土曜日, 7月 20, 2024

IC2S2 2024

 計算社会科学の国際会議IC2S2 2024に参加するために、ペンシルベニア大学(フィラデルフィア)に来ている。昨夜のカンファレンスディナーを終えて、ホテルに帰ってすぐに寝たら、朝3時に目が覚めてしまった。まだ時差ぼけが直っていない。

 今回は変化を感じる回となった。かつての計算社会科学といえば、ソーシャルメディア分析が全盛で、非構造化データを扱うスキルをもつCS研究者が多かった(当時のことは、[こちら]の記事にも書かれている)。

 しかし、回を重ねるごとに社会科学、特に、定量的研究をする社会学や政治学の研究者が増え、大規模言語モデル(LLM)が普及したことで、一気に研究の質・量ともに向上した。それから、新たに参入した博士課程の大学院生や女性研究者の数も増え、盛んにネットワーキングをしている姿が印象的だった(それだけ、アカデミアで、テニュアをとって生き残ることは熾烈なのだ)。

 私の研究室からは3件の発表があった。口頭発表をする予定だったポスドクは諸事情で参加できなかったので、私が代理発表することになった。結果的には、自分でスライドを直したことで理解が深まり、研究の強みも弱みもわかったので、その点は良かった。発表でもらった質問も今後の分析につながるものだった。学生1名と共同研究のポスター発表も無事終わった。

 次回のIC2S2 2025はスウェーデンで開催される。ポスドクや学生にどんどん出してもらいたいところだが、このところの円安で、出張費が劇的に高騰しているという頭が痛い問題がある(1名派遣するのに、60万円以上かかる)。学問的な熱と予算という現実問題に板挟みになりつつも、最善を尽くすほかない。



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