ウェストウッドのPeet'sでコーヒーを飲んでからラボに行くのが僕の習慣。毎日ほぼ同じ時間に来て、「コーヒーS、マフィンは要らない、レシートも要らない」という僕の台詞を覚えている店員さんがいて、いつも「Have a good day!」と気持ちくコーヒーを渡してくれる。コーヒーを飲みながら読書するこの時間が好きだ。
先月は「動物行動学入門 (同時代ライブラリー (185))」を読み直した。1985年の本なので、内容的には古くなっている部分もあるが、動物行動学の基本がとてもしっかりと書かれている。原書も訳本も古本でのみ入手可能。
今月の本は「水滴系のカオス」。こちらも原書は1984年と古いのだが、翻訳されたのは2006年。訳もしっかりしているし、補足やその後の進展、参考文献など、原著にはない情報が付加されている。モデルを用いて複雑な現象を理解するというやり方のとてもよいお手本。以下は、目から鱗が落ちた箇所。
「モデル」とは、対象となる系の定性的振舞いを分析するため、関連する変数全てを用いずに、少数の変数とそのダイナミクスによって系を表現したものである。
...(途中略)...
この単純なモデルは何ら予測能力をもたないが、水滴系の振舞いを一次のオーダーで近似する程度の記述力をもっている。 水道のポタポタは、ミクロの規則とは関係なく生じるマクロな現象で、少数自由度カオスの良い例となっている。そのような系の予測可能性を情報理論を用いて考察する、というのがこの本の狙いである。どちらの本も書かれたのが1980年の半ばなんだ。かたや動物行動学かたやカオス。そんな時代だったんだ。
追伸(2009.07.10):
上記のSlater本は、その後、"Essentials of animal behaviour"という名前で再出版されていました。
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