月曜日, 12月 09, 2013

いい質問とは

 学会や研究会、セミナーやゼミに参加して毎度思うのが、「いい質問やコメントをするのは難しい」ということだ。ある意味、発表よりも質問の方が何倍も難しい。
 出身研究室の文化が染み付いているせいか、相手に間違いがあれば遠慮なく指摘する、自分の正しいと信じることは遠慮なく意見する、ということを僕は当たり前としてきた。相手が先生であれ、学生であれ。こういう質疑応答の中で理解が深く正確になり、参加者全体に利すると。
 ところが、分野が違うと必ずしもこれがよいやり方とは限らないようだ。先日見かけたこのツイートが端的にそれを表現している。[Link]
 日本でイノベーションとかが生まれにくいとされるのは、色んなアイディアの粗やリスクを過剰に指摘して「こんな細かなことに気がついて指摘できる頭のいいオレ」をアピールしたがるお利口さんたちのせいかもしれない
確かに工学や芸術など「創る系」の分野では正しければいいというわけでなく、アイディアの多様性が大事だし、少々の矛盾を抱えつつも現実世界にモノを実装せねばならない。そんな人に向かって重箱の隅をつつくようなことを言って、やる気をそぐのは野暮というもの。そんな考え方にも一理ある。
 発表のプラスとマイナスの両面を見た上で一言もの申す、それができるのが理想だろう。

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