あなたはここ数年、自分は落ち着きがなくなったと感じたことはないだろうか?メールをチェックし、インターネットでニュースやブログを斜め読みし、誰か面白いことをつぶやいていないかとTwitterを見る。その間にも新しいニュースやメールが飛び込み、誰かがどこかでつぶやいている。理解しようがしまいが情報は次々と更新され、前進を余儀なくされる。この真ただ中にいると、えも言われぬ焦燥感がつきまとう。
この本はまさに上に述べたようなことを問題にしている。つまり、インターネットというテクノロジーの進化がいかに人の思考習慣を変え、それによって脳にはどのような物理的変化が生じうるのか、ということである。双方向性やリアルタイム性が増したメディアの進化、そして脳の神経可塑性(環境に応じて柔軟に変わることができる脳の性質。逆に言うと、それだけ脳が環境からの影響を受けやすいということ。この本もお勧め。)、この2つが密接な相互作用を続けると情報の質も量も大きく変わり、それは人そのものも変える。このことには、もちろん良い面も悪い面もある。「昔は...」的なノスタルジーは無用だが、手放しでテクノロジー万歳でもいけない。このことにわたしたちは自覚的でありたい。メディア進化と神経可塑性を重ねて議論する、というチャレンジングなことをやってのけたとてもおもしろい本。
0 件のコメント:
コメントを投稿