金曜日, 1月 28, 2011

食える数学

 あちこちのブログ(例えばここ)で評判だった「食える数学」を読んだ。著者は数学科で数学を学んだ後、企業の研究所で工学に携わり、その後、工学部の教員となり数学を教えるに至る。数学科の数学と工学部の数学は全然違うということは大学にいるとしばしば耳にすることだが、著者は身をもってそれを体験し、それをざっくりとこの本にまとめている。著者は「証明を重視しない高等数学」を数学IVと呼び、それが工学部などで必要とされる数学だと主張する。確かに数学IVの良い教科書があったら、僕も数学を学ぶのに苦労しなかっただろう。
 数学者は美しさにこだわり、工学者は役に立つかどうかを最優先する。おそらく物理学者はこの中間ぐらいだろう。この中間を行くのにちょうどいい数学の本がほしいものだ。著者も書いているが、「これなら分かる応用数学教室」はそのうちの1冊だと思う。


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