留学というのはとにかくお金がかかる。航空チケットが約30万、保険だけで約70万(これがないと、そもそもVISAがとれない)、段ボール9箱の荷物を送って約15万、そして、生活に必要なものを買い揃えて約20万。車と自動車保険とAAAにも入ったので約70万。その他もろもろに加え、このドル高。
非常勤講師をやって準備したお金は使い果たした。大学からのサポートがあるものの、旅費と同じ扱いなので出るのは当分先。月々の給料でやりくりするしかない。
そこまでカツカツになっても留学するのはなぜか。日本の方がはるかに便利だし、物質的な環境だけ見れば、日本の大学の方がはるかに恵まれている(特に名大は)。それでも、ここに来たかったのは「経験」のためである。
ここCNetSでは私は何者でもない。FilやSandroとは国際会議で以前一度会っただけで、ほとんど面識もないままCVや研究計画などを送って、留学の許可を得た。共通の知り合いもいないので、色眼鏡で見られることもお客さん扱いされることもない。彼らの信頼を勝ち取って一端の研究者と認めてもらうためには、自分の研究に語らせるしかない。それができなけば、10時にラボにきて17時に帰るただの有機体である。
なので、昨日のミーティングには万全の準備をして臨んだ。関連研究を2つレビューし、それらの結果を再現して見せ、さらに自分のモデルを紹介してシミュレーション結果を紹介した。その時のFilの言葉が、「明日もう一度議論したい。11時半でいいかな。」だ。
この経験のためにここに来た。
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