窓の外でシジュウカラが鳴いている。彼にこんな質問をしてみたらどうだろう。
「あなたはなぜ鳴いているのですか?」
「ええ、私の遺伝子を次世代に着実に伝えるために、配偶者を、、、」
こうは答えないだろう。なぜ鳴いているのかって、それは鳴きたいから鳴いているのだろう.
Singing by just enjoying it. もちろんそれは、最終的には機能や進化など、適応の観点から究極要因を検討する必要があるだろう。しかし、動物行動の一挙手一投足に、適応という大鉈を振る必要があるだろうか?なぜジュウシマツは床敷を、ついばみ-ポイ、ついばみ-ポイ、するのか。きっと楽しいのだろう。
適応を語る以前に程よい記述のレベルがあるのではないか。それが、著者がこの本を通して述べていること。つまり、動物の内部状態(ここでは、喜びや快感などの情動)を積極的に認めることで、動物行動の至近要因と究極要因の中間にある豊かな世界を、具体例とともに紹介している。そして、「6章 セックス 娯楽としての生殖活動」がすごい。「週刊何とか」よりもはるかにすごい。適応という言葉に辟易したら、たまにはこういう本も良い。
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