田町の本屋さんで見つけて、面白そうだったので、『世界は経営でできている』(岩尾俊兵 (著))をさっそく買って読んでみた。この本でいうところの「経営」とは、「価値創造という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる様々な対立を解消して、豊かな共同体を作り上げること」である。
仕事、家庭、恋愛、勉強、老後、科学、歴史など色々なテーマに関して、あるある的な失敗事例を取り上げ、それらがどう経営の視点で捉えられるのかが書かれている。シニカルで、時に自虐的なユーモアを交えつつ、小気味よいテンポで展開される。お笑いのリズムネタのように、プロットが定型なので、下手すると途中で飽きられてしまうが、そうならずに読者を誘うのは筆者の腕だろう。
難しいことが書かれているわけではない。取り上げられているテーマにおいて、経営が欠如していること(=目的と手段の転倒、手段の課題化、手段による目的の阻害)が問題なのだという。私が特に関心したのは、以下の記述。
- 自己と他者を同時に幸せにする価値創造でしか、個人にも集団にも恒久的な幸せは訪れない
- 価値を無限に生み出せるのならば、奪い合う必要がない(価値は有限だと考えるから奪い合いが起こる)
- 他者は奪い合う相手ではなく、価値を創り合う仲間だ
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