月曜日, 2月 02, 2026

心臓破りの丘を超えよう

  これはB'zのRUNの歌詞の一部だ。「心臓破りの丘」とは、ボストンマラソンの20マイル付近にある長く急な上り坂のことで、「ここが踏ん張りどころ」を表すときに用いられる。この4Qは、まさに自分にとっての心臓破りの丘だったのではないかと思う。

 先週で2025年度の授業が終わった。暗いうちに家を出て、冷たい風が吹く中駅へと自転車を飛ばし、電車が止まってくれるなと祈りながら、8時にはキャンパスに着くように向かう。辛いといえば辛いが、朝一という清々しさもある。これで、寝坊・遅刻せずに、土曜一限に大学へ行って講義をするプレッシャーからは解放された。

 2025年度は、新しい授業を2つ立ち上げたので、その準備もなかなかの苦労があった(いい勉強の機会になったが)。本来なら腰を据えて時間をかけたいところだが、こういう時に限って主任業務が増え、加えて、2つの大型研究プロジェクトを同時並行で進めなければならなかった。ポスドクや学生の指導、各種依頼業務も途切れなく舞い込む。気がつけば、常に何かに追われている状態だった。

 きついと思いながらも、とにかく目の前の仕事を片付けていくしかなかった。しかし手は抜かず、着実にこなした。主任の任期は2か月を切り、肩の荷がおりてきた感じはする。今年は50歳の節目を迎える。これまで自分は十分よくやった。今度は自分のために走る番だ。荒野を超えよう!

土曜日, 1月 17, 2026

プロジェクト型研究の難しさ

  幸いなことに、大型研究費に連続して採択され、この数年は、研究費が底をつくという状況はまぬがれている。しかし、競争的外部資金をずっと獲り続けることは困難なので、いつか研究費がないという状態にならない保証はない(助教時代、若手Aで撃沈して、他の先生の分担金でしのいだことが1回だけある)。

 では、大型研究資金に採択されることが無条件でよいことかというと、そうではない。プロジェクトの期間はCRESTは5.5年で、K Programは約4年。毎年成果を出さなければならないし、中間審査やステージゲートもある。自分がなっとくできる研究成果を論文化するのだ、と思っていても、他のグループはわんさか業績を出してくるので、常にプレッシャーがある。1つひとつの研究が近視眼的にならざるを得ない。

 そして、プロジェクトのゴールに共鳴して一緒に研究してくれる特任教員や研究員を探すのは、いまや至難の業。雇用できる期間が限られているので、人を育てながらなどという悠長なことを言ってられず、即戦力を求めることになる。しかし、そんな悪条件のポジションに、なかなか適任者が来ない。せっかくいい人が見つかったと思っても、いろいろな理由で継続雇用が困難になる。

 研究のことを考えている時間よりも、「人・モノ・金」をマネジメントすることに多くの時間を割くことになる。研究がしたくて研究者になったが、過去の自分はこんなことになると思ってもいないことだろう。今年50歳になるので、もう中堅ではなくてベテランになる。かつて自分があこがれていた研究者になれるかどうか、最後のチャンスになるだろう。堅実に成果を出しつつ、リスクもとって一発も狙う。2026年度は研究に全振りする。

月曜日, 1月 12, 2026

テレビという苦手ジャンル

  本日(1/11(日))、「世界一受けたい授業」の自分が出演した回を見届けました。12月の収録だけでなく、1/9(金)にいつくかの音声だけを取り直しました。なるほどこうやって1つの番組を編集するのかと勉強になったし、番組に関わっている方々のプロの仕事にとても関心しました。

 テレビ(やYouTube)は本当に苦手で、授業や講演では流暢に話せることが、カメラを向けられている状況だとそうはいかない。緊張しているわけではないが。撮影の独特の空気が重しになり、変な窮屈さと言葉のアクセスの悪さに苦しむ。

 では、なにゆえにテレビ出演を断らないかのかというと、苦手だからです。「苦手なものは克服しなくてはならない」という、なぞの哲学が僕にはあって、ゆえに引き受けている(よほど忙しいときは別ですが)。もちろん、それがフェイクニュースの問題や自分の研究が広く知られるきっかけになればいいな、という気持ちもあります。

 タレントさんはさすがにプロで、台本があったとしても、僕はあんな風には「演じられない」。しかし、僕も素人なりに頑張ったのではないか。今回は、そう自分を慰めることにします。

 1月18日(日)18:59 まで、TVerでも視聴できます。ご笑覧ください [TVerはこちら]。   

番組で拙著2冊も紹介していただきました。

金曜日, 1月 02, 2026

あけおめ2026

 2026年もよろしくお願いいたします。今年は、研究にもっと集中できるように、仕事の取捨選択をして、時間を有効に使おうと思います(年度末で主任をバトンタッチすることになるので、もう少し余裕ができるはず)。

 昨年採択されたCRESTのプロジェクトは、今年から活動を本格化します。PIとしてビジョンを示し、チームと予算をマネジメントすることが求められます。一昨年からスタートしたK Programは、社会実装に向けて開発を加速することが求められます。

 個人プレーで研究していた時は、ある意味楽でした。自分のことだけ考えていればよかった。しかし、プロジェクトはチームプレー。チームとしてのパフォーマンスを最大化するためには、相応の工夫が必要。単なる寄せ集めではいけない。

Fast alone, far together(早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければみんなで行け)

 着実に手堅い研究成果を積み重ねつつ、イノベーティブな研究も狙っていく。これができないなら、PI失格。ここをがんばる。


(2006年にこのブログを始めたので、今年で20年目に突入です。20年かぁ...)

月曜日, 12月 29, 2025

カメはうさぎを超えていく

 愛知県立旭丘高校スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の評価委員を務めて、今年で6年目になる。コロナ禍が明けて以降は、毎年12月に、東京研修の一環として生徒たちが東京科学大学を訪れている。

 今年は12月23日に、18名の生徒が田町キャンパスを訪問した。プログラムは以下の通りである。同僚や研究室のメンバーにも協力してもらい、研究内容だけでなく、研究者としてのキャリアの多様性についても話してもらった。

 クロージングでは、以下のScience論文をベースに、生徒たちにエールを送った。
Güllich, A., Barth, M., Hambrick, D. Z. & Macnamara, B. N. 

 早熟な秀才よりも、幼少期に多分野にわたる経験を積んだ人の方が、特定分野での成長は緩やかである一方、成人期のピーク年齢においてトップ層に到達する確率が高い、という研究結果だ。だからこそ、早い段階でやりたいことを一つに絞り込むのではなく、複数のことに本気で取り組んでほしい。そのことには、科学的な裏付けがある。

 こうした言葉を素直に受け止められる生徒たちは、間違いなく成長すると思う。そして、これからの日本を引っ張っていく存在になると思う。






金曜日, 12月 26, 2025

世界一受けたい授業

 「世界一受けたい授業」に出演します(2026/1/11(日)19時00分〜20時54分)。

 台本に沿いつつも、現場でのアドリブや解釈の揺れから生まれた「逸脱」を、確実に笑いに回収していく、堺正章さんとくりぃむしちゅー上田さんの技術は、本当にすごいと思いました。そして、藤木直人さんは格好いいし、ゆうちゃみさんはきれいだし、成田悠輔さんは鋭かった。 

 ご笑覧ください。