月曜日, 2月 25, 2008

ドトール猫

 2月22日はにゃん、にゃん、にゃんで、猫の日なのだそうだ。最近この寒さのせいか、とんと猫を見かけなくなった。理研の猫はもう2、3か月見てないし、アパートの近くの猫たちも以前ほど見かけない。野良猫たちには今年の寒さは厳しかろう。
 池袋をぶらついていたら、ドトールコーヒーの入口で店内の様子をうかがっている猫がいた。「にゃんだ、コーシーが飲みたいだしか?」久しぶりの猫なので、人目もはばからず「にゃん!」と声をかけてしまい、道行くカップルに笑われてしまった。このにゃんこは、見るからにばっちいのだが、近づいて来てこすりこすりしてくる。とても人懐っこい。あまりにひもじそうな顔をしていたので、ベティにあげようと思ってカバンの中に常備していたカツオ棒をあげた。彼(彼女?)はガツガツ平らげて、物足りなそうにしていた。次は隣の大戸屋で、かあさんのカツ煮定食の残りでももらうのだろう。お腹をこわすでないぞ。




火曜日, 2月 19, 2008

ぶんぶんぶん、ろんぶん。

 電通大の柿下君が修士論文で最優秀賞をとった。彼とは3年間知恵を出し合って研究をしてきた。オーストラリアの学会も一緒に行った。自分がもったはじめての学生のようなものなので、とてもうれしい。自分が学生時代は賞なんてものとは無縁だった。一度だけ、Artificial Lifeの国際会議でProceedingが論文賞の候補に挙がったことはあるけど、結局落ちちゃった(その後、この研究は無事、Arficial Life誌に載りました)。
 Kakishita et al.を3月中に、Sasahara et al.を4月をめどに論文をまとめたいと思っている。はあ。ふう。だぁ。まだエンジンはかかっていないが。機械学習と生物、天と地ほども差がある両者をうまく関係づけて、目から鱗が落ちるような論文にしたい。特に、問題の設定の仕方や共有の仕方が問題だ。そこを失敗すると、いつも火だるまになる。境界領域はそういうところが楽しくもあり、つらくもある。統数研のレポートを先週なんとか仕上げたので、ここに掲載します。まだまだ研究の途中経過だけど、コメントがある方はよろしくお願いします。あと、誤字脱字も。[PDF]

金曜日, 2月 15, 2008

林檎と坊主

 ちょっと高かったけど(福澤さん約1.5人分)、前から欲しかったBOSEのin-earイヤホンをiPod用に買った。純正のイヤホンと圧倒的に違うのが、低音領域。音の響き方がとても心地良い。耳へのフィット感も良い。イヤーパッドがとれやすいというコメントがちらほらあるので、なくさないようにしないと。
 BOSEのノイズキャンセリング・ヘッドホン、Quiet Comfort3は昨年から使っていて、こちらはすでに僕のお気に入り。環境音の逆位相をリアルタイムで計算して、それをぶつけてノイズを打ち消すというもの。アイディアとしては誰でも思いつくようなものだが、FFTの開発やコンピュータの性能の向上があって実現できた技術だ。海外に主張する時は必需品。さすがに飛行機の「ガー」という音が無音になるわけではないが、あの耳障りな音はだいぶ軽減される。バッテリーのもちも悪くない。一回の充電で数日はもつ。これをつけて仕事をしていると、人から呼ばれても気が付かないことが少なくない。ほんとに音楽以外聞こえないのだ。
 ビックカメラでイヤホンを買って店を出ようとしたら、入口で大量のチョコレートが機械的に捌かれている。なんと商魂たくましい。でも何だか味気ない。作ってくれたり、選んでくれたり、という気持ちがうれしいのだと僕は思うけれど。

木曜日, 2月 14, 2008

どげんかせんといかん

 ここ2日何だか慌ただしかった。早起きをして、午前中、鳥の世話と書類仕事を急いですませて、ワークショップに参加するために本郷に。機械学習や自然言語処理の現状を知りたくて参加した。[link] 二日目の講演は、僕にとって興味深いものだった。テクニカルな話の詳細までは追えなかったけど、何をしたいかはわかった。(岡野原君がブログで簡潔にまとめてくれている。[link] ) 電通大の柿下君とやっている研究をまとめる上で参考になった。
 東大の岡野原君と話ができた(というよりは、僕が質問しまくっていただけかもしれないが)も良かった。N-gramの文献をWebで探している時に、よく彼の書いた物が検索にかかったので、誰だろうと調べたら僕と同じ磐城高校の後輩だった。磐高ではラグビー部で、現役で東大。スーパークリエーターに認定されたり、数々の賞を受賞し、がつがつ研究をしている。先輩としては誇らしい限りだ。若い才能と一緒にいると、「どげんかせんといかん」という気に自ずとなってくる。磐高コンビで共著論文を書く機会に恵まれたらとてもうれしい。さて、まずは目の前の締切間際の書き物を終わらせないと。去年11月に統計数理研究所でやった研究会[link]の報告書がまだ書けずにいる。がんばれ、レゴ。

月曜日, 2月 11, 2008

博士の愛した数式

美しい文章で綴られた美しい物語だった。80分しか記憶の続かない博士と家政婦さんとその息子ルートが、数学という言葉を介して、ぎこちないながらも不思議で暖かな絆を築いていく。それは、友愛とも恋愛とも家族愛とも違う。しかし、それらに劣らず温かくて確かな絆だ。文字通り計算された数のトリックが、独特の雰囲気を小説に与え、読んでいて小さな「へえ」が絶えない。文学者が数学を表現すると、こうも美しく描けるものなのかとつくづく感心した。僕が好きな文章を2つ紹介したい。

博士が家政婦さんの息子にルートというあだ名をつけるシーンで。
「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ。」
家政婦さんがオイラーの式を解釈するシーンで。
果ての果てまで循環する数と、決して正体を見せない虚ろな数が、簡潔な軌跡を描き、一点に着地する。
Amazonの書評では、人物の詳細が書かれていないという手厳しいコメントもあったが、そこに重きが置かれていないからこそ描けた世界観なのではないかと、僕は思う。機会ががあったら、映画化された作品のDVDも観てみたい。


ちなみに、オイラーの式とは左のような式で、この簡潔な表現に、虚数i、円周率π、ネイピア数e(自然対数の底で約2.7)、そして、マイナスと1、数学の主役たちが詰まっている。このオイラー式を主題にして、解析学の基礎をすっきり学べる、僕のお気に入りの一冊がこちら。今は文庫版のみ売っている。

水曜日, 2月 06, 2008

冬の猫背


 フィットネスクラブでトレーニングをした後、ひとっ風呂浴びて、気持ちよく道を歩いていたら、このにゃんこに出会った。首輪がついているので、きっと飼い猫なのだろう。でも、何でこんな時間、しかも、こんな寒いお外にいるんざんしょ。「にゃー」と声をかけたら、「ぐるにゃー」と言って近づいてきた。とても人懐っこい。足元でこすりこすりをして、目からは餌くれ光線が出ている。ついでに、鼻水も出ている。風邪か、花粉症か。とまれに背を向けてわが道を行く猫。素敵です。
 そういえば、理研の猫たちを最近全然見かけない。昼時、保健センターの軒下や守衛さんの所をのぞいてみるが、とんと見かけない。寒くて飢えているのではないかと心配だ。いつ彼らにあっても餌があげられるように、99円ショップでかつお棒を買った。「焼きかつおしらす味、土佐清水港直送」。こんなところにも偽装が。舛添さーん。