月曜日, 10月 06, 2025

Agents of Influence

Filと私
 先述したワークショップ「Agents of Influence: 60 Years of Connections」に参加し、発表してきた。Filの同僚、教え子やポスドクはもちろん、彼の大学院時代の指導教員も参加していた(Filはイタリアの大学で学士・修士を取った後、UC San Diegoで博士号を取得した)。たくさんの写真と共に懐かしい思い出話や、当時や最新の研究の話など、いろんな話を聞くことができた。

 これまでにFilはすごい数の論文を書いているが、自他ともに認めるワーカホリック。床にノートパソコンを置いて作業しているFilの写真が映し出され、「これは結婚式直前です」と。会場は爆笑に包まれた。国際会議の締め切りがあると、早朝まで学生と議論しながら論文の作業をすることもあったそうだ。

 私はFilとIUに関する3つの思い出を語った後、XFinch実験の最新結果について発表した。それほど発表練習もしなかったし、他の発表者のように面白く話せるかだろうかと、内心心配していたが、いざ発表が始まるとスラスラと言葉が出た。Filからはたくさんのことを学び、本当に感謝しているので、心の底で思っていることを言葉にするのに苦労はなかった。

 10年後の私は今のFilとほぼ同じ年。彼のようなスーパースターと比べるべくもないが、少しでもFilに近づけるように、彼の背中から学んだことを実践していきたい。

 

土曜日, 10月 04, 2025

B-town revisited

 Filの60歳のお祝いのワークショップで、久しぶりにIUに来ている(ワークショップについては、別の投稿で)。ずっとBタウン(ブルーミントン)を再訪したいと思っていたけど、コロナ禍になったり、大学を異動したり、大型プロジェクトに関わることになったりと、状況的にも、気持ち的にもできずにいた。

 ワークショップの前日夕方にBタウンに着いたので、ホテルにスーツケースを置いて、昔住んでいた頃に行った店や場所を散策した。道を挟んでホテルの反対側には、私も妻も大好きだったThe Butcher's Block(プルドポークは絶品)やしばしば行ったスタバ(一番行ったのは、Krogerとブルーミントン南高校の近くの店舗)がある。

 そして、新たにオープンしたFresh Thyme側からカレッジモールの中に入り、たまの贅沢だった中華料理屋Judy'sキッチンやTargetがあることを確認した。Target側は空きスペースが多く、少し寂しい感じになっていた(改修工事をするのだろうか)。残念ながら、倅少年にRodyを買ってあげた玩具屋さんはなくなっていた。

 ここまで来たら行ってしまえと、Covenanterまで足を伸ばした。昔住んでいた部屋はまだあった。ここには家族三人の思い出が詰まっている。明日もここからIUに通っても不思議ではない気がするのだが、もうここには住んでいないのだな、などと哀愁が込み上げてきた。ひとしきり写真を撮って、またカレッジモールに戻り(途中のショートカットの獣道は、車がない時に、ベビーカーを押して通ったものだった)、Judy'sキッチンで大好きだった麻婆豆腐を夕食にテイクアウトして、ホテルに戻った。具材は変わったが、相変わらずのうまさ。

 ワークショップが終わったらインディーに移動して一泊する。翌日の飛行機が夕方なので、昼過ぎぐらいまでインディーを散策して、空港に向かう。家族でチルドレンズミュージアムによく行ったものだった。流石に一人で行くことはないが、雰囲気が好きだった図書館やカフェなどを再訪してみよう。

p.s. 飛行機は夕方だと思い込んでいたが、それはシカゴ-羽田便だった。スマホに届いた通知で、Indy-シカゴ便が14:25であることに気づき、慌てて空港に向かい、事なきを得た。

スタバとThe Butcher's Block

昔住んでいたアパート

アパートの裏にはBBQの設備がある

Kroger内のスタバ

Judy'sキッチン


金曜日, 9月 26, 2025

Trust and Safety Research Conference 2025

 標記国際会議に参加するために、2年ぶりにスタンフォードに来ている。今回は業務の合間に来ているので、本当にキツキツのスケジュール。9/22に9月卒業の学生たち送り出し、祝日を挟んで9/24は事務仕事を片付けて、飛行機に飛び乗った。

 カリフォルニアのよいところは、9時間ちょっとで着くこと。ただし、日本の夕方に出発すると到着した現地はまだ朝なので、初日が異様に長い。しかもこの日は、日本時間の夕方にオンラインの講演と入試説明会の仕事があって、その対応をしなくてはならなかった。割り込みで新聞の取材や雑務もあり、自分の発表練習もままならなかった。

 入試説明会を無事終えて、仮眠をとってフラフラの状態で学会に向かった。それでも、この学会は楽しい。通常のアカデミアの人たちだけがいる学会とは違い、企業や行政関係者も多い。話題もAI系の学会で耳にすることがないような話も多く、楽しい。CRESTのもとポスドクのDilにも会った。頑張っている姿を見るのは頼もしい。

 あまり準備された発表とは言えないが、何とか自分の発表も終えた。会場からは2つ質問があり、その後のハッピーアワーでも、何人かの人に「あなたの発表面白かったよ」などと声をかけてもらい、議論をした。こういうのが楽しい。

 ようやく慣れてきたかなと思ったら、今日が学会2日目で最終日。明日には、また飛行機に乗って日本に帰り、重要な主任業務。そして、10/2にはまた米国出張がある。とにかく慌ただしいわけだが、この状態に慣れるしかないのだろう。今日の学会を最大限楽しみたい。

キーノート













Dilと再開した


月曜日, 9月 22, 2025

CREST Social AI

  このたび、JST CREST(「人とAIの共生・協働社会を実現する学際的システム基盤の創出 」)に採択されました(5.5年, 2.95億)[リンク]。「信頼準備性(Trust Readiness)」という新概念を手掛かりに、ソーシャルAIの理論・技術を作り、社会実装に向けて実証実験を行います。

  • 研究課題名:不確実性社会を克服する信頼指向ソーシャルAI設計学
  • 研究代表:笹原和俊(東京科学大学)
  • 主たる共同研究者:越前功(国立情報学研究所)、五十嵐祐(名古屋大学)
 申請書および発表資料の作成は、もちろん大変でした。5月のGW明けぐらいに、スタバで考えていた時に降ってきたのが、「信頼準備性(Trust Readiness)」という新しい概念。昔ある先生が「最近レディネスについて考えているんだ」と言っていたことが耳に残っていて、それが自分の問題意識と相まって、ポロリと出てきたのかもしれません。
 この概念を中核に据えて、3つのグループがどのように連携するのかを想像し、共同研究者の先生方の専門を踏まえて、2週間ほどで研究の全体像を書きあげました。申請書を提出した段階で、書類審査は通るだろうという自信はある程度ありました。なので、面接に通ることを前提に、海外出張の帰国の日を1日伸ばして、面接に備えました(国際会議の翌日が面接日に指定されていました)。
 面接のお知らせが来てから発表資料の提出までの時間は短く、海外出張の行き飛行機の中で、発表資料をほぼ完成させました。国際会議に参加中も、「面接で落ちたらすべてが徒労に終わる」と自分に言い聞かせて、ホテルで直前まで発表練習をしました。そして、迎えた面接当日。発表と質疑応答の受け答えから、採択をほぼ確信しました。
 この間、主任業務などもこなしながら、過去一の集中力を発揮して難局を乗り切ったと思います。もちろん採択は入り口であって、研究はこれから。
 ちなみに、我々の領域のCRESTの採択率は6/79。Science Tokyoとしても大学全体で善戦しており、CRESTは6件採択で京大と並んで2位(1位の東大は11件)[リンク]。


日曜日, 9月 21, 2025

軽井沢旅行

 毎年、越前CRESTでは、軽井沢にあるNIIの施設で合宿をしていて(今年度で最後)、行くたびに、いつか家族で来たいなと思っていた。軽井沢チョコレートファクトリー丸山珈琲ぐらいしか立ち寄れなかったので。

  そこで、今年の家族旅行は2泊3日で軽井沢に行ってきた。旅行中ノートパソコンは開かないと心に決め、持参したのはiPadのみ。

 初日の土曜は昼まで仕事があったので、午後から出発。軽井沢といっても、今回の宿は北軽井沢にあるコテージ(嬬恋なので、長野県ではなく群馬県)。コンビニで飲み物を調達して、宿の着いてすぐにBBQ。とても良質のお肉で、とても美味しかった。

 二日目は、鬼押出し園に登った後、浅間牧場でソフトクリームと牛乳を楽しみ、細い山道と調渋滞を越えて、旧軽へ。ベーカリー&レストラン沢村でお昼を食べ、劇込みの旧軽井沢銀座を散歩し、沢村ロースタリー軽井沢で休憩。そして、夕食にそばを食べて、昼は劇込みで断念したハルニレテラスにあるトンボの湯に入って、コテージに戻った。

 3日目は、子供たちが楽しみにしていた軽井沢おもちゃ王国で、一通りアトラクションを楽しんだ(もっとおもちゃに関係するのかと思っていたが、基本的には中規模の遊園地)。その後、白糸ノ滝を見て、軽井沢駅近くのアウトレットに立ち寄って、帰路についた。

 この家族旅行のために仕事をがんばるのだと、自分に発破を掛けてやってきたので、1つ重要イベントが終わったという感じ。(この前後の仕事のきつさは過去一二を争うレベル)書きたいことはたくさんがあるが、またの機会に。

Holiday Villaのコテージ















鬼押出し園から見た浅間山
















白糸ノ滝


水曜日, 9月 10, 2025

締切のスクラム

  提出締切が続き、四方八方塞がりの日々は本当つらい。「やりたいこと」をまったくできないほどの「やらなくてはいけないこと」。逃げたところで自分の首を絞めるだけなので、レッドブルの力も借りて、ひとつひとつタスクを片付け、家族旅行前に最後の1つまでたどり着いた。

 9月も中盤に差し掛かろうとしている。今月だけでも依頼講演が4件、学会発表1件。気が付いたら、カレンダーは予定でパンパン。2週連続で米国出張も控えている。「なにくそ、ここで死んでたまるか」と、体に鞭打って前に進む。

 私の夏休みどこへ...。