怪しいタイトルの本だが、読みごたえがあってちゃんとしていた。CERN(欧州原子核研究機構)のティム ・バーナーズ=リーがWWWの技術を作ったのが1991年。Windows95がTCP/IPを標準搭載したことから爆発的にインターネット(Web1.0)が普及し、現在はGoogleが牽引する形でWebが進化し続けている。ティム・オライリーがWeb2.0を提唱してから3年もたたないうちに、Webとそれを取り巻く環境は激変した。
Web1.0は、放送局のように一方的に情報が流れる静的な世界。ユーザは受動的な情報の消費者となる。一方、Web2.0では、インターネットに接続した無数のユーザが情報を発信、受信、共有し、Webに新しい価値が蓄積される。つまり、ユーザは能動的な語り部となる。
では、Web3.0とは何か?(ちなみに、こんな課題を授業で出した)本書では、ウェブがネットワーク型のメディアであるという動的な性質を更に有効活用して、人間関係の解析やカスタマイズ性を高めた「個に密着したサービス」が出てくるだろうと予測している。そして、アテンション・エコノミー(人々の注意(アテンション)は有限のリソースであると考え、「いかに気をひくか」がWeb経済を駆動するという考え方)に要請される形で、言語とは違う新しい表現方法が創発する可能性もある。ユーザが日々蓄積していくWeb上の知識、その膨大な量を質へと転換できたとき、Web3.0ムーブメントは起きるのかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿