火曜日, 9月 30, 2008

久しぶりにいわきに帰省

 8月から9月中旬まで学会出張が続き時間がなかったため、先週末帰省した。僕の田舎は福島県いわき市。2003年までは市の中では面積が一番広かった。人口は東北地方では仙台市に続き二番目に多い [Link]。自然が豊かで気候も温暖。映画フラガールで一躍有名になったスパリゾート・ハワイアンズもある。
 小名浜にあるアクアマリンふくしま(右の写真)に行って来た。ここは世界で初めてさんまの養殖に成功したことで有名な水族館。建物はとてもモダンで格好良い。水族館の中は、川の上流から海の干潟に向かう順番で生き物たちが展示されていて見やすい。一番の見所は、イワシの大群が空間パターンを形成し、そこに2匹のゴマフアザラシがちょっかいをかけるシーン。巨大なアクリルの水槽でそれを楽しむことができる。アクアマリンふくしまの近くにはラ・ラ・ミュウという観光物産店があり、小名浜港の新鮮な海産物を買うことができる。いわき市にお越しの際はぜひ。
 最後に、勿来の関(いわき市勿来町にある)にまつわる源義家の和歌を紹介します。小さい頃、家族で歴史博物館に訪れた際に覚えて、今でも頭の中にあるとても好きな和歌。
吹く風を なこその関と思へども
道もせに散る 山桜かな

水曜日, 9月 24, 2008

ネコさまとぼく

 小松行きの飛行機に乗り遅れてしまい、羽田空港のソファーでカタカタしてる。ANAのカウンターで説得して、何とか空きのある便に乗せてもらえたが、次便は15:30。orz...。Airのバッテリーが切れるまで仕事をすることにします。その前に、最近の読んだ本を紹介します。
 動物写真家、岩合光昭さんの「ネコさまとぼく」。猫好きをうならせる絶妙なポーズと猫への愛情に満ちた文章が、ほのぼのとした気持ちにさせてくれます。試写体が野良猫というのも良い。僕は無類の野良猫好きだから。猫の写真を撮ったことのある方は分かると思いますが、猫はカメラを向けると、逃げる|そっぽを向く|やたらカメラに寄って来る、のいずれかの理由でなかなか自然な写真が撮れない。
 岩合さんの写真は、試写体の自然さ、空間構成、明暗、静動のコントラスト、これらが絶妙に混じり合って調和している。猫好きの方にお勧めの一冊です。デジタル岩合でいろんな動物の写真を見ることができます。
 左の写真は、彼女の飼っている猫のマーコ。おまんじゅうの入っていた皿でとぐろを巻いている。ちょっと顔が怖いが実はご満悦。

月曜日, 9月 22, 2008

神々のWeb3.0

 怪しいタイトルの本だが、読みごたえがあってちゃんとしていた。CERN(欧州原子核研究機構)のティム ・バーナーズ=リーがWWWの技術を作ったのが1991年。Windows95がTCP/IPを標準搭載したことから爆発的にインターネット(Web1.0)が普及し、現在はGoogleが牽引する形でWebが進化し続けている。ティム・オライリーがWeb2.0を提唱してから3年もたたないうちに、Webとそれを取り巻く環境は激変した。
 Web1.0は、放送局のように一方的に情報が流れる静的な世界。ユーザは受動的な情報の消費者となる。一方、Web2.0では、インターネットに接続した無数のユーザが情報を発信、受信、共有し、Webに新しい価値が蓄積される。つまり、ユーザは能動的な語り部となる。
 では、Web3.0とは何か?(ちなみに、こんな課題を授業で出した)本書では、ウェブがネットワーク型のメディアであるという動的な性質を更に有効活用して人間関係の解析やカスタマイズ性を高めた「個に密着したサービス」が出てくるだろうと予測している。そして、アテンション・エコノミー(人々の注意(アテンション)は有限のリソースであると考え、「いかに気をひくか」がWeb経済を駆動するという考え方)に要請される形で、言語とは違う新しい表現方法が創発する可能性もある。ユーザが日々蓄積していくWeb上の知識、その膨大な量を質へと転換できたとき、Web3.0ムーブメントは起きるのかもしれない。

金曜日, 9月 19, 2008

祝・論文受理!

 7月初めに投稿した論文「Ethological Data Mining: An Automata-based Approach to Extract Behavioral Units and Rules(動物行動学的データからのデータマイニング:オートマトンに基づいた行動単位と行動規則の抽出方法)」の査読結果が来て、minor revise(ちょっとの手直し)で一発受理された(こんなことはまず稀だ)。僕らの論文が掲載されるのはData Mining and Knowledge Discoveryというコンピュータサイエンスの有力な学術誌で、昨年度の評価は以下のようにとても高い。機会学習の分野に限れば、Machine Learningに次ぐ影響力を持つ。
Impact Factor: 2.42 (2007)
Section "Comp. sc., artificial intelligence": Rank 11 of 93
Section "Comp. sc., information systems": Rank 7 of 92
 査読者のコメントはとても好意的で、オリジナリティ、理論と解析の厳密さ、論文構成、いづれもレベルが高いとの評価を頂いた。そして二人の査読者のうちの一人は、なんと僕が発表をした学会会場にいたそうで、確実に研究が進んだことを評価してくれた。こんな偶然もあるんだなあ。大学の授業も始まり、あまりの忙しさのためにすっかりバテ気味だが、この調子で走り続けよう。

月曜日, 9月 15, 2008

September in New York part.4

 毎度のことだが僕は必ずどこか抜けている。行きのフライトは、寝坊して成田に着いたのが飛行機離陸の1時間前だった。夕方で受付がたまたま空いていたので、辛うじてセーフだった。国際線は最低でも2時間前がルール。帰りのフライトは、目覚ましをセットし忘れてこれまた寝坊。それでも朝8時だったので余裕だろうと思っていたら、なんと時計が1時間遅れていたorz。Pennステーションからニューアーク空港に向かう電車の中は生きた心地もしなかった。全ての荷物を機内持ち込みにして、こちらもかろうじてセーフ。次回、海外に行く時は気をつけないと。
 今回のNY滞在ではデータ解析自体はあまりできなかったが、OferとOlgaと突っ込んだ議論をすることができたのは大収穫だった。手持ちのデータで何を語るべきかについて、道に迷っていた観があるので、進むべき方向がはっきりした。最近、OferはBirdsong以外に、ソーシャルネットワークの研究にも着手し始めたようだ。きっとすごい結果を出してくるに違いない。僕もやろうとしている話題なので、負けないようにがんばろう。下の写真はCity College of New Yorkのキャンパス。

September in New York part.3

 9/13日(土)のオフはMoMAに行き、大好きなダリの記憶の固執(Persistence of Memory)と三度目の再会を果たした。そして、デザインショップで彼女のリクエストのSkyアンブレラを探した。残念ながら折りたたみのものは売り切れだったが、日本のMoMAショップでも買えるらしい[link]。この傘はとてもセンスが良くて、開くと内側に青空がプリントされている。どしゃぶりでも傘の中はいつも青空というわけだ。デザインが人をハッピーにする良い例。
 その後、5番街をぶらぶらして、タイムズスクエアやロックフェラーを見て、紀伊国屋のカフェでお茶をした。多様な人種がいることとトイレが少ないことを除けば、この辺りは東京とさほど変わりない。ちなみにトイレに困ったら、紀伊国屋に駆け込むと良いです。お土産を買って一度ホテルに荷物を置いた後、前にも行ったジャズクラブ(GARAGE)に行った。ここはドリンク代だけでジャズの生演奏が見れるのでとても良い。Ginessを飲みながらドラムの格好良さにしびれた。写真は世界の交差点、タイムズスクエア。

金曜日, 9月 12, 2008

September in New York Part.2

 連日ラボの人たちに親切にしてもらい、NYをとても快適に過ごしている。水曜はOlga一家とおいしい寿司を食べた。なぜ日本人を日本食に?と思うかもしれないけど、いまや日本食は高級食の代名詞で、ゲストを日本食レストランに連れて行くのは最高のもてなしなのだ。びっくりしたのは、魚の鮮度が東京とさほど変わりがなく、とてもおいしいということ(値段は高いけど)。一方、ラーメンや汁物はいまだにブー。夕食の後、Olgaの家に招かれて、3歳のZsofiと猫と遊んだ。Zsofiはポニョみたいな快活な女の子。去年理研に来ていた時より、ちょっぴりシャイになった気がする。
 木曜はOferが韓国料理に連れて行ってくれた。33stに向かう地下鉄の中でも研究の話が尽きなかった。僕がOferを尊敬しているのは、抽象的な概念を常に具体的な現象に落とし込み、誰もが納得できる形で定量化するという研究姿勢。そして、それをつべこべ言わずにやってしまう実行力。NatureやScienceにばんばん論文が載るのもうなづける。そのかたくなな態度のために、僕はOferとの議論に悲鳴を上げそうになったけど、とても勉強になった。面白い論文が書けそうな気がする。来年もまたOferのラボに来たい。おっと、NYで食べた韓国料理もおいしかったです。写真はOferと僕、韓国料理レストランにて。

水曜日, 9月 10, 2008

September in New York

 City College of New Yorkにいる共同研究者と議論をするためニューヨークに来ている。9月のニューヨークは気候が穏やかでとても過ごしやすい。滞在しているユースホステルが汚くて不便なことを除けば、everything is all right(West Side Innはまるでお化け屋敷のようなボロさと汚さ。そして、共通のバスルームの大半が壊れている。一泊80ドルもするのに、、、。ニューヨークに行かれる方には御薦めしません)。
 昨日、Oferのラボでセミナー発表をした。最近の成果を含め、ジュウシマツの歌学習の発達ダイナミクスの話をした。発表の途中でも容赦なく質問が飛んで来たので、当初1時間の予定が、結局2時間しゃべりつづけた。久しぶりにハードなセミナーだった。でも、このぐらいでないと物足りない。Oferもラボの人たちもすばらしいと褒めてくれた。
 その後、Oferは上機嫌で僕を日本食のレストランに連れて行ってくれて、すしランチと熱かんをおごってくれた。昼間から日本酒を飲んでもOKなんて、ニューヨークってほんと自由なんだな。その後、研究室に戻ってから暑い議論を再開したことは言うまでもありません。下の写真は散歩途中に立ち寄ったコロンビア大学の図書館とライオン。


木曜日, 9月 04, 2008

28歳からのリアル、32歳のリアル

「35歳までの過ごし方があなたを変える!萎えたオヤジにならないために知っておくべきこと全部。」ドキリとする見出しだ。立ち読みのつもりが、気になって購読した。要は具体的に大ゴールを決め、そこからの逆算で段階的に小ゴールを設定し、全てを数値化して管理する。GTD (Getting Things Done)と基本は同じ。研究以外で、自分がこれを疎かにしていたことに気付かされた。目次は次の通り。 
  • 28歳+ライフスタイル
  • 28歳+仕事
  • 28歳+マネー
 ところで、28歳の頃、僕は何をしていただろうか?学位を取り、理研で研究員を始めた頃だ。あれから4年がたとうとしている。ようやく自分の研究のスタイルが確立しつつある。生活のスタイルもそうでなくては。昨日、大学時代の友達から久しぶりに電話がかかってきて、飲み会をやることになった。来週はニューヨークに出張で、参加できないのが残念だ。きっとみんな、それぞれの道でそれぞれに活躍していると思う。今度会うときに胸を張って会えるように、32歳のリアルを見つめ直すところから始めよう。