木曜日, 10月 24, 2013

テネシー

 「動物の発声系列の解析」に関する研究会に参加するためにテネシーに来ている。国際線から国内線の乗り継ぎに失敗したり、何かの手違いで帰りの便がキャンセルされたりと出だしはずっこけたが、研究会は楽しかった。
 このテーマに関係する約40名ほどの生物系と数理系の研究者が一堂に会した。単に発表を聞いて質疑応答するだけでなく、テーマごとにグループに分かれて議論し、最終的には参加者全員で1つの論文に仕上げる。
 正直、グループ作業についていけるか不安だったけど、自分が好きなことなので自然と「発言したい」と気持ちが湧いてきた。大御所、若手、院生が協力して1つの作業をするのはとても楽しかった。そして、大御所の先生の豊富な見識と見事な議論、衰えない知的探究心としたたかな交渉術を目の当たりにした。
 今月は研究費の申請や研究発表の準備などでいっぱいいっぱいで、とても海外出張に行きたい気分ではなかったけど、本当に来て良かった。

月曜日, 10月 14, 2013

エリートの基本

 近所の本屋さんでたまたま手に取った本が面白そうだったので買った。ゴールドマン・サックス、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ハーバード・ビジネススクールでのキャリアで共通する基本、それは次の4つに分類されると書かれている。
  1. 人との「つながり」を大切にする
  2. 「自分」磨きを一生継続する
  3. 「日々の成果出し」に強くこだわる
  4. 「世界的な視野」を常に意識する
 本書では、これらの4つに関する48のポイントがまとめられている。研究者には直接当てはまらないこともあるが、たいていのものは「なるほど出来る人は違うな」と感心する。
 例えば、「名前を覚えることは人間関係の基本」、「斬新な思いつきよりも骨太な意見」、「会議で発言しないのは欠席と同じ」など。当たり前と言えば当たり前だが、これらを常に意識して行動できる人がどれだけいることか。
 明日からまた怒濤のような日々が始まる。忙しい時こそ、こうした基本に立ち返るべき。

 

金曜日, 10月 11, 2013

やられたらやり返す

 帰ってきた論文の査読結果は惨憺たるものだった。ワディントン・ランドスケープは発達の理論的探求にとって大事な概念で、iPS細胞が世に出て、ますますその考え方の重要性は増している。
 ところが3人の査読者のコメントは、「これに関する記述は無意味などころか混乱を生む」というものだった。さらには「内容がテクニカル過ぎる」とか「標準的な用語を使え」とか。あぁ、生物学とはかくも保守的な分野なのか。
 理論生物学の雑誌に再投稿した方が良さげだが、「大幅に書き直して再投稿すれば、見てやらないでもない」的なことが書かれていて、このまま引き下がるのもしゃくなので、解析を完璧にやり直して、査読者のコメントに全部答えてやる。それで落ちたらそれまで。
やられたらやり返す。倍返しだ。