入試業務から解放されてからは、完成に向けて、ある本の監訳作業に集中していた。合間に会議や学会や講演が複数あって、その度に作業を中断しなければならなかった。間が開くと感覚が失われ、作業効率が落ちた。
本業でないとはいえ、出版社からは「いつ終わりますか?」というプレッシャーをかけられる。本の場合、執筆作業であれ、翻訳作業であれ、徹夜して「えいや!」では終わらない。
マラソンに似ている。やる気満々でスタートするが、途中で中弛みする。なんとか自分を鼓舞して前へ進み、心臓破りの丘に差し掛かると、ゴールは永遠に来ないのではないかと、絶望のズンドコに落ちる。外部からの叱咤激励で立ち上がり、満身創痍で前へ進む。ゴールするイメージが膨らんでくると、加速度がつき、一気にゴールする。
校正原稿の作業がまだ待っているが、一番大変な作業は終えた。さて、次は授業の準備だ。
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