水曜日, 3月 21, 2018

研究生

 このところ、研究生になりたいという中国人からの問い合わせが続いた。メールには、丁寧な日本語で自己紹介と先生の研究に興味があるというようなこと書かれている。しかし、研究に関して表面的なことしか書かれていないので、中国人留学生を受け入れている実績のある先生に、片っ端からメールを送っているのだろう。
 現在、うちの研究室にはM1の中国人がいて、来年度からもう1人増える。彼らは大学院の試験に合格した、研究も一生懸命する学生たちだ。
 そういう個人的経験もあって、問い合わせのあった学生には、Skypeでとりあえず話をしませんかと返事をした。一人は「今はちょっと忙しい」という返事が来て、もう一人は「ぜひ」ということだった。
 その学生と、日時を決めてSkypeしたのだが、音声もテキストも送ることができなかった。実は中国ではSkypeが使えないのだ [Link]。話ができず、分野もかなり違うということもあり、別の先生に問い合わせるようメールで連絡して、やりとりを終えた。
 ネットで調べて見ると、研究生になりたいという中国人からの問い合わせが日本の大学で増えていて、結構問題も多いようだ [Link]。自分がさけるリソースは限られているので、今後は、院試に合格した学生や国費留学生を除き、こうした問い合わせはお断りすることにした。 

日曜日, 3月 11, 2018

高校生の自分に伝えたいこと

 旭丘高校のスーパーグローバルハイスクール成果報告会で、「計算社会科学というわかり方・生き方」と題して講演をした。生徒たちは熱心に聞いてくれていたようだった。
 自分の高校時代はもう20年以上も前。院生と話をしていても通じないこともあるのに、高校生ならなおさら。どんな話をしようか迷った。
 講演の2/3は、自分の研究も交えて計算社会科学のイントロ的な話をした。いろんなところで話した内容なので、これは鉄板。残りの1/3は、僕がどのようにして研究者になったのかや留学経験などを話して、「高校生の自分に伝えたいこと」というメッセージで締めくくった。
  • Take a chance(リスクをとってチャンスをつかめ)
  • Prepared mind(準備された心(をもとう))
  • Be a unique flower(世界に1つだけの花になろう)
 どの口が言うかと自分につっこみたくもなるが、もし高校生に戻れるならば、これらのことを心に刻んで、当時諦めたことにもう一度挑戦するだろう。
 僕に言われなくても、才能あふれ希望に満ちた彼ら彼女らは、きっとすばらしい人生を歩んでくれるだろうけど。

土曜日, 3月 03, 2018

子育ての予習・復習

 うちの子はこの4月で3歳になる。よく食べるし、大きな病気もせず、健康そのものだ。しかし、奥手な性格のせいなのか、海外で過したからなのか、まだお喋が達者でない。
 子どもには個性があるからと言われるが、ここまで言語発達が遅いと心配だ。幼稚園に行きだしたら、言葉の爆発期がくるのだろうか。
 科学者なので、根拠やデータの裏付けがない子育てあるあるには惑わされないようにしている。しかし、個別の論文にあたるわけにもいかず、子育ての科学に関する本があったらいいなと思っていた。
 池谷裕二著のこの本はそういう意味でなかなか良い。著者は脳科学者なので、科学的知見をちりばめながら、4歳までの子どもの発達と子育て経験について書いている。語り口も軽快で、微に入り細に入りせず、読み物としてちょうど良い。子育ての予習・復習にもってこいだ。