- ひっきりなしに転ぶ女性—平衡感覚を失った患者の物語
- 脳と体が「非対称」の女性—自力の訓練で学習障害を克服する
- 脳の地図を書きかえる—可塑性研究の第一人者、マーゼニック
- 性的な嗜好と愛—ネットポルノ中毒に苦悩する男たち
- 絶望の淵からの復活—脳卒中患者たちを救ったCI療法
- 脳の“ロック”を解錠する—シュウォーツと強迫性障害の患者たち
- 腕がない男の消えない痛み—「幻肢痛」を絶ったラマチャンドラン
- 想像が脳の構造を変える—パスカル‐レオーネと脳内訓練の威力
- 記憶の“亡霊”と決別する—記憶と感情をなくした男性の物語
- 脳は「部分の集合体」を超える—脳が半分しかない女性の物語
ラマ・チャンドランが、ミラーボックスを用いて幻肢(事故などでなくした足や腕に痛みを感じる)を治療した話(7)は有名だ(cf. 脳のなかの幽霊 (角川21世紀叢書)
)。その他にも、アブノーマルな性的嗜好の話(4)、脳梗塞から見事に復活した人の話(5)、半分しか脳が無かった人の話(10)など、興味深い臨床例が紹介されている。脳の可塑性がなければ、いづれも起こりえないことだ。
たくさんの脳のデータを持ってきて、それを平均値と分散で語ろうとすると本質を見失う。むしろ、こういった特異と思われる事象をきちんとみることこそ、脳をわかる近道なのではないか。
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