展開の速い(悪く言えば落ち着きのない)楽しいエッセイだ。言語において、記号と内容の結びつきは緩やで相対的に決まることを理解し、時にはそれをずらして脱構築する(一旦ご破算にして一から新しく作り直す)ことが、常識の袋小路から抜け出だすための鍵だとく。例えば、「ただの甘栗」も「むいた甘栗」も商品としてはどちらも「甘栗」だ。しかし、後者を「甘栗むいちゃいました」とすることで大ヒットが生まれた。では、前者を若者にも売るためにはどうしたら良いか?僕の意見はこう。「甘栗むいちゃうぞ♡」として、かわいい栗剥き付きで売る。甘栗の脱構築の出来上がり。
著者は大変な読書家で(広く薄くという感じも否めないが)、この本には言い得て妙な表現が詰まっている。思考のツールとしての言語を疑ってみる上で有用なヒントがある本だと思う。
言語による思考は一次元的な制約を受けがちなので、僕はアイディアを練る時にはマインドマップを良く利用している。マインドマップとは、簡単に言うと、考えを木構造(中心から外延方向へ放射状に)にマップして可視化する方法(構造とはすなわち関係性のこと)。最近の脳ブームと相まって、教育やビジネスでも広く取り入れられている。今日の講義でも取り上げた [Link]。僕が思うところの桃太郎を描いてみたらこうなった。どうだろう。
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