火曜日, 6月 30, 2009

花火

 独立記念日を1週間前にして、サンタモニカで開かれた「Celebrate America 09」をいうお祭りに(自転車をこいで)行ってきた。場所はSanta Monica Collegeの競技場で、入場料はただ。数千人は来たのだろうが、観客席でも十分に座れた。余興のステージでは、プロのミュージシャンが1時間ぐらい演奏をして、その周りで大人も子どもも踊りまくっていた。きっと天国でマイケルも踊っていただろう。演奏が終わると、国旗掲揚とともにアメリカ合衆国国歌が流れ、一足お先に独立記念日を祝った。
 一発の大きな花火が打ち上げられると、間髪を入れず、次々と色鮮やかな花火が夜空に咲いた。思えば、こんな間近で花火を見るのは初めてだ。東京近辺の花火大会に何度か奥さんと行ったが、建物や木に遮られて花火が全部見えることはあまりなかった。日本の花火が余韻を楽しむものだとすると、こちらの花火はとにかく勢いを感じるものだ。えいやと打ち上げ、光の向こうに宇宙を感じた刹那、また次の光がやって来る。これはこれで良い。



木曜日, 6月 25, 2009

リスタソ

 アパートに出没するリスはとても人慣れしていて、袋をガサガサさせると、餌をくれるのかと思い込んでこちらにやって来る。持っていたチェリーなんて放り出して。
そして、ものすごい顔で袋を覗き込む。
でも、残念。これは燃えるゴミの袋なんだな。

火曜日, 6月 23, 2009

君の名は

 ここ1ヶ月ぐらいずっと曇りがちだったが、先週あたりから、ようやく本来の日差しが戻って来た。太陽と青い空がなければ、カリフォルニアらしくない。ロサンゼルスに来て、東京とはずいぶん違うなと感じたのものの1つは、街に見られる草花の雰囲気。東京では、草花は街の一部となり調和しているが、こちらのものは自己主張がかなり強い。原色に近い色で積極的に街を色付けている。それはそれで美しい。カリフォルニア・フィールド図鑑に載っていない花がたくさんあるので、それらは輸入種なのかもしれない。名前が知りたい。









































日曜日, 6月 21, 2009

世界でただひとつの名前

 Googleでドメイン名を年間10ドルで買うことができるので、colorlessgreen.infoを購入した[Link]。本当は、colorlessgreen.comが良かったのだけど、既に存在していたので駄目だった。".info"はあまり馴染みがないけど、".com"などと同じ、ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)の1つ。主に情報に関するウェブを念頭に置いているけど、特に使用制限はない。Colorlessgreenは、チョムスキーの有名なフレーズ
Colorless green ideas sleep furiously(色のない緑の概念たちが猛然と眠る).
からいただいた。ちなみに、チョムスキーのウェブも.infoを使っている(http://chomsky.info)。これに伴い、以前使用していた散らかったウェブページ(Nikukyuoogle, Soramame Wiki, iLEGO Wiki)を1つにまとめます。新しいURLは、http://www.colorlessgreen.info です。まだ工事中ですが、研究や講義に関する情報を少しずつここに載せることにします。Blogはこれまで通り、たそれがコーヒー学に書きます。
 世界でただ1つの自分のお気に入りの名前が使えるのならば、そんなに高くない買い物だと思います。意中のあの子にアタックしたいあなた、素敵なドメイン名をプレゼントするのはいかがでしょう?
素敵なドメイン名 10ドル
素敵なドメイン名を思いつくあなたの心 プライスレス

土曜日, 6月 20, 2009

複雑系私的再考

The whole is more than the sum of its parts.(全体は単なる部分の寄せ集めではない。)

How complex behavior can arise from large collection of simpler components?
(どのようにして単純な要素の集まりから複雑なふるまいが生じるのだろうか?)
 複雑系の科学が目指しているものは、このような表現や問いに代表される(Complexity: A Guided Tour, Mitchell著より)。つまり、要素に分解するという分かり方(還元主義)が適切でないもの(例えば、"生命"や"意識"といった現象)に対して、それを語るための"新しい言葉"(理論)を作ろうということだ。そのために、手あかに塗れた既存の言葉を使うのでなく、例えば、"生命のような現象"や"意識のような現象"を作り上げて、そこから学ぶことで、全く新しい言葉への手がかりが得られるのではないか。先日、爆笑問題のニッポンの教養で池上さんが語っていたことは、そういうことだったと思う。
 このような構成主義の立場は、既存の科学と違ってアウトプットが分かりづらいので、なかなか理解されない。これからは、新しい表現や世界観を模索しつつも、還元主義の世界と相補的になれるような努力をすることが、僕らにはもっともっと必要だろう。"新しい言葉"は、多くの人に共有されることで、より良い言葉となるかもしれない。

火曜日, 6月 16, 2009

おめでとうございます。あなたが100万語目です!?

 先日、CNNで英語に関するこんな話題が紹介されていた[Link]。
米国時間の10日午前5時22分、記念すべき100万語目の英単語が生まれる——。英語の単語数を数えているウェブサイト「グローバル・ランゲージ・モニター」が、そんな予想を展開している。
 気になったので、The Global Language Monitorでその後を調べてみたところ、100万語目の英単語は、"Jai Ho"や"Noob"を抑え、"Web2.0"に決定したそうだ。この話出来過ぎていませんか?コンピュータを使って、出版物やウェブの言葉の使用頻度を調べているらしいけど。周囲の反応は冷ややかだ(例えばこれ)。
 確かに、このサイトの運営者のコメントは素直にはいただけないが、手法はまっとうだと思う(ただし、いかさまなく、全てをアルゴリズミックにやっていればの話)。「言語はそもそも数えられない」と原理的なことばかり言って、相手にしない言語学者はどうかと思う。Webの中で、言語が生み出され、使用され、変わって行くのを見ることは、すなわち新しい言語進化の一側面を見ることなので、ちゃんとやれば科学になる。
 ちなみに、100万とんで1番目の新英単語は、"Financial Tsunami"で、現在、The Global Language Monitorのカウンターは、100万とんで73番目になっている(2009.6.15 22:20 WT現在)。

月曜日, 6月 15, 2009

Departures

 Chuckが「Beautiful!!」と絶賛していた「おくりびと(英題 Departures)を近所の映画館で観てきた。監督は滝田洋二郎、主演は本木雅弘で、この作品は2008年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞している。
 チェロ奏者の職を失った主人公が、夢破れ、妻とともに故郷に帰り、そこで納棺師という奇妙な仕事に出会う。そして、この「安らかな旅立ちのお手伝い」を通じて、人の生と死、家族愛などが描かれていく。人の死という重いテーマを扱っているにも関わらず、ユーモアやアイロニーが散りばめられ、暖かな雰囲気に作られている。話の伏線も見事。映像も音楽も美しい。
 映画館には、年齢層が高めの人たちが来場していて、会場は笑いと涙に包まれた。映画が終了すると、自然と拍手が起こった。ハリウッドの超ハイテクなどなくても、物語の切り口や見せ方の秀逸さで、人を自然と感動させることができる。日本では既にDVDが発売されているので、まだ見ていない人にはお勧めです。ハンカチを忘れずに。(Link: Los Angeles timesのReview

金曜日, 6月 12, 2009

博士号というスタートライン

 今日はUCLAの学位授与式がありました。TaylorラボのAlexは、昨年秋に審査を終えましたが、授与式は年に一度しかないため、今回の参加となりました。お母さんと妹さんも、彼の晴れ舞台を見るためにLAを訪れています。Royce Hallの前には、ガウンを着た新米博士たちが、家族や友人達と嬉しそうにしていました。中には、博士カップルや子連れ博士もいました。UCLAの博士過程は通常5年だそうで、大概はもっとかかるということです。日本よりもはるかに厳しいですね。
 僕は博士課程に入るときに、素粒子物理から今の分野に転向しましたが、研究テーマにも恵まれて、何とか3年で学位を取ることができました。時が経つのは早いもので、学位授与式で戸塚洋二先生(ニュートリノの質量を世界で初めて検出した方で、昨年、ガンのため逝去されました)のお話を聞いてから4年が過ぎました。新米博士たちにおめでとうを送りながら、若葉マークだった頃の自分を思い出したのでした。

金曜日, 6月 05, 2009

3か月目のLA

 ロサンゼルスに来てから2か月が過ぎた。4月から5月にかけては初夏の様相だったが、最近は肌寒い日が続いている。先週までメキシコに調査に行っていたAlexとZacが帰って来て、しばらく僕とChuckだけだったラボも、少し賑やかになった。しかし、こんな時期に調査を強行するなんて、根っからフィールドが好きなんだなあ。世間が豚だパンデミックだと騒いでいるさなか、予定通りデータを採集して戻ってきたのだからすごい。
 一方、僕はと言えば、少しずつですが研究は進んでいます。ええ、進んでいますとも。そして、英語も多少は上達している気がするけど、まだまだ表現したいこと表現できることの広さには、天と地ほどの差がある。毎日やることが大事ですね。iKnow(今はsmart.fm)をかかさずやり、最近は、奥さんが英会話教室で使っているNews for Youというやさしめの新聞(Webでも一部見れる[Link])を読んだりしている。あと科学英語実用ハンドブックは手元にあるととても重宝する。