日曜日, 9月 15, 2024

ノブナガ

 土曜夜といえば、思い出すのが「ノブナガ」というCBCテレビでやっていた深夜番組だ。今田耕司と東野幸治が司会のバラエティーで、お笑いのファビアンが出ていた「思い出かけっこ」というロケ企画が好きだった。今ならコンプラ違反になるであろう下世話なトークも面白かった。

 ノブナガは僕にとって、名古屋の良き思い出の象徴だ。博士号を取得したものの、鳴かず飛ばずで、長いこと安定した職に就けなかった中、最初の定職が名大だった。独特の文化をもつ名古屋に引っ越し、初めて任期を気にする必要がなく、研究に打ち込めるようになった(本当に名大には感謝している)。土曜夜の時間に、安心して好きなお笑い番組を見て過ごせるようになり、その頃やっていたのがこの番組。ノブナガで紹介していた東海の情報を見て、中部地区の文化や雰囲気を知った。こういう独自な地方番組があったのも、名古屋の好きなところ。

 当時はまだ子供もおらず、助教だったので学生もおらず、自分と向き合う時間がたっぷりあった。あれほど自分の時間を謳歌した時代はない。今となっては、自分のことを考えるよりも、プロジェクトのこと、大学の業務、授業のことを考えていることの方が多い。土曜も授業がある。来月から、また1つ、いや2つ、重い仕事が始まる。増えるのは仕事量だけでなく、責任とプレッシャーもだ。

 コロナ禍に名古屋を去ることになったが、何かを置き忘れてきた感じが拭えない。外出が禁止され、何もかもがZoomになり、「穴倉」で生活していたコロナ時代に負った傷がまだ癒えていない。だから、ノブナガの「思い出かけっこ」を見ていた頃を懐かしく、羨ましく思う。

「あなたは何したイエスタデイ? セイ」 

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