日曜日, 6月 29, 2025

XFinch実験

 6/6-8の3日間に渡り、CRESTの目玉となるXFinch実験の本番を実施した。XFinchというのは動画を共有するInstagramのようなSNSで、実験用のシステムとはいえモックアップではなく、本格的なSNSだ。

 学生たちに協力してもらったテスト実験を2回、100人規模の予備実験1回を経て、1200人超の参加者による本実験。テストや予備実験で見つかった不具合を修正して臨んだが、本番では想定していなかった様々なトラブルが起こった。

 しかし、それは最小限に食い止めた。SNSとして使えないほど動画が遅延したり、参加者の行動データの記録に失敗するといった、大きなトラブルはなかった。何とか本実験を無事終えることができた。プロジェクトのメンバーと議論を重ねてきたことが功奏した。

 先日のCREST領域会議で、XFinch実験の予備分析の結果を報告した。今後、論文化に向けて分析を進めていく。これで、CRESTの申請書での公約を果たし、2020年から始まった5.5年のプロジェクトをクローズしていくことになる。言葉にできないほどの苦労がたくさんあったが、PIとして様々な経験を積むことができた。支えてくれた方々に感謝したい。

 実験成功を記念して、Tシャツを作った。XFinchのキャッチフレーズは、「Blue bird is gone, but not in the blue sky」。何を言っているのか想像がつくだろう。



日曜日, 6月 22, 2025

国産IPA

  ビール好きだが、中でもIPAが特に好きだ。今のところ最高のIPA体験は、IndyでNetSciがあったとき、宿泊していたホテル近くのレストランで食べたバッファローチキン+IPAだ。酸っぱ辛いソースと濃く苦いIPAが最高に合う(あー、Bloomingtonに帰りたい)。

 日本では長らく「インドの青鬼」ぐらいしか、自分に合うIPAがなかった。しかし近年、色々な国産IPAが出てきて、値段はだいぶするがご褒美にはもってこい。これまでに飲んで美味しかった、自分好みの国産IPAを紹介する。

  • Hysteric IPA 大好きな名古屋の地ビール、ワイマーケットBREWINGの一本。フルーティーだけどガツンと苦い。名前も格好いい。
  • NEKONIHIKI 伊勢角屋麦酒さんのIPAも同種。猫シリーズはどれもうまい。父の日に大人買いして、3本ゲットした。



火曜日, 6月 10, 2025

国立大学教授のお仕事

 「国立大学教授のお仕事―とある部局長のホンネ」(木村 幹 (著))という本を読んでいる。この手の話題は、ややもすると暴露本的で、恨み辛みの表現で下品になりがちだが、著者の経験として淡々と客観的に描かれていて、読んでいて苦にならない。

 「研究がしたくて研究者になったのに、なぜこんなに時間がないのか?」そんな疑問は大学教員なら誰しもが思うことだろう。依頼された大量の仕事をとにかく片付ける、という作業していると、あっという間に時間がなくなり、研究・教育に割く時間が枯渇する。プライベートの時間まで仕事が侵食してきて、だんだん時間の感覚が麻痺してくる。

 この本を読んでも、その問題が根本的に解決するわけではないが、少なくとも国立大学どのような歴史を辿って、教授が今のような境遇になっているのかを知ることは大事だろう。若手研究者がこれからのキャリアを考える際にも、参考になると思う。

 なぜ教授になれたのか、それは著者も書いているように、「運」と「縁」ということに尽きる。もちろん、その「運」と「縁」を手繰り寄せるための努力は、当時それなりにしたのだろう。今となってはよく覚えていないが。覚えているのは、その時その時、置かれた場所で一生懸命、やれることをやったということ。

 目標を持ってコツコツとやる。日々の素振りが、大谷の特大の一発を生むように。