川合さんに献本いただいた本を読んだ。「人間とは何か、心とは何か。」これらの問いに「比較」というアプローチで迫るのが比較認知科学。チンパンジーやサルなどヒトに近い動物の行動特性を観察・実験し、ヒトと似ているところや違うところを明らかにすることで、ヒトの認知固有の生物基盤の解明や進化過程の推測が可能になる。
たくさんの先行研究があるので、ややもするとこの手の本は研究結果の羅列になりがちなのだが、本書はストーリーがしっかりしているので、わかりやすく面白い。「いじめ」には、モラルや教育云々以前に、生物基盤や進化が深く関係していることが分かれば、この問題の改善につながる妙策も見つかるかもしれない。新書のお手本のような本である。
0 件のコメント:
コメントを投稿