金曜日, 12月 25, 2015

Real Thing Shakes

 先週の土日は久々のソシオの研究会があった。今回の講師は、松浦先生(京大)、水原先生(京大)、大澤先生(筑波大)の3名。
 松浦先生の発表前の一言にしびれた。「僕は異分野からの講演依頼は断ったことがありません。」同業者ばかりの研究会だとなあなあになったり、遠慮して質問があまり出なかったりと、学ぶことが少ない。一方、異分野の人が大勢いるような研究会では、素朴な質問もどんどん出るし、違う視点からコメントがもらえたりするので、新しい気づきがある。そういう理由らしい。
 松浦先生は社会性昆虫を研究している。シロアリ集団の驚くべき生存戦略の解明は、生物学の教科書を書き換えるような発見だった。ホンモノの研究は、異分野の人が聞いてもすごいことが伝わる。
 このレベルの研究がしたいものだ。

金曜日, 12月 18, 2015

師走

 師走なので、2015年という年を振り返ってみる。まず、去年はいなかった存在がここにいる。子どもが生まれたことは本当に大きかった。仕事から帰ってきたら鴻志と全力で遊ぶ。それが日常になった。
 研究は、懸案事項だった論文が出たのは良かった。行動生物学のデータはまだ重要な分析が残っているが、これは来年論文にしたい。学生とやっている研究も論文にしなければならない。文献調査とデータの再分析に着手したところで、何を示すのが本質的なのかを考えている。新しい研究は始めたばかりだが、社会心理学の先生方からいろいろ勉強させてもらったので、今後の進展が楽しみである。
 ある目標のためにはじめた非常勤講師は、来年1回の講義と試験をすれば終わり。100人以上の学生相手に、情報の授業をするの想像以上にしんどかった(居眠りしている学生を注意したら、別の学生に「かわいそう〜」と言われて、言葉を失ったこともあった。)いろんな学生がいる。これも勉強だ。
 新年を迎える前にもう一仕事。

金曜日, 12月 11, 2015

AIとIA

 Wired最新号の特集AI(Artificial Intelligence:人工知能)が面白かった。特に、ケヴィン・ケリーの記事が秀逸だった。AIが人間の労働機会を奪うと不安をいたずらに煽る未来学者と違い、AIと人間の新しい関係を予想し、知を拡張するものとしてのAI、つまりIA(Intelligence Amplifier:知能増幅)を描いている。
 今年はとにかくAIという言葉が紙面をにぎわせた。GoogleやFacebookはもちろん、トヨタも新たにAIの研究所を立ち上げた。今はAIバブルとも言えるような状況で、この分野には優秀な人材とお金が流れ込んでいる。はてさてそこから何が生まれるのだろうか。そして、いつまでAIは再び訪れた春を謳歌できるのだろうか。

金曜日, 12月 04, 2015

誰と一緒に研究するか

 これは大事なこと。僕の答えは、「研究に対して誠実な人」である。もちろん、研究内容はぶっ飛んでいても、とんがっていてもいい。研究に不誠実な人は全く尊敬できない。
 新しい研究を模索する中で、計算社会科学という学問を自分はどうしたいかを考えている。ICCSS2015に来ていた研究者や研究グループは、着実に成果を出し始めている(ただ、そのやり方には手放しで賛同という訳でもないが)。日本はこの分野で世界に太刀打ちできる研究者は(自分も含めて)一人もいない。
 今は、物理やコンピュータ系の人たちが社会科学というお花畑にずかずかと土足で入ってきているような状況だ。でも、これでは社会科学に花は咲かない。「計算社会科学だからこそできる研究」というのを見つけなければならない。そんなことを一緒に考えてくれる研究者や学生を探さなくては。