木曜日, 10月 09, 2008

加速器のある風景

 ノーベル物理学賞受賞の興奮が覚めやらず、昨日の授業では「少し脱線します」と前置きをして、自発的対称性の破れCP対称性の破れについて学生たちに説明をした。そして、いかに今回のノーベル賞がすごいのかを力説した。しかし、残念ながら学生たちの反応はあまりなかった。常人の想像力の及ばない話なので無理からぬことかもしれないが、もうちょっとドキドキして欲しかった。
 先月、理研仁科加速器センターを見学する機会に恵まれて、研究員の方に施設を案内していただいた。ここでは宇宙の進化の鍵を握る元素の起源について研究をしている。写真は世界的にも珍しい超伝導リングサイクロトロン (SRC)。この日はメンテナンスのため、中を見ることができた。これでウランイオンを光速の70%まで加速する。理研が世界に誇れる結果は、新元素113番を発見したこと。初めて教科書の元素周期表に日本が命名した元素が加わるかもしれない。毎年春に理研は一般公開をしているので、そのときに見学できると思います。

0 件のコメント: