土曜日, 6月 07, 2008

何気ないスナップショット

 いつも頭の中は「あれしなきゃ、これしなきゃ」で満杯で、時間感覚が麻痺しているなあと感じることがある。日常の些細なことにハッとできる感受性とゆとりを大切にしたいものです。今日は、僕が最近遭遇した何気ない場面を2つほど紹介します。
 1枚目の写真は、僕が住んでいるアパートの近所のわんこ。かなりのおじいさん犬で、両目ともに白内障のため目が見えません。しかし、とても家族から大切にされていて、寒い日などは毛布をかけてもらって、ぬくぬくで寝ています。時々、首輪をはずしてもらって、飼い主さんとゆっくりゆっくり散歩をしています。飼い主さんが、「そっちじゃないよ、こっちだよ」と言って手をパンパンと叩きます。できるだけ自力で犬小屋に辿りつけるようにガイドしているのです。幸せなわんこです。
 2枚目は、講義を終えて、唐木田駅に向かう途中の横断歩道の所にいたにゃんこ。僕が近付いたら、餌をくれると思ったのかニャーと言いながら寄ってきた。携帯のカメラを向けると、猫は突進して来るのでなかなか良い写真が撮れないのだけど、これは偶然とれた1枚。信号機のピクトさんとにゃんこの組み合わせが絶妙です。

木曜日, 6月 05, 2008

アニョハセヨ、カムサハムニダ、これジュセヨ

 先週末、彼女と韓国旅行に行ってきた。国際会議でいろんな国に行ったが、アジアはこれが初めて。この時期、ソウルは日本よりも2時間ぐらい日が長く、半袖でも暑いくらいだった。
 初日は明洞(ミョンドン)に行った。明洞は古くからある繁華街で、たくさん飲食店があり、買い物客で賑わっていた。骨付きカルビの値下げチケットに惹かれて、ふらっと焼き肉店に入った。セットメニューが110,000ウォン。10ウォンが約1円なので、決して安くはないが、本場の焼き肉はおいしかった。ちなみに、食事を注文するとキムチがデフォルトでついてくる。これがまた旨い。
 その後、彼女のリクエストでエステに行った。おじさんに体をゴシゴシされ、おばさんに体をモミモミされるのは、シチュエーション的に微妙だが、気持ちよかったので良しとしよう。
 お勧めなのが仁寺洞(インサドン)のお散歩。ここには韓国伝統の工芸品、カフェ、レストランがたくさんあってとても楽しい。ちょっと足を延ばせば、景福宮や昌徳宮(世界文化遺産)にも行ける。ちなみに、僕らが行った日はデモが一番ひどい時で、帰りはものすごい数の警官たちが景福宮の周辺にいた。
 写真は、今年の2月に燃えてしまった国宝1号の南大門その後(と僕)。2012年の再建を目指して目下工事中。韓国語をマスターして、2012年以降にまた韓国に行きたい。

土曜日, 5月 31, 2008

輪読会

 理研に来てからずっと輪読会を週一ぐらいのペースでやっている(ここ数年はみんな忙しくて、ペースが落ちてしまったが)。読みたい本を1冊選び、持ち回りで各章の内容を発表し、みんなで議論する。1人では難しくて挫折してしまうような本も、これならば気合いが入るので頑張って読める。参加者は個性派ぞろいの猛者たちで、議論がとても楽しい。ときには3時間近く甲論乙駁することもある。これが輪読会の醍醐味。
 今読んでいる本は、行動主義心理学の巨人、スキナーのVerbal Behavior(言語行動)。ちなみに、この本はAmazonで品切れになっているが、Skinner Foundationから直接購入できる(もれなく、スキナー・シャーペンも付いてくる)。これまで読んだ本の中で1位、2位を争うぐらいの難解な本だ。
 今回は僕が、8章のVerbal operant as a unit of analysisの前半を担当した[レジュメ]。講義でくたくただったのと、スキナーの考えが独特なので、重要なポイントを把握するのにかなり時間がかかった。スキナーの言語観は次のように言うことができる(と思う)。
  • 記号体系としての言語ではなく、個人行動としての言語行動を分析する
  • 真空中に言語は存在せず、使用、媒体、文脈、社会のドロドロの中にあってこその言語
  • 意味は実体ではなく機能
これらの考え方は、チョムスキー派の考え方と真逆で、認知言語学や複雑系の考え方に近い。ただし、スキナーは徹頭徹尾、言語行動の制御変数の分析に終始する。このかたくなさが恰好良くもあり、腹立たしくもある。おでこの広さは伊達じゃない。
 これまでに読んだ本は次の3冊。生成文法の入門書「The Atoms of Language」、言語発達に対する認知言語的アプローチ「Constructing A Language」、力学系的認知観「A Dynamic Systems Approach to the Development of Cognition and Action」。いずれも良書です。





月曜日, 5月 26, 2008

マスコラボレーション

 ウィキノミクスという本を読んでいる。ウィキノミクスとここで呼んでいるものは、次の4つが伴ったWebの使用が創造する新しい知の在り方のことだ。
  1. オープン性
  2. ピアリング
  3. 共有
  4. グローバルな行動
マスコミュニケーション(マスコミ)が一方通行の情報の流れであるのに対して、ウィキノミクス的な世界では、すべての参加者が能動的な情報の受信者かつ発信者であり、マスコラボレーションが成立する。現在、あらゆるものがオープンになり、ユーザーによって新しい価値が生成される様は、
  • Wikipedia みんなで作る現在進行形の辞典
  • Wikibooks みんなで作る現在進行形の教科書
  • Wikiversity みんなで作る現在進行形の大学
などを見れば一目瞭然だ。
 さらに、最近は大学もこの流れに乗ろうとしていて、東大もMITもいくつかの講義(と講義資料)を公開しており、無料で見ることができる。
ただし、どう見てもWikiシリーズと比べて、しぶしぶ感がするのは否めない。苦労して準備した講義資料をただで配るよりも、教科書にしてお金を稼ぎたいというのが教員の本音なのだろう(ちなみに、僕は講義資料をすべて公開している)。アカデミックの世界にもウィキノミクス的な風が吹くかどうかは、興味深いところだ。情報を囲い込むのではなく、公開することで不特定大多数とのコラボレーションの道が開け、それによって自分もみんなもハッピーになる、そんな知の在り方が今生まれつつある。

日曜日, 5月 18, 2008

マッシュマンズカフェにて

32回目の誕生日を迎えた。32=2×2×2×2×2=pow(2,5)、二進数だと100,000。学振1年目。研究室はレビューの年。いろんな意味で節目の年。今日は午後から池袋のマッシュマンズカフェで、コーヒーを飲みながら論文の直しと今後の計画を立てた。店内は、赤い壁にロックな人たちの写真、独特の家具、常にロックが流れている、そしてメニューにはホットコーラなんてある、ファンキーで変なカフェ。これはこれで僕は好きだ。
 今日はいまいち気分が乗らない。32という潔い偶数になり、天気がこんなに良くて、コーヒーもチョコバナナプリンもおいしいのに、心がどんよりと暗いのはとても寂しいことだ。ならばどうすれば良いのか?こうしてもんもんとしている間にも、Googleは己の哲学[Link]を引っさげて、”Make the world a better place”をとてつもないスケールで実行している[講義資料]。そして、次のような言葉で学生たちをencourageしたSteve Jobsは、3番目の林檎(1番目はアダムの林檎、2番目はニュートンの林檎、3番目はApple Inc.、4番目は冷蔵庫の中の朝食リンゴ、なんて:-) を蘇らせ、メディアの在り方を根底から変えている。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of other's opinions drown out your inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondly. -- Steve Jobs
やりたくないことをやらないようにがんばるのではない、やりたいことをやるのだ。

僕的採点:マッシュマンズカフェ
  • コーヒー: ☆☆(ブレンドコーヒーは400円。味は値段相応かな。)
  • ケーキ: ☆☆(オリジナルのデザートが多い。隣の女の子たちが食べていたパスタと焼き飯がおいしそうだった。)
  • 雰囲気: ☆☆(好き嫌いが分かれるところ。僕はロック好きなのでOK)

よーく考えよー、お金は大事だよー

 今月はお金について考える機会が多い月だった(まだ5月は終わってないけど)。
  • その1 学振の給料がまだ入ってこない。育英会の奨学金と同じで、年度の初めの月の給料は次月にまとめて入るのだ。つまり、4月分は5月まで御預け。何かと出費が多い時期だけに厳しい、、、。
  • その2 学振から頂ける軍資金は予想を大幅に下回り、来年以降も変わらない。削減のしわ寄せがこんなところにも来たのか。学振は外部資金を獲得することが禁止されているため、これでやり繰りせねばならない。
  • その3 8月にオレゴンでやる国際会議[Link]に行くための航空チケット代を立て替えた。夏休みということと、学会の後にUCLAによるために周遊航空券(複数都市に滞在できる券)を手配した。な、なんと、ガソリン代と税金を含めると24万6千円成り。飛行機でブーンと飛んで、ブーンと帰ってくるだけで、このお値段。高いー!これで今年の旅費は終了です。
  • その4 Life Cardは誕生日月ポイント5倍、ということで、カードを取得。数ヶ月前からできるだけカードで払えるものは全てLife Cardで払うようにした。これで、年間数千円分のポイントになる。カードや銀行などのことをWebで調べて、お金の有効な使い方を考えさせられた。
 「お金は大事だよー」ということで、最近読んだ本を紹介します。「14歳からのお金の話」。物々交換から始まって、お金や株の仕組み、政治や経済の仕組みをわかりやすい説明とかわいいイラストで説明してくれる。32歳にも価値ある一冊。


 もっと進んだ話題については、「スタバではグランデを買え」が面白かった。なぜ携帯電話が1円で買えるのか?100円ショップの前にある自販機で120円のジュースが売れるのはなぜか?経済というのは奥が深い。

月曜日, 5月 12, 2008

フラガールだっぺ

 僕が生まれ育った町、福島県いわき市にある常磐ハワイアンセンター(現 スパリゾートハワイアンズ)を舞台にした映画、「フラガール」を観た。この作品、公開前は全く注目されていなかったそうだが、日本アカデミー賞を含めて5つも賞をとったそうだ。僕も「そんなにいい映画なの?」と半信半疑だったが、感情移入するのに時間はかからなかった。見覚えのある炭鉱の風景、炭鉱と共に生きる人々の暮らし、聞き慣れた方言。そうです。僕はここで生まれ、ここで育ったのです。僕が過ごしたのは閉山後なので(僕が生まれた1976に常磐炭鉱は閉山[Link])、炭鉱の栄枯盛衰の詳細は知らない。でも、僕が通った小・中学校は、かつては炭鉱で働く家庭の子どもたちが通ったマンモス校で、確かに校舎にはその面影があった(今はどちらも新校舎になってしまった)。
 実在の人物がモデルになっているそうで、松雪泰子、蒼井優、豊川悦司など、個性的な俳優陣が味のある演技をしている。特に素晴らしいのがフラダンスのシーン。きれい!そして、蒼井優のダンスが素晴らしい。世の男性陣は気づいたに違いない。蒼井優×方言×フラダンス=最強、の法則。常磐ハワイアンセンタ-を作品にするなど普通は思いもよらないし、それがここまでのエンターテイメントになるなんて、すごい!まだ観てない人はぜひ観てほしい。ウクレレの挿入歌も素敵。ジェイク・シマブクロのCD、ええ、買いますとも。


木曜日, 5月 08, 2008

ほろ苦いアイスコーヒー

 水曜のデフォルト。大学での講義を終えると、浅い眠りのまま電車に揺られ、気がつくと新宿に着いている。講義内容を頭の中で反芻し、良かったところ悪かったところを一人反省会する。今日は、皇琲亭([Link])がその会場となった。
 薄暗い照明がアンティークのテーブルを照らし、店内にはジャズが流れている。そして、正装した店員さんが手際よく仕事をこなしている。プロの仕事というのはほれぼれする。コーヒーを入れ、お客さんに出す、この一連の流れに確立したスタイルとマナーがある。僕はアイスコーヒーとオレンジケーキを注文した。珈琲はよくここで飲むけど、ケーキは初めて食べた。やや小さめで、しっとりとしたスポンジとマーマレードがマッチしておいしかった。ここのコーヒーはやや高めだが、ケーキは450円程度。
 ガムシロップ控えめのアイスコーヒーを飲みながら、今日の授業を振り返った。「Aha!」という学生の表情に一喜し、「全然わかんない」というコメントに一憂する。単に事実を列挙するなら教科書を読めば済む。でも、講義というのは1つのストーリーでなくてはならない。だから、毎回、自分の言葉でストーリーを紡ぎ、学生のリアクションに一喜一憂する。今日はほろ苦い。
 

日曜日, 5月 04, 2008

zoom, zoOM, ZOOM

 休日だったので池袋をぶらついてきた。お昼を食べようと思ったのだけど、食欲がわかないし、頭がボー、体はダルッ。どうしたものかと歩いていたら、「ほぐしや」という指圧鍼灸治療院の看板が見えた。昔、鍼でひどい首のコリが消えたことがあったので、久し振りに鍼をうってもらうことにした。
 首、肩、腰が凝ること(これは立派な職業病)、冷え性で胃腸の調子もよろしくないことを告げて、後は担当者にお任せした。背中、腰、首の順に凝っているつぼを探して、リズミカルに鍼をさしていく。とんとんとん。さすがに的確だ。最初はチクッとし、その後にZoomという鈍痛が走る。場所によってはとても痛い。自分では意識していなかったのだけど、左の背中が板のように凝っていたそうだ。冷え性対策で足の裏にはお灸が据えられた。でも、あまり熱さを感じなかった。冷えがひどいとそうらしい。20分ぐらいの間に15本ぐらいの鍼がさされ、人間ハリネズミになった。30分の治療を終えた後は、あれ、不思議、不思議。食欲が回復し、リセットボタンを押されたようにすっきりした。でも、鍼はベホイミじゃないんだから、ふだんから体を労らないとね。31年使っている体なんだから。
 こうして食欲を取り戻したので、お昼を食べに行くことにした。その途中、以前見かけたドトール猫に再会。誰かからもらったカリカリをもりもりと食べていた。よし、今日はラーメンだ。

土曜日, 5月 03, 2008

アルファギーク

 僕がほぼ毎日チェックしてるBlogの1つに、小飼弾さんの「404 Blog Not Found」がある。このタイトルからして人を食ったようなネーミングで、このセンスの通り、とてつもない個性の持ち主だ。いつだったか、梅田望夫さんのことを調べていたら、このブログに辿り着いた。ブログの文脈では、アルファ・ブロガーと称される人だ。生き様も強烈で、15歳で大検合格、その後、UCバークレーに留学して、家の事情でドロップアウト。その後、Livedoorの上場やWebにかかわる仕事で活躍している。
 そんな弾さんがWEB+DBで連載していた記事をまとめた本、「小飼弾のアルファギークに逢ってきた」を読んだ。ハッカーのはしくれとして、Webの動向を押さえておきたいと思って買ったのだが、面白くて2日で読んだ。ちなみに、「アルファ」とは動物行動学でリーダーをさす言葉で、「ギーク」とは人付き合いが不得手な知識人、というようなニュアンスがある。この本を読むと、切れ味鋭いコメントと言葉の選び方に、並々ならぬ教養と知性を感じる。時に、あまりの批判力にうざったくもあるのだけど。ギークたちの言葉から伝わってくるのは、好きを貫くという姿勢と実際にやってしまう行動力。これは研究者にも必要な姿勢だとつくづく思う。人の悪口を言ったり、揚げ足取りをするよりも、自らの行動に語らせる方が100倍偉い。「ほらな」って。

木曜日, 5月 01, 2008

時をかけるロボット

 TSUTAYA DISCASで借りた「アイ,ロボット」と「時をかける少女」を観た。前者は、巨匠アイザック・アシモフのSFが原作で、映画の主演はウィル・スミス。ウィル・スミスの演技自体は良かったが、アシモフが描こうとしていた世界観は描けてなく、ぐっと来るものがなかった。ロボット三原則が提案されたアシモフの記念碑的な作品だけに残念。同じ近未来なら、やっぱり僕は攻殻機動隊の世界観の方が断然好き。Matrixが攻殻をもとに作られたのは有名な話だが、なんと、スピルバーグが攻殻の実写版を作るというニュースがあった[Link]。残念な作品になる可能性が大だが、やっぱり映画館で観てしまうんだろうな。
 一方、「時をかける少女」は前から観たいと思っていた作品で、さわやかながら印象に残る素敵な作品だった。メディア祭で賞をとるのもうなずける。筒井康隆の原作の20年後という舞台設定もユニーク。タイムリープと恋愛模様というのは真新しいテーマではないけれど、この作品はアニメとしてよくできている。こちらはお勧め。

水曜日, 4月 30, 2008

18位

 久しぶりにArtificial Life誌のWebサイトを見ていたら、なんと僕の論文"Evolution of Birdsong Syntax by Interjection Communication"が、Most Downloaded Article(最もダウンロードされた論文)の18位に入っていた[Link] 。ランキングの8位内はFreeの見本論文で、それ以降が有料論文である。僕が好きなLinda Smithの論文が20位なのを考えると、大健闘なのではないか。去年夏に論文が出てからあまりダウンロードされている風ではなかったのだが、いったい何がきっかけで僕の論文が知られるようになったのだろう?ちなみに、Free論文になっている後輩の鈴木君の論文は、前回までぶっちぎりの1位で、今回も6位になっている。すごいなあ。
 僕が一番好きなのはこのジャーナルだが、正直、面白くて魅力的な論文が少ないように思う。最近は出版までのプロセスが早いことから、PLoS ONEなどのオンラインジャーナルが流行っているが、ぜひArtificial Life誌には頑張ってもらって、味のあるモデル研究を載せてもらいたい。もちろん、僕も良い仕事をして、ばんばん投稿したい。

月曜日, 4月 28, 2008

書いたどー

 やっと、Data Mining and Knowledge Discovery[Link]に投稿する論文のドラフトを書き上げた。とても苦しかった。何度も途中で腐りそうになったが、意地でがんばった。これで、今年度書く予定の4本の論文のうちの1つにめどがついた。まだまだ荒削りなところがあるが、方法論の論文にしては読みやすくコンパクトにまとまったと思う。投稿までに説明を簡潔に、そして図をもっとわかりやすくして、ぜったい受理されるようにしたい。
 論文のタイトルは、「Ethological Data Mining: An Automata-based Approach to Extract Behavioral Units and Rules」。論文のドラフトをブログに乗せるわけにはいかないので、アブストラクトとこの解析方法の概念図を載せます。
Abstract

We propose an efficient automata-based approach to extract behavioral units and rules from continuous sequential data of animal behavior. Introducing original extenstions, we integrate two elemental methods -- the N-gram model and the Angluin's machine learning algorithm into an ethological data mining framework. It allows us to obtain the simplest finite automaton representation of behavioral rule that accepts (or generates) the smallest set of possible behavioral patterns from sequential data of animal behavior. With this method, we demonstrate how the ethological data mining works using real birdsong data and performs experimental evaluations of this method using artificial birdsong data generated by a computer program. These results suggest that our ethological data mining effectively works even for noisy ethological data by appropriately setting the parameters. In addition, we demonstrate a case study using the Bengalese finch song, showing that our method successfully grasps the core structure of the singing behavior such as loops and branchings.
こちらがEthological Data Miningの概念図。EUREKAでReversible Automatonを使って解析をするときのプロセスフローを表している。


下の写真は、論文の構想を練っているときに書きなぐったホワイトボード(柿下君が写真を撮ってくれた)。


 次は、ジュウシマツの歌学習の発達ダイナミクスの研究だ。夏休みにOferの所に行くまでに、2TBのデータすべてを解析するのだ

日曜日, 4月 27, 2008

理系のための口頭発表術

 今月は何かと発表する機会が多かった。そのつど自分なりに発表や資料を工夫しているつもりだが、どうも空振りすることもある。自分の発表内容に一杯いっぱいで聴衆のことにまで気が回らないと、特にそうだ。セミナーや学会に行くとしばしば発表のうまい人がいて、そういう人の発表は共通して平易な言葉でテンポよく進められ、聴衆のとの一体感がある。自分もそんな発表がしたいものだ。ときどき、内容がないのにやたら発表がうまいというパターンもあるけど、発表は下手なよりはうまいに越したことはない。先日、理研の紀伊國屋でこんな本をみつけたので購入した。

 この手の本は正直あまり好きではないのだが、この本は実際の研究例を用いて解説されているので良かった。だだし、研究例が生理学からのものが多いので、コンピュータ科学の人には例が親しみにくいかもしれない。それも勉強の一部と考えれば、決して損ではない。献立はこんな感じ。
  1. いかに準備すべきか
  2. 「面白い話」の構造
  3. 資格素材はこう使え(使うな)
  4. 「話し方」の技術
日本語訳もこなれているし、各章の最後にはフローチャート式にまとめがあるので、発表前にそれをざっと確認するだけでも役立ちそうだ。発表のレベルをアップさせたい人にお勧め。

土曜日, 4月 19, 2008

加速度

 梅田望夫さんの本はすべて読んだが、力強く前向きな言葉が溢れているのでとても好きだ。シリコンバレーでの起業経験と、その時に培ったある種の確信と直観、未来を志向する姿勢、その熱に触れるだけでこちらも不思議と奮い立たされる。最近読んでいる「ウェブ時代5つの定理 この言葉が未来を切り開く」もその例にもれず、とても元気になれる一冊だ。この本は、梅田さんが見聞き体験した言葉を、梅田さんの咀嚼でもって5つに分類して解説する、という構成になっている。5つとは、
  1. アントレプレナーシップ(不確定な未来を楽しむちから)
  2. チーム力(ひとりでは何もできません)
  3. 技術者の眼(確固たる基礎としてのテクノロジー)
  4. グーグリネス(グーグルらしさ)
  5. 大人の流儀(成熟した個としてのスタイル)
である。いわゆる巷で流行っているHow to的な本だったり、お説教すること自体が目的みたいな自己啓発ものとは次元が違う。人は理屈では動かない。意気に感じて動くのだ。本物の言葉にはそれだけで人を高揚させる力がある。スラッシュドットに、工学系学生が憂鬱な理由に「やる気を刺激しない教授たち」というのが載っていた[link]。その理由がよくわかる。偽物から熱は伝わらない。さて、僕が気に入っている言葉をこの本の中から1つだけ紹介したい。
I try to work on things that won't happen unless I do them. -- Bill Joy

木曜日, 4月 17, 2008

Wonderful Opportunity

 Tutaya Discasで予約していたB'zのIN THE LIFEが届いていたので、早速iTunesに取り込んだ。高校時代によく聞いたアルバムだが、大学の友達に貸したきりなくなってしまったのだ。植物が水を欲するように、このアルバムがうんと聞きたくなった。
 大妻女子大での講義のために資料を夜通し作り1時間ちょっと寝て、イグニッションキーがわりにiPodのホイールに指を滑らせ、Wonderful Opportunityとともに家をでた。3連のリズムが心地よく、春の暖かな日にぴったりの曲だ。僕のiPodからはWonderful Opportunityがヘビーローテーションで流れ続けた。YouTubeに動画があったのでリンクします。

逃がさないで 逃げないで
胸の痛みと手をつないで 明日を迎えよう
イヤな問題 大損害 避けて通る人生なら論外
生きてるからしょうがない
シンパイナイ モンダイナイ ナイ ナイ ザッツライフ イッツオ-ライ

うん、なんか頑張れる気がする。今週の土曜は理研の一般公開です。そのために、先週徹夜で生物言語研究チームに関するQ&Aを書きました[pdf]。さて、出来栄えはどうでしょうか?



月曜日, 4月 07, 2008

Action

 新年度になりました(写真は先週撮った理研の桜の写真)。ばたばと慌ただしい日々は相変わらずです。踏んでも踏んでも出て来るクリボーのように、やるべきことは次から次へとやってきます。論文を書き、BBSセミナー(資料pdf)で発表し、論文を査読し、学会のアブストラクト、共同研究の打ち合わせ、大学の講義の準備、そして、学振研究員になったので退職、保険、年金もろもろの手続き。やるべきことはまだまだあります。この辺で頭をよく冷やして、やるべきこと、やらないべきこと、を整理する必要があります。
 先日、BBSセミナーの準備や発表をしてみて、いい感じで集中できている自分に気付きました。谷さんが、そのときの発表を褒めてくれたので、この感覚はあながち間違ってはいないのでしょう。今年はこの集中力を切らさずに、誰にも真似できないしぶい研究をしたいと思います。Take action!

金曜日, 3月 28, 2008

どうにかなったこの旅路(バルセロナ編)


遅ればせながらバルセロナ滞在の追記です。ロンドンのヒースロー空港で置いてきぼりになった荷物は無事に翌日届きました。この話を橋本敬さんや山内ジミーさんに話したら、むしろ「荷物を運んでくれてありがとう」、というぐらいの気持ちでいないと駄目だとのこと。さすが旅慣れしている人の言うことは違う。次回からは、一日分の下着と歯ブラシぐらいは手荷物に入れておこう。
 学会がほぼ毎日、朝9時から夜7時ぐらいまであったのであまり観光はできなかったが、せめてアントニ・ガウディの建物ぐらいは見ておきたいと、学会の合間にサグラダ・ファミリア教会とバトリョ邸を見てきた。左の写真は一生完成しないのではないかと思われていたが、2026には完成する予定になったサグラダ・ファミリアの鐘楼からの眺め。着工が1882年だということだから、実に126年も工事が続いていることになる。バトリョ邸もそうだったが、デジカメなんかでは切り取れないぐらい表現が細部に当たって溢れていて、僕がどんなに言葉をつくしたところで伝えられない、そんな構造物だった。そして、形と機能がみごとに融合していて、古いどころか何世代も時代を先取りしているような感じがした。これが天才の仕事なのか。人と違うものを作ろう作ろうとしてこうなったのではない、自分の内なる声のままにただ表現しただけなのだ。今度バルセロナに来るときは、すべてガウディ作品を見てみたい。

火曜日, 3月 11, 2008

どうなることやらこの旅路(バルセロナ編)

Evolang2008に参加するためにバルセロナに来ています。これはその初日の辛かったお話。今回の旅は順調な滑り出しのように思えた。余裕を持って飛行機に乗れたし、機内では隣が空席だったので快適に12時間を過ごせた。寝なかったので、ホテルに着いたらぐっすり、そして時差ボケもなくバッチリ、のはずだった。
 予定がおかしくなったのは乗り継ぎのロンドンから。この日はあいにくの雨で飛行機のスケジュールが乱れていた。僕はANAからIVERIA航空にすぐに乗継ぎする予定だったが、15時の便はキャンセル。何とか18時の飛行機に乗れるようにしてもらって、バルセロナに着いたのは21時過ぎ。そして、衝撃の事実が。預けた荷物が待てども待てども出て来ない。同じ便に乗っていたツアーの添乗員さんの話では、荷物はロンドン。なんでやねん。IVERIA航空ではしょっちゅうだそうです。僕の後ろでは、ヒステリックなおばさんが溜息をこれ聞けよがしに吐いている。やる気のないIVERIAの職員にもめげず、荷物紛失の書類を書いてタクシーでホテルへ。(ここでプチぼられた)
 カタルーニャ広場で降りて、わかりづらいホテルの入口を発見すると入口はロックされていて、電話をせよとのメモが。公衆電話を探して、メモにあった番号を押そうとしたら3が押せない。オー、神よ!PCだったら、エアーダスターでシューシューするところだ。すでに夜中の12時過ぎ。スペインでは英語は片言しか通じないし(メキシコでもそうだった)、不安この上ない。しばし待つこと10分、オーナーらしき人が来て鍵を開けてくれて、やっとこさこの部屋に。ちなみにオーナーはとても親切だが、その振る舞いと連れている友達から察するにゲ○でしょう。どうなることやらこの旅路。
(前略) 迷わず行けよ 行けば分かるさ ありがとー!(猪木)

日曜日, 3月 02, 2008

Betty Forever

 全国のベティ・ファンのみなさん。残念なお知らせです。理研の癒しのシンボル猫、ベティにはもう会えないことになりました。守衛さんに「最近、猫を見ませんがどうしたんですか?」と尋ねてみたところ、最近、野良猫が増えたため、守衛室で飼ってはいけないと庶務課からクレームが来たそうです。それで、これまで餌をあげてきた猫好きの食堂のおばさんが、まとめて猫をひきとったとのこと。つかまったのは全部人懐っこい猫たちで、ベティ、アップル、マック、エクセルはもれなくおばさんにもらわれたのです。それでも、3匹ほどまだ野良猫が生息していて、たまに餌をもらいに守衛さんのところに来るのだけれど、人が見ている前では餌を食べてくれないらしいです。「あの猫はストーブの前でねっ転がったりして、人懐っこかったんだけどなあ~。」と、守衛さんも残念がっていました。真夜中まで仕事をして帰るとき、1つのストーブで暖をとっている一人と一匹をよく見たものでした。ベティたちは、今頃、親切なおばさんにかわいがられて、寒い思いもせず幸せに暮らしているのでしょう。うれしいような、さみしいような、複雑な気持ちです。
 下の写真は、駐車場を散歩していた近所の飼い猫。この猫はとても人懐っこくて、会う人会う人に「にゃー」といって愛想を振り撒いて行きます。タイヤで爪を研いじゃうやんちゃものだけどね。