土曜日, 3月 31, 2007

久々の物理学会


鹿児島で開かれた物理学会に参加してきた。物理学会で発表するのは実に2年ぶり。博士の時にやっていて、まだ発表していなかった、二次元空間上での歌鳥のコミュニケーションの進化ダイナミクスについて話した。物理学者がALife(人工生命)のモデルにどのような反応を示すのか興味があった。えらい統計物理の先生も出席していたが、何となく面喰っている感があった。多様な現象の背後に潜む普遍的なからくり、それを解明したいという問題意識は物理もALifeも同じだろう。ただ、物理学はメカニズム寄りで、ALifeは動物行動学にセンスは近いと思う。今回の研究は、自分でも思うのだが、シミュレーションの現象は面白いが解析がまだあまい。この未消化気分を何とか解決したい。
 鹿児島に着いた初日の午後は、観光を楽しんだ。鹿児島中央駅近辺の幕末のスーパースターたちの史跡をめぐり、桜島ではサイクリングをした。写真はフェリーからとった桜島。実は次の日は雨だったので、この日に行けたのはラッキーだった。フェリーは24時間出ていて、片道150円で行けてしまう。ご当地の食べ物は、地鶏、黒豚、芋焼酎を夜の居酒屋で堪能した。学会も観光も楽しんだ、久しぶりに充実した時間だった。

日曜日, 3月 25, 2007

渋い喫茶店~珈琲亭

 おしゃれなカフェに飽きたら、たまにには渋い喫茶店もいい。池袋の東口三越の近くにある皇琲亭。店内にはジャズが流れ、ややうす暗い照明が渋さを一層演出する。ピシッと襟付きのシャツを着た給仕たちがてきぱきと働き、お世辞にも格好良いとはいえない渋いおじさんがこだわりの珈琲を入れる。お湯を注ぐ加減や泡立ち具合から、腕にはゆるぎない自信があることが窺える。僕はマンデリンの苦汁を口に含みながら、この文章をvaioでかたかた打っている。珈琲はだいたい700円から800円程度で、ブルーマウンテンや特別なものは1000円弱。うん、社会人プライス。紙コップで出されるせっかちコーヒ一から卒業して、そろそろ大人の落ち着き珈琲へとステップアップしようか、、、お金のある時は。

僕的採点:
・コーヒー ☆☆☆
・ケーキ ☆☆
・雰囲気 ☆☆(ジャズは好きだが、分煙に工夫がないのが△)

素数ゼミ?

 昨日ブックオフで、日本進化学会の学会誌で知って気になっていた「素数ゼミの謎」という本を購入した。小学校の頃、夏休みになると浪江(福島県)のおばあちゃんの家に泊まり行って、朝から晩までアブラゼミやミンミンゼミなどをよく捕まえたものだった。標本を作るために、昆虫採集セットからと注射器と防腐剤を取り出して、生きたセミに打つのだが、この時が超怖い。セミが「じじじっ」と断末魔の叫びをあげるのだ。これが怖くて、以来、1週間ほど虫かごでセミを生かしておいて、お亡くなりになってから防腐剤を打つようにした。そんな思い出がある。
 さて、この気になるタイトルの本だが、小学生でも読めるようなわかりやすい文章とかわいい絵で、なぜ13年と17年周期で大発生するセミがいるのかを説明している。この不思議なメカニズムには、まず氷河期が関係していること。さらに、13と17という数が共に素数であり、素数の最小公倍数が一般に大きな数になること。これら2つを、「個体数が進化的にどう変化するのか」(ポピュレーションダイナミクス)の観点から読み解いて、素数ゼミの謎に1つの仮説を提唱してる。まさか、進化に素数の性質が絡んでくるとは思いつかなかった。最近の数理生物学は数学どうも難しすぎるので、このぐらいシンプルで面白いと良いのに。

月曜日, 3月 05, 2007

珈琲の香は春風に乗って

 神楽坂を散歩していたら、春風と共にたまらなく珈琲のいい匂いがして、このお店にぶらりと立ち寄った。緑の豆という珈琲豆の焙煎所で、生豆からちゃんと焙煎してくれる。お店の中で飲むこともできるようだ。僕は試飲したサクラブレンドを200gほど購入した。生豆から焙煎が終わるまでに10分ぐらいかかるようだ。100gで450円と普通の豆屋さんよりは高めだが、珈琲好きの小生としては試してみたくなった。うちに帰ってさっそくサイフォンで入れてみたが、やはり香りが違う。引き立てのいい香りが部屋中に満ちた。テレビを消して、しばし音のない部屋で、好きな本と好きな珈琲を堪能した。たまにはこんな時間の使い方もいい。
 神楽坂には豆屋さん以外にも、シフォンケーキがおいしいUn Gateauなど素敵なカフェがたくさんあった。古い街並みと素敵なカフェとちょっと不細工な野良にゃんこ、春の神楽坂を散歩するのはなかなか楽しかった。ただし、花粉症対策をばっちりしないと鼻水たれ蔵になってしまいます。

ふわとろの親子丼

晩飯を食べようと秋葉原をうろうろしていたら、鳥つねという鶏肉料理専門店が目にとまった。値段が書いてないのが気になったが、黄金色の半熟卵にひかれて店に入ってみた。看板メニューの親子丼は1500円、そして鳥鍋はなんと6000円という高級店だった。値段にはビビったが、創業90年の歴史、鶏肉は名古屋コーチンか秋田比内鳥、お米は福島熱塩加納村のいのち、というこだわりように、ぜひとも食べてみたくなった。僕は親子丼と串焼きのセットメニューを、彼女は親子丼を注文した。やって来たふわとろの親子丼のおいしいこと、おいしいこと。鶏肉のうまみとやわらかさ、ふわふわの半熟卵、1粒1つぶがほどよく自己主張をするお米、親子丼がこんなにおいしいと思ったのは初めてだ。いつも食べているレトルトの親子丼なんて、今すぐ二軍に降格だと思った。決して安くはないが、この内容なら高くても納得。次回は鳥鍋に挑戦してみたい。ちなみに本店は湯島だそうです。