火曜日, 3月 19, 2019

星4つ

 拙著『フェイクニュースを科学する 拡散するデマ、陰謀論、プロパガンダのしくみ』は、おかげさまで、多くの方から「わかりやすい」という言葉をいただいている。著者としてこれほどうれしいことはない。アマゾンの評価も含め、評価はおおむね星4つである(星を1つ減らす理由は人それぞれ。テーマがテーマだけに上出来だと思う)。
 もっと紙面を割いて専門的な知識を盛り込んだ方がよかったかしらとか、内容を網羅的にした方がよかったかしら、と思ったこともあったが、最初から「フェイクニュースの科学に関する入門書です」と割り切って書いたのが結果的にはよかった。この本を読んでほしい読者層は、科学者やジャーナリストなどではなく、一般の人たちなので。
 何人かの方が拙著を読んでブログなどでコメントを書いてくれている。



土曜日, 3月 16, 2019

夜の静けさに思う

 ぎゃんぎゃん泣く下の子を何とか寝かしつけ、束の間訪れるのがこの静けさ。空気清浄機の「クォー」という音、子どもの寝息、忘れた頃に動き出す冷蔵庫の音。自分を見つめなおす時間でもある。
 世の中の流れが早すぎるのか、自分が遅すぎるのか、得も言われぬ焦燥感が日々ついて回る。余力でやらなければならないことが多すぎて、一番やりたいことを圧迫して、本末転倒なことになっているのがいけないのだ。
 こんまりさんの断捨離が全米で受けているそうで、要するには「ときめくかどうか」で、えいやっと物を捨てていく。英語だと「spark joy」。
 仕事も「spark joy」かどうかを自身に問うて、Noだったら捨てることにしようか。雑用はすべてNot spark joyなのだが...。
 
 
 

土曜日, 3月 09, 2019

武器化するフェイクニュース

 NHKクローズアップ現代プラスの3月4日の放送は、フェイクニュースがきっかけとなり、自ら命をたった台湾の外交官についての話だった。私もインタビュー出演した。
 2月半ばにNHKの方から連絡があって、はじめてこの事件を知った。インドでは、ネット上のデマが原因で殺人事件が起こったことはニュースで知っていたが、日本でこんな痛ましい事件が起こっていたなんて、それまで知らなかった。
 当初の予定では、「中国がバスを手配して、台風の被害を受けた関西空港から同胞を移動させている」というデマが、SNS上をどのように拡散し、変遷したのかに関してコメントするはずだった。しかし、そこを深掘りするよりは、「この事件を教訓としてほしい」という、外交官の奥さんの意向にそう形の内容に変更になった。
 この1つのデマは、中国側では中国政府を称賛する声とともに拡散した。一方、それは台湾の人たちの怒りを煽り、台湾政府の対応のまずさを非難する圧力となった。SNS上のデマを台湾のマスコミがファクトチェックせずに放送したことが、さらに自体を悪化させ、この外交官を追い詰めた。ネット上の嘘が現実世界の悲劇を産んだのだ。
 一見、中国と台湾という緊張関係にある国同士の特殊な問題のようにも見えるが、このデマが拡散する構造は他のフェイクニュースの拡散とも類似している。同様の事件は、どこの国でも、どんな人にでも起こりうる。そのことを改めて思い知った。

追伸:NHKの論調とは異なる意見もあります。異なる意見に触れることもまた重要です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190311-00000006-jct-soci