水曜日, 12月 26, 2012

流れる汗にまかせて

 このところ根を詰めて取り組んできた論文の改稿作業が一段落し、久々に気持ちも晴れるかと思いきや、爆弾メールが来て一瞬にして嫌な気持ちになった。
 そんなときは走るしかないと、アップテンポの曲を聞きながら久しぶりに走った。流れる汗にまかせて、滝ノ水公園に上り、園内を周回しながら名古屋の奇麗な夜景を見た。そして、いつも通らないような道をわざと選んで走った。残念ながらクリスマスの飾り付けしている家はなく、真っ暗な道だったが。(そういえば、LAのマクローリンを通るときはたくさんピカピカした電飾があって楽しかったなぁ。)
 ちょっと息があがってくると、去年の辛かった時期の記憶が蘇ってきた。それに比べれば今はだいぶましだ。一歩進んだのだ。何をしていても嫌なことは起こる。起こるものは起こる。腐らず、奢らず、出処進悠々たること。それが自分のモットーだった。
 嫌なことは汗と一緒に流したので、次に進むことにする。また次も論文の執筆なのだが...orz

日曜日, 12月 16, 2012

査読するということ

 論文をジャーナルに投稿すると、通常2〜3名のレビューアが審査し(トップジャーナルの場合は査読もされずほとんどがリジェクトされる)、エディタが最終的に掲載の可否を判断する。レビューアの仕事は基本的にボランティアで、同じような研究をしている研究者が、忙しい合間をぬって論文を読み、チェックして、コメントをする。
 一方、自分がレビューアとなって論文の審査をすることもある。僕も何度か勤めたことがあるが、論文を読んで理解するのは時間もかかるし、適切なコメントをするのはとても難しい。論文の不備にばかり目がいってしまい、辛口のコメントをしたくなることもある。(さすがにここまでひどいことは書けないが)しかし僕は、論文の内容の正確さだけでなく、ユニークな部分を積極的に評価し、ここを直せば採択というポイント探しながら査読するよう心がけている。目の前にある論文が世紀の発見なんてこともあるかもしれない。
 この本は生協で見つけたのだが、論文の書き方ではなくて査読のコメントの書き方についての珍しい本で、とても参考になった

水曜日, 12月 05, 2012

二次募集

 名古屋大学大学院情報科学研究科では第二次募集を行います。複雑系科学専攻の募集人数は若干名で、口述試験および外部英語試験の点数(TOEICやTOEFLなど)で選抜が行われます。(詳しくは募集要項を確認のこと)願書の受付は、平成25年1月9日から16日となっています。
 私の研究室でも大学院性を募集していますので、コミュニケーションの複雑系科学に興味のある方は研究室訪問にお越し下さい。(メールアドレスは募集要項に記載されています)どんなことを研究しているのか、どんな風に研究しているのか、などについて詳しくご説明します。研究内容はここここも参考にして下さい。
 やる気のある方は大歓迎です。

火曜日, 12月 04, 2012

ペーパーレスはエコ?

 スマートフォンやタブレットが普及し、ユビキタスが提唱された頃の夢は、かなりの部分が現実のものとなった。クラウドのおかけで、ユーザはデータの物理的所在など気にせずに、保存したりやり取りしたりできる。bitはいわば万能通貨みたいなもので、電子化された情報は変幻自在である。
 これまで紙媒体で配られた情報も、ディジタル化して配布すれば、紙代も輸送コストもカットできるのでエコだと言われる。明細書の類いはほとんどが電子化された。名大では給料明細はすでに電子化されている。本も新聞もどんどん電子化されている。しかし、全てペーパーレス化することが本当にエコなのだろうかと常々疑問に思っていた。
 そのことに関する記事がCOURRiERで紹介されていて興味深かった。実は、ユーザがどんどんアップするデータを保存するために、巨大なデータセンターではとてつもない電力を消費しているという。待機電力だけでも大変なものだ。Facebookの消費電力は6000万kW、Googleは約3億kW、そして全世界のデータセンターの合計は約300億kW(原発約30基分)にもなるそうだ。
 重さをもつ紙と持たないbit、どちらにも一長一短あるわけなので、ベストなバランスを考え、共存の道を探るのが懸命のように思える。

  

木曜日, 11月 29, 2012

初奈良

 奈良女子大学で開催された動物行動学会に参加して、ポスター発表をしてきた。(下がそのポスター。線が透けてしまっている...)発表内容は論文になった「鳥の複雑なさえずりの進化的デザイン」。いくつかの学会でこの研究を発表をしてきたが、動物行動学会で話すのは初めて。
 いつものごとくアウェイな感じだったが、知人やネットワーク分析に興味のある研究者が聞きに来てくれた。近頃はデータ解析のアドバイスを求められることも多くなり、そろそろ若手から中堅の研究者として成長しなければと思った。
 奈良はちょうど紅葉が見頃で、学会の後、東大寺の大仏や奈良公園の鹿を見に行って来た。せんべいになど見向きもしない鹿がたくさんいた。鹿も飽食の時代だ。
 名古屋から奈良へは電車でも行けるが、高速バスだと2時間半ぐらいでリーズナブルに行ける。そして、奈良から大阪や京都へは1時間もかからない。今度行くときはもっとゆっくりしたい。

 

火曜日, 11月 20, 2012

iPad mini

 Ratinaディスプレイモデルが発売されたら買おうと思っていたのだが、誘惑に負けてiPad miniブラックの32GBモデルを買ってしまった。[Link] 根っからのAppleファンからは酷評されている製品だが、大きさや持った感触や軽さが丁度いい。電車の中やカフェで使うのには通常のiPadよりminiがいい。高かったが満足している。
 そして携帯用のBluetoothキーボードも買った。ネットとでいろいろ調べて評価が高かったFeedom i-Connexというのにした。[Link](僕が買ったのはi-Connex 2)。折りたたみ式の割にはキーが打ちやすいし、iPad用のボタンもあるので、iPad miniにつなげて使うには便利。最近、新しい飛行機はエコノミークラスでもUSBポートがついているので、iPad miniとこのキーボードがあれば、給電しながらずっと書き物ができる。(注: シンガポール航空の座席のUSBでは給電できなかった。その代わり座席に電源があった。)
 もっとも、飛行機の中で論文など書いたためしがないが。

 

木曜日, 11月 15, 2012

早いもので...

モモフクのラーメン(昼メニュー)
 NYから帰国してもう1週間が過ぎようとしている。朝3時に起床して書類仕事をし、9時にホテルを出てゼイバーズで朝食。セントラルパーク近くのCoffee Beanでモーニングコーヒを飲んで、さらにHunter Collegeまで歩く。そして、日が暮れるまでOferのラボで仕事をし、Columbus CircleのWhole Foodsで夕食をとって、散歩しながらホテルに帰る。そんな生活も充実していて楽しかった。
 高い旅費を使って来ているのだから1秒も無駄にすまいという気持ちがなせる技なのか、1日がとても長く感じた。日本にいるとするすると抵抗感なく時間が過ぎてしまう。要は気持ちの持ちようなのだろうが。(カイロス時間)あの集中力と緊張感を。
 今回のNY滞在で悔やまれるのがラーメンを食べたこと。以前テレビで紹介していたが、今、NYではラーメンが大ブーム。(LAもそう)写真はその火付け役と言われるモモフクのラーメン。普通の醤油ラーメンが14ドルもする。チップを入れるともっとだ。上のトッピングは白菜の漬け物。うまからず、まずからず、うーん。

土曜日, 11月 10, 2012

「現れる存在」が発売されました

 翻訳のプロジェクトが立ち上がったのが2009年。確か僕がUCLAに行く前だった。そして、担当した9章の下訳を仕上げたのがその年の夏で、夕食後、書斎で毎日2時間ぐらいずつ翻訳の作業したのを覚えている。(むちゃくちゃ大変だった...)そして、2010年の春から夏にかけて、プロジェクトのメンバーが集まって、時にはSkypeで、議論しながら互いの訳をチェックした。2010年の夏合宿でも議論が行われた。本の内容の難しさから、翻訳の作業は困難を極め、一時は本当に出版にまでこぎ着けるのか不安になった。
 2011年3月に、著者のアンディー・クラーク氏が来日し、東大駒場キャンパスで講演を行った。(残念ながら僕は参加できなかった)しかも、あの大地震の当日にだ。そのときの講演と議論が、この本の付録として収録されいる。そして、池上さんの素晴らしい解説も収録されている。
 最終的に、先輩の森本さんと師匠の池上さんが大変な監訳作業を成し遂げ、この「現れる存在」がようやく完成した。東京の書店にはもう並んでいると思う。
 身体性認知科学を志す人はにはぜひ読んでほしい本だ。内容は決して優しくないが、研究のヒントが詰まったとても良い本だと思う。僕自身、翻訳を通じて多くのことを勉強させてもらった。



日曜日, 11月 04, 2012

格差のNY

 共同研究のためにNYに来ています。ハリケーンの影響で公共の交通機関が全て運休している中、ホテルに到着できるのか心配していましたが、JFKからはシャトルバスで意外とすんなり行けました。しかし、マンハッタンの機能はまだ完全には回復しておらず(セントラルパークは封鎖中、南部の一部はまだ停電中)、サンディーの猛威の爪痕がまだ至る所に残っています。[Link]
 2年ぶりにNYに来て感じたことを何となく書いてみます。
  • ニューヨーカーとツアリスト
    ハリケーン直撃の直後だというのに、観光客がめちゃめちゃ多い。日本人はあまり見かけないが、ヨーロッパからのカップルや家族連れをよく見かける。そんな中、マンハッタン南部に住む友人は、停電が続いているため、別の友人宅へしばし家族で避難するという。
  • 富める者と貧しい者
    どこのスタバにいっても長蛇の列。みんな決して安くないマフィンとラテを躊躇なく注文して、席があくのを待っている。一方、店の外では、ぼろぼろの衣類を着て寒そうにしている人たちが、小銭を下さいと紙コップをシャカシャカさせている。
  • 建築物の新旧
    僕が泊まっているホテルはネットで見つけた格安ホテル。[Link] それでも1泊1万円ぐらいはするのだが、とにかく不満。風呂とトイレは共同。冷蔵庫は壊れていて何かくさい。テレビもポットもない。壁も天井も薄いので、話し声や足音が聞こえてくる。一方、コロンブスサークルにある建物やMOMA、五番街にある建物は何と美しく機能的で立派なこと。
 何をとっても良くも悪くも「平均的」な日本とは違い、極端な凹凸と厳然たる差が存在するNY。どちらが好きかは好みの問題だが、とにかくNYではアクティブでないと生きていけない。

木曜日, 10月 25, 2012

あと1本

 UCLAでやった仕事がPLoS ONEに出てから1ヶ月が過ぎた [Link]。ここまでのところ、852回の閲覧があって、実際に論文をダウンロードした人は99人(あと1人で記念すべき100!)。ダウンロード率は13.18%だ。コメントなどの反応は0。
 オンラインのジャーナルでこの程度なので、そうでないジャーナルだったらほとんど読まれもしなかったかもしれない。論文を書く人は(本当に書く価値のある論文なのかは別として)山ほどいるが、読む人はほとんどいない。それはまごうことなき事実。大量の論文の中にあってもキラリと光るような論文を書きたいものだ。インパクトファクター云々ということではなく。

2012/10/24のスナップショット


火曜日, 10月 23, 2012

ムコドノ

たまたま見ていたニュースで入園料が無料と知り、東山動植物園に行ってきた。ここは最近、ムコドノ脱走したことがニュースとなっていた。
 案の定、園内は親子連れでものすごく混雑していた。お目当ては、子ライオン(ソラとステラ)の兄弟。写真は母ライオンが子供を気遣っているところ。やんちゃで、母ライオンの後ろをずっとくっついて歩いていた。
 スカイタワーも無料だったので、40分ぐらい待ったが、展望台に上った。市内を一望できる絶景。レストランもあるので、今度は夜景を見に来たい。
 帰りは本山でカフェったが、雰囲気のいいカフェがたくさんある。ちょうど珈琲を飲んでいた頃、ムコドノは御用となったようだ。

月曜日, 10月 08, 2012

祈っては食べ、祈っては食べ

 久しぶりに文字通りの三連休をとった。天気も暑過ぎず寒過ぎずで、絶好の行楽日和。熱田神宮八事山興正寺有松など、名古屋市内の名所を散策してきた。
 熱田神宮は三大神宮の1つで(他は伊勢神宮と明治神宮)、来年、創祀(そうし)1900年を迎える。お宮参りや七五三の家族連れがたくさん訪れていた。広大な敷地内に宮きしめんの店があって、あっさりしていておいしい。近所にひつまぶし発祥の地と言われるあつた蓬莱軒もあり、この日も行列ができていた。
 八事山興正寺もまた古いお寺で、1808年の建立の五重塔は国の重要文化財に指定されている。実は八事へはカフェ目当てで行ったのだが、あまりいい店に出会えず、興正寺前のたこ焼き屋さんで遅い昼食を食べた。たこ焼きを4個もおまけしてもらった。
 そして今日は、自転車を30分ほどこいで有松へ行き、古い町並みを見てきた。ここは有松絞と呼ばれる染め物が有名で、写真のような古い建物が保存されている [Link]。近くの八幡様でお祈りをして、カフェった。
 祈っては食べ、祈っては食べの三連休。それもまたよし。

熱田神宮の本宮





















八事山興正寺の五重塔

水曜日, 10月 03, 2012

進捗感

 前のプロジェクトで始めた研究の論文を書き上げた。共著者からはよく書けているとのコメントをもらった。まだデータを一部解析中だが、これが終わったら英文校閲に出して、再チェックして投稿ということになる。ここ数日は、日に日に論文が良くなっているのを感じながら、集中して執筆できた。こうなると楽しい。
 ここに来るまでが大変だった。特に8月は、データをまとめる方針がたたず、路頭に迷っていた。日々、進捗感がないのというのは辛いものだ。時間はたっぷりあるのに研究も論文も1ミリも進まない。しかし、TwitterやFacebookを見ると、知人はどんどこ論文を出していく。これが大きな焦燥感を生む。自分の能力を疑ったりもした。
 しかし、ここで投げ出したら負け。課題を見失わず、1つ一つていねいに対処していく。進捗感が感じられないときこそ、日々、コツコツと努力することを大切にしたい。
 

火曜日, 9月 25, 2012

論文が出ました

 研究者にとっては待ちに待った日。先月、受理通知が届いたPLoS ONEの論文が出ました。2年以上かかって苦労した「作品」なので、とてもうれしいです。
 PLoS ONEはオンラインで誰でもフリーで論文が読めるので、ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。出版して終わりではなく、いろんな人の反応が見れるのが、オンラインジャーナルのいいところ。(出版料金が$1,350(当時のレートで108,035円)もかかるのはお財布に痛いですが)
Sasahara K, Cody ML, Cohen D, Taylor CE (2012) Structural Design Principles of Complex Bird Songs: A Network-Based Approach. PLoS ONE 7(9): e44436. doi:10.1371/journal.pone.0044436

月曜日, 9月 24, 2012

アウェイ

 Y先生に依頼されて、とある研究会で発表してきた [Link]。僕の研究の場合、どこにいってもアウェイ感がするのだが、特にこの研究会はそうだった。発表はある程度うけたと思うが、今ひとつ感触がない。
 この研究会の人たちは、数学的な枠組み作りがしたいのであって、現象を心から理解したいわけではないらしい。マインドセットが違う。自分の根っこにある考え方が物理や複雑系なので、現象置いてきぼりで、数式をこねくり回す感じがなじまない。もちろん、僕も研究に機械学習を使うこともあるのだが。僕にとっては現象の本質に迫ることこそが大事で、数学は道具なので、適切なものであれば方法は何だっていい(と思っている)。
 とはいえ、この研究会で話されているような学習アルゴリズムにもある程度精通した上で研究を俯瞰したいので、ちゃんと勉強しないと。今週中には論文仕上げなければならないので、研究をまとめる良いきっかけにもなった。 

土曜日, 9月 08, 2012

アンプラグド

路考茶
 アメリカから帰国し、夏期休暇と帰省も終え、また名古屋に戻ってきた。引っ越して3ヶ月しか経っていないが、ここ滝ノ水はすっかり我が家という感じがする。そして自宅だとぐっすり眠れる。
 さて、頭を整理して自分と向き合うのは、ラボではなく、やはりカフェがいい。僕にとっては。大学に広い居室をもらっているのに何だが、ずっと同じ場所にいると頭も気持ちも煮詰まってくる。カフェの適度な雑音とある種のハプニングが程よく心に働きかけ、緊張が解かれるのかもしれない。あるいは、四六時中、ネットにコネクティッドな状態から解放され、ソーシャルな露出からも切り離された「アンプラグド」の状態になると、自分の「中の声」に気づきやすくなるのかもしれない。(WIFIルータは家に置いてきた。嘘、忘れた。)
 今日は、新しく開拓した「路考茶」というカフェでこの文章を書いている。落ち着いた雰囲気のお店で、白髪のマスターが一人で切り盛りしている。お店は滝ノ水が発展する前からあるそうで、今年で22年だそうだ。
 もう少しばかり考え事をして、奥さんに頼まれた牛乳を買って帰ろう。

土曜日, 9月 01, 2012

ソーラー充電

Volcano union inn
 全日程を終え、無事帰国した。UCLAでChuckと議論をした後、4日間で、5号線を北上してMartinのいるボルケーノまで行き、101号線をひた走ってLAに戻った。これだけ長距離のドライブは初めてだ。(写真はボルケーノで泊まった宿 [Link]。雰囲気も料理も素晴らしい。)
 二人と会うのは2年半ぶりだったが、二人ともますますアクティブになっていた。メールではなかなか伝わらないことを議論することができ、また、フィールドにも行けたので有意義だった。次回訪問は来春になると思うが、次の方向性が見えた。
 この後、夏期休暇をとって帰省する。そして、いよいよ2012年度の後期。9月は招待発表や書かなければならない論文を抱えていて、ハードな月になりそうだ。また10月にはニューヨークに行く予定で、これも論文をまとめなければならない。
 カリフォルニアの太陽でたっぷり充電できたので、きっと乗り越えられる。

土曜日, 8月 25, 2012

2年ぶりのLA

 力強い日差しと乾いた風、青い空に伸びるパームツリー。この開放的な場所に住んでいたのだった。およそ2年ぶりにLAにやってきた。
 迎えに来てくれた友人の車から、自転車であちこち出かけていたあの頃の記憶を重ねつつ、変わってしまった場所の情報を上書きしつつ、景色をせわしく眺めていた。しかし、つい先日までここにいたかのように記憶ははっきりとしていて、「久しぶり感」がないことに驚いた。
 今回の出張の目的は、UCLAの共同研究者と今後の研究について議論し、野外調査を実施することだ。残念ながら、この時期はお目当ての鳥のさえずりはあまり聞かれないそうだが、次回に備えて生息地域の下調べをしておく必要がある。また、サウンドスケープの他の住人たちのさえずりも記録しておきたい。
 UCLAでやった最初の仕事がようやく論文になり、それをもとに次の一歩を踏み出そうとしている。ここに来る前は、様々な課題を抱えて頭がパンクしそうだった。しかし、この開放的な空間にいると、そんなことはちっぽけな悩みに思えてくる。答えは単純にして明快。やればいいだけのこと。
UCLAの新しいLife Science Building

日曜日, 8月 19, 2012

徳重でカフェる

 高円寺には素敵なカフェがたくさんあって、休みのたびに出かけていたものだった。名古屋に引っ越すことになり、コメダ珈琲は知っていたものの(今やどんどん東京に進出している)、他にお気に入りのカフェができるかしらと思っていた。しかし、それは杞憂だった。
 以前紹介したカフェ・リリアンを含め、徳重周辺には特徴あるカフェがいろいろある。お盆休みにはカフェ ダウニーに行ってきた。ここはカリフォルニア・スイーツが楽しめるお店で、外観もLAにあってもよさそうな感じ。イチジクのケーキ [写真] を頂いたが、味が日本風にアレンジされていておいしい。実は今週、2年ぶりにLAに行くのだが、よく通っていたアマンディーヌを思い出した。絶対再訪する!
 今日行ったリグノーサカフェもお洒落で良い雰囲気。中二階のソファーの席で、ゆっくりとスイーツとアイスコーヒーを楽しんだ。休日は結構混むようなので、予約をしてから行った方が良いかもしれない。

ダウニーカフェ

リグノーサカフェ





火曜日, 8月 14, 2012

犬山城とお伊勢参り

 義兄が遊びに来たので、車で外出して来た。一日目は犬山城 [写真]。犬山城は現存する国宝の天守4つの中で最古(松本城には去年行った [Link])。それほど大きくないのですぐに最上階に上れ、外に出て景色を眺めることが出来る。ベランダ(とは言わないだろうなw)に傾斜がついていて、滑りそうでちょっと怖い。信長の時代、武将たちもここから濃尾平野を見下ろしていたのかと思うと感慨深い。
 二日目はお伊勢参り。名古屋からだと約120kmなので、高速道路がすいていれば2時間かからないが、この日は帰省ラッシュや事故などで大渋滞になり、4時間かかった。そして刺すような日差しと猛暑。お参りは伊勢神宮の内宮(ないくう)だけにした。シルバーカードが貰えそうな樹齢の杉の木陰の道を歩き、正宮で家族の健康と幸せなどを祈った。帰りにおかげ横町をざっと見て、赤福氷を食べた。今度は秋に訪れて、もっとゆっくりとお参りしたい。
















犬山城から見た木曽川





















おはらい町通り

金曜日, 8月 03, 2012

七度目の正直

いやー、長かった、そして辛かった。UCLAでやった研究の論文がようやく受理されました。2年以上かかってしまいました。さえずりの構造原理をネットワークで定量化する手法の論文で、オオムジツグミモドキ(California Thrasher)の複雑なさえずりにスモールワールド性があることを初めて示しました。
 手法の論文なので、手法のアイディアが査読の焦点になるはずなのですが、解析例が一個体しかなかったため、結果が鮮やかでもデータ不足ということで、問答無用で却下されるのがほとんどでした。そもそも、ネットワークとさえずりの複雑さを関係付けて議論した論文なんて(これまでに)ないので、査読者の選定や査読にすごく時間がかかりました(1年近く音沙汰無しということもあった)。
 最初はNSPを頭文字にもつ有名雑誌に投稿しましたが、即撃沈。これは当然ですが。そして、それに次ぐ雑誌に出して、今度は査読にはまわるものの先程の理由で却下。一誌は、査読者はポジティブなコメントで、直せば通るはずだったのに、副編集長が反対して却下。結局6誌から振られました。そして七度目の正直で、PLoS ONEに受理されました。 今回は幸運にもデータが手に入ったので、解析例を追加できたのが受理に大きく影響しました。もっと早くにデータがあったならば、こんなに苦労しなかったのに。。。
 間違いなくこれまでで一番の難産となった論文ですが、取りあえずはホッとしています。ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。

日曜日, 7月 29, 2012

カフェ・リリアン

 先々週の涼しさはどこへやら、先週の名古屋はめちゃめちゃ暑かった。そして、今週も猛暑が続く模様。36℃を超えた土曜はせっかくの休みでしたが、クーラをかけて家でだらだらとしておりました。
 その反省で、今日は午前中に自転車で徳重へ出かけて、カフェ・リリアンというお店でモーニングを食べて来ました(写真はお店の入り口。なぜか塾の看板が店の前に)。
 僕はタマゴサンド、奥さんはハムサンド(何と生ハム!)のモーニングで、ドリンク付きで500円。トーストはもちろん、コーヒーも美味しいし、雰囲気もいいし、とても気に入りました。
 平日は鬼のようにモリモリ研究をして、週末はカフェでモーニングをとりながらゆっくりと過ごす。こういうメリハリのある生活を心掛けたいですね。

日曜日, 7月 22, 2012

有り難くないアリガタバチ

引っ越してからしばしば畳の部屋で蟻のような虫を見かけ、古い官舎だから仕方ないかと思っていた。しかし先々週からこの虫を頻繁に見かけるようになり、それと時を同じくして、体のあちこちに虫に刺されたような跡ができるようになった。そしてこれが結構かゆい。
 妻がネットで調べたところ、どうやらこの虫は蟻ではなくアリガタバチという蜂で、畳に巣食うシバンムシに寄生するそうだLink。シバンムシは畳や食材を食い荒らすので害があるが、人を刺したりはしない。一方、アリガタバチはシバンムシを退治してくれるが、人を刺す。
 バルサンを炊いても効果がまったくなかったので、畳屋さんに寝室と和室のすべての畳を高温乾燥してもらった。これでシバンムシとアリガタバチ、もちろんダニなどは死滅する。全部で25,000円ほどかかったが、それ以後アリガタバチは見なくなり、さされることもなくなった。ただ畳屋さん曰く、アリガタバチは外から飛んでくるので、また発生することもあるそうだ。有り難くない蜂さんにはお引き取り願いたい。

火曜日, 7月 10, 2012

椅子

肩こりや腰痛は職業病とはいえ、ここのところの凝り方はひどい。月に一度、鍼灸院で鍼を打ってもらうとしばらくは楽になるが、その効果もずっとは続かない。長時間、猫背でいることが根本的な原因なので、それを改善しないといけない。
 そこで、長い研究人生の苦楽を共にする椅子を2つ購入した。1つは、アーロンチェア。むちゃくちゃ高いがものが違う。自分のしっくりくる高さ、角度、堅さに調節すれば、長時間座っていても疲れない。一日のほとんどはこの椅子で過ごす。
 論文を書いたり、プログラムをしている時は、どうしても前屈みになっていることが多いので(気づくとそうなっている)、それを矯正すべくバランスチェアも買った(まだ届いていない)。先月、大須の家具屋さんで出会ったヴァリエールの赤に一目惚れした。この椅子に座ると自然と背筋が伸びるので、猫背にはなりにくい。
 これで良い仕事がばんばん出来るなら、決して高くはない。


p.s. バランスチェアは現在品薄のため、入荷は8月下旬になるとのこと。



日曜日, 7月 08, 2012

スパムのお詫び

7/6に僕のGoogleのアカウントが一時ハックされ、連絡先に登録されていた方々にスパムメールが出回ってしましました(南アフリカからアクセスした形跡がありました)。すぐにアカウントは凍結され、今は復旧しています。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。スパムメールには返信なさらぬようお願いいたします。
 そもそもの原因は、Googleを装ったメールのリンク先でうっかりとアカウントとパスワードを入力してしまったことです。その画面がGoogleと酷似していたため、気づきませんでした。
 このような事態が発生すると、多くの方にご迷惑をかけ、信用も失いかねません。スパムが出回るのは一瞬ですが、それを訂正するのは容易ではありません。さらに僕の場合、アカウントが復旧してもGmailのデータは完全に消されていました。バックアップがあったので、ある程度は回復できましたが。
 高い勉強代を払ってしまいました。今後は二度とこのようなことがないよう対策し、気をつけます。改めてご迷惑をおかけした皆様にお詫び申し上げます。

木曜日, 7月 05, 2012

種をまこう

論文を再提出し、少し締切りを過ぎてしまったが、行動生物学事典の原稿も提出した。反応が返ってくるのはしばらく先だ。
 やれやれと家に帰って来たら、人工知能学会誌が届いていた。今月号の特集「人と環境に見る高次元データフローの生成と解析」に僕の論文(「大規模データに基づく動物行動学の新展開」)が掲載されている。多くの人に読んでもらいたい。
 学会誌をパラパラと中をめくってみると玉石混交ではあるが、面白い研究もたくさん紹介されている。最近、新しいことに手を出すことにやや臆病になっていたのだが、博士で分野転向したあの頃の勢いを思い出して、今こそ新しいことを吸収かつ批判的に検討し、どんどん表現して行きたい。
 種をまこう。僕の場合、みなさんよりも収穫の時期が遅いようだが、熟した果実が出来ればそれでいい。

土曜日, 6月 23, 2012

休日らしい土曜

同じ講座の鈴木さん一家と晩御飯をご一緒するので、近所で気になっていた「ラミ・ドゥ・バニーユ」というケーキ屋さんにお土産を買いに行った。ショーケースには上品な色使いのケーキやお菓子が並べられていて、一目で当たりだなと思った。お子さんも食べられるものをと思い、スティックケーキの詰め合わせを買った。店内は狭いがイートインスペースもあるので、今度はここでカフェろう。
 晩御飯は、日進市にあるマ・メゾンという洋食屋さんに連れて行っていただいた。とても雰囲気の良いお店で、僕と妻はお店の看板メニューの釜焼きハンバーグを注文した。コースメニューが2000円ぐらいとリーズナブルで、とても美味しかった。このお店は名駅の地下街にもあるそうです。
 鈴木さん一家は、ちょうど僕らと入れ替わりでUCLAに行かれていたので、LAの話で盛り上がった。久しぶりに休日らしい楽しい土曜日を過ごした。

木曜日, 6月 21, 2012

帰り道

すっかりブログの更新が滞ってしまいました。僕は元気にしています。一昨日はすごい台風でしたが、名古屋の地下鉄は止まることなく無事家に帰れました。そして昨日は、27度近くまで気温が上がりましたが、僕の居室は6Fで風通しも良いため、エアコンなしでも過ごせました(昨今の電力事情のため、名大でもエアコンは集中制御され、もうすぐこちらで勝手に温度設定を変えることは出来なくなります)。
 ようやく懸案事項の1つだった解析と論文の修正が終わり、共著者に見てもらうためにメールで送りました。コメントをもらって直せば、何とか締め切りまでには再提出できそうです。さて、後は依頼されていた原稿です。分量はそれほど多くありませんが、いい加減なものを書きたくないので、しっかり文献や資料も調べないと。
 写真は大学から地下鉄の駅に向かう途中。遠くに見えるのが豊田講堂です。

火曜日, 6月 05, 2012

着任しました

6/1付けで名古屋大学大学院情報科学研究科(複雑系科学専攻 創発システム論講座)の助教として着任しました。これまでお世話になった方々に心から感謝いたします。そして、名古屋大学の関係者の皆様、これからお世話になります
 こちらに来たばかりでバタバタとしていて、まだ集中できる感じではありませんが、今週中にはギアをトップに入れたいと思います。ようやく自分の裁量で研究できる身分になり、自分の部屋もいただいたので、納得いく良い仕事をしたいと思います。
 まずは今月末までに再提出しなければならない論文、そして、行動生物学事典の原稿を必ず仕上げます。その後は、前のプロジェクトの論文です。これらが片付けば、また次の展開は自ずと見えてくるはずです。


火曜日, 5月 29, 2012

終わりなき旅

1年2か月お世話になったプロジェクトを離れることになり、昨日が最終出勤日だった(今後も分担研究者として参加するのだが...)。短い間だったが、数理科学のいろいろな研究者から刺激を受けることができて有意義だった。価値観の相違もまた思い知らされた。
 まだプロジェクトの仕事の論文が書けていないので、早くこいつを納得のいくレベルにまでもっていかないと。6月はいろんな締切りが重なっていてかなりきついが、必ず乗り越える。
 最近はミスチルの曲をヘービーローテーションで聞いて勢いをつけている。特に「終わりなき旅」は僕の背中を力強く押してくれる。
閉ざされたドアの向こうに 新しい何かが待っていて
「きっと きっと」って 僕を動かしてる
いいことばかりでは無いさ でも次の扉をノックしたい
もっと大きなはずの自分を探す 終わりなき旅
慣性がついたらこっちのもの。 あとは集中力が続く限り頭をフル稼働させるだけ。

金曜日, 5月 18, 2012

36周

僕が生まれてから地球が太陽の周りを36周しました。気持ちはまだ大学生のつもりなのですが、時が経つのは早いものです。こころところ慌ただしいスケジュールで、時間がどう過ぎたのかもわかりません。今週はプロジェクトの国際会議があったので特にです。比較的余裕があった先月のうちに、もっとがんばるんだったと反省することしきりです。
 さて、来週はもっとハードになるのは必至です。書類もいろんな締め切りもどんどん迫っています。覚悟してこの心臓破りの丘を超えますかね。きっとその向こうには素晴らしい景色が待っているはずです。

土曜日, 5月 12, 2012

茶色いグルメ

2泊3日で名古屋へ行ってきた。旅費を抑えたかったので高速バスも考えたのだが、昨今のバスの事故が不安だったのと、実は新幹線代とホテル代が込みのパックの方が割安だったのでパックにした。ちなみに僕と妻の2人、往復の新幹線代と2泊のホテル代込みで、合計44,000円とかなりお得(新幹線はこだまにしたので、東京−名古屋間が3時間かかったが)。
 用事があったのでほとんど観光はしていないが、名古屋グルメはしっかり堪能してきた。写真は「世界の山ちゃん」の手羽先(このお店は高円寺にもある)、「いば昇」のひつまぶし、「山本屋本店」のかき揚げ入り味噌煮込みうどん。全体的に茶色い。しかし味は抜群。今回はコメダ珈琲には行けなかったが、最近は東京にもあるし、また今度。
 泊まったホテルが錦三丁目にあったので(ここは名古屋最大の歓楽街で東京でいうところの歌舞伎町)、昼は閑散としているが夜は文字通り不夜城だった。景気のいい人たちや訳ありの人たちがたくさんいて、現実と虚構が混じった独特の空気が漂っていた。
 名古屋は程よく都会かつ程よく田舎で、住みやすそうですね。

金曜日, 5月 04, 2012

GW GW GW

大事なことは三回言います的なタイトルだが、今年のGWは休まず仕事をする。論文という二文字が漬物石のように重い。今のプロジェクトの仕事をまず論文にしなければならないし、major revision(大幅修正)で帰ってきた論文も60日以内に再提出しなければならない。どちらも更なるデータ解析が必要だ。ああ...orz。
 ここまで切羽詰まると、唯一の楽しみはおいしい食事と珈琲。今日の晩ご飯は、高円寺B級グルメの王者「天王」で、キクラゲ・ニラ卵の炒め物定食だった。650円とは思えぬ味とボリュームで大満足。生姜醤油ラーメンもうまい。
 この年季の入った看板を見ると、店に入るのがためらわれるかもしれないが、味は見かけによらない。研究者もまたしかり。

日曜日, 4月 15, 2012

石神井公園

石神井公園へ初めて行ってきた。近くにこんなに自然が豊かで素敵な公園があったなんて、今まで行かなかったのがもったいないくらいだ。写真は野鳥や生態系が保護されている三宝寺池。
 もう桜はほとんど散ってしまっていたけど、BBQや花見をする団体、写真をとる人、絵を描く人、遊具で遊ぶ親子、犬や猫の散歩をしている人、午後の公園にはたくさんの人がいて賑わっていた。暑すぎず寒すぎず、散策にはちょうどいい季節だ。(花粉が飛んでいることを除けば)
 僕らは上井草駅から徒歩だったのでかなり歩いたが、駅からバスも出ているようだ。ただそのおかげで、途中でたまたまケーキの有名店を発見して(お菓子の家ノアというお店)、お茶をした。妻が食べたチョコのケーキも、僕が食べたモンブランも絶品。道草をするのもまた散策の楽しみ。


火曜日, 4月 10, 2012

夜桜

落ち着いて桜を見ることができるのは本当に何年ぶりだろう。気がついたら花粉症になっていて、ばたばたしているうちに桜が咲いてあっという間に散ってしまっていた、というのが僕の例年の春だった。
 明日は雨が降るというので、今晩が今年の桜の見納めかなと思い、散歩がてら近くの公園とその付近の夜桜を見てきた。自宅の桜をライトアップしている家があって、とてもきれだった(写真)。日本人にとって桜は特別な花なのだなとつくづく思う。
 公園に行く途中、お気に入りのカフェ、サントが閉店したことを知ってがっかりした。そして公園近くで、耳の小さい野良猫に再会してほっこりした。春というのは複雑に感情が交差する。


木曜日, 4月 05, 2012

若手B

この2年はやることなすことまったくうまく行かず、本当に辛い時間だった。何度も心が折れかけた。それでもくさらずに諦めずに自分を信じてやってきた。たとえ人が何と言おうとも。
 そんながんばりが報われるような出来事が今日また1つ。若手Bという科学研究費助成金の内定通知が届いた。3年間で350万円、申請課題を遂行するには十分な額だ。もちろんこれは税金から出ているお金なので、研究のために有効に使わせていただく。何よりも、申請課題が研究補助に値すると評価されたことが嬉しい。
 優れた研究計画をたて、研究資金を自前で調達し、自らの責任において研究を遂行して成果を論文として発表する。これは自立した研究者が回すべきサイクル。久しぶりにそのサイクルの中にいる。

火曜日, 3月 27, 2012

春よ2

自転車を飛ばしてラボへ向かう途中、遠くからシジュウカラの歌声が聞こえてきた。「ツピツピツピツピ...」春が来たのだなと感じる瞬間だ。
 例年この時期になると、期待と不安が入り交じった複雑な気持ちになる。「今年はあれがしたい、これがしたい」というやる気が冬眠から目を覚ますのと同時に、「昨年はあれができなかった、これもできなかった」という後悔の木枯らしが吹く。スーパーマンじゃないので、自分を信じて1つ1つ丁寧にこなしていくしかない。
 ここ2年ぐらい自分に自信を失いかけていたが、ここに来てようやく事態が好転しつつある。目に見える形で。今こそJobsのこの言葉を胸に前に進もう。
And most important, have the courage to follow your heart and intuition.
(そして一番大切なこと、自分の心や直感に従う勇気をもとう。)
Everything else is secondary.
(そのほかのことは二の次でいい。)


火曜日, 3月 20, 2012

Evolangで京都へ

Evolangという国際会議で発表するため(有休をとって)京都へ行って来た。口頭発表が2つあったので準備が大変だったが、なんとか無事発表を終えた。手応えとしては、モデル研究の方がちゃんと聞いてもらえたかなと思う。鳥の歌ネットワークの話は、そもそも聴衆が少なくてちょっとがっかりだった。今回は招待講演がとても豪華だったので、学会自体はとても面白かった。次回は2年後で、場所はウィーン。
 学会後、妻が合流して2日ほど京都を散策した。京都駅からバスで1時間ほどの所にある、通称「鈴虫寺」と呼ばれる華厳寺に行ってきた。屋内にはその名の通り鈴虫が飼育されていて、「りーん、りーん」という声がひっきりなしに聞こえる。そしてここには、わらじを履いた珍しいお地蔵さんがあって、1つだけ願うと、それを叶えにお地蔵さんがやって来てくれるそうだ。願いよ叶え!小さいけれどとても見応えのある良いお寺だった。
 あとは、清水寺三十三間堂などを駆け足で巡った。久しぶりにとにかく歩いた。夜行バスでの移動はしんどかったけれど、良い思い出がまた1つ増えた。また紅葉の季節に来たい。


金曜日, 3月 09, 2012

進化言語学の構築

「進化言語学の構築」が出版されました。[Link] 僕は12章の「言語進化の動的理解-生物言語学と構成論的モデルによるアプローチ」を書きました。この原稿を必死に書いていたのが3.11のあたりでした。震災後の何とも言えない不安を抱えながら、自分にはっぱをかけて書き上げたのを覚えています。だから感慨深いものがあります。
 そして来週からはいよいよEvolang9。僕は、ワークショップと本大会で口頭発表が1件ずつあります。もっと早めに準備を始めたかったのだけれど、結局これからです。良い緊張感で望みたいと思います。楽しい学会になるといいな。
 学会後は妻も合流して、久しぶりに京都を散策する予定です(もちろん有休)。





金曜日, 3月 02, 2012

雨の日のカフェ

人生は思うにまかせない。昨日、スッキりす1位の運勢だった僕に、ガッカりすなメールが届いていた。うっ(泣)。
 先週からずっと働き詰めだったので、今日は休暇をとった。そして、重い腰を上げて確定申告をして来た。印税やら義援金やらを報告したところ、4000円ぐらい帰ってくるようだ。少しすっきり。申告はお早めに。
 その後、前回行ってすっかり気に入った、中野にある「small deli lab」というカフェに行った。こじんまりとしたお店ながら、屋内のデザインや雰囲気が素敵で、とても居心地が良い。お店の方もとても素敵。おすすめは本日のマフィンで、クリームを2種類選べる。今日は、サツマイモのマフィンにアイスクリームとヨーグルトのクリームにした。珈琲もすっきりとしたブレンドで僕は好きだ。
 珈琲をすすり、マフィンをほじほじしながら、共著者の論文をチェックした。確実に内容が良くなっている。感心しつつ、自分の論文も何とかせねばと思った。
 ポジティブ・シンキングとは、臭いものに蓋をして楽観視することではなくて、臭いものと対峙してその原因を探り、乗り越えていくことだと思う。そういうマッチョりすになりたい。

月曜日, 2月 27, 2012

春よ

暖かくなったなと思ったら、ここ数日のように寒さが戻り、春は足踏みをしているようだ。しかし、太陽の日差しからも目のかゆみからも、春はすぐそこまでやって来ているのだなと感じる。
 宣言通り、人工知能学会誌の原稿は仕上げた。いつも通り産みの苦しみを感じながら言葉をひねり出した。コンパクトだけど我ながら良いできに仕上がったと思う。翻訳の分担分も終わり、懸案事項は2つ減った。
 もうすぐ怒濤の3月だ。まずEvolangに向けてSimulationをやり直し、発表資料も作り、準備を万端に整える。今回のEvolangはワークショップでも発表することになったので、2つ口頭発表がある。(残念ながらチョムスキーの招待講演はドタキャンされてしまったようだ。)
 そして、プロジェクトの仕事もそろそろアウトプットを出さなければならない。「今年度になってから始めたばかりの研究です」なんて言い訳はもう通用しない。"Publish or Perish"(論文か死か)、これは雇われポスドクの宿命だ。ここでもう一踏ん張りできるかが勝負だ。春よ来い。

月曜日, 2月 20, 2012

書いて表現するということ

「書いて表現すること」について考えさせられることが多々ある。思想地図βや進化言語学の構築の原稿を書いたり、翻訳を手伝ったり、もちろん研究者なので論文を書いたりする。最近では、円城塔さんが芥川賞をとるというニュースもあった。
 文字が発明されて、書いて何かを伝えるという文化が始まり、グーテンベルグの活版印刷の発明以降にこの文化は爆発的に広がり、Webの普及で表現のインフレが起きた。もはや読み手をはるかに上回る書き手がいて、顧みられもチラ見もされない表現が溢れている。
 論文を書いているときも、ブログを書いているときもそうだが、少なくない時間と労力をかけて書いているこの表現は、誰の目にも留まらず、世界に一ミリの痕跡も残さないのではないかという不安に駆られる。文字を使っているのか、文字に使われているのかわからなくなる。
 しかし、そこでやめてしまったら負けなので、それでも書く。そして、今週はぜったいに、人工知能学会の論文を書き上げる。本物の人が読んだときにそれとわかるものを。

日曜日, 2月 05, 2012

鬼子母神散策

鬼子母神を散策してきた。(「きしもじん」と読む。実際は鬼のツノがない。)目白駅から徒歩10分程度で、明治通や目白通りなど交通量の多い道路から少し入った住宅地の中にある。ここだけ時代からとり残され、ゆっくりと時間が流れているのかしらと不思議な感じがした。そして、樹齢700年のイチョウの木に圧倒された。
 10円の賽銭では足りなかったかもしれないが、家族の健康、就職と子宝の祈願、福島の復興などなど、頼めるものは全て頼んできた。1つ願いが叶うたびに、追加のお賽銭をはずみますんで、なにとぞよろしく。
近くにキアズマ珈琲という良さげなお店があったけど、今回は満席で行けなかった。また今度。

木曜日, 1月 26, 2012

カフェ ネスカフェ

一昨年、書き物をするためにしばしば渋谷図書館を利用していた。ちょっと休憩しようとカフェを探したのだが、原宿駅周辺には落ち着ける店がなく、結局、若者に囲まれながらマックでコーヒーを飲んでいた。
 その当時はまだなかったのだが、久しぶりに原宿にいったら、Cafe NESCAFEができていた。開放的な雰囲気とおしゃれな内装がカリフォルニアっぽくてなかなよかった。電源もWIFIも無料で使え、長居するなら渋谷図書館よりだんぜんここがいい。
 ただ残念なことに、食べ物やコーヒーはあまり美味しくない。エビかつバーガーはまあまあですが、オムライスはお勧めしません。居心地の良さとの食べ物とのギャップがここまで大きかったカフェは珍しい。でも雰囲気は最高。
 煮詰まったらここまで来て仕事しようかな。

日曜日, 1月 15, 2012

A-NE CAFE

この寒さのため、最近はなかなか布団から出られません。特に週末は。昨日も昼ぐらいにもそもそと起き出して、午後になってからカフェ散策に出かけました。
 今回おじゃましたお店は、新高円寺にあるA-NE CAFE(アーネカフェ)というカフェで、もともと阿佐ヶ谷にあった評判のベーグルのお店がここに移ってきたそうです。[Link]
 スペースは広くありませんが、とても雰囲気が良く、書道アートの掛け軸などがセンスよくかけられています。カフェスペースには、おいしそうなパンやケーキ、サンドウィッチや焼き菓子などがあり、一階と二階に席にがあります。
 僕はレモンケーキとコーヒーをいただきました。このレモンケーキが甘酸っぱくて美味しくて、奥さんもはまったようです。また一つ高円寺のお気に入りカフェが増えました。

水曜日, 1月 04, 2012

あけおめ2012

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 昨年は大震災と原発の事故(人災!)があり、東北そして故郷の福島にとって大変な一年でした。しかし、先日訪れたアクアマリン福島ららミュウは活気を取り戻し、スパリゾートハワイアンズもこの2月に復活し、いわきの観光の要所は少ずつ回復しています。
 福島にぽっかりとあいてしまっ た「穴」は、塞がるのに長い年月がかかるのでしょうが、必ずや元通りに、いやそれ以上になると確信しています。
 今年はいい年にしたい!






















写真:ららミュウで出会ったアルパカちゃん