホテルのまわりで録音してみよう。ここらでも、カンムリキツツキが木をつつく「コンコンコンコン...」という音や、アメリカカケスが「ぎゃぁー、ぎゃぁー」と叫ぶ声がよく聞こえる。




木曜日, 2月 21, 2013

笑うしかない

 とある論文を苦しみながら書いていて、ようやく進むべき方向が見えてきたなと思っていた矢先のお話。
 迷惑メールをたまたまチェックしたら、明らかに大事そうなメールが紛れ込んでいた。レスキューしてみると、ある新書の要約の執筆依頼だった。[Link] 興味がある本だったので、締め切りを少し延ばしてもらって、引き受けることにした。とはいえ、3月末。
 そうこうしているうちに、1月に再投稿した論文の結果が帰って来て、Minnor Revision。要求通り直したら受理するよということだが、1人の査読者がとにかく手厳しい。解析結果の解釈が納得できないという批判だった。他の2人はOKを出しているのだから、この査読者の心持ちひとつという気もするのだが。こちらは45日以内に再提出。
 そして、3月の怒濤のスケジュールをチラ見すると、生きた心地もしない。3/4〜6は某プロジェクトの合宿ミーティングのため東京、そのまま7〜16は共同研究のためロサンゼルスへ(今回は野外録音が中心)、そして帰って来てすぐ18は東京でワークショップ。そして、26〜29は物理学会で広島。しかも座長役を仰せつかっている。
 そして最初の論文に戻るが、先方の催促もあり、3月までに仕上げることに。確か人工知能学会の予稿集原稿の締め切りも3月末だったような。もう笑うしかない...orz

土曜日, 2月 16, 2013

風邪の功名

 水曜の朝から花粉症の症状を自覚していたのだが、これが予兆だった。帰宅後、みるみる具合が悪くなり、鼻水とくしゃみ、そして頭痛、悪寒、関節の痛み。明らかに花粉症じゃない。
 木曜は起き上がるのもしんどくて、食事のとき以外はほぼ寝ていた。幸い食欲は落ちず、妻が作ってくれたおかゆとうどんはペロリと平らげた。金曜になって大分回復したので、念のため近くの病院に行ったところ、インフルエンザA型と診断された。そして初タミフルを飲んだ。
 インフルエンザは発症してから5日、 解熱してから2日は外出禁止なので、少なくとも今週末は家の外に出ることが出来ない。
 「この忙しいときにインフルエンザめ!」と思う気持ちもあるのだが、強制的に仕事から引き離されたおかげで、仕事に新鮮さを感じている自分に気づいた。神様が少々荒っぽいやり方で僕のリセットボタンを押したのかもしれない。もう1つ良かったこと。体重が1キロ落ちて、正月前に戻った。

火曜日, 2月 12, 2013

攻殻熱再び

 攻殻機動隊 Stand Alone Complex(SAC)を初めて観たのは博士の学生のころ。ラボでしばしば話題に出るので、とりあえず観てみるか、というぐらいの気持ちでDVDを再生したら、あまりのおもしろさに二日で全部見終わった。 
 電脳化やインターネットが高度に発達した近未来において、ハイテク犯罪と立ち向かう公安9課の個性的なキャラクターの活躍が描かれている。話の緻密さや独特の世界観は海外のSFを凌駕する。
 人間とは何か?脳以外の全てをサボーグ化したら私は私でないのか?脳は私か?インターネットの集合体に宿る個性とは?などなど。攻殻が陽に陰に伝えるメッセージは深い。
 そんな攻殻機動隊の新作が出るというニュースが発表された。[Link] 公安9課ができるまでという話になるらしい。どんな話になるのか、楽しみだ。
 ちなみに僕はSACが一番好き。今、期間限定でSACを全作YouTubeで放映しているが、混みすぎていてまともに観れない。[Link]  





日曜日, 2月 03, 2013

恵方某

 今日は2月3日、節分。お父さんが鬼の面を被り、それをめがけて子供たちが「鬼は外、福は内」と落花生を投じることになっている。少なくとも我が家ではそうだった。
 しかし気がつくと、恵方巻なるものを食べるという習慣が定着していた。Wikipediaによると、もともとは関西の習慣らしいが、1998年にセブンイレブンが全国的に恵方巻の名前で売り出したことがきっかけだそうだ。
 今日行ったスーパーや通りがかった寿司屋では、恵方巻を求める長蛇の列が出来ていた。名古屋の恵方巻はやはり独特で、海老フライや味噌カツを酢飯と海苔で巻いたものがあった。寿司屋以外でも、恵方ロールや恵方チェロキーなるスイーツも売ってるし、恵方春巻きや恵方ドックなんてのもある。もはや長ければ何でもいいのという感じだ。
 うちでは恵方納豆巻きを作って、南南東を向いて齧り付くことにする。家族の健康と世界平和を祈りつつ。

水曜日, 1月 30, 2013

不確実さを抱えて

 年度末が近づくにつれ、入試関係の仕事、予算関連の書類、業績云々の報告書、論文の査読、学会の準備と発表、予期せぬメールなど、束になって仕事がやってくる。
 最近も予期せぬメールがいくつか来て、複雑な心持ちになった。1つ目は、全く面識のない中国の博士号取得者から来た「何でもやるから雇ってくれ」というメール。添付されていた履歴書を見ると自分の研究とはおよそ関係がない分野だ。メーリングリストに機械的に片っ端からメールを送っているのだろう。必死なのは分かるが、お金がないときっぱり断った。
 2つ目は、僕の論文に興味を持ち、自分の研究している鳥でも同じ解析やってみたいというニュージーランドの大学院生からのメール。データもほしいという。やる気が感じられたので、共同研究者と相談してデータの一部をあげることに。そして彼は、可能であれば来年、僕の所に短期滞在して一緒に研究したいという。来たければ来ていいよと返事を送った。 
 予定からはみ出たビックリは不意にやってくる。不確実なものを抱えつつ、粛々とやれるかどうかが試されている。
 

日曜日, 1月 20, 2013

体を鍛える

 昨年末から続く衰えない食欲のため、体重が1キロ以上増えてしまった。夜のランニングを再開したけど体重は減らず。もっとも、寒いとすぐさぼってしまうのだけど...orz
 自分の体重の推移を思い起こしてみると、学生の頃は55~56キロ、研究員になってからは外食が増えて57キロ。そしてLAに行って一時は61キロまで増え、その後は食事や運動を気をつけて59キロをキープしてきた。しかし、再び60キロ越え。
 すごく太っているわけではないが、鏡に映るぱんぱんの顔とポッコリお腹はいただけない。明らかに筋肉と代謝が落ちているので、筋トレとジョギングで肉体改造が必要だ。「健全なる精神は健全なる身体に宿る」ということで、体を鍛えることにします。目標は57キロ。

日曜日, 1月 13, 2013

Hulu

 年末、テレビは特番ばかりで見たい番組がなかったので、Huluという動画配信サービスに入った。どれだけ視聴しても月額固定の980円。(2013年1月現在)ひかりTVも考えたが、料金がだいぶ高いので断念した。
 コンテンツはそこそこ充実していて、映画や海外のドラマだけでなく、National Geograpicなどのドキュメンタリーも観ることができる。鷹の爪団古墳ギャルのコフィーなどのマニアックなアニメもある。
 最初はWiiをテレビにつないでHuluを観ていたが、画像が粗いのと時々動作がカクカクするので、Apple TVを購入してそれでHuluを観ている。HD対応なのでかなり画面はきれいだ。最近はNumbersにすっかりはまっている。
 

日曜日, 1月 06, 2013

再起動

 あけましておめでとうございます。私と妻の実家でのんびりと過ごし、心身ともに充電して戻ってきました。白水の阿弥陀堂で引いた今年のおみくじは大吉でした。新年を迎えると、これまでもやもやとしていたものが一度リセットされて、新鮮な気持ちになります。そして、新しいことに挑戦したいという気持ちがふつふつと湧いてきます。
 今年は大学教員として研究者としてうんと飛躍できるよう、初心を忘れず努力したいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。