水曜日, 9月 29, 2010

変貌するメディア

 森美術館でやっているパブリックプログラムに参加してきた [Link]。今日のお題は「変貌するメディア―ビジネスやアートは新たな価値にどう向き合うのか?」で、講師は小林弘人さん。ワイヤードの創刊を手がけたり、大ヒットした「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」の監修をした方だ。
 Twitterやfacebookなどのソーシャルメディア、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、iPadに電子書籍、テクノロジーの進歩がネットの世界を変え、メディアのあり方も大きく変化しようとしている。これまでのビジネスモデルは成り立たなくなる。そのような言及はネットでも本でも目にするが、実際のところはどうなのか、どうすればいいのか、そんな興味で参加した。
 発表はとてもシンプルでわかりやすく、門外漢の僕でも楽しく聞くことができた。新しいメディアではコミュニティーが中心になる。あらゆるものがフラット化・コモデディー化(潤沢産品)していく中で、「希少」を見つけ出すヒントがそこにある。そのようなことをおっしゃっていた。「つぶやき進化論」を最近読んだばかりだったので、なるほどなと思えた(ちなみにこの本はソーシャルメディア全般の話なので、このタイトルはミスリーディング)。

月曜日, 9月 27, 2010

take five

 今日も冷たい雨が降っている。物理学会から戻ってきてからは気持ち的にも雨だ。自分の発表には関心を持ってもらえたし、質問やコメントもあった。しかし不満を抱えて帰って来ることになった。自分に対する不満だ。「学会に参加する態度がまるでなってない!」資料作りは前日、発表練習もしない。どんな発表があるのかも当日に知る始末。院生のときは前もって資料を作り、発表練習をし、どの発表を見るのかもスケジュールを立てた。見たい学会へは夜行バスで駆けつけた。知らないことは片っ端からメモしたし、質問もした。そういうことを疎かにしないのがプロ。反省。take five(5分休憩)。明日は晴れる。

月曜日, 9月 20, 2010

ぶらり横浜散歩

 SOGO横浜でやっているゴーゴーミッフィー展に行って来た。数年前、板橋の美術館でやった展覧会以来、すっかりディック・ブルーナーのファンになった。「ミッフィーのちょっとした悲しみや喜びを表現するのに、どれだけの時間がかかると思いますか」というブルーナーさんがビデオで語っていた言葉が印象的だった。シンプルなキャラクターだからこそ創作には一切のごまかしがきかない。最もシンプルにして最も緻密な世界が描かれている。今回もまたミッフィーTシャツを買った。34歳でも着れますとも。


 元町に足を伸ばし、ぶらりウィンドーショッピングをした後、妻のお勧めの霧笛楼でカフェった。店内はゆったりとしていて雰囲気がよく、ケーキもコーヒーもおいしかった。ちなみに僕がいただいたのは、横濱元町ロールとネルドリップのブレンドコーヒー。たまの贅沢です。


土曜日, 9月 11, 2010

ネイチャー・センス展

 ネイチャー・センス展に行ってきた。森美術館に行くのはこれが初めてで、六本木ヒルズがなんぼのもんじゃいと思っていたけど、すごかった。高速エレベータで53階まで上がると、高層階にいることを忘れさせるぐらいの広々とした、しかしよくデザインされた空間が広がっていた。そこから見える高層ビル群がまたすごい。野心的な起業家たちがここから東京を見渡しながら、天下取りの夢を見ているのだろう。
 さて、このインスタレーションだが、環境や観客と一体化した作品を視覚だけでなく、現場の空気を感じることができてよかった。不定形な自然をどう捉え、どう作品に取り入れるのか、吉岡徳仁篠田太郎栗林隆の3人の独特な自然観が展開される。下の写真は、吉岡徳仁の「Snow」という作品と(フラッシュをたかなければ写真撮影はOK)、六本木ヒルズ53階から見た東京の夕暮れ。






月曜日, 9月 06, 2010

プログラムは一日にしてならず

 イチローのような天才バッターですら毎日の素振りを欠かさない(10年連続200本安打の偉業に向けて努力している姿は心を打つ)。天才とはほど遠い、僕のような凡人はなおのこと、毎日の鍛錬を怠ったら駄目ではないか。これは常日頃から思っていることだが、なかなか実行できていない。とはいえ、自分にとっての「素振り」を見つけ出してそれを続けたい。
 いろいろあるだろうが、直接的に僕の研究のでき(強いては、おまんまが食べられるかどうか)に関わってくるのは、プログラミングの腕だ。まさにシミュレーションやデータ解析をしているときはいいのだが、論文執筆などでそこから長いこと離れてしまうと、知識だけでなく、プログラミングの腕や感が確実に落ちる。プログラムを書くというのは、ものごとを抽象化し、具体的な手続きを考え、プログラミング言語で表現するということである。知識だけでなく、鍛錬があってのプログラムである。そこで、Python、R、Javaが中心になると思うけど、毎日何かしらのプログラムを書いて、メモ代わりにブログに載せることにした。タイトルは、「プログラムは一日にしてならず」。自分だけでなく、誰かの役に立つならそれもまたよし。

金曜日, 9月 03, 2010

夏休みと昆虫

 9月になりました。いつの間にか夏休みが始まっていつの間にか終わっている、毎年そんな感じです。少なくとも高校までは「夏休み」という感覚をちゃんと持っていました。特に小学校の夏休みは昆虫採集に熱中して、朝の5時起きで近所の山に行き、クワガタやセミを捕まえていました。いまではすっかり忘れてしまいましたが、当時、だいたいの虫の名前は言えました。日高敏隆先生の「なぜ飼い犬に手をかまれるか」という本を読んでいて、ふとそんな夏休みらしい夏休みを思い出したのでした。
 この本は、動物や昆虫を題材にしたエッセイ集で、動物行動学者らしい正確でしかしどこか暖かいユーモラスな文章が綴られています。そして、最後の数編は、生物多様性、なぜ老いるのか、利己的な遺伝子、ミームについて、実際の生物を長年研究してきたからこその意見が書かれています。日高先生は、ソロモンの指環利己的な遺伝子の名訳でも知られています。サイエンス・サイトークの日高先生のトーク(2005年11月20日放送)を聞いて、僕はすっかりファンになりました。日本動物行動学会で一度だけお会いしたこともあります。僕の発表を会場の上の方で聞いていらしたのを覚えています。僕の発表をどう思ったのでしょうか。あのときちゃんと質問しておけば良かった(日高先生は昨年逝去された)。