月曜日, 3月 21, 2016

オープンレクチャー2016

 名大のオープンレクチャーで講師を務めた。大学教員にとってはアウトリーチの活動の一環で、一般の方にとっては大学の講義を聴講できるチャンス。こういうイベントはとてもいいと思う。僕が聴講したいぐらいのおもしろそうな講義がいくつもあった。
 どのぐらいの人数が集まるのだろうと、全体説明の会場を覗いてみたら、高校生を中心としてほぼ満員御礼。祝日にわざわざ大学まで来て講義を聞こうというわけだから、参加者はとても勉強熱心だ。理系の名大ということもあり、素粒子やプラズマの話はとても人気があるようだった。
 僕はというと、「Twitterで読み解く人間行動のはなし」と題して、できるだけわかりやすく計算社会科学の話をした。45名の申込みがあって、実際に来たのは35名程度。しかし、講義の参加者は熱心に話を聞いてくれ、講師を務めた甲斐があった。高校生がほとんどだったが、中にはご年配の方もおられた。今日の講義が少しでも刺激になったらいいな。
 

日曜日, 3月 13, 2016

3月

 ここ数年、3月は査読に追われている気がする。今年も国際会議の論文やアブストラクトの査読が11本、ジャーナルが1本。必ずしも自分の得意な内容ばかりではないので四苦八苦するが、これまた勉強である。極力ポジティブに評価し、どこを直せば内容が改善されるかをコメントするようにしている。それにしてもこの量である。
 研究者にとって、学会発表や論文出版の機会は昔に比べれば格段に増えたに違いない。論文を年に10本出版する研究者はざらにいるし、しょっちゅう国際会議で世界中を飛び回っている研究者もいる。しかし、その中に本当に世に送り出す価値のある研究はどのぐらいあるのだろう。「出せば官軍」というわけでもないだろう。
 「これは負け惜しみでない」と言い切れるぐらい、いい研究をしなければ。
 

土曜日, 3月 05, 2016

異分野交流

 先週末は計算社会科学のワークショップ、今週は総合コミュニケーション学の研究会に参加した。
 前者の研究会は、日本でもこれから計算社会科学(CSS)を盛り上げていこうというもので、Dirk Helbingの招待公演に引き続き、物理学、社会学、経済学、情報学から中堅および若手の研究者が研究発表を行った。計算社会科学の意味するものが研究者によって異なるし、そもそもちゃんとした定義などないので、「計算」と「社会」に関係のありそうな話題をそれぞれ提供した、という感じだった。 僕は「ソーシャルセンサー」を中心テーマとして、複雑系としての性質と社会現象への応用という感じでまとめた。発表や質疑応答を聞いていて、やはりこの分野は若手が面白い。
 後者の研究会は、名大の時田さんが代表を務めるプロジェクトで、僕もメンバーとして参加している。今回は発表がなかったので、心置きなく聴講できた。有田さんや池上さんも発表もあって、いろいろ研究のヒントをもらった気がした。その他にも、環境社会学のフィールド調査やゲーム理論による荒らしの分析など、普段聞けない話があって面白かった。
 異分野交流型の研究会は「気付き」に満ちていて楽しい。