水曜日, 4月 30, 2008

18位

 久しぶりにArtificial Life誌のWebサイトを見ていたら、なんと僕の論文"Evolution of Birdsong Syntax by Interjection Communication"が、Most Downloaded Article(最もダウンロードされた論文)の18位に入っていた[Link] 。ランキングの8位内はFreeの見本論文で、それ以降が有料論文である。僕が好きなLinda Smithの論文が20位なのを考えると、大健闘なのではないか。去年夏に論文が出てからあまりダウンロードされている風ではなかったのだが、いったい何がきっかけで僕の論文が知られるようになったのだろう?ちなみに、Free論文になっている後輩の鈴木君の論文は、前回までぶっちぎりの1位で、今回も6位になっている。すごいなあ。
 僕が一番好きなのはこのジャーナルだが、正直、面白くて魅力的な論文が少ないように思う。最近は出版までのプロセスが早いことから、PLoS ONEなどのオンラインジャーナルが流行っているが、ぜひArtificial Life誌には頑張ってもらって、味のあるモデル研究を載せてもらいたい。もちろん、僕も良い仕事をして、ばんばん投稿したい。

月曜日, 4月 28, 2008

書いたどー

 やっと、Data Mining and Knowledge Discovery[Link]に投稿する論文のドラフトを書き上げた。とても苦しかった。何度も途中で腐りそうになったが、意地でがんばった。これで、今年度書く予定の4本の論文のうちの1つにめどがついた。まだまだ荒削りなところがあるが、方法論の論文にしては読みやすくコンパクトにまとまったと思う。投稿までに説明を簡潔に、そして図をもっとわかりやすくして、ぜったい受理されるようにしたい。
 論文のタイトルは、「Ethological Data Mining: An Automata-based Approach to Extract Behavioral Units and Rules」。論文のドラフトをブログに乗せるわけにはいかないので、アブストラクトとこの解析方法の概念図を載せます。
Abstract

We propose an efficient automata-based approach to extract behavioral units and rules from continuous sequential data of animal behavior. Introducing original extenstions, we integrate two elemental methods -- the N-gram model and the Angluin's machine learning algorithm into an ethological data mining framework. It allows us to obtain the simplest finite automaton representation of behavioral rule that accepts (or generates) the smallest set of possible behavioral patterns from sequential data of animal behavior. With this method, we demonstrate how the ethological data mining works using real birdsong data and performs experimental evaluations of this method using artificial birdsong data generated by a computer program. These results suggest that our ethological data mining effectively works even for noisy ethological data by appropriately setting the parameters. In addition, we demonstrate a case study using the Bengalese finch song, showing that our method successfully grasps the core structure of the singing behavior such as loops and branchings.
こちらがEthological Data Miningの概念図。EUREKAでReversible Automatonを使って解析をするときのプロセスフローを表している。


下の写真は、論文の構想を練っているときに書きなぐったホワイトボード(柿下君が写真を撮ってくれた)。


 次は、ジュウシマツの歌学習の発達ダイナミクスの研究だ。夏休みにOferの所に行くまでに、2TBのデータすべてを解析するのだ

日曜日, 4月 27, 2008

理系のための口頭発表術

 今月は何かと発表する機会が多かった。そのつど自分なりに発表や資料を工夫しているつもりだが、どうも空振りすることもある。自分の発表内容に一杯いっぱいで聴衆のことにまで気が回らないと、特にそうだ。セミナーや学会に行くとしばしば発表のうまい人がいて、そういう人の発表は共通して平易な言葉でテンポよく進められ、聴衆のとの一体感がある。自分もそんな発表がしたいものだ。ときどき、内容がないのにやたら発表がうまいというパターンもあるけど、発表は下手なよりはうまいに越したことはない。先日、理研の紀伊國屋でこんな本をみつけたので購入した。

 この手の本は正直あまり好きではないのだが、この本は実際の研究例を用いて解説されているので良かった。だだし、研究例が生理学からのものが多いので、コンピュータ科学の人には例が親しみにくいかもしれない。それも勉強の一部と考えれば、決して損ではない。献立はこんな感じ。
  1. いかに準備すべきか
  2. 「面白い話」の構造
  3. 資格素材はこう使え(使うな)
  4. 「話し方」の技術
日本語訳もこなれているし、各章の最後にはフローチャート式にまとめがあるので、発表前にそれをざっと確認するだけでも役立ちそうだ。発表のレベルをアップさせたい人にお勧め。

土曜日, 4月 19, 2008

加速度

 梅田望夫さんの本はすべて読んだが、力強く前向きな言葉が溢れているのでとても好きだ。シリコンバレーでの起業経験と、その時に培ったある種の確信と直観、未来を志向する姿勢、その熱に触れるだけでこちらも不思議と奮い立たされる。最近読んでいる「ウェブ時代5つの定理 この言葉が未来を切り開く」もその例にもれず、とても元気になれる一冊だ。この本は、梅田さんが見聞き体験した言葉を、梅田さんの咀嚼でもって5つに分類して解説する、という構成になっている。5つとは、
  1. アントレプレナーシップ(不確定な未来を楽しむちから)
  2. チーム力(ひとりでは何もできません)
  3. 技術者の眼(確固たる基礎としてのテクノロジー)
  4. グーグリネス(グーグルらしさ)
  5. 大人の流儀(成熟した個としてのスタイル)
である。いわゆる巷で流行っているHow to的な本だったり、お説教すること自体が目的みたいな自己啓発ものとは次元が違う。人は理屈では動かない。意気に感じて動くのだ。本物の言葉にはそれだけで人を高揚させる力がある。スラッシュドットに、工学系学生が憂鬱な理由に「やる気を刺激しない教授たち」というのが載っていた[link]。その理由がよくわかる。偽物から熱は伝わらない。さて、僕が気に入っている言葉をこの本の中から1つだけ紹介したい。
I try to work on things that won't happen unless I do them. -- Bill Joy

木曜日, 4月 17, 2008

Wonderful Opportunity

 Tutaya Discasで予約していたB'zのIN THE LIFEが届いていたので、早速iTunesに取り込んだ。高校時代によく聞いたアルバムだが、大学の友達に貸したきりなくなってしまったのだ。植物が水を欲するように、このアルバムがうんと聞きたくなった。
 大妻女子大での講義のために資料を夜通し作り1時間ちょっと寝て、イグニッションキーがわりにiPodのホイールに指を滑らせ、Wonderful Opportunityとともに家をでた。3連のリズムが心地よく、春の暖かな日にぴったりの曲だ。僕のiPodからはWonderful Opportunityがヘビーローテーションで流れ続けた。YouTubeに動画があったのでリンクします。

逃がさないで 逃げないで
胸の痛みと手をつないで 明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイ モンダイナイ ナイ ナイ ザッツライフ イッツオ-ライ

うん、なんか頑張れる気がする。今週の土曜は理研の一般公開です。そのために、先週徹夜で生物言語研究チームに関するQ&Aを書きました[pdf]。さて、出来栄えはどうでしょうか?



月曜日, 4月 07, 2008

Action

 新年度になりました(写真は先週撮った理研の桜の写真)。ばたばと慌ただしい日々は相変わらずです。踏んでも踏んでも出て来るクリボーのように、やるべきことは次から次へとやってきます。論文を書き、BBSセミナー(資料pdf)で発表し、論文を査読し、学会のアブストラクト、共同研究の打ち合わせ、大学の講義の準備、そして、学振研究員になったので退職、保険、年金もろもろの手続き。やるべきことはまだまだあります。この辺で頭をよく冷やして、やるべきこと、やらないべきこと、を整理する必要があります。
 先日、BBSセミナーの準備や発表をしてみて、いい感じで集中できている自分に気付きました。谷さんが、そのときの発表を褒めてくれたので、この感覚はあながち間違ってはいないのでしょう。今年はこの集中力を切らさずに、誰にも真似できないしぶい研究をしたいと思います。Take action!

金曜日, 3月 28, 2008

どうにかなったこの旅路(バルセロナ編)


遅ればせながらバルセロナ滞在の追記です。ロンドンのヒースロー空港で置いてきぼりになった荷物は無事に翌日届きました。この話を橋本敬さんや山内ジミーさんに話したら、むしろ「荷物を運んでくれてありがとう」、というぐらいの気持ちでいないと駄目だとのこと。さすが旅慣れしている人の言うことは違う。次回からは、一日分の下着と歯ブラシぐらいは手荷物に入れておこう。
 学会がほぼ毎日、朝9時から夜7時ぐらいまであったのであまり観光はできなかったが、せめてアントニ・ガウディの建物ぐらいは見ておきたいと、学会の合間にサグラダ・ファミリア教会バトリョ邸を見てきた。左の写真は一生完成しないのではないかと思われていたが、2026には完成する予定になったサグラダ・ファミリアの鐘楼からの眺め。着工が1882年だということだから、実に126年も工事が続いていることになる。バトリョ邸もそうだったが、デジカメなんかでは切り取れないぐらい表現が細部に当たって溢れていて、僕がどんなに言葉をつくしたところで伝えられない、そんな構造物だった。そして、形と機能がみごとに融合していて、古いどころか何世代も時代を先取りしているような感じがした。これが天才の仕事なのか。人と違うものを作ろう作ろうとしてこうなったのではない、自分の内なる声のままにただ表現しただけなのだ。今度バルセロナに来るときは、すべてガウディ作品を見てみたい。

火曜日, 3月 11, 2008

どうなることやらこの旅路(バルセロナ編)

Evolang2008に参加するためにバルセロナに来ています。これはその初日の辛かったお話。今回の旅は順調な滑り出しのように思えた。余裕を持って飛行機に乗れたし、機内では隣が空席だったので快適に12時間を過ごせた。寝なかったので、ホテルに着いたらぐっすり、そして時差ボケもなくバッチリ、のはずだった。
 予定がおかしくなったのは乗り継ぎのロンドンから。この日はあいにくの雨で飛行機のスケジュールが乱れていた。僕はANAからIVERIA航空にすぐに乗継ぎする予定だったが、15時の便はキャンセル。何とか18時の飛行機に乗れるようにしてもらって、バルセロナに着いたのは21時過ぎ。そして、衝撃の事実が。預けた荷物が待てども待てども出て来ない。同じ便に乗っていたツアーの添乗員さんの話では、荷物はロンドン。なんでやねん。IVERIA航空ではしょっちゅうだそうです。僕の後ろでは、ヒステリックなおばさんが溜息をこれ聞けよがしに吐いている。やる気のないIVERIAの職員にもめげず、荷物紛失の書類を書いてタクシーでホテルへ。(ここでプチぼられた)
 カタルーニャ広場で降りて、わかりづらいホテルの入口を発見すると入口はロックされていて、電話をせよとのメモが。公衆電話を探して、メモにあった番号を押そうとしたら3が押せない。オー、神よ!PCだったら、エアーダスターでシューシューするところだ。すでに夜中の12時過ぎ。スペインでは英語は片言しか通じないし(メキシコでもそうだった)、不安この上ない。しばし待つこと10分、オーナーらしき人が来て鍵を開けてくれて、やっとこさこの部屋に。ちなみにオーナーはとても親切だが、その振る舞いと連れている友達から察するにゲ○でしょう。どうなることやらこの旅路。
(前略) 迷わず行けよ 行けば分かるさ ありがとー!(猪木)

日曜日, 3月 02, 2008

Betty Forever

 全国のベティ・ファンのみなさん。残念なお知らせです。理研の癒しのシンボル猫、ベティにはもう会えないことになりました。守衛さんに「最近、猫を見ませんがどうしたんですか?」と尋ねてみたところ、最近、野良猫が増えたため、守衛室で飼ってはいけないと庶務課からクレームが来たそうです。それで、これまで餌をあげてきた猫好きの食堂のおばさんが、まとめて猫をひきとったとのこと。つかまったのは全部人懐っこい猫たちで、ベティ、アップル、マック、エクセルはもれなくおばさんにもらわれたのです。それでも、3匹ほどまだ野良猫が生息していて、たまに餌をもらいに守衛さんのところに来るのだけれど、人が見ている前では餌を食べてくれないらしいです。「あの猫はストーブの前でねっ転がったりして、人懐っこかったんだけどなあ~。」と、守衛さんも残念がっていました。真夜中まで仕事をして帰るとき、1つのストーブで暖をとっている一人と一匹をよく見たものでした。ベティたちは、今頃、親切なおばさんにかわいがられて、寒い思いもせず幸せに暮らしているのでしょう。うれしいような、さみしいような、複雑な気持ちです。
 下の写真は、駐車場を散歩していた近所の飼い猫。この猫はとても人懐っこくて、会う人会う人に「にゃー」といって愛想を振り撒いて行きます。タイヤで爪を研いじゃうやんちゃものだけどね。

月曜日, 2月 25, 2008

ドトール猫

 2月22日はにゃん、にゃん、にゃんで、猫の日なのだそうだ。最近この寒さのせいか、とんと猫を見かけなくなった。理研の猫はもう2、3か月見てないし、アパートの近くの猫たちも以前ほど見かけない。野良猫たちには今年の寒さは厳しかろう。
 池袋をぶらついていたら、ドトールコーヒーの入口で店内の様子をうかがっている猫がいた。「にゃんだ、コーシーが飲みたいだしか?」久しぶりの猫なので、人目もはばからず「にゃん!」と声をかけてしまい、道行くカップルに笑われてしまった。このにゃんこは、見るからにばっちいのだが、近づいて来てこすりこすりしてくる。とても人懐っこい。あまりにひもじそうな顔をしていたので、ベティにあげようと思ってカバンの中に常備していたカツオ棒をあげた。彼(彼女?)はガツガツ平らげて、物足りなそうにしていた。次は隣の大戸屋で、かあさんのカツ煮定食の残りでももらうのだろう。お腹をこわすでないぞ。




火曜日, 2月 19, 2008

ぶんぶんぶん、ろんぶん。

 電通大の柿下君が修士論文で最優秀賞をとった。彼とは3年間知恵を出し合って研究をしてきた。オーストラリアの学会も一緒に行った。自分がもったはじめての学生のようなものなので、とてもうれしい。自分が学生時代は賞なんてものとは無縁だった。一度だけ、Artificial Lifeの国際会議でProceedingが論文賞の候補に挙がったことはあるけど、結局落ちちゃった(その後、この研究は無事、Arficial Life誌に載りました)。
 Kakishita et al.を3月中に、Sasahara et al.を4月をめどに論文をまとめたいと思っている。はあ。ふう。だぁ。まだエンジンはかかっていないが。機械学習と生物、天と地ほども差がある両者をうまく関係づけて、目から鱗が落ちるような論文にしたい。特に、問題の設定の仕方や共有の仕方が問題だ。そこを失敗すると、いつも火だるまになる。境界領域はそういうところが楽しくもあり、つらくもある。統数研のレポートを先週なんとか仕上げたので、ここに掲載します。まだまだ研究の途中経過だけど、コメントがある方はよろしくお願いします。あと、誤字脱字も。[PDF]

金曜日, 2月 15, 2008

林檎と坊主

 ちょっと高かったけど(福澤さん約1.5人分)、前から欲しかったBOSEのin-earイヤホンをiPod用に買った。純正のイヤホンと圧倒的に違うのが、低音領域。音の響き方がとても心地良い。耳へのフィット感も良い。イヤーパッドがとれやすいというコメントがちらほらあるので、なくさないようにしないと。
 BOSEのノイズキャンセリング・ヘッドホン、Quiet Comfort3は昨年から使っていて、こちらはすでに僕のお気に入り。環境音の逆位相をリアルタイムで計算して、それをぶつけてノイズを打ち消すというもの。アイディアとしては誰でも思いつくようなものだが、FFTの開発やコンピュータの性能の向上があって実現できた技術だ。海外に主張する時は必需品。さすがに飛行機の「ガー」という音が無音になるわけではないが、あの耳障りな音はだいぶ軽減される。バッテリーのもちも悪くない。一回の充電で数日はもつ。これをつけて仕事をしていると、人から呼ばれても気が付かないことが少なくない。ほんとに音楽以外聞こえないのだ。
 ビックカメラでイヤホンを買って店を出ようとしたら、入口で大量のチョコレートが機械的に捌かれている。なんと商魂たくましい。でも何だか味気ない。作ってくれたり、選んでくれたり、という気持ちがうれしいのだと僕は思うけれど。

木曜日, 2月 14, 2008

どげんかせんといかん

 ここ2日何だか慌ただしかった。早起きをして、午前中、鳥の世話と書類仕事を急いですませて、ワークショップに参加するために本郷に。機械学習や自然言語処理の現状を知りたくて参加した。[link] 二日目の講演は、僕にとって興味深いものだった。テクニカルな話の詳細までは追えなかったけど、何をしたいかはわかった。(岡野原君がブログで簡潔にまとめてくれている。[link] ) 電通大の柿下君とやっている研究をまとめる上で参考になった。
 東大の岡野原君と話ができた(というよりは、僕が質問しまくっていただけかもしれないが)も良かった。N-gramの文献をWebで探している時に、よく彼の書いた物が検索にかかったので、誰だろうと調べたら僕と同じ磐城高校の後輩だった。磐高ではラグビー部で、現役で東大。スーパークリエーターに認定されたり、数々の賞を受賞し、がつがつ研究をしている。先輩としては誇らしい限りだ。若い才能と一緒にいると、「どげんかせんといかん」という気に自ずとなってくる。磐高コンビで共著論文を書く機会に恵まれたらとてもうれしい。さて、まずは目の前の締切間際の書き物を終わらせないと。去年11月に統計数理研究所でやった研究会[link]の報告書がまだ書けずにいる。がんばれ、レゴ。

月曜日, 2月 11, 2008

博士の愛した数式

美しい文章で綴られた美しい物語だった。80分しか記憶の続かない博士と家政婦さんとその息子ルートが、数学という言葉を介して、ぎこちないながらも不思議で暖かな絆を築いていく。それは、友愛とも恋愛とも家族愛とも違う。しかし、それらに劣らず温かくて確かな絆だ。文字通り計算された数のトリックが、独特の雰囲気を小説に与え、読んでいて小さな「へえ」が絶えない。文学者が数学を表現すると、こうも美しく描けるものなのかとつくづく感心した。僕が好きな文章を2つ紹介したい。

博士が家政婦さんの息子にルートというあだ名をつけるシーンで。
「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ。」
家政婦さんがオイラーの式を解釈するシーンで。
果ての果てまで循環する数と、決して正体を見せない虚ろな数が、簡潔な軌跡を描き、一点に着地する。
Amazonの書評では、人物の詳細が書かれていないという手厳しいコメントもあったが、そこに重きが置かれていないからこそ描けた世界観なのではないかと、僕は思う。機会ががあったら、映画化された作品のDVDも観てみたい。


ちなみに、オイラーの式とは左のような式で、この簡潔な表現に、虚数i、円周率π、ネイピア数e(自然対数の底で約2.7)、そして、マイナスと1、数学の主役たちが詰まっている。このオイラー式を主題にして、解析学の基礎をすっきり学べる、僕のお気に入りの一冊がこちら。今は文庫版のみ売っている。

水曜日, 2月 06, 2008

冬の猫背


 フィットネスクラブでトレーニングをした後、ひとっ風呂浴びて、気持ちよく道を歩いていたら、このにゃんこに出会った。首輪がついているので、きっと飼い猫なのだろう。でも、何でこんな時間、しかも、こんな寒いお外にいるんざんしょ。「にゃー」と声をかけたら、「ぐるにゃー」と言って近づいてきた。とても人懐っこい。足元でこすりこすりをして、目からは餌くれ光線が出ている。ついでに、鼻水も出ている。風邪か、花粉症か。とまれに背を向けてわが道を行く猫。素敵です。
 そういえば、理研の猫たちを最近全然見かけない。昼時、保健センターの軒下や守衛さんの所をのぞいてみるが、とんと見かけない。寒くて飢えているのではないかと心配だ。いつ彼らにあっても餌があげられるように、99円ショップでかつお棒を買った。「焼きかつおしらす味、土佐清水港直送」。こんなところにも偽装が。舛添さーん。

金曜日, 1月 25, 2008

O'REILLYからEUREKA本が!?


コンピュータに関する書籍といえばO'REILLYが有名だが、最近はMind HacksMindパフォーマンスHacksなど、ユニークな本を出版している。どちらも気軽に読めて、おもしろくて、かつ有用な本でる。

スラッシュドットを見ていたら、O'REILLYの本そっくりの表紙を作るサイトが紹介されていたので、さっそくこんなのを作ってみた。[link] EUREKAがこんなに脚光を浴びる日はくるのだろうか?



木曜日, 1月 24, 2008

変わっていくことを受け止める勇気

 大妻女子大の非常勤講師を引き受けて今年で2年目になる。昨日は、担当している画像情報処理論及び演習の補講を5限、6限とやってきた。僕は常に、おもしろい授業、自分にしかできないような授業にしようと気張っている。しかし、その意気込みはしばしば空回りする。そして、昨日の授業はその空回りの授業になってしまった。
 講義内容は通信の生物学動画の現在で、ほぼ徹夜で講義の準備をした。動画の現在はともかくとして、通信の生物学なんてテーマを画像処理の授業でする先生はいまい。きっと学生も夢中になるに違いない。意気揚揚と講義を始めたが、学生の食い付きが悪い。ギザ悪い。この空気を変えなければと軌道修正を図ったけどダメだった。こんなとき、ベテランの先生ならばどうするのだろうか?教育者としての未熟さを痛感した苦い苦い最終講義だった。でも、今年度授業の感想には「難しかったけど、おもしろかった」とか「質問がしやすかった」とか「資料がわかりやすかった」という感想が結構あったので、素直にうれしかった。去年の学生には大分厳しいコメントをもらったが、その反省をちゃんと生かすことができたようだ。
 僕は、講義のまとめに替えて、ホンダのアシモの最新CMを見せた[link]。情報革命と形容されるこのダイナミックな時代を強くしなやかに生きていくためには、変わっていくことを受け止める勇気が必要だ。そうでなければ、「最近の若者は、、、」とか「昔は、、、」を連呼するジジ、ババになってしまう。それを暗に伝えたかった。教え子たちの就職活動がうまくいくことを心から願っている。

月曜日, 1月 21, 2008

Publish or Perish

偽装は食品業界だけでなく、真理探究が使命の科学界でも起きている。あるはずのデータがないことになったり、ないはずデータがあることになったり。本書はこれまでに起こったデータの捏造や偽造事件を例に挙げながら、研究者の発表倫理の問題に触れ、 “Publish or Perish(発表か死か)”という言葉に集約される科学界の体質に警鐘を鳴らしている(実際、この言葉は研究所にいるとしばしば耳にする)。
 私自身、研究を生業にしている者だが、本書を読むまでは学術雑誌インパクトファクター(IF)の正確な定義やオーサーシップの本来の意味すら知らなかった。「世の中には悪いことする研究者もいるが、自分はそうならないようにしよう」という程度の認識でいた。科学は真理を探求し、“巨人の肩”の上に人類の叡智を集積する営みである。これからもそうであり続けるためには、最低限の研究倫理を理解しておく必要がある。IFの定義も知らずに NatureだのScienceだのと騒いでも仕方がない。
 大学院を修了してこれから研究者として歩み始める人も、既に研究者として活躍している人も、科学者としての倫理を確認するために一読することをお勧めする。

金曜日, 1月 18, 2008

Mac Book Airがついに出た

Mac Book Airよ、君にもっと早く出会いたかった。うー。軍資金が底をつきそうなので今年は買えません。それにしてもAppleはいい仕事をします。その機能美に思わずうっとり。もし、Mac Book Airを手に入れたら、仕事もせんと意味なく開け閉めしそうです。iPodを購入したばかりの頃は、小動物を気にかけるかのようにホイールをなでなでしたものでした。
 今使っているノート、Windows Vista on VAIOがあまりにも不安定で、もう3度目の再インストールをしました。VistaのUltimateバージョンについているComplete PC バックアップを利用すればデータの復元は簡単にできると思っていたら、これが一苦労。せっかくの先週の連休はほぼ再インストールの作業で潰れました。前のデータはこのブログを参考にさせて頂いて解決しました。[link] あと1,2年はこのVaioに頑張ってもらわないと。ソフトをインストールすればするほど不具合が出るVista。ちょっと負荷をかけると再起動が必要になるWindows Mobileは論外。ベータ版を売るのはやめてくれとMicrosoftに言いたい。

火曜日, 1月 15, 2008

Stay Hungry, Stay Foolish

 自分を信じ自分の好きを貫いている人。強烈な個性としなやかな感性で時代を切り開いている人。スティーブ・ジョブズ。AppleのCEO。こんなカリスマが現在のアカデミック界にいるかどうかはまったく疑わしい。科学者も彼から見習うことは多いのではないか。
 あちこちのブログで、ジョブズが2005年のスタンフォード大の卒業式で行った有名なスピーチの字幕版が紹介されていたので、自分に渇を入れるつもりでここに掲載する。



彼を題材にした本も最近出ていた。今度読んでみよう。



 よくアップルの製品に対して、「見た目だけ」とか「デザインだけ」とかいう批判が聞かれる。独自性を強調しすぎる面もあるが、ジョブズがインターフェイスにとことんこだわることに僕は同感する。例えば、ものすごく高機能な機械があったとして、インターフェースにまったく工夫がなくボタンが108個もあるコントローラーしかないとしたら、誰がそんなものを使うだろうか。インターフェースはまさにマン-マシンが接続する場であり、身体性の場なのだから、その基本に立ち返らないと。マシンパワーに反してWiiがPSPを圧倒している理由もそこにある。インターフェイスにおける機能と形の問題は本質的だと思う。