木曜日, 8月 31, 2017

シリコンバレー

IBMの研究所にて
JSTさきがけの一環でシリコンバレーに来ている。さきがけ研究者が4人、領域代表とアドバイザーの先生、事務参事の計7人で、シリコンバレーの企業や研究所を回ってきた。
 自分の研究を売り込むつもりでプレゼンせよ、とのお達しがきていたので覚悟はしていた。それでも、ベンチャーキャピタルでの経験は、ハンマーで頭を殴られたようなものだった。
 投資家が興味があるのは、それが大金に化けるどうかだけだ。だから、「この研究はこんな役に立ちます」的な話は興味がない(基礎研究の場合、それを言うのも簡単ではないのだが)。彼らに研究の良し悪しはわからない。ただ、誰と誰をつなげば、それがお金に変わるのかは知っているし、実際にそれをしてきた。
 どの人も口をそろえて言う「シリコンバレー精神」はうなずける所もあって、あのスピード感とスケールを達成するためには、それが必要だというのは研究にも通じる。そして、理系と文系の区別は弊害しかないのと一緒で、研究とビジネスの区別にこだわるのもまた弊害しかない。それは1つの気づきだった。
 スタンフォード大学で発表したときは、やっと自分のフィールドに戻ってきたような感じがして、のびのびと発表ができた。そして、この視察の意図とは逆になるが、自分は根っからの研究者なのだということが再確認できた。
 「いい経験をした」というだけではもったいないので、今後に活かしていきたい。

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