日曜日, 8月 30, 2015

市場は物理法則で動く

 市場は嵐のごとし。この本の主張を端的に言うと、そういうことになるだろう。
 これまでの経済学では、経済主体は合理的で、市場は「神の見えざる手」で自ずと均衡に落ち着くとされてきた。しかし、この本の中で著者は、繰り返し繰り返し、それがいかに間違いかということを述べている(くどすぎるが)。市場価格の変動は「均衡点」などという静的な概念では捉えらず、むしろそれは嵐のように安定と不安定の流れが渦巻くダイナミクスが本質的であると。
 著者の言わんとすることには同感である。ただ、効率的市場仮説の代案として、どんなことが最新の経済物理学で研究されていて、どんなことがわかってきているのかの説明がもっとほしかった。エージェントモデルがいくつか紹介されていたが、あまり説得力をもって書かれていなかった。ただ、それらの部分を差し引いても、十分に面白く、読む価値のある本だ。

 

土曜日, 8月 29, 2015

手足口病の対策

 とうとう妻も手足口病にかかってしまった。僕と同じ症状の経過を辿り、程度はもっとひどい。同じ病気で苦しんでいる方もいると思うので、症状を軽減するのに(少なくとも僕には)効いた(効かなかった)対策をメモしておく。
  • 高熱と関節痛
    • 病院で処方された麻黄湯を飲んで、熱さまシートをひたいと手に貼って、たっぷり寝た。翌朝には熱が下がり、関節痛もなくなった。
  • 喉の痛み
    • イソジンでうがいし、病院で処方されたトローチを定期的になめた。このおかげか、喉の症状は悪化しなかった。
  • 手足と顔の発疹
    • 発疹の猛烈なかゆみを抑えるために、新レスタミンコーワ軟膏を塗って、手には軍手をはめ、靴下を履いた。この薬は抗ヒスタミン系のかゆみ止めで、ステロイドは入ってない。多少はかゆみが軽減された。
    • 猛烈なかゆみで寝られなかったので、以前病院で処方された強い痛み止めを飲んで寝た。おかげで、かゆみを忘れて寝れたのでだいぶ回復した。(ただし、自己責任で)
    • 寝るときに、手のかゆみを抑えるのに保冷剤も役だった。
    • 湿疹の出ている手で体を掻かない。飛び火の防止。
    • 効果がなかったのが、花粉症の薬。抗ヒスタミン成分が入っているので効くかと思ったが。
  • 発疹後の後始末
    • 発疹がおさまるとこれらがカサブタになる。顔の発疹あとが目立つので、アットノンクリームを毎日塗っている。
    • 足の裏の角質化してしまったものは、ベビーフットでズル剥けにする。
 

木曜日, 8月 20, 2015

最悪の手足口病

 先週、鴻志の体温が高く、なかなか寝ない日があった。その翌日、体温は平熱に戻ったが、手や足や顔に数個の発疹ができていて、みるみる増えていった。最近流行りの「手足口病」だった。しかし、子供の場合は重篤になることはほとんどなく、一週間程度で良くなった。
 やれやれと思っていた矢先、今度は僕が「手足口病」にかかった。火曜の午後から急に関節が痛くなり、風邪だと思ったので家に帰って休んでいたら、急に寒気がしてきた。近くの病院では風邪と診断され、麻黄湯を飲んで寝たら、鴻志の時と同様、翌日には熱は下がった。
 しかし、手や足に1つ2つ発疹が出ていて、喉の痛みを覚えた。手足口病にかかったことを自覚した。その日の夜には発疹が手足じゅうにでき、それが痛痒くってとてもじゃないが寝られない。唾を飲み込むのもやっとなほど喉も痛い。
 ネットでこの病気を調べてみると、「大人はめったにかからないが、もしかかった場合は、とても辛い思いをする」とある。まさにその通り。1粒で2度おいしいではないが、初日は高熱と関節痛、2日目以降は発疹の猛烈なかゆみと喉の激痛。同じ病気で日を変えて2種類の苦痛を味わっている。今日明日が山場だろうが、手足口病はもう懲り懲りだ。
 

金曜日, 8月 14, 2015

ネットワーク科学

 私の研究はネットワークの手法を用いたものが多い。最初に使ったのは鳥のさえずりの解析で(その話は思想地図β1に書いた)、最近書いた論文もソーシャルデータを連想ネットワークで可視化するというお話。
 現在の中心研究テーマである「計算社会科学」の1つの流れは、間違いなくネットワーク科学にあるので、歴史的経緯も含めて勉強したいと思って、この本を読んでいる。いろんな話題が広く(薄く)扱われていて、副読本としてはいいと思う。
 今ではMultiplex NetworksやTemporal Networksなど、もっと複雑で動的なネットワークも登場し、ネットワーク科学は日々進化している。そのあたりの新しい話題はこの本ではカバーされていないが、計算社会科学の重要なツールになりうるので押さえておきたい。

月曜日, 8月 03, 2015

書いても書いても

 書いても書いてもスタックは一向になくならない。
 先週は、New Generation Computingの論文を終わらせた。これは、人工知能学会論文誌に受理された論文の英訳である。受理された日本語論文の英訳をNew Generation Computingという雑誌で受け付けて、こちらが出たら日本語の方を「正式な和訳」扱いにする、という新ルールに従ったものだ。
 日本語論文だと海外の研究者が読めないし、したがって引用もされないので、よろしくない。英訳には手間も時間も、掲載料も2雑誌分かかるが、引用されないよりはマシということで、がんばって書いた。
 これが終わってやれやれと一息ついた矢先、棚上げしていた共著論文の再投稿の締切警告のメールが来た...orz。「あと1ヶ月待ってください」とエディタに頼み込み、何とか締切を延ばしてもらった。
 そして、昨日は別の雑誌から「却下。直して再投稿せよ」というメールが...orz。データの追加と分析のやり直しが必要だ。締切は45日以内とあるが、絶対に無理。エディタに事情を説明して延期してもらおう。
 「二兎を追う者は一兎をも得ず。」自分が納得できる内容にするために、まずは1本目の共著論文を8月に、2本目は9月に完成させる。論文執筆は孤独で辛い作業だが、避けては通れない。絶対に2本とも通す。