水曜日, 2月 23, 2011

行動のゆらぎとその機能的意義

 ラボの論文紹介で「Performance variability enables adaptive plasticity ‘crystallized’ adult song」(パフォーマンスのゆらぎは結晶化した大人のさえずりの適応的可塑性を可能にする)を紹介した。以前読んだのだが、今書いている論文の参考文献に引いていることもあり、再度読み直してみた。
 鳥はさえずり(歌)を学習しそれを”結晶化する”(ある一定の構造になり、そこから変わらない)のだが、そのような大人の固い歌にもわずかではあるがゆらぎがある。そのような行動のゆらぎは、単にモーターが制御しきれないから存在しているだけなのか、それとも何か機能的な意義があるのだろうか?後者の可能性を実験的に調べたのがこの論文である。
 ゆらぎでふらふらしているということは、逆に言うと試行錯誤的に探索できるということである。それを上手に利用できれば、より良い行動に変化することができる。この論文で示したことは、簡単に言うとそういうことだ。これもまた行動実験としては良い論文だ(前はこれを紹介した)。

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