月曜日, 2月 05, 2024

マネジメントの難しさ

  東工大に着任した当時は、名大と東工大を合わせても学生数名という小さい研究室だった。その頃は、忙しいながらも自分でも手を動かす余裕も多少あったし、技術支援員のサポートもあり、研究室全体を把握したり、学生一人ひとりに費やす時間もあった。

 しかし、ここ1, 2年で研究室の学生数が大幅に増え(大変喜ばしいことだが)、研究員の数も増え、自分の仕事も激増した。もはや自分で手を動かして研究をする時間はなく、何かで詰まると、研究室が回らなくなるかもしれない、という心配が常にある。実際、昨年末に体調を崩したときは、本気でまずいと思った。

 組織の規模が小さいうちは、常識的なやり方で情報共有も意思疎通もスムーズにいくのだろうが、組織の規模が大きくなるとそうはいかない。多様な学生を伸ばしつつ、しかし研究室としての一体感も醸成しつつ、パフォーマンスも上げていく。そんなことは可能なのだろうか。

 自分が院生の頃は、強烈な個性とカリスマで学生たちを引っ張っていく先生のもとで学んだので、まったくタイプの違う自分にはまねできない。そして、時代も違う。科学者が科学だけやっていて良い時代は終わった。

 それはわかっているが、自分がやりたいのは科学だ。でも、マネジメントは必要だ。研究者としての試行錯誤が続く。

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