火曜日, 6月 16, 2009

おめでとうございます。あなたが100万語目です!?

 先日、CNNで英語に関するこんな話題が紹介されていた[Link]。
米国時間の10日午前5時22分、記念すべき100万語目の英単語が生まれる——。英語の単語数を数えているウェブサイト「グローバル・ランゲージ・モニター」が、そんな予想を展開している。
 気になったので、The Global Language Monitorでその後を調べてみたところ、100万語目の英単語は、"Jai Ho"や"Noob"を抑え、"Web2.0"に決定したそうだ。この話出来過ぎていませんか?コンピュータを使って、出版物やウェブの言葉の使用頻度を調べているらしいけど。周囲の反応は冷ややかだ(例えばこれ)。
 確かに、このサイトの運営者のコメントは素直にはいただけないが、手法はまっとうだと思う(ただし、いかさまなく、全てをアルゴリズミックにやっていればの話)。「言語はそもそも数えられない」と原理的なことばかり言って、相手にしない言語学者はどうかと思う。Webの中で、言語が生み出され、使用され、変わって行くのを見ることは、すなわち新しい言語進化の一側面を見ることなので、ちゃんとやれば科学になる。
 ちなみに、100万とんで1番目の新英単語は、"Financial Tsunami"で、現在、The Global Language Monitorのカウンターは、100万とんで73番目になっている(2009.6.15 22:20 WT現在)。

月曜日, 6月 15, 2009

Departures

 Chuckが「Beautiful!!」と絶賛していた「おくりびと(英題 Departures)を近所の映画館で観てきた。監督は滝田洋二郎、主演は本木雅弘で、この作品は2008年度アカデミー賞外国語映画賞を受賞している。
 チェロ奏者の職を失った主人公が、夢破れ、妻とともに故郷に帰り、そこで納棺師という奇妙な仕事に出会う。そして、この「安らかな旅立ちのお手伝い」を通じて、人の生と死、家族愛などが描かれていく。人の死という重いテーマを扱っているにも関わらず、ユーモアやアイロニーが散りばめられ、暖かな雰囲気に作られている。話の伏線も見事。映像も音楽も美しい。
 映画館には、年齢層が高めの人たちが来場していて、会場は笑いと涙に包まれた。映画が終了すると、自然と拍手が起こった。ハリウッドの超ハイテクなどなくても、物語の切り口や見せ方の秀逸さで、人を自然と感動させることができる。日本では既にDVDが発売されているので、まだ見ていない人にはお勧めです。ハンカチを忘れずに。(Link: Los Angeles timesのReview

金曜日, 6月 12, 2009

博士号というスタートライン

 今日はUCLAの学位授与式がありました。TaylorラボのAlexは、昨年秋に審査を終えましたが、授与式は年に一度しかないため、今回の参加となりました。お母さんと妹さんも、彼の晴れ舞台を見るためにLAを訪れています。Royce Hallの前には、ガウンを着た新米博士たちが、家族や友人達と嬉しそうにしていました。中には、博士カップルや子連れ博士もいました。UCLAの博士過程は通常5年だそうで、大概はもっとかかるということです。日本よりもはるかに厳しいですね。
 僕は博士課程に入るときに、素粒子物理から今の分野に転向しましたが、研究テーマにも恵まれて、何とか3年で学位を取ることができました。時が経つのは早いもので、学位授与式で戸塚洋二先生(ニュートリノの質量を世界で初めて検出した方で、昨年、ガンのため逝去されました)のお話を聞いてから4年が過ぎました。新米博士たちにおめでとうを送りながら、若葉マークだった頃の自分を思い出したのでした。

金曜日, 6月 05, 2009

3か月目のLA

 ロサンゼルスに来てから2か月が過ぎた。4月から5月にかけては初夏の様相だったが、最近は肌寒い日が続いている。先週までメキシコに調査に行っていたAlexとZacが帰って来て、しばらく僕とChuckだけだったラボも、少し賑やかになった。しかし、こんな時期に調査を強行するなんて、根っからフィールドが好きなんだなあ。世間が豚だパンデミックだと騒いでいるさなか、予定通りデータを採集して戻ってきたのだからすごい。
 一方、僕はと言えば、少しずつですが研究は進んでいます。ええ、進んでいますとも。そして、英語も多少は上達している気がするけど、まだまだ表現したいこと表現できることの広さには、天と地ほどの差がある。毎日やることが大事ですね。iKnow(今はsmart.fm)をかかさずやり、最近は、奥さんが英会話教室で使っているNews for Youというやさしめの新聞(Webでも一部見れる[Link])を読んだりしている。あと科学英語実用ハンドブックは手元にあるととても重宝する。

日曜日, 5月 31, 2009

スターバックスの産みの親

 「アメリカにはおいしいコーヒーがない」と決めてかかっていた僕は間違っていた。その熱い黒い液体を一口飲んだ瞬間、力強い香ばしさが口の中に広がり、自然と笑顔になった。今日は、Peet's Coffee & Teeについて書きます。
 Peet's Coffee & Teeは、戦後渡米したAlfred Peetが、カリフォルニア州バークレーで1969年に創業したコーヒーショップです。現在は、アメリカ西海岸を中心に店舗を展開していて、アメリカのコーヒー通たちに支持されています。スターバックスの創業者の一人、Jerry Boldwinは、Alfred Peetのもとでコーヒー豆の焙煎技術や、コーヒービジネスを学んだそうです。いわば、Peet's Coffeeはスターバックスの産みの親。
 高品質の豆を独自の手法で深入り焙煎するので、入れたてのコーヒーは、しっかりとした香り濃厚な味がします。お店には、エスプレッソベースの飲み物はたくさん種類がありますが、コーヒーは、日替わりで豆の種類がかわるCoffee of the dayだけです。最近は、Peet'sに寄って、コーヒーの香に包まれてあれこれと考え事をしてから、ラボに行ったりします(写真は大学の近くのお店)。美味しいコーヒーと共に過ぎるゆったりとした時間は、僕にとって至福の時。
 Peet's Coffee & Teeは、一時期、青山や神保町にも店舗があったそうですが、残念ながら日本からは撤退したそうです。ただ、ホームページで豆を購入して配送してもらうことは出来るようです。強烈な個性のコーヒーを一度試してみてはどうでしょうか。

木曜日, 5月 28, 2009

メモリアルデーのお出かけ

 5/25日(月)はメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)でアメリカは祝日。初の三連休だった。実は、アメリカは日本よりも祝日が4日ほど少ない。連休最初の2日は家でまったりと過ごしたので、最後の日ぐらいはと、ダウンタウンにあるMOCA(ロサンゼル現代美術館)に行ってきた。MOCAは思ったほど大きくなく、2時間ぐらいで全部回れた。今回の展示はいまいち。その後、コリアンタウンにも行ってきた。

其の1 MOCAの入り口にあるオブジェ
其の2 MOCAのカフェ:黒豚のパニーニがおいしかったです
其の3 コリアンタウンにあったカフェ:結構お客さんがいました
其の4 激甘のカフェラテと致死量のマンゴースムージー
其の5 コリアンスーパー:とんでもない量のキムチが売っていました。野菜や海産物は新鮮で安い。

日曜日, 5月 24, 2009

Wolfram|Alphaの誕生

 僕が33回目の誕生日を迎えた日、Wolfram|Alphaという画期的な検索エンジンが産声をあげた。[Link]。これを作ったのは、異端の天才、スティーブン・ウォルフラム。Wolfram|Alphaは、ユーザが入力したキーワードに最適な情報を整理・構造化して見せてくれる。例えば、デモにあるように”internet users in europe”と入力すると、現在のヨーロッパでのインターネットの利用者数だけでなく、年別の利用者数の変化、利用者のヒストグラムやランク、国別の利用者数、などが情報が的確に整理される。
 キーワードを入力するところまでは、Googleなどの既存の検索エンジンと同じだが、中身は全然違う。Googleは、入力したキーワードに関係のあるウェブの一覧を表示する。一方、Wolfram|Alphaは、あらかじめウェブを前処理して作ったデータをもとに、キーワードに関する知識を集約する。今でも盛んに研究されているセマンティク・ウェブとも違う。Google vs. Wolfram|Alpha みたいな書き方をしている記事を見かけるけど、両者はそもそも検索の性格が違うので、勝つとか負けるとかの問題ではない。むしろ補完し合う関係にある。
 実用的にはまだまだな感じがするけど、これまでこの手の検索を成功させた人はいないのだから、やはり賞賛に値する。日々増大していくウェブのデータはゴミだらけだから、そこからユーザにとって価値ある情報を自動抽出して構造化する、というのは大問題だ。

火曜日, 5月 19, 2009

33歳という通過点

 33歳になりました。このぞろ目は一筆書きの目にも見えるし、首を90度かしげるとお尻の縦列駐車にも見えます。今年はアートな年になるのかな。ちょうど30歳になった時のスローガンは「言い訳をしない自分」でした。その通りにはなりませんでしたが...。そして、去年はこんなことを言っていました。33歳は寡黙に、しかし結果で語れるように、飛躍したいです。
 我が家では奥さんが腕を振るって、僕の好物で誕生日を祝ってくれました。今日のメニューは、海鮮丼、唐揚げ、豚汁、茶碗蒸し、デザートにコーヒーゼリーです。少し食べ過ぎました。
 ニューヨークにいる共同研究者は、こんなメールとバースデーカードをくれました。
Whaw, you are 33??? I cant believe you are older than me :-) I thought you were 27 or 28. Enjoy! time might fly, but it doesn't leave an aging mark on you.
最近は笑うとaging markが目尻に激しく出るのですが...。見た目だけでなく、気持ちもevergreenなままでいたいものです。

土曜日, 5月 16, 2009

Saplabはじめました

 3月からこつこつと作っていたSaplabというプログラムを公開しました[Link]。これは、Sound Analysis Pro(略してSAP)という生物音響学用のシステムと、Pylabというデータ分析のシステムの橋渡しをするインターフェース。使用したプログラミング言語はPythonです(下の本がお勧め)。Saplabを利用すると、Pythonのプログラムだけで、データの取得・分析・表示を比較的簡単に行うことができます。
 こういう異なるシステム間のデータのやりとりは、やればできることはわかっている。でも、正しく頑健に動作し、実用に耐えるプログラムを書くことはそんなに容易ではない。それから、プログラムの公開は、お医者さんにお腹をべろりんとするようなもの。どこも悪くないよと思いつつもドキドキする。動作は十分確認しましたが、もし間違があったらこっそり教えて下さい。
 OferはSAPを作り・用いてユニークな研究をばんばんしている。最近も「鳥の歌の文化進化」についてNatureに論文が載った[Link]。僕は、Saplabを一通り作り終えたので、次はこれを使って「ビックリ in side」なおもしろい研究をしたい。

水曜日, 5月 13, 2009

我が輩は犬である

 我が輩はウエスト・ハイランド・ホワイトテリア。要するに犬である。名前はスノーイ・ スノーボール(真白な雪球)。チャック殿とは10数年来の相棒でござる。今日はチャック殿に連れられて、ラボに来たでござる。ぜーぜー、はーはー。
 見知らぬ東洋人がいるでござるな。ポスドクでござるか。ポスドクはまだ食べたことがないでござる。おやっ、我が輩を餌で釣ろうとしているでござるな。その手は喰わ...
... バクばくバクばくバクばく。なかなかこのチョコクッキーはいけるでござるな。トレジョでござるか。ペロリ。えっ、足が短いなって!?いやいやそれほどでも(褒めてない...)。青年、しっかり働くでござるよ。

日曜日, 5月 10, 2009

贅沢な講演会

 Marschak Memorial Lectureを聞きに行ってきた [Link]。この記念講演の歴代講演者には、ノーベル賞受賞者や著名な研究者が名前を連ねている。僕が知っているだけでも、ゲルマンクリックミンスキーウィルソンエーデルマンダイアモンドらがいる。なんとも贅沢な講演会だ。
 今回の講演者はフリーマン・ダイソン(プリンストン大学名誉教授)。宇宙物理学や数学で重要な研究をした他、科学のあり方や科学技術と未来についての著作が多数ある。演題は「Domestication of Biotechnology(バイオテクノロジーの家畜化)」。ダイソンは小柄で細身で、スーツに赤ネクタイという出で立ちで登場し、おもむろに準備していた原稿を読み始めた。どうやら、現在執筆中の「The Age of WonderRichard Holmes著 )」の書評をそのまま読んでいるようだった。スライドなしの朗読だったので、完全には理解できなかったが、人間が生み出したバイオテクノロジーが、人間の生活、文化、更には人間そのものを変えて行く未来について考察を述べていた。つまり、作ったものに作られていく未来だ。85歳とは思えないほど、体力と知力と自信を感じるトークだった。これのもとになった昔の書評は、The New York Review of Booksで読むことができる [Link]。
 未来について語るのは難しくて、誰がしても嘲笑される可能性がある。下手したら、飲み屋のおじさんの自説も研究者の洞察も、受け手次第では目くそ鼻くそになる。ダイソンに対する聴衆の感じもそうだった。でも、ダイソンはそういうレベルの話をしているのではないのだろうと僕は感じた。レイ・カーツワイルの「The Singularity Is Near(邦題:ポスト・ヒューマン誕生)」とダイソンの考察は、表面で似ていても思考の方向が違うと思う。7月にダイソンの書評が出るらしいので、もう一度じっくり読もう。

水曜日, 5月 06, 2009

鳥は踊る、研究者も踊る

 ここ数週間、インフルエンザの影響で忌み嫌われている豚さんですが、鳥さんは華麗なダンスでにわかに注目を集めています[Link]。「オウムがBack Street Boysの曲に合わせて踊る」映像がYouTubeにアップされて人気を集めていましたが、コマ送りでオウムの動きと音楽の相関を調べたところ、偶然ではなく音楽に合わせて動作していることが分かったそうです。同様の解析をして、PatelHauserのグループが別々に論文にしています([1][2] )たぶんどちらもNatureに蹴られたんですね。政治的なにおいがぷんぷんします。Patelは言語と音楽の共通基盤を研究している人(Music, Language, and the Brainの著者)で、HauserはChomskyをかついでRecursion仮説(「再帰的計算能力のある/なしがヒトとその他の動物を分ける壁だ」という仮説)の親分(Evolution of Communicationの著者)。しかし、YouTubeが生物学の対象になるとは、、、。はさみとウェブは使いようだなあ。



土曜日, 5月 02, 2009

Bダッシュ

 Los Angelesに来てから一ヶ月が過ぎた。生活や研究の手続きで慌ただしくて、本当にあっという間だった。生活が軌道に乗り始めてホッとしたという気持ちと、まだ思うような研究が出来ていないという焦りと半々だ。正直、英語も思ったほど上達していない。日本で学んだことの貯金で何とか日々をこなしている、という感じ。
 5月は誕生月でもある節目の月。1976年5月18日生まれなので、今年で33歳になる。つまり、その間に地球は太陽の周りを33回完走し、34周目に突入することになる。あと50周ぐらいは走ることになるのかもしれないけど、34週目はBダッシュで行きたい。気分を高揚させるものがここにはある。

水曜日, 4月 29, 2009

サンフランシスコ旅行記

 奥さんのお兄さんがLAに遊びに来たため、みんなでサンフランシスコを旅行してきた。寒い寒いとは聞いていたけれども、確かにサンフランシスコ(SF)は寒い。この時期でも、街にはコートを着ている人がいるぐらいで、LAと比べると5℃は寒い。
 今回の旅のメインは、世界遺産にも指定されているヨセミテ国立公園のツアー。SFのダウンタウンから500km強で、バスを飛ばしても片道で4時間半はかかる。フリーウェイとはいえ、道の状態は良くないのですごく揺れるし、この時間はなかなかしんどい。しかし、ガイドのクマさんがユニークな人で、サンフランシスコやヨセミテ公園の情報を上手に紹介してくれ、車中も楽しく過ごせた。バスの中で、「何が世界遺産なのか?」という質問が出て、クマさんが「見ればわかる」とかわしていたが、その言葉通り。見ればわかります。自然を目の当たりにして、己のちっぽけさを悟る瞬間は多々あると思いますが、ヨセミテ公園のそれは格別です。多くは語りません。写真をご覧下さい(機会があればぜひ行かれることをお勧めします)。
 それ以外では、市内を名物のケーブルカーで散策したり、ゴールデンゲートブリッジ(ゴールドラッシュとは無関係だそうだ)やアルカトラズ島(アル・カポネが収容されていた連邦刑務所があった)の周りを巡るツアーに参加したりした。LAとはまた違った良さがある街だった。UC BerkeleyやIT企業が本社を置くサンノゼにも行ってみたいので、またSFに来たい。

ヨセミテ渓谷:中央奥がハーフドームThe North Faceのロゴになっている)、滝はブライダルベール。何と美しいのだろう。
ヨセミテ滝:すごい迫力。ずいぶん離れたところにいても水しぶきが飛んで来る。

サンフランシスコ市内をケーブルカーで移動:とても楽しい
アルカトラズ(と僕):30分のツアーで10ドル。かなり寒い(鼻汁)。

土曜日, 4月 25, 2009

ポッケになんか負けないだし

 毎日楽しみにしているブログの1つが「ポッケのおなか」[Link]。スコティッシュホールドのポッケ君の日常が写真や動画で紹介されている。くりっとした目と耳垂れがなんともかわいい。文章もセンスがあって面白い。奥さん曰く、「うちのトラちゃんも負けてない!」だそうだ。では、トラオさんの写真を3枚ほど。
其の1:あいーん
其の2:ET
其の3:...。
 LAに来てからあまり野良猫を見かけないのだけど、先日散歩をしていたら、ガレージの車の下で休んでいる野良猫がいました(T本さん、ネコがいましたよ!)。「にゃん!」と声をかけると寄って来ましたが、餌がないことを悟ると「冷やかしか。冗談は顔だけにしてくれよ」と行ってしまいました。ここLAでは、#車 >> #リス >> #犬 > #ハト > #ネコ、という感じです。

月曜日, 4月 20, 2009

珍入者

 我が家では動物が良く話題になる。LAには、日本のハト並みに、どこに行ってもリスがいる。奥さんが「アパートの壁を忍者のようによじ登っているリスがいた」と言っていたので「またまた」と半信半疑だったが、先日、なんとその証拠写真を撮った。確かにリスは壁をよじ登り、アパートに侵入を試みているようだった。そして今日、我が家にもリスがやってきた。これ。
 そして、我が家の朝食を見て、「なーんだ、コーンフレークか。」と帰って行った。
 奥さんのデジカメは、RICOHのCX1。ズームしてもきれいだし、手ぶれ補正もある。一方、僕のGRは玄人志向過ぎて、腕を上げないと動物の写真は難しい。いいなあ、これ。

日曜日, 4月 19, 2009

屈伸

 年度初めの4月は何かと書類が多い。日本での所属が変わり、かつ、留学しているので手続きも煩雑だ。「7日以内に連絡しないと、法律の定める最大の税金が課されます。」なんてメールが予期せず来てびっくりしたりする。それでも、日本のパスポートJ1ビザのおかげで、手続きは大概スムーズに進む。日本という国が信頼されているのだなと感じる(中には、パスポートやビザがあっても手続きが難しい国もある)。片付けても片付けても書類がやってくる状況はしばらく続くのだろうが、これをきちんとこなさないと研究に集中できないので、今は諦めてしっかり対応することにする。いわば研究前の屈伸。
 最近は、7時過ぎに起床→朝食→自転車通勤→仕事→...→0時過ぎに就寝、という朝型の生活をしてる。日本にいるときは完全に夜型人間だったけど。まだ誰も来ていない静かなラボで、プログラムを書いている時間が好きだ。感覚を研ぎすまし、高いレベルで集中できるので、昨日できなかったことがあっさりできたりする。もちろんコーヒーはお供に欠かせない。散らかっているのはいつでもどこでも同じですが、ラボでは写真のようなデスクで仕事をしてます。

火曜日, 4月 14, 2009

BBBに乗って

 僕が住んでいるアパートからは、サンタモニカ市営のBig Blue Bus(通称BBB)で大学まで行くことができます。乗車時間は15分ぐらい(しかし、バス停までとバス停からがえらく長い)。UCLAの学生証があると、何と25セントで乗ることができます。平日は10分に1本ぐらいの頻度なので不便はないけど、週末になると極端に本数が減ります。30分に1本とか、ひどいときは1時間に1本。なので、週末のお出かけはバスを考慮しておかないといけません(何度も失敗しています(泣))。
 最近確立した僕のBBBの中での過ごし方。
  1. まずテンションを上げて、元気よく運転手さんに「Hi!」と挨拶をします。
  2. UCLAの学生証を提示して、クォーターは使わず、小銭でちまちまと運賃を払います(クォーターは何かと使うので)。
  3. 車イス用の席を避け、真ん中ぐらいの席に座ります。
  4. おもむろにiPod touchを取り出し、Pod Castを聞きます。聴く日経が有料になり、日経一年生も終わってしまったので、最近はもっぱらCNN News UpdateSience Update Podcastを聞いています。どちらも短いのでさくっと聞けます。
  5. 時間が余ったら、iアプリのStanzaで、OREILLYのEbookを読みます(データ解析に興味のある人は、Programing Collective Intelligence(邦訳:集合知プログラミング)がお勧め。といっても、バスの中で読むとよっちゃうけど。)。
  6. 大学が近づいてきたら、降車を知らせるヒモ勢い良く引っ張り、態度でも降りることをアピールします。
  7. バス停に着いたら、運転手さんに「Thank you!」 と言って、車にひかれないようにバスを降ります。
 こうして最近確立したBBBの過ごし方ですが、自転車を買ったので、実は今日からチャリ通です。カリフォルニアの太陽に負けないように、一所懸命にこぎます。

木曜日, 4月 09, 2009

A Delicious Way

 今日は授業やセミナーに出ずっぱりで、学生に戻ったような1日だった。朝は言語学部でLearnability(学習可能性)の授業 [Link]、昼は生態学・進化生物学の理論教室で、系統樹解析に関するセミナー、午後は工学部でSpeech Recognition(音声認識)の授業、と脳みそがはみ出しそうになった。僕が興味を持つだろうと、Chuckがいろんな先生に声をかけてくれたのだ。とにかくChuckからは頻繁に「和俊、これはおもしろいぞ。あれはおもしろいぞ。」とメールが来る。
 UCLAの授業に出て感心したのが、学生は毎回出る宿題をやってきて、積極的に発言をするところだ(当たり前のことなのかもしれないが)。先生の講義態度もすばらしくて、学生とのコミュニケーションを大事にする。何よりも、真にその道のプロフェッショナルであるのがすばらしい(なーんちゃってプロフェッショナルとか、Google-aided プロフェッショナルというのも最近はいる ...)。Prof. Edward Stabler [Link]はChomskyの弟子。以前、僕の研究にとても良いアドバイスをくれた言語学者。工学部のProf. Abeer Alwan [Link]はとても数学が強くて、直感的な説明がうまい。二人ともMIT出身。授業は週に2回ずつある。週末にちゃんと復習をしよう。ホースで水を飲むがごとき量だけど、踏ん張って一生モンの基礎を身につけたい。僕にとってはこれも1つのDelicious way.

日曜日, 4月 05, 2009

天使達の春

 ロスアンゼルス(Los Angeles)はスペイン語で「天使達」を意味する。天使達の場所にやってきてから1週間が経とうとしている。海外生活も夫婦生活もどちらも初めてなので、何もかもが新鮮で、刺激に満ちた1週間だった。どうなることかと心配していた生活も、自由で開放的な雰囲気と関係者(もちろん奥さんも)の助力のおかげで、すぐに慣れた。英語も思ったより通じている(でも、事務的な話は苦手)。詳細はまた別の機会に報告することにして、最近撮った写真をアップしたいと思います。
 まずは、ラボのあるUCLAのLife Scienceの建物(僕がいるのは、Department of Ecology (生態学) and Evolutionary Biology (進化生物学))。外装は新しく見えるけど、中は結構古い。
 次の3枚は、我が家のあるUCLA University Apartment。まだ引っ越したばかりなので、ほとんどモノがない。1バス、2ベットルームで、月12万円ぐらい(ガス、水道、インターネット代も込み)。広くてとても快適。近くには(と言ってもかなり歩くが...)、大きなスーパーや日本人街があるので、生活に困ることはない。
 最後はサンタモニカ。海のあるいわき市出身なので、やはり海が近いのはうれしい(あまり泳げないけど)。サンタモニカの風景は絵になります。
遠き落日。この向こうに日本があるのですね。おーい。