土曜日, 7月 18, 2015

ほがらかな道

 偉大な知の巨人がまた一人去った。2008年、ノーベル物理学賞を受賞された南部陽一郎先生が亡くなられた(当時のブログ記事)。物理を学んだ者なら南部先生を知らない人はいない。
 学部、修士と素粒子物理学を専攻していたので、南部先生の本、特に「クォーク」はよく読んだ。ブルーバックスとは思えないほどの内容で、そんじょそこらの教科書よりもレベルが高い。
 Yahooニュースの記事にこんなコメントが載っていた。
「私が夫と出会ったのは、宝塚にあった陸軍の研究施設でした。私の一目ぼれでございました。それ以後、豊中、アメリカのプリストン、シカゴ、そして再び日本へ。苦労もありましたが、70年あまり、ほがらかな道をともに歩んでまいりました。夫を失い、ただただ悲しみにくれています」
 大変な研究者人生だったことは想像に難くないが、ご婦人をして「ほがらかな道」と言わしめる。南部先生が研究者としてだけでなく、人間として偉大で魅力的であったかを物語る。

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