木曜日, 3月 19, 2026

読書欲

  あまりの忙しさに、この3、4年、読書欲がほとんど湧かなかった。もちろん専門書は読むのだけど、研究とは全く関係のない哲学、歴史、小説などには触手が伸びなかった。

 しかし、3月も2/3が終わり、重要業務もあとわずかとなり、ゴールが見えてきた。そのためか、これまで封印していた読書欲が芽を出してきた。「知りたい」という欲のままに、読みたい本を読む。こんな当たり前のことができなかった。正常な自分に戻りつつあるということか。

 先日、倅少年を連れて、近所の図書館に行って、あえて分野の異なる本を3冊借りてきた。倅少年は天気がすきなので、やさしめの天気の本やかがくの本を借りた。彼も読書の楽しさに目覚めてくれるといいな。

 どんな本だっていい。好きなものを好きなだけ読めばよい。それはやがて自分の血肉になる。


水曜日, 3月 18, 2026

総務省イベント

  3/16(月)の総務省「インターネット上の偽・誤情報等への対策技術の開発・実証事業成果発信イベント」で基調講演をしました。

 かつては、この手の話題では観客はまばらでしたが、今回は300名を超える申し込みがあったとのこと。開発助成に採択された事業者の関係者はもちろん、その他の企業や団体の方、メディアの方も大勢いらっしゃいました。

 講演概要やイベントの様子は新聞やネットメディアでも取り上げられたので、ぜひご覧ください。

 講演後も、ポスターを見て周り情報交換をし、とても有意義なイベントでした。また、笹原研の修了生1名(社会人)が、会社が近くだということで、講演を見に来てくれました。あまりの忙しさに、一時は断ろうかとも思ったのですが、無理してでも引き受けて良かったと思います。

土曜日, 2月 21, 2026

ピッツバーグ

 2/16-21の日程で、富士通アメリカの研究所とカーネギーメロン大学(CMU)があるピッツバーグに行ってきた。日本から直行便がないので、行きは成田→シカゴ→ピッツバーグで、帰りはピッツバーグ→ニューヨーク→羽田。乗り継ぎも悪くて、時間がかかった。実際に現地にいたのは3日だけ。

 今回は、富士通との共同研究の打ち合わせと、CMUの3名先生と顔合わせをして、情報交換を行った。今回の海外出張は、前からとても楽しみにしていた。9月にIUを再訪したときが、あまりに良すぎて、同じようなことになるかなと期待していた。

 しかし、現実は違った(あれはIUという思い出の場所と、Filの人柄のなせる業だったのだな)。事前にもろもろ仕事は片付けて、打ち合わせに集中しようとしていたが、なかなか事務仕事は片付かず。それどころか、現地にいってから増える一方だった。日本との時差が14時間あるので、ピッツバーグが夜の時、日本は昼。通知をオフにしていても、じゃんじゃかSlackの通知が真夜中に飛んできた。

 寝る時間なので返信する義務はないのだが、トラブルに関する投稿が来ると、ついつい見て対応してしまう。主任が回答しないことには、物事が進まないのだ。見てしまうと、見なかったことにはできないので、眠れなくなる。かくして、体内時計をうまく調整することができず、今回は体力的には絶不調(風邪気味でもあった)。

 出張期間中に計算社会科学会大会の論文投稿の締切もあり、今回は自分も久々に発表するので、自分の原稿を書きつつ、学生・ポスドク計9名の論文を確認して、コメントした。これだけ人数がいると、ざっとの確認でもかなり時間がかかり、帰りの機中で、時々切れるWIFIにやきもきしながら、作業を終えた。

 有意義ではあったけど、思ってたんと違う海外出張になった。

月曜日, 2月 09, 2026

終わりの始まり

  久しぶりに小説を1冊読み切った。 「平場の月」という小説で、50を過ぎた大人の恋愛が、緻密な描写と構成で描かれている。年齢が近いことや、自分が住んでいる辺りが小説の舞台なので、とてもリアリティを感じる。堺雅人と井川遥が主演で映画にもなっている。

 中江有里が執筆したこの小説の巻末解説に、「50代は人生の終わりの始まり」という表現があった。この言葉がグサリと刺さった。そうなのだ。すでに自分は人生を折り返している。「年をとったな」という漠然とした感覚はあったが、こうして文字にされると切迫感がある。

 今「若者」と呼ばれている人たちも、確実に年を取り、50になる。加齢という不可逆現象は、誰もが等しく経験するもので、避けることはできない。感受性お化けだった10代、体力お化けだった20代と30代、体にガタがくる40代、そして、酸いも甘いも経験して成熟した50代に突入する。

 しかし、これは必ずしもネガティブなことを意味しない。残り時間が限られているからこそ、それを有効に使おうという気持ちにもなる。自分が本当に好きなこと、これまであきらめていたこと、まだ経験したことがないこと、やれることを今始めないと、きっと大きく後悔する。

 今年、私は50になる。さて、残された時間に私は何をしたいだろうか。やりたくないことに時間を使っている暇はない。やりたいことは溢れている。まずは過去一太った体を引き締め、筋肉に自信をつけるところから始めるか。シックスパックの科学者。そんなナイスボディーがバックパックにMacbookを入れて、フットワーク軽く世界中を飛び回って、すごい研究をする。いいじゃないですか。

月曜日, 2月 02, 2026

心臓破りの丘を超えよう

  これはB'zのRUNの歌詞の一部だ。「心臓破りの丘」とは、ボストンマラソンの20マイル付近にある長く急な上り坂のことで、「ここが踏ん張りどころ」を表すときに用いられる。この4Qは、まさに自分にとっての心臓破りの丘だったのではないかと思う。

 先週で2025年度の授業が終わった。暗いうちに家を出て、冷たい風が吹く中駅へと自転車を飛ばし、電車が止まってくれるなと祈りながら、8時にはキャンパスに着くように向かう。辛いといえば辛いが、朝一という清々しさもある。これで、寝坊・遅刻せずに、土曜一限に大学へ行って講義をするプレッシャーからは解放された。

 2025年度は、新しい授業を2つ立ち上げたので、その準備もなかなかの苦労があった(いい勉強の機会になったが)。本来なら腰を据えて時間をかけたいところだが、こういう時に限って主任業務が増え、加えて、2つの大型研究プロジェクトを同時並行で進めなければならなかった。ポスドクや学生の指導、各種依頼業務も途切れなく舞い込む。気がつけば、常に何かに追われている状態だった。

 きついと思いながらも、とにかく目の前の仕事を片付けていくしかなかった。しかし手は抜かず、着実にこなした。主任の任期は2か月を切り、肩の荷がおりてきた感じはする。今年は50歳の節目を迎える。これまで自分は十分よくやった。今度は自分のために走る番だ。荒野を超えよう!

土曜日, 1月 17, 2026

プロジェクト型研究の難しさ

  幸いなことに、大型研究費に連続して採択され、この数年は、研究費が底をつくという状況はまぬがれている。しかし、競争的外部資金をずっと獲り続けることは困難なので、いつか研究費がないという状態にならない保証はない(助教時代、若手Aで撃沈して、他の先生の分担金でしのいだことが1回だけある)。

 では、大型研究資金に採択されることが無条件でよいことかというと、そうではない。プロジェクトの期間はCRESTは5.5年で、K Programは約4年。毎年成果を出さなければならないし、中間審査やステージゲートもある。自分がなっとくできる研究成果を論文化するのだ、と思っていても、他のグループはわんさか業績を出してくるので、常にプレッシャーがある。1つひとつの研究が近視眼的にならざるを得ない。

 そして、プロジェクトのゴールに共鳴して一緒に研究してくれる特任教員や研究員を探すのは、いまや至難の業。雇用できる期間が限られているので、人を育てながらなどという悠長なことを言ってられず、即戦力を求めることになる。しかし、そんな悪条件のポジションに、なかなか適任者が来ない。せっかくいい人が見つかったと思っても、いろいろな理由で継続雇用が困難になる。

 研究のことを考えている時間よりも、「人・モノ・金」をマネジメントすることに多くの時間を割くことになる。研究がしたくて研究者になったが、過去の自分はこんなことになると思ってもいないことだろう。今年50歳になるので、もう中堅ではなくてベテランになる。かつて自分があこがれていた研究者になれるかどうか、最後のチャンスになるだろう。堅実に成果を出しつつ、リスクもとって一発も狙う。2026年度は研究に全振りする。

月曜日, 1月 12, 2026

テレビという苦手ジャンル

  本日(1/11(日))、「世界一受けたい授業」の自分が出演した回を見届けました。12月の収録だけでなく、1/9(金)にいつくかの音声だけを取り直しました。なるほどこうやって1つの番組を編集するのかと勉強になったし、番組に関わっている方々のプロの仕事にとても関心しました。

 テレビ(やYouTube)は本当に苦手で、授業や講演では流暢に話せることが、カメラを向けられている状況だとそうはいかない。緊張しているわけではないが。撮影の独特の空気が重しになり、変な窮屈さと言葉のアクセスの悪さに苦しむ。

 では、なにゆえにテレビ出演を断らないかのかというと、苦手だからです。「苦手なものは克服しなくてはならない」という、なぞの哲学が僕にはあって、ゆえに引き受けている(よほど忙しいときは別ですが)。もちろん、それがフェイクニュースの問題や自分の研究が広く知られるきっかけになればいいな、という気持ちもあります。

 タレントさんはさすがにプロで、台本があったとしても、僕はあんな風には「演じられない」。しかし、僕も素人なりに頑張ったのではないか。今回は、そう自分を慰めることにします。

 1月18日(日)18:59 まで、TVerでも視聴できます。ご笑覧ください [TVerはこちら]。   

番組で拙著2冊も紹介していただきました。

金曜日, 1月 02, 2026

あけおめ2026

 2026年もよろしくお願いいたします。今年は、研究にもっと集中できるように、仕事の取捨選択をして、時間を有効に使おうと思います(年度末で主任をバトンタッチすることになるので、もう少し余裕ができるはず)。

 昨年採択されたCRESTのプロジェクトは、今年から活動を本格化します。PIとしてビジョンを示し、チームと予算をマネジメントすることが求められます。一昨年からスタートしたK Programは、社会実装に向けて開発を加速することが求められます。

 個人プレーで研究していた時は、ある意味楽でした。自分のことだけ考えていればよかった。しかし、プロジェクトはチームプレー。チームとしてのパフォーマンスを最大化するためには、相応の工夫が必要。単なる寄せ集めではいけない。

Fast alone, far together(早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければみんなで行け)

 着実に手堅い研究成果を積み重ねつつ、イノベーティブな研究も狙っていく。これができないなら、PI失格。ここをがんばる。


(2006年にこのブログを始めたので、今年で20年目に突入です。20年かぁ...)

月曜日, 12月 29, 2025

カメはうさぎを超えていく

 愛知県立旭丘高校スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の評価委員を務めて、今年で6年目になる。コロナ禍が明けて以降は、毎年12月に、東京研修の一環として生徒たちが東京科学大学を訪れている。

 今年は12月23日に、18名の生徒が田町キャンパスを訪問した。プログラムは以下の通りである。同僚や研究室のメンバーにも協力してもらい、研究内容だけでなく、研究者としてのキャリアの多様性についても話してもらった。

 クロージングでは、以下のScience論文をベースに、生徒たちにエールを送った。
Güllich, A., Barth, M., Hambrick, D. Z. & Macnamara, B. N. 

 早熟な秀才よりも、幼少期に多分野にわたる経験を積んだ人の方が、特定分野での成長は緩やかである一方、成人期のピーク年齢においてトップ層に到達する確率が高い、という研究結果だ。だからこそ、早い段階でやりたいことを一つに絞り込むのではなく、複数のことに本気で取り組んでほしい。そのことには、科学的な裏付けがある。

 こうした言葉を素直に受け止められる生徒たちは、間違いなく成長すると思う。そして、これからの日本を引っ張っていく存在になると思う。






金曜日, 12月 26, 2025

世界一受けたい授業

 「世界一受けたい授業」に出演します(2026/1/11(日)19時00分〜20時54分)。

 台本に沿いつつも、現場でのアドリブや解釈の揺れから生まれた「逸脱」を、確実に笑いに回収していく、堺正章さんとくりぃむしちゅー上田さんの技術は、本当にすごいと思いました。そして、藤木直人さんは格好いいし、ゆうちゃみさんはきれいだし、成田悠輔さんは鋭かった。 

 ご笑覧ください。

木曜日, 12月 11, 2025

三連続講演

  「1週間に講演を3つも入れるものではない」。そういう教訓を得た、今日この頃だ。12/8(月)は「社会物理学とその周辺」という研究会」、9(火)、Marcus EvansのHR Japan Summit 2025、10日はサイバーセキュリティ系のイベントCYDEF 2025。

 8日の研究会は、合原FIRSTでポスドクをしていたときの同期からの依頼なので、二つ返事で了解。元同僚と10年以上ぶりで再会できたのもよかったし、招待講演も熱心に聞いていただき、質問もたくさんでたのでよかった。

 9日の人事系イベントは、夏ぐらいに依頼が来て、自分としても様々な企業の人たちと知り合うよい機会だと、楽しみにしていた。実際、椿山荘という場所もよかったし、組織をよくしようと真剣な方々がきていて、普段とは違う刺激で、自分的には楽しかった。

 そして、CYDEF。こちらは無理に口頭発表をしなくてもよかったのかもしれなサイバーセキュリティの方々と知り合う機会なので、丸一日会議というスケジュールをこなしてから、最後だけの参加となった。

 イベントに参加するとなると、発表スライドの準備(だいたい、前日の深夜はこの作業)、事務書類のやり取り、打ち合わせの会議など、いろいろと仕事が増えるので、拘束されるのは当日だけではない。これがなかなか大変。

 こちらから行かなくても、仕事がやってくる状態は大変に幸せなことだが、自分の時間を大事にするためにも、もう少し優先順位を考えた方がよい。本当にパンク寸前なので、しばらくは新しい仕事を引き受けるのは控えます。

水曜日, 12月 03, 2025

あしたメディア

 お笑いコンビ・元「和牛」の川西賢志郎さんと対談しました。 社会課題を扱う企画で、フェイクニュースを題材にお話しする機会をいただきました。気さくなお人柄であると同時に、表現者としての感性がとても鋭い方だなと思いました。ご笑覧ください。

可視化過多時代のSNSのこれまでとこれから|川西賢志郎が知りたい!“フェイクニュース”について

日曜日, 11月 30, 2025

霜月から師走へ

 計算社会科学の第7回目の講義が終了した。新規に開講した講義のため、毎週スライドを一から作成する必要があった。東大で同名の講義を担当していたので素材はあるものの、内容の古さや学問の進展もあり、実質的にはほぼ作り直した。

 2Qの「ビジネスデータサイエンス」も新規開講で、毎週スライドを作る忙しさは同様だったが、あのときは負荷を感じなかった。しかし、夏休み期間中もイベントが目白押しで、心の準備ができないまま始まった3Qは、正直こたえた。

 この「こたえた」理由の中で、院試対応の比重は小さくない。しかし先週、社会人入試も無事に終わり、主任としての最大の山場は越えた感がある。大きなトラブルなく主任業務をこなしつつ、これからは研究にギアを入れていく。師走が来る。

日曜日, 11月 23, 2025

昭和レトロ

  紅葉を見るがてら、玉川温泉に行ってきた。自宅からは高速を使って1時間ぐらい。高速道路を降りて温泉に向かう道すがら、紅葉が見られるかと思ったけど、運転しながらはそんな余裕もなく、家族もみんな寝ていた...zZZ

 この温泉はもとは村の保養センターだったそうだが、温泉道場に経営が変わってから、昭和レトロをコンセプトに、今のような形態になったそうだ(「地域を沸かす」というこの企業の理念のはセンスがよいですね)。

 お風呂は、もともとの内風呂と後から作ったであろうと展風呂の2つだ。泉質は少しトロっとした感じで匂いはない。泥パックがおいてあって、子供たちがむらがってパックしていた(若いので必要ないと思うけど)。

 施設内には昭和時代のモノがたくさんあって、懐かしい感じがする。「懐かしい」と表現したが、私も昭和最後の方の生まれなので、実はこんな風景がかつてあったかどうかは、記憶にない。なので、子供たちとっては、「レトロ」ではなく「モダン」なんだと思う。

 食事メニューも昭和を意識していて、揚げパンなどの当時の学校給食のメニューがあったり、金魚鉢パフェがあったり。食事メニューはどれもおいしそうで、私は季節限定のきのこたっぷりご膳、妻は親子煮御前、息子は豆乳うどん、娘はお子様カレーをいただいた。どれもおいしかった。

 お目当ては紅葉はあまり見られなかったが、ちょっとした小旅行を感じるお出かけだった。



火曜日, 11月 04, 2025

とっぱらう

  やらなきゃいけないことは山積、雑務と雑務の間にかろうじて仕事をしている感じがして、気分もよくない。そんな中、目に留まったのが本書「とっぱらう―自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」(ジェイク・ナップ (著), ジョン・ゼラツキー (著), 櫻井祐子 (著))」。

 「多忙中毒」と「無限の和泉」。私がはまっているのもこれだ。紹介されている技はいちいち納得がいくものだ。まだ読んでる途中だが、参考になった行動をメモする。

  • やることリストのほとんどは他人のための仕事
  • ハイライト→レーザー→チャージ
    • ハイライト(最優先事項かつちょうどいい目標)を選び、予定をブロックする
    • レーザーモードに入り、集中を維持する(気が散るものは削除)
    • 疲れる前にコーヒーを飲む
  • 注意の切り替えを減らす
 Gmail、Slack、Discordなどは、開くと何かしら自分に関係のあるメッセージがあるので、反応したくなるが、「ほとんどは他人のための仕事」。
 スマホが気になって、今という時間を楽しめないのは、不幸以外の何物でもない。いっそのことiPhoneなどなければ、電車の中も読書のための有意義な時間となる。多忙中毒と無限の和泉に関わるものは、とっぱらうことにしよう。

月曜日, 10月 06, 2025

Agents of Influence

Filと私
 先述したワークショップ「Agents of Influence: 60 Years of Connections」に参加し、発表してきた。Filの同僚、教え子やポスドクはもちろん、彼の大学院時代の指導教員も参加していた(Filはイタリアの大学で学士・修士を取った後、UC San Diegoで博士号を取得した)。たくさんの写真と共に懐かしい思い出話や、当時や最新の研究の話など、いろんな話を聞くことができた。

 これまでにFilはすごい数の論文を書いているが、自他ともに認めるワーカホリック。床にノートパソコンを置いて作業しているFilの写真が映し出され、「これは結婚式直前です」と。会場は爆笑に包まれた。国際会議の締め切りがあると、早朝まで学生と議論しながら論文の作業をすることもあったそうだ。

 私はFilとIUに関する3つの思い出を語った後、XFinch実験の最新結果について発表した。それほど発表練習もしなかったし、他の発表者のように面白く話せるかだろうかと、内心心配していたが、いざ発表が始まるとスラスラと言葉が出た。Filからはたくさんのことを学び、本当に感謝しているので、心の底で思っていることを言葉にするのに苦労はなかった。

 10年後の私は今のFilとほぼ同じ年。彼のようなスーパースターと比べるべくもないが、少しでもFilに近づけるように、彼の背中から学んだことを実践していきたい。

 

土曜日, 10月 04, 2025

B-town revisited

 Filの60歳のお祝いのワークショップで、久しぶりにIUに来ている(ワークショップについては、別の投稿で)。ずっとBタウン(ブルーミントン)を再訪したいと思っていたけど、コロナ禍になったり、大学を異動したり、大型プロジェクトに関わることになったりと、状況的にも、気持ち的にもできずにいた。

 ワークショップの前日夕方にBタウンに着いたので、ホテルにスーツケースを置いて、昔住んでいた頃に行った店や場所を散策した。道を挟んでホテルの反対側には、私も妻も大好きだったThe Butcher's Block(プルドポークは絶品)やしばしば行ったスタバ(一番行ったのは、Krogerとブルーミントン南高校の近くの店舗)がある。

 そして、新たにオープンしたFresh Thyme側からカレッジモールの中に入り、たまの贅沢だった中華料理屋Judy'sキッチンやTargetがあることを確認した。Target側は空きスペースが多く、少し寂しい感じになっていた(改修工事をするのだろうか)。残念ながら、倅少年にRodyを買ってあげた玩具屋さんはなくなっていた。

 ここまで来たら行ってしまえと、Covenanterまで足を伸ばした。昔住んでいた部屋はまだあった。ここには家族三人の思い出が詰まっている。明日もここからIUに通っても不思議ではない気がするのだが、もうここには住んでいないのだな、などと哀愁が込み上げてきた。ひとしきり写真を撮って、またカレッジモールに戻り(途中のショートカットの獣道は、車がない時に、ベビーカーを押して通ったものだった)、Judy'sキッチンで大好きだった麻婆豆腐を夕食にテイクアウトして、ホテルに戻った。具材は変わったが、相変わらずのうまさ。

 ワークショップが終わったらインディーに移動して一泊する。翌日の飛行機が夕方なので、昼過ぎぐらいまでインディーを散策して、空港に向かう。家族でチルドレンズミュージアムによく行ったものだった。流石に一人で行くことはないが、雰囲気が好きだった図書館やカフェなどを再訪してみよう。

p.s. 飛行機は夕方だと思い込んでいたが、それはシカゴ-羽田便だった。スマホに届いた通知で、Indy-シカゴ便が14:25であることに気づき、慌てて空港に向かい、事なきを得た。

スタバとThe Butcher's Block

昔住んでいたアパート

アパートの裏にはBBQの設備がある

Kroger内のスタバ

Judy'sキッチン


金曜日, 9月 26, 2025

Trust and Safety Research Conference 2025

 標記国際会議に参加するために、2年ぶりにスタンフォードに来ている。今回は業務の合間に来ているので、本当にキツキツのスケジュール。9/22に9月卒業の学生たち送り出し、祝日を挟んで9/24は事務仕事を片付けて、飛行機に飛び乗った。

 カリフォルニアのよいところは、9時間ちょっとで着くこと。ただし、日本の夕方に出発すると到着した現地はまだ朝なので、初日が異様に長い。しかもこの日は、日本時間の夕方にオンラインの講演と入試説明会の仕事があって、その対応をしなくてはならなかった。割り込みで新聞の取材や雑務もあり、自分の発表練習もままならなかった。

 入試説明会を無事終えて、仮眠をとってフラフラの状態で学会に向かった。それでも、この学会は楽しい。通常のアカデミアの人たちだけがいる学会とは違い、企業や行政関係者も多い。話題もAI系の学会で耳にすることがないような話も多く、楽しい。CRESTのもとポスドクのDilにも会った。頑張っている姿を見るのは頼もしい。

 あまり準備された発表とは言えないが、何とか自分の発表も終えた。会場からは2つ質問があり、その後のハッピーアワーでも、何人かの人に「あなたの発表面白かったよ」などと声をかけてもらい、議論をした。こういうのが楽しい。

 ようやく慣れてきたかなと思ったら、今日が学会2日目で最終日。明日には、また飛行機に乗って日本に帰り、重要な主任業務。そして、10/2にはまた米国出張がある。とにかく慌ただしいわけだが、この状態に慣れるしかないのだろう。今日の学会を最大限楽しみたい。

キーノート













Dilと再開した


月曜日, 9月 22, 2025

CREST Social AI

  このたび、JST CREST(「人とAIの共生・協働社会を実現する学際的システム基盤の創出 」)に採択されました(5.5年, 2.95億)[リンク]。「信頼準備性(Trust Readiness)」という新概念を手掛かりに、ソーシャルAIの理論・技術を作り、社会実装に向けて実証実験を行います。

  • 研究課題名:不確実性社会を克服する信頼指向ソーシャルAI設計学
  • 研究代表:笹原和俊(東京科学大学)
  • 主たる共同研究者:越前功(国立情報学研究所)、五十嵐祐(名古屋大学)
 申請書および発表資料の作成は、もちろん大変でした。5月のGW明けぐらいに、スタバで考えていた時に降ってきたのが、「信頼準備性(Trust Readiness)」という新しい概念。昔ある先生が「最近レディネスについて考えているんだ」と言っていたことが耳に残っていて、それが自分の問題意識と相まって、ポロリと出てきたのかもしれません。
 この概念を中核に据えて、3つのグループがどのように連携するのかを想像し、共同研究者の先生方の専門を踏まえて、2週間ほどで研究の全体像を書きあげました。申請書を提出した段階で、書類審査は通るだろうという自信はある程度ありました。なので、面接に通ることを前提に、海外出張の帰国の日を1日伸ばして、面接に備えました(国際会議の翌日が面接日に指定されていました)。
 面接のお知らせが来てから発表資料の提出までの時間は短く、海外出張の行き飛行機の中で、発表資料をほぼ完成させました。国際会議に参加中も、「面接で落ちたらすべてが徒労に終わる」と自分に言い聞かせて、ホテルで直前まで発表練習をしました。そして、迎えた面接当日。発表と質疑応答の受け答えから、採択をほぼ確信しました。
 この間、主任業務などもこなしながら、過去一の集中力を発揮して難局を乗り切ったと思います。もちろん採択は入り口であって、研究はこれから。
 ちなみに、我々の領域のCRESTの採択率は6/79。Science Tokyoとしても大学全体で善戦しており、CRESTは6件採択で京大と並んで2位(1位の東大は11件)[リンク]。


日曜日, 9月 21, 2025

軽井沢旅行

 毎年、越前CRESTでは、軽井沢にあるNIIの施設で合宿をしていて(今年度で最後)、行くたびに、いつか家族で来たいなと思っていた。軽井沢チョコレートファクトリーと丸山珈琲ぐらいしか立ち寄れなかったので。

  そこで、今年の家族旅行は2泊3日で軽井沢に行ってきた。旅行中ノートパソコンは開かないと心に決め、持参したのはiPadのみ。

 初日の土曜は昼まで仕事があったので、午後から出発。軽井沢といっても、今回の宿は北軽井沢にあるコテージ(嬬恋なので、長野県ではなく群馬県)。コンビニで飲み物を調達して、宿の着いてすぐにBBQ。とても良質のお肉で、とても美味しかった。

 二日目は、鬼押出し園に登った後、浅間牧場でソフトクリームと牛乳を楽しみ、細い山道と調渋滞を越えて、旧軽へ。ベーカリー&レストラン沢村でお昼を食べ、劇込みの旧軽井沢銀座を散歩し、沢村ロースタリー軽井沢で休憩。そして、夕食にそばを食べて、昼は劇込みで断念したハルニレテラスにあるトンボの湯に入って、コテージに戻った。

 3日目は、子供たちが楽しみにしていた軽井沢おもちゃ王国で、一通りアトラクションを楽しんだ(もっとおもちゃに関係するのかと思っていたが、基本的には中規模の遊園地)。その後、白糸ノ滝を見て、軽井沢駅近くのアウトレットに立ち寄って、帰路についた。

 この家族旅行のために仕事をがんばるのだと、自分に発破を掛けてやってきたので、1つ重要イベントが終わったという感じ。(この前後の仕事のきつさは過去一二を争うレベル)書きたいことはたくさんがあるが、またの機会に。

Holiday Villaのコテージ















鬼押出し園から見た浅間山
















白糸ノ滝