水曜日, 8月 26, 2009

イチブトゼンブ

複雑系の深遠なテーマ、人生が思うに任せぬ所以、ハイゼンベルグ、男女がすれ違う訳。

これも素敵。



これらに共通すること。イチブトゼンブ。

土曜日, 8月 22, 2009

Norvigのトーク

 引き続きCaltechで開催されたScipy 2009のお話。20日の招待講演で大物ゲストPeter Norvigの話を聞くことができた。Norvigは人工知能:エージェントアプローチ の共著者の一人。人工知能を勉強したことのある人なら必ず手にする教科書。これまでNASA Ames Research Centerのグループディレクターを勤め、現在はGoogleのグループディレクターをしている。
 今回のお題は、これからの科学計算に求められるプログラミング言語について。NorvigがPythonに行き着いた経緯、プログラムと研究、今後のプログラミング言語に期待されることなど、冗談を交えつつ深すぎず浅すぎず、実に良い塩梅のトークだった。特にWhat do scientists do?(科学者のお仕事は?)の説明が面白かったので、以下に抜粋します。もちろん0と6は半分冗談。
0. Write grant appllicatons(研究助成金の申請書を書く)
1. Observe and explore interesting phenomena(面白い現象を観察して探求する)
2. Generate hypothesis(仮説を作る)
3. Formulate models to explain phenomena(現象を説明するためにモデルを作る)
4. Test predictions made by the theory(理論的予測を検証する)
5. Modify theory and repeat(理論を変更し、(以上の作業を)繰り返す)
6. Publish in Science or textbooks/course notes(Scienceまたはテキストブック等で発表する。)
太っ腹なことにこの招待講演、その他の発表はScipyのウェブページでオープンソースとして公開されています。Norvigの講演はここ

水曜日, 8月 19, 2009

パサデナで円周率

 Pythonを用いた科学計算に関する学会に行ってきた[link]。開催地はパサデナにあるCaltech (カリフォルニア工科大学)。バスと電車を乗り継いで行かなくてはならないため、5時起床で6時に家を出たのだが、結局着いたのは10分遅刻の8時40分。最寄り駅から歩けるものと勝手に思っていたら、とんでもない、4km以上はあった。広すぎるぜカリフォルニア。
 専門は計算生物学だが、計算の学会に出たのは実は初めて。プログラミングは独学で学んだ。今日と明日はチュートリアルがあって、僕は基本クラスに参加した(参加者は圧倒的に上級クラスの方が多かった)。午前中はIPythonを使いながら基本的な文法の確認。さすがにこれはやさし過ぎた。午後は一番聞きたかった多次元配列のライブラリNumpyと描画ライブラリMatplotlibの入門。実際に開発に携わっている人が講義してくれたので、マニュアルでは分からないことが聞けて良かった。
 今日は円周率を求める演習をやったので、そのPythonによる実装を示します(Wallisの式による計算(上式))。分数をその都度計算すると端数をばっさり切って値が不正確になるので、分子と分母を先に計算してから割り算する必要がある。これをCで素直にやるとオーバーフローしてしまう(つまり、どんどん掛け算をしていくと、とてつもなく大きな数字になってしまう)。Pythonの場合は、一行目のおまじないのおかげで素直に計算ができる。
 そういえば先日、筑波大のスーパーコンピュータが円周率の計算で世界一になりました[link]。円周率計算はコンピュータ進化のベンチマークなのだそうです。
from __future__ import division

def wallis():

  num = den = my_pi = 1

  for i in range(1, 10000):

    tmp = 4 * i ** 2

    num *= tmp

    den *= tmp - 1

  my_pi = 2 * (num / den)

  return my_pi


if __name__ == "__main__":

  print wallis()

土曜日, 8月 15, 2009

初めてのアップグレード

 LAに帰る飛行機で初めてのアップグレードを経験しました。つまり、エコノーミーで予約したのだけど、何らかの事情で席が満席になり、ビジネスクラスに格上げになったのです。噂には聞いていましたが、いやー、本当に快適でした。座席はゆったりとしていて、お休みモードにするとほぼ横になることができます。
 席に着くとまずスチュワーデスさんがやってきて自己紹介をし、ウェルカムドリンクの希望を聞きます。もちろんコーラなんてたのみません。シャ、シャンパンです。食事がまたおいしい(写真は夕食の前菜)。「味のIT革命や〜!」(彦摩呂風)という感じです。
 周囲をきょろきょろと見渡してみると、お金持ち風な人たちばかりで、短パンにTシャツの僕は若干浮いていました。中には、見事なまでの小麦色の肌に花柄のワンピースという姿の女性がいました。たぶんプロテニス選手だと思います(テレビで見たことがある気がするのだが、名前はわからない)。成田→LAXは 9時間20分ですが、ぜんぜん長く感じませんでした。初めてのビジネスクラスでLAに無事帰ってきました。

火曜日, 8月 11, 2009

プチ太郎

 しばらく見ないうちに日本や僕の周囲はどんどん変化していた。僕自身も変化した(体重が6kg増えました...orz。体脂肪率は12%であまり変わりないのだけど)。プチ浦島太郎状態。ラボのみんなは元気だった(K川さんおめでとう!お幸せに)。家族も元気だった。そして猫たちも元気だった。源太ずし寿恵川のうなぎもおいしかった。温泉にも入った(かんぽの宿・いわき)。4ヶ月ぶりの日本を満喫しました。充電完了、そろそろ仕事に戻る時間です。今週の金曜にLAに帰ります。
 まず来週は国際会議Scipy@カルテクに参加、来月はOferラボ@ニューヨーク、その後、ボルケーノ@北カリフォルニアで野外調査。その間、EVOLANG8のアブストとシミュレーション、論文を仕上げたい。日本でできることをアメリカでやってもしょうがない。UCLAの恵まれた環境をフルに生かして、ひと化けもふた化けもする(体重以外)。

金曜日, 8月 07, 2009

夏の4冊

 湿度過多にゲリラ豪雨、コンビニと自販機、満員電車、人、ヒト、ひと。東京に帰ってきたのだなと思う瞬間。言葉が普通に通じるのも変な感じ。ロサンゼルスでは話が通じないことも多々ある。一時帰国の主要目的だった書類提出、研究打ち合わせ、セミナー、が終わって少し安堵している。日本語でのセミナーは久しぶりだったので、舌が回らなかったり適当な言葉が出なかったりして、ちょっとぎこちない場面もあった。質問もたくさん出たので、僕のセミナーは楽しんでもらえたのだと思う。
 東京でやりたかったことの1つ。それは最近の本を仕入れること。ロサンゼルスの日本人向けの本屋で買うと1.6倍の値段がするのだ。それは高すぎる。読みたかった本を生協とジュンク堂でまとめ買いした。一気に読むぞ。

相変わらず話の構成と文章がうまい

Getting Things Doneの基本

大野先生の力作

音声認識の一般読者向けの本

土曜日, 8月 01, 2009

しばし日本へ

 Mの向こうにS(un)が沈む頃、夕刻の街を33歳のチャリダーは駆け抜ける。風がとても心地良い。今日から2週間ほど日本に帰国するので、ロサンゼルスとはしばしのお別れ。LAXを1日の昼に出て、成田に着くのが2日の夕方なので、何か損した気分。次の日から、山のように書類があるので、きっとあっという間に時間は過ぎるのでしょう。実りある一時帰国にしたいものです。

金曜日, 7月 31, 2009

LAの日本人研究者たち

 先週の土曜、アパートで知り合った日本人の皆さんとBBQをしました。うちを含めて5家族が参加しました。僕以外は全員お医者さんで、1年とか2年、研究をするために家族でロサンゼルスに来ているそうです。夫たちは肉とビールをほうばりながら仕事の話をし、子どもたちは楽しそうに駆け回り、妻たちも楽しくおしゃべりをしていました。強い日差しの中、肉と同じぐらい焼けた楽しい1日でした。
 BBQ後、ロス在住の日本人研究者の集まりがあるからと誘われて、Nibei財団の集会に行って来ました。月に1度講演会を開き、交流の場を提供しているそうです。この日はUCLAの学長Gene Blockが講演をするというので、大勢の人たちが詰めかけていました。Gene Blockは生物時計の世界的権威で、何と学長なのにラボを持っているそうです。多忙な学長のスケジュールをこなしつつ、最先端の研究をするなんて超人ですね。講演も面白かったです。行動から神経回路まで、いたるところに24時間の周期現象が存在するというデータを見せてくれました。光のあたらない暗闇にいると、人の生物時計は後ろにズレ、ネズミの場合は前に進むそうです。それから時差ボケに関して、脳はかなり素早く現地時間に適応するのだけど体の方がそれについていけず、脳と体のアンバランスから生じるのではないか、という仮説を唱えていました。ちなみに、学長は日本好きで、車もスカイラインに乗っていました。

金曜日, 7月 24, 2009

足下の生態系

 毎朝決まった時間にPeet'sにやって来て、紅茶とデニッシュを買って外の席に腰掛けるおじさんがいる。このおじさん、デニッシュをひとくちサイズにちぎってはテーブルの上にポイッポイッと置き、半分も食べない。しばらくすると、毎度どこからともなく1羽の黒い鳥がやってきて、テーブルの下にこぼれたデニッシュのカスをついばみ始める。着地の時に1本の足をすぐに引っ込めるので、きっと足をけがしているのだろう。この鳥は頭の回転がよろしくないらしく、テーブルの上にあるパンには全然気付かない。いつまでたってもおじさんの足下をうろうろしている。
 面白いのはここから。この黒い鳥がやってくると、それを見ていたスズメやスズメみたいな鳥たちがわんさか押し寄せて来る。そしてあっという間に餌の場所を突き止め、デニッシュを持ち運んでしまう。さずがにカチンと来たのか、黒い鳥はスズメたちの後を追いかけるが、後の祭り。一羽のスズメを追いかけている隙に、別のスズメが餌を奪って行ってしまう。最後にはハトまでやってきて、残りを平らげてしまう。一番最初に餌の情報を仕入れながら、一番損をするとは。情報の上にあぐらをかくべからず。いや、この鳥がバ○なだけか...。

火曜日, 7月 21, 2009

バジる

 3週間ぐらい前から、我が家では家庭菜園を始めた。バジル、サラダ菜、ネギ、大葉。一番最初に芽を出したのがサラダ菜とネギで、スタートダッシュがすごかった。バジルは着実に生長し、今はこんな感じ。先週から、ちゃんとバジルの香りがするようになった。間もなくピザやモッツァレラチーズの上で活躍するに違いない。
 一方、サラダ菜は最近ぐったりとして、ネギも密度が高すぎるのかうまく生長してくれない。適当に種をまけばよいというものではないらしい。かなり遅れて、ようやく4つぐらいの大葉が芽を出し始めた。しかし、遅々として生長しない。期待を込めて「遅れてきたルーキー」と呼んでいたが、名前を改めることにした。「遅れてきたうんこルーキー」。だめだこりゃ。

木曜日, 7月 16, 2009

一時帰国前に思うこと

 最近は夏の日差しが照りつけ、30度近くまで気温が上がる。しかし、湿度が極端に低いので汗はほとんどかかない。アメリカの生活も4ヶ月目、開放的な雰囲気の中で、研究も生活もエンジョイしている。
 8月に2週間ほど一時帰国するので、これを機会にこれまでやってきたことや、まだやれてないことを振り返ってみる。まず研究。4月から1ヶ月半ぐらいは、しこしこプログラム書いていた。これができてからはデータ解析がぐんと進んだ。ある程度まとめる目処がついたので、ここからが腕の見せ所。問題の切り口のおもしろさ、方法の妥当さ、結果の明瞭さ、考察の鋭さ、これらが欠如した偽物論文は書きたくない(インクと紙の無駄→CO2増→エコじゃない)。
  • Do one thing really really well (1つのことをうんと良くやる)
  • Stay true (本物でいよう)
1つ目はGoogleのポリシーで、2つ目はPeet'sのポリシー。そして、これらは僕のMotto。
 やれてないこと。1つは英語。Chuckは「カズトシノエイゴハダイジョウブ」と言ってくれるけど、研究以外になるとヘボなのでまだまだ。今年はカリフォルニアの財政難で、無料のESLのサマースクールは(ほぼ)すべてキャンセルになってしまった。秋からUCLAの国際交流館でESL上級者コースが始まるはずなので、それに行こうと思っている。自習に利用しているESL Podcastは分かりやすいのでお勧めです。やれてないことのもう1つは写真。写真の腕をあげたい。

水曜日, 7月 15, 2009

動物行動とカオス

 ウェストウッドのPeet'sでコーヒーを飲んでからラボに行くのが僕の習慣。毎日ほぼ同じ時間に来て、「コーヒーS、マフィンは要らない、レシートも要らない」という僕の台詞を覚えている店員さんがいて、いつも「Have a good day!」と気持ちくコーヒーを渡してくれる。コーヒーを飲みながら読書するこの時間が好きだ。
 先月は「動物行動学入門 (同時代ライブラリー (185))」を読み直した。1985年の本なので、内容的には古くなっている部分もあるが、動物行動学の基本がとてもしっかりと書かれている。原書も訳本も古本でのみ入手可能。
 今月の本は「水滴系のカオス」。こちらも原書は1984年と古いのだが、翻訳されたのは2006年。訳もしっかりしているし、補足やその後の進展、参考文献など、原著にはない情報が付加されている。モデルを用いて複雑な現象を理解するというやり方のとてもよいお手本。以下は、目から鱗が落ちた箇所。
「モデル」とは、対象となる系の定性的振舞いを分析するため、関連する変数全てを用いずに、少数の変数とそのダイナミクスによって系を表現したものである。
...(途中略)...
この単純なモデルは何ら予測能力をもたないが、水滴系の振舞いを一次のオーダーで近似する程度の記述力をもっている。 水道のポタポタは、ミクロの規則とは関係なく生じるマクロな現象で、少数自由度カオスの良い例となっている。そのような系の予測可能性を情報理論を用いて考察する、というのがこの本の狙いである。どちらの本も書かれたのが1980年の半ばなんだ。かたや動物行動学かたやカオス。そんな時代だったんだ。

追伸(2009.07.10):
上記のSlater本は、その後、"Essentials of animal behaviour"という名前で再出版されていました。

月曜日, 7月 13, 2009

ランチパーティー

 TaylorラボのZacとAlex、Alexのガールフレンドを招いて、ランチパーティーをしました。日本食がよいだろうということで、奥さんが腕を振るって、ちらし寿司、野菜の天ぷら、豚の角煮、サラダ、けんちん汁を作りました。これだけ大がかりなパーティーをやるのは初めてです。
 Alexたちは昼過ぎにビールとフルーツタルトを持ってやって来ました。University Apartmentに来るのは初めてだそうで、「いいところだ」と感心していました。今月から多少値上がりしたとはいえ、$1,240で2ベットルーム・1バスルームの部屋は、ロサンゼルスでは格安です。大学が管理しているので安心だし。部屋を案内すると、あまりの物の少なさに驚いていました。2つの部屋のうち、1つは寝室、もう1つは書斎で、書斎は机しかありません。しかし、僕はこのシンプルさが気に入っています。
 御馳走に舌鼓を打ちながら、研究のこと、日本のこと、カリフォルニアのこと、家族のことなど、ぎこちない英語ながら楽しく話しました。Alexのガールフレンドがベジタリアンなので、奥さんが献立に苦労していましたが、おいしいと好評でした。次は、Alexが呼んでくれるそうなので、どんな料理がでるのか楽しみです。

火曜日, 7月 07, 2009

Birdsong Seminar

 Whiteのラボの人にお願いされて、月一でやっているBirdsong Seminarで発表した。夏休みということもあって、聴衆はいつもより少なかった。それでも、ChuckやArnoldをはじめ数人の先生と、ポスドクや院生が10数人来てくれた。少し拍子抜けしたけど、発表は全力でやった。最近やっている歌発達ダイナミクスの情報理論による解析について発表した。たくさんのp*log(p)を見せられても、生物系の人にはピンと来ないかもしれないと思い、いくつか簡単な例を分析してみせた。それが功を奏したのか、わりとみんなに興味を持ってもらえた。マイコドリの求愛ダンスを研究しているSchlingerと博士過程の学生さんは、僕の手法を使ってみたいと言っていた。僕も興味があるのでおもしろそうだ。下の動画はすごい。
 中には、ダイナミクスを語っても、「で?」とか「その現象の実体は何なの?」みたいなことを言う人もいた。それはそれで仕方ない。神経科学の人は、実体がないものはお気に召さない。ある現象を見つけたとして、彼らは、それに対応する遺伝子ニューロンといった実体を探したがる。それは理解ではなくてマッピングだ。「これです」と指差すことが理解じゃない。もちろん重要な作業ではあるけど。ニュートンが万有引力を定式化したのだって、落ちて来るのはリンゴじゃなく、ナシだってカボチャだってよかったはずだ(カボチャが落ちてきたら、骨折じゃすまないだろうけど...)。僕は、実体を流れさせるもの、その効果について知りたい。
 セミナーで発表するとアドレナリンが悪さをする。たぶん、出っぱなしになるんだ。勢いに任せて書いてみた。

日曜日, 7月 05, 2009

AX09

 ダウンタウンのコンベンションセンターで開かれたアニメの祭典、アニメエキスポ(略称AX)に行ってきた [Link]。北米最大のアニメコンベンションだそうで、会場にはお気に入りのキャラのコスプレをした人たちが大勢詰めかけていた。僕もどーもくんもどきと写真を撮らせてもらった(中に入っていたのは女性だったけど)。
 僕は、特定のジャンル(例えば、攻殻機動隊などのSFとか宮崎作品とか)を除いてあまりアニメは見ないが、文化としてあるいは表現方法としてのアニメにはとても興味がある。言葉では一次元的すぎる。絵のみの二次元は広すぎる。空間的広がりと言葉の制約によって、時間も織り交ぜながら、違う方向に緻密な表現を展開できるのではないか。日本のアニメのすごさの所在は人によって解釈が違うだろうけど、理屈はともかく、これだけの人を魅了し続けているのだから、これが何でもない訳がない。下の写真はDSになりたかった人。ふたを閉めたらただの箱。自虐的なギャグだろうか?

火曜日, 6月 30, 2009

花火

 独立記念日を1週間前にして、サンタモニカで開かれた「Celebrate America 09」をいうお祭りに(自転車をこいで)行ってきた。場所はSanta Monica Collegeの競技場で、入場料はただ。数千人は来たのだろうが、観客席でも十分に座れた。余興のステージでは、プロのミュージシャンが1時間ぐらい演奏をして、その周りで大人も子どもも踊りまくっていた。きっと天国でマイケルも踊っていただろう。演奏が終わると、国旗掲揚とともにアメリカ合衆国国歌が流れ、一足お先に独立記念日を祝った。
 一発の大きな花火が打ち上げられると、間髪を入れず、次々と色鮮やかな花火が夜空に咲いた。思えば、こんな間近で花火を見るのは初めてだ。東京近辺の花火大会に何度か奥さんと行ったが、建物や木に遮られて花火が全部見えることはあまりなかった。日本の花火が余韻を楽しむものだとすると、こちらの花火はとにかく勢いを感じるものだ。えいやと打ち上げ、光の向こうに宇宙を感じた刹那、また次の光がやって来る。これはこれで良い。



木曜日, 6月 25, 2009

リスタソ

 アパートに出没するリスはとても人慣れしていて、袋をガサガサさせると、餌をくれるのかと思い込んでこちらにやって来る。持っていたチェリーなんて放り出して。
そして、ものすごい顔で袋を覗き込む。
でも、残念。これは燃えるゴミの袋なんだな。

火曜日, 6月 23, 2009

君の名は

 ここ1ヶ月ぐらいずっと曇りがちだったが、先週あたりから、ようやく本来の日差しが戻って来た。太陽と青い空がなければ、カリフォルニアらしくない。ロサンゼルスに来て、東京とはずいぶん違うなと感じたのものの1つは、街に見られる草花の雰囲気。東京では、草花は街の一部となり調和しているが、こちらのものは自己主張がかなり強い。原色に近い色で積極的に街を色付けている。それはそれで美しい。カリフォルニア・フィールド図鑑に載っていない花がたくさんあるので、それらは輸入種なのかもしれない。名前が知りたい。









































日曜日, 6月 21, 2009

世界でただひとつの名前

 Googleでドメイン名を年間10ドルで買うことができるので、colorlessgreen.infoを購入した[Link]。本当は、colorlessgreen.comが良かったのだけど、既に存在していたので駄目だった。".info"はあまり馴染みがないけど、".com"などと同じ、ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD)の1つ。主に情報に関するウェブを念頭に置いているけど、特に使用制限はない。Colorlessgreenは、チョムスキーの有名なフレーズ
Colorless green ideas sleep furiously(色のない緑の概念たちが猛然と眠る).
からいただいた。ちなみに、チョムスキーのウェブも.infoを使っている(http://chomsky.info)。これに伴い、以前使用していた散らかったウェブページ(Nikukyuoogle, Soramame Wiki, iLEGO Wiki)を1つにまとめます。新しいURLは、http://www.colorlessgreen.info です。まだ工事中ですが、研究や講義に関する情報を少しずつここに載せることにします。Blogはこれまで通り、たそれがコーヒー学に書きます。
 世界でただ1つの自分のお気に入りの名前が使えるのならば、そんなに高くない買い物だと思います。意中のあの子にアタックしたいあなた、素敵なドメイン名をプレゼントするのはいかがでしょう?
素敵なドメイン名 10ドル
素敵なドメイン名を思いつくあなたの心 プライスレス

土曜日, 6月 20, 2009

複雑系私的再考

The whole is more than the sum of its parts.(全体は単なる部分の寄せ集めではない。)

How complex behavior can arise from large collection of simpler components?
(どのようにして単純な要素の集まりから複雑なふるまいが生じるのだろうか?)
 複雑系の科学が目指しているものは、このような表現や問いに代表される(Complexity: A Guided Tour, Mitchell著より)。つまり、要素に分解するという分かり方(還元主義)が適切でないもの(例えば、"生命"や"意識"といった現象)に対して、それを語るための"新しい言葉"(理論)を作ろうということだ。そのために、手あかに塗れた既存の言葉を使うのでなく、例えば、"生命のような現象"や"意識のような現象"を作り上げて、そこから学ぶことで、全く新しい言葉への手がかりが得られるのではないか。先日、爆笑問題のニッポンの教養で池上さんが語っていたことは、そういうことだったと思う。
 このような構成主義の立場は、既存の科学と違ってアウトプットが分かりづらいので、なかなか理解されない。これからは、新しい表現や世界観を模索しつつも、還元主義の世界と相補的になれるような努力をすることが、僕らにはもっともっと必要だろう。"新しい言葉"は、多くの人に共有されることで、より良い言葉となるかもしれない。