水曜日, 2月 24, 2010

足音

 帰国の日が近づいている、それを痛感する今日この頃だ。金曜はUCLAで研究している日本人(旦那さん連中)が集まりウェストウッドのYamatoで食事会をした(奥さん連中はコリアタウンで宮廷料理だったそうだ)。ほとんどはお医者さんで、研究のためにご家族とLAに来ている。僕は初めての参加でお別れの挨拶することになった。
 日曜は風邪で調子が上がらぬまま、サンタモニカ図書館に行って論文を書いていた。その帰り、ずっと気になっていたのだが一度も行ったことのなかったカリフォルニア・ピザキッチンで夕食をした(この写真はGRの単焦点レンズの特徴が出ていて良い)。エビのピザもサラダも味、量ともに良かった。もう一度ぐらい行きたい。
 そして今日。まずアパートの退去関係の書類を取って来た。そして、いつものように自転車をこいでラボに行き、いつものようにPeet'sコーヒーをいれ、いつものように論文を書いた。そして16時45分、論文原稿(本文)を書き上げてChuckに送った。あとは共著者と推敲しつつ、補足資料とカバーレターだ。
 せっかくこっちの生活にも慣れ、親しい友達も出来てきたところで帰国というのは、本当に残念だ。残りの1ヶ月ちょい、悔いのないようにしたい。

金曜日, 2月 19, 2010

GADGET OK!

 GADGET OK!と題したデバイスアートのシンポジウムに行って来た。会場はあっという間に満席になり、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。僕のお目当ては、明和電機の土佐信道さんのパフォーマンス。デジカメで動画を撮ったのでアップします(あまり画質は良くありません)。ユーモアと哀愁に満ちた楽器と土佐さんのつぼをついたパフォーマンスがすばらしい。すごい才能だ。
  • その1



  • 土佐さんとの写真

 このパフォーマンスの前に、「日本人もつ独特のロボット観」について、鉄腕アトムと日本人の関わり方などを例に挙げて説明したFrederik Schodtさんの講演も面白かった。実はこの方、鉄腕アトム(Astoro Boy)や攻殻機動隊(Ghost in the shell)の英訳を手がけた方。あまりに面白かったので、展示していた本(Inside the Robot Kingdom)を買いました。最新本のThe Astro Boy Essaysも面白そうです。
  • Schodtさんとの写真

火曜日, 2月 16, 2010

何気ない休日

 風邪で3日ほどダウンしてましたが、咳も頭痛もなくなり、元気になってきました。食欲が落ちなかったのが幸いしたかもしれません。写真は2月14日バレンタインデーのブランチ。僕の好きなPeet'sコーヒーと奥さんが作ったチョコケーキがあります。
 この日は病み上がりということもあり、遠出はせず、近くのショッピングセンターまで散歩してきました。60分のマッサージを受け(我が家では月一回30分のマッサージは健康衛生費と称して、公費で落ちることになっている。超過の足裏30分はお小遣いから)、ペットショップの犬にちょっかいをかけ、Burns & Nobleで本を買って帰ってきました。全米でベストセラーになった子供向けの本、「Diary of a Wimpy Kid」はユーモアたっぷりで、大人でも楽しめます。あと科学、歴史、自然に関する記事がすばらしいBBC Knowledge。写真がきれいなので好きです。これは残念ながら日本では手に入らない。オンラインで見れるといいのに(サンプルはある)。

木曜日, 2月 11, 2010

あの坂をのぼれば

「あの坂をのぼれば海が見える」
 中学の国語の教科書に載っていたフレーズ。ウェブで調べてみたら、このフレーズが忘れられない人は僕だけではないようだ(もとはこの本。小さな町の風景 (偕成社の創作文学 (44)))。えっちらおっちらとのぼって行った先に海が見えたら、それは言葉にならないほど感動するに違いない。
 僕の場合は、アパートのあるソーテルから40分自転車をこいで通学している。ウェストウッドを通り、サンタモニカ大通りを過ぎたあたりから大学までなだらかな坂がずっと続く。まだ来たばかりの頃は、道なりにたくさんのお店があったが、最近では不景気の影響でどんどんとFor Lease(空き室あります)の看板が増えている。UCLAの近辺ですらだいぶ寂れてしまった。なんとなく悲しい気持ちになる。少し風邪気味だが明日も自転車で大学に行く。あの坂をのぼれば、...
Peet'sが飲める。

金曜日, 2月 05, 2010

測れるものは増えれども..

「Exploring the Origin of Life and Consciousness by Ultra High-speed Microscopes」(超高速顕微鏡を用いた生命と意識の起源の探求)と怪しいタイトルのUCLA物理・天文学科のセミナーに参加してきた[Link]。要するには、時間的・空間的解像度のうんといい顕微鏡をこしらえて生命と意識を計測しましょう、ということだ。生命を構成している部品(分子)を見れば生命がわかり、意識を生み出している部品(脳神経)を見れば意識がわかる、という物理学者らしい乱暴な議論だ。ただし、講演者は素粒子物理の出身なので、光子(光の粒子的性質)や電子の理論はもちろん、その計測技術にも精通していて、にわか仕込みの実験学者が市販の実験装置で危なっかしい議論をするのとは次元が違う。加速器実験で使われている技術を応用して最新の装置を作り、分子1個をすごい精度で計測したり、神経活動を4次元(3次元プラス時間)で計測したり、とにかく細かいことをうんと測れる。
 いつも思うのだが、技術の進歩で測れるものはどんどん増えたとしても、それを解析する技術(理論も含めて)はさほど進んでいない。せっかく何10次元ものデータが記録できても、主成分分析などで次元を落として解析している。そこに隠された規則を見出す作業は、深い洞察なくしてはありえない。測れるものが増えることはいいことだが、それに溺れてしまわない鍛錬が必要だろう、と感じた。

月曜日, 2月 01, 2010

台風一過

 セミナーと研究打ち合わせのため、恩師がUCLAを訪れた。池上さんは僕にとって嵐である。ものすごい勢いで次々と予想もしない全く新しいことが降ってくる。その間僕は低木となって、それを浴びながら吸収しながら立ち尽くす。そして台風一過、雲ひとつない青空のように清々しい、何か新しいことができそうな、そんな気分になる。Chuckと池上さんたちは、科学と芸術の融合の先に新しい形を作ろうとしている。僕は僕の信じる道を作っていこう。まずはこの難産の論文を仕上げなければ。

木曜日, 1月 28, 2010

iPadだったか

 待ちに待ったAppleのタブレットはiPadでしたね 。Kindle2を買うかどうかで迷っていたのですが、一気に迷いが吹き飛びました。hpなど他社もタブレットを出す予定ですが、iPadで決まりです。優れたデザインがいかにしてライフスタイルを変えるのか、その良い見本です。
 Kindle版の本を読むだけなら、Kindle for PC/iPhoneがあるし、近々、Kindle for Macもでるのでこれで良さそうです。論文はPapersで全部管理して読んでいるでiPad版がでないかな。それにしてもジョブズのプレゼンテーションはうまいですね [Link]。見習いたいものです。

土曜日, 1月 23, 2010

アメリカで研究すること

 石井裕さん(MITメディアラボの副所長)が「米国MITの独創・協創・競創の風土」と題して、若手研究者に向けた書いた文章がとても良かった [Link]。アメリカでの研究の雰囲気を感じることができる。MITメディアラボと言えば世界屈指の学際的研究所。そこでどのようにして独創的な研究を生み出し、テニュアの職を手にいれたのか、自身の経験談がいきいきと書かれている。僕がぐっときたのはこの言葉。
独創的なアイデアは決して真空からは生まれることはない。既存のアイディアや知識を、新しい視点から組み合わせることにより、新しいアイデアは生まれる。単なる既存知識の翻訳に終わらずに、クオリティの高いアイデアを一貫して生み続けるには、技術と人間に関する自分なりの視座を確立し、それをベースに本質的な問いを発することが重要になる。
 独創的なことをやってのけた人だからこその説得力がある(注:「独創性が大事だ」、「最近の若者は独創性が足らん!」と喝破している先生自身やその先生の研究はさほど独創的でないことが多々ある。)アメリカで研究している研究者のほとんどは、「独創的な研究をして、絶対一発当ててやる」と思いながら熾烈な競争をしている。時々悲鳴を上げそうになるが、この熱に触れることがアメリカで研究することの1つの意義かもしれない。

火曜日, 1月 19, 2010

学習の仕方を学習する

 僕は受験勉強が苦手だった。小中はともかくとして、高校の成績は落第点すれすれ。大学に進学してからも似たようなもので、必修科目の力学の単位を落とし続けてあわや留年するところだった。院試の面接でも「君、力学がぜんぜん出来てなかったよ」と先生に言われたぐらいだ。勉強は好きなのだが、どうも要領がすこぶる悪いようだ。本は頭から読まないと気が済まないし、「よくわからないけど、何となくこんなものか」でみんなが進むところで僕は立ち止まってしまう。もっと効果的に出来ないものかとつくづく思う。
 最近知ったサイト「学習パターン」はとても参考になる。学習に関する39のパターンが標語とかわいいイラストで紹介されている。高校ではアドバイスが精神論になりがちで、こういう実際的なアドバイスを得る機会はあまりなかった。「自分の頭で考えぬくことこそが創造性なのだ」ということをよく耳にするのだが、パターンNo.8 「まねぶ」にあるように、たくさんの見本を見て真似をする、というのは創造性の土台だと思う。創造的剽窃(ひょうせつ)という言葉もある。それから、「サブリミナル・インパクト」の第5章も参考になる(この本はmust-read)。「知らない」と「知っていると知っている」の間にある、「知らずに知っている」という部分をいかに鍛えるかが創造性には大事だという。暗黙知の神経科学的な解釈なわけだが、なるほど説得力がある。これからは、よくまねび、暗黙知を耕すことを心がけよう。


金曜日, 1月 15, 2010

ノート vs. ノートパソコン

 セミナーに出かける前に迷うのが、「携帯すべきはノートかノートパソコンか」ということだ。何を小さな事を!と思うかもしれないけど、人は小さなことだからこそ、クヨクヨもメソメソもする(歯に挟まったニラが取れないだけで、この世の終わりのような感じだってする)。
 本題に戻ろう。これまで僕は、三色ボールペンで裏紙にメモをとっていた。が、この裏紙のメモは机の上に積まれ、月日は流れ、一度も読まれることなくゴミ箱に行くことがほとんどだった。これではちっとも意味がない。そこでノートを購入してみた。ルーズリーフと違って物理的にくっついているのが大事。これなら過去のメモも参照できる、と思っていたら思わぬ落とし穴が。コーヒーをこぼしたり、家に忘れたりして使えない日があるので、間が抜けた不完全なノートになってしまった。
 そこで最近は、ノートパソコンに入れたエバーノート(Evernote)でメモをとることにしている。Evernoteは一言で言えばウェブのメモ帳。アカウントを持っていれば、Windows、Mac、Linux、iPhoneのどこからもメモにアクセスし、データを同期することができる。検索機能があるので、細かく分類しなくてもよい。バックアップもとれるし。「自分のメモは常にそこにあり、必ず検索で辿り着ける」という事実はとても心強い。研究の重要ツールだ。ここにわかりやすい解説がある[Link]。

土曜日, 1月 09, 2010

直でレオニダスコース

 いつも金曜日はサンタモニカ図書館で仕事をしている。書物をするときはラボよりも集中して作業ができる。この居心地の良さは(もちろん図書館がきれいなこともあるが)、常日頃囲まれている物質から解放されることからくる。書棚一面の専門書、読みかけの論文、データの詰まったHD、ラボにあるこれらは無言のプレッシャーをかけてくる。そして、ついついツイッター、の誘惑。たまにこれらから離れ、頭の中で鳴り響く雑音をオフにして、目の前のことだけに集中するのは建設的だ。
 ここでもやはりPeet'sコーヒーは欠かせない(館内では飲みながら作業ができる!)。サードストリート近くにあるレオニダスというチョコレート屋さん(ちょっと高いけど、ここのチョコはとてもおいしい。日本にも店舗がある。[Link])で、Peet'sコーヒーを買うことができる(マグを持参すると10%引き)。まずコーヒーを買ってから図書館に行く場合(直でレオニダスコース)とお昼休みに買いに行く場合(途中でレオニダスコース)がある。今日は直でレオニダスコース。




金曜日, 1月 08, 2010

ジムに行く!

 カリフォルニアなので小春日和と言うかは定かではないが、ここ2週間は穏やかで暖かい日が続いている。そんな中、なかなか書き進まない論文に頭を悩ませ、お腹まわりについたポニョに心を痛め、もやもやを抱えながら、笑っちゃうぐらい青い空を見つめながら、キャンパスを歩いている。体育会系で育ったので(もと野球部)、このように行き詰まると、むしょうに体を動かしたくなる。がむしゃらに走りたくなる。気持ちは今でも100メートルを11秒(中学時代のベストタイム)で走れるつもり、140キロの速球(当時もこんなには速くなかった)を放れるつもりでいる。しかし、この体たらくよ。
 足を止めるとマスコットの強面の熊がいる。今日、僕はUCLAのジムにやってきた。たのもう!ウィーン。ここには、ランニングや筋トレのマシンはもちろん、バスケのコート、プール、スカッシュ、ロッククライミング、何でもある。クォーター(1/4期)で80ドルの値打ちは十分ある(Tipnessに通ってたときは月1万円以上した)。来週からアバクロのモデルなみの体を目指して(コレ)、肉体改造開始です。3月までには腹筋が1ダースに割れる予定です。

日曜日, 1月 03, 2010

グリフィス天文台

 2010年。明けましておめでとうございます。LA滞在も残り3ヶ月を切りました。多くの方々の支えと励ましで、無事ここまでこれました。「あれをやっておけば良かった」と後悔しないように、受身では楽しめない街・ロサンゼルスでの研究と生活をエンジョイしたいと思います。今年もよろしくお願いします。
 冬休みの締めくくりに、 レンタカーを飛ばしてグリフィス天文台に行ってきました [Link]。ここはLA屈指の夜景のスポットで、ジェームス・ディーンの「理由なき反抗」の撮影でも使用されました(ただし、現在の建物は改修されたもので、2006年にリニューアルオープンした)。建物の中は、宇宙や天文に関するわかりやすい展示品やプラネタリウムがあります。ニューイヤー・イブだったので、たくさんの家族連れが訪れていて、駐車場は大混雑でした。この日は夜景は見ませんでしたが、確かにここから見渡すロサンゼルスは絶景です。今度はぜひ夜景を見に来たいです。

木曜日, 12月 31, 2009

冬のグランドキャニオン

 冬のグランドキャニオンに行ってきた。この日の最低気温は−16℃。寒いというよりも痛い。冬はオフシーズンとはいえ、たくさんの観光客が訪れていた(やはり日本人が多い)。
 これほど「壮大」という言葉の似合う公園は少ないだろう。赤く黒く露出した肌には、地球の年齢のおよそ1/3の時間が刻まれている。層の一つ1つに、僕の知らない遠い昔の地球の歴史がある。その雄大さにただただ圧倒される。写真は早朝のサウスリム、マザーポイントからの眺めで、遠くに白く見えるのは雪。

水曜日, 12月 30, 2009

つぶやきはじめました

 アカウントだけとってずっとやっていなかったのですが、僕もTwitterでつぶやき始めました [Link](ブログにもTwitterパーツをつけました)。興味のある方は御覧下さい。勝手気ままなつぶやきなので、アレですが。
 リアルタイムで発展するTwitterユーザのダイナミックなやりとりを見ていると、チャットにもブログにもなかった、異質で新しいコミュニケーションが始まったんだなと感じます。このシステムを構想した人物の想像力と実際に作ってしまった技術力に脱帽です。

金曜日, 12月 25, 2009

Happy Holidays!

 今日はクリスマス・イブ。さすがに大学に来る人はほとんどいない。ずっとかかりきりだった申請書がようやく完成し(ううっ、苦しかった...)、少し足取りの軽い帰り道。あちこちの家でクリスマスの飾り付けが優しい光りを放っている。今日はサンタクロースという生き物が、薄目を開けて寝たフリをしている子どもたちにプレゼントを届けにやってくる日(所得制限はないと聞いている)。我が家では奥さんが腕を奮ってディナーを作った。ステーキにパスタ、デザートのチーズケーキ(今回は大成功!)。ビールは僕の大好きなSamuel Adams。デリシャス。来週は一週間休暇をとるので、明日は休日返上です。

 下のツリーは、La Breaというショッピングモールのもので、ロックフェラーセンターのものよりも高さがあるそうだ。とても迫力があってきれい。金の玉に僕と奥さんが写りこんでいる。面白い写真。

火曜日, 12月 22, 2009

マズル

 最近知ったのだが、猫の鼻から口にかけてのあれをマズルというらしい。こういうかたちのところ→ω。うちの奥さんがすっかりマズルにハマっている。
  • マズル一家
  • まずるとし(奥さん作)
  • ポッケのマズル

火曜日, 12月 15, 2009

ばあちゃん

 12月12日の誕生日を迎えた翌日、ばあちゃんが亡くなった。91歳だった。夏に会ったときは元気そうにしていた。帰国したら一緒に美味しいものでも食べに行こうと思っていたところだったので、残念でならない。昨年は90歳のお祝いをして、孫や曾孫に囲まれて嬉しそうにしていた。きっと今頃は、じいちゃんと久しぶりに再会して、向こうで元気にしているのだろう。やっと話し相手ができたのだ(じいちゃんは耳が遠いけど)。安らかにお眠り下さい。あなたの孫は異国でもうしばらく頑張ってから帰国します。

木曜日, 12月 10, 2009

101 Things I Learned in Architecture School

 12月から3月まで、正式に海外派遣事業の助成が受けられる事になった。大変ありがたい。UCLAでの研究生活もあと1/3を切った。ここ数週間は、論文に載せる4つの結果についてあれこれと悩んでいた。追加の計算と確認を重ねること多数、ようやく4つのうち3つが唯1つのストーリーに向けてうまく調和した。点と線が説得力のある形で結びついた。しかし、最後のワンピースがうまくハマらない。僕の中でしっくりこない。理由を探す旅なう、である。 そんな旅の途中、LACMA(ロサンゼルス郡美術館)で買った本「101 Things I Learned in Architecture School」に載っていた1つの教訓に目が止まり、はっとした。こう書かれている。
If you can't explain your ideas to your grandmother in terms that she understands, you don't know your subject well enough.(おばあちゃんにもわかるような言葉であなたのアイデアを説明することができなければ、あなたは自分の題材をちゃんとわかっていないのです。)
 まったくその通りだ。複雑で多様な現象だからこそ、説明原理は単純明快でなくては。「研究者は(自分の)論文書きに忙しくて、(他人の)論文を読む暇もない」などと言われるが、あながち冗談ではない。日々大量生産される論文の中で、「おばあちゃんにもわかる」ぐらいによく書かれたものは少ない。心に留めておくべき言葉だ。この本にはいろいろなヒントが詰まっています。

追伸:翻訳がありました(建築デザイン101のアイデア)。

日曜日, 12月 06, 2009

坂の上の雲

楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、
前をのみ見つめながら歩く。
のぼってゆく坂の上の青い天に
もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、
それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

司馬遼太郎著「坂の上の雲」後書きより

 我が家では、爆笑問題のニッポンの教養と大河ドラマは毎週欠かさず見ている(テレビジャパンでNHKといくつかの民放が見れる)。天地人が終わり(景勝・兼続主従の人物の描かれ方は爽やかで良かった)、坂の上の雲が始まった。先週の放送も見たのだが、今日の再放送もついつい見てしまった。そのぐらい面白かった。生まれたての近代国家日本が欧米に追いつき追い越すべく、とにかく前に進まなければならなかった時代。そんな緊張感と高揚感の中で時代を駆け抜けた3人の個性的な人物。日本騎兵隊の父と呼ばれる秋山好古、日露戦争におけるバルチック艦隊撃破の立役者、秋山真之、そして、短歌や俳句を改革し日本近代文学に影響を与えた正岡子規。司馬史観と呼ばれる独特の歴史観の中で、3人の人物越しに明治という時代の陽の部分が描かれていく。この人物たちに自分の生き方を重ねる人も少なくないだろう。久しぶりにグッと来る大河ドラマだ。