土曜日, 6月 20, 2009

複雑系私的再考

The whole is more than the sum of its parts.(全体は単なる部分の寄せ集めではない。)

How complex behavior can arise from large collection of simpler components?
(どのようにして単純な要素の集まりから複雑なふるまいが生じるのだろうか?)
 複雑系の科学が目指しているものは、このような表現や問いに代表される(Complexity: A Guided Tour, Mitchell著より)。つまり、要素に分解するという分かり方(還元主義)が適切でないもの(例えば、"生命"や"意識"といった現象)に対して、それを語るための"新しい言葉"(理論)を作ろうということだ。そのために、手あかに塗れた既存の言葉を使うのでなく、例えば、"生命のような現象"や"意識のような現象"を作り上げて、そこから学ぶことで、全く新しい言葉への手がかりが得られるのではないか。先日、爆笑問題のニッポンの教養で池上さんが語っていたことは、そういうことだったと思う。
 このような構成主義の立場は、既存の科学と違ってアウトプットが分かりづらいので、なかなか理解されない。これからは、新しい表現や世界観を模索しつつも、還元主義の世界と相補的になれるような努力をすることが、僕らにはもっともっと必要だろう。"新しい言葉"は、多くの人に共有されることで、より良い言葉となるかもしれない。

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