木曜日, 12月 31, 2009

冬のグランドキャニオン

 冬のグランドキャニオンに行ってきた。この日の最低気温は−16℃。寒いというよりも痛い。冬はオフシーズンとはいえ、たくさんの観光客が訪れていた(やはり日本人が多い)。
 これほど「壮大」という言葉の似合う公園は少ないだろう。赤く黒く露出した肌には、地球の年齢のおよそ1/3の時間が刻まれている。層の一つ1つに、僕の知らない遠い昔の地球の歴史がある。その雄大さにただただ圧倒される。写真は早朝のサウスリム、マザーポイントからの眺めで、遠くに白く見えるのは雪。

水曜日, 12月 30, 2009

つぶやきはじめました

 アカウントだけとってずっとやっていなかったのですが、僕もTwitterでつぶやき始めました [Link](ブログにもTwitterパーツをつけました)。興味のある方は御覧下さい。勝手気ままなつぶやきなので、アレですが。
 リアルタイムで発展するTwitterユーザのダイナミックなやりとりを見ていると、チャットにもブログにもなかった、異質で新しいコミュニケーションが始まったんだなと感じます。このシステムを構想した人物の想像力と実際に作ってしまった技術力に脱帽です。

金曜日, 12月 25, 2009

Happy Holidays!

 今日はクリスマス・イブ。さすがに大学に来る人はほとんどいない。ずっとかかりきりだった申請書がようやく完成し(ううっ、苦しかった...)、少し足取りの軽い帰り道。あちこちの家でクリスマスの飾り付けが優しい光りを放っている。今日はサンタクロースという生き物が、薄目を開けて寝たフリをしている子どもたちにプレゼントを届けにやってくる日(所得制限はないと聞いている)。我が家では奥さんが腕を奮ってディナーを作った。ステーキにパスタ、デザートのチーズケーキ(今回は大成功!)。ビールは僕の大好きなSamuel Adams。デリシャス。来週は一週間休暇をとるので、明日は休日返上です。

 下のツリーは、La Breaというショッピングモールのもので、ロックフェラーセンターのものよりも高さがあるそうだ。とても迫力があってきれい。金の玉に僕と奥さんが写りこんでいる。面白い写真。

火曜日, 12月 22, 2009

マズル

 最近知ったのだが、猫の鼻から口にかけてのあれをマズルというらしい。こういうかたちのところ→ω。うちの奥さんがすっかりマズルにハマっている。
  • マズル一家
  • まずるとし(奥さん作)
  • ポッケのマズル

火曜日, 12月 15, 2009

ばあちゃん

 12月12日の誕生日を迎えた翌日、ばあちゃんが亡くなった。91歳だった。夏に会ったときは元気そうにしていた。帰国したら一緒に美味しいものでも食べに行こうと思っていたところだったので、残念でならない。昨年は90歳のお祝いをして、孫や曾孫に囲まれて嬉しそうにしていた。きっと今頃は、じいちゃんと久しぶりに再会して、向こうで元気にしているのだろう。やっと話し相手ができたのだ(じいちゃんは耳が遠いけど)。安らかにお眠り下さい。あなたの孫は異国でもうしばらく頑張ってから帰国します。

木曜日, 12月 10, 2009

101 Things I Learned in Architecture School

 12月から3月まで、正式に海外派遣事業の助成が受けられる事になった。大変ありがたい。UCLAでの研究生活もあと1/3を切った。ここ数週間は、論文に載せる4つの結果についてあれこれと悩んでいた。追加の計算と確認を重ねること多数、ようやく4つのうち3つが唯1つのストーリーに向けてうまく調和した。点と線が説得力のある形で結びついた。しかし、最後のワンピースがうまくハマらない。僕の中でしっくりこない。理由を探す旅なう、である。 そんな旅の途中、LACMA(ロサンゼルス郡美術館)で買った本「101 Things I Learned in Architecture School」に載っていた1つの教訓に目が止まり、はっとした。こう書かれている。
If you can't explain your ideas to your grandmother in terms that she understands, you don't know your subject well enough.(おばあちゃんにもわかるような言葉であなたのアイデアを説明することができなければ、あなたは自分の題材をちゃんとわかっていないのです。)
 まったくその通りだ。複雑で多様な現象だからこそ、説明原理は単純明快でなくては。「研究者は(自分の)論文書きに忙しくて、(他人の)論文を読む暇もない」などと言われるが、あながち冗談ではない。日々大量生産される論文の中で、「おばあちゃんにもわかる」ぐらいによく書かれたものは少ない。心に留めておくべき言葉だ。この本にはいろいろなヒントが詰まっています。

追伸:翻訳がありました(建築デザイン101のアイデア)。

日曜日, 12月 06, 2009

坂の上の雲

楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、
前をのみ見つめながら歩く。
のぼってゆく坂の上の青い天に
もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、
それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。

司馬遼太郎著「坂の上の雲」後書きより

 我が家では、爆笑問題のニッポンの教養と大河ドラマは毎週欠かさず見ている(テレビジャパンでNHKといくつかの民放が見れる)。天地人が終わり(景勝・兼続主従の人物の描かれ方は爽やかで良かった)、坂の上の雲が始まった。先週の放送も見たのだが、今日の再放送もついつい見てしまった。そのぐらい面白かった。生まれたての近代国家日本が欧米に追いつき追い越すべく、とにかく前に進まなければならなかった時代。そんな緊張感と高揚感の中で時代を駆け抜けた3人の個性的な人物。日本騎兵隊の父と呼ばれる秋山好古、日露戦争におけるバルチック艦隊撃破の立役者、秋山真之、そして、短歌や俳句を改革し日本近代文学に影響を与えた正岡子規。司馬史観と呼ばれる独特の歴史観の中で、3人の人物越しに明治という時代の陽の部分が描かれていく。この人物たちに自分の生き方を重ねる人も少なくないだろう。久しぶりにグッと来る大河ドラマだ。

金曜日, 12月 04, 2009

アマンディーヌ

 先週末、ふとカフェに行きたいと思い、奥さんが知り合いから聞いたというアマンディーヌというお店に行ってきた。アメリカにはおいしいスイーツなんてないと思っていたが、タルトを一口ほうばったら、あまりにおいしいのでホッペが落ちそうになった。いや本当に。そういえば、Peet'sコーヒーに出会ったときもそんなようなことを書いたなぁ[Link]。甘いものを食べているのに変な話ですが、「うん。あんまり甘くないね。」と言いながら、タルトとカフェラテを堪能したのでした。写真は奥さんの食べたフルーツタルトですが、僕が食べたチョコタルトもかなり美味しいです。耳寄りな情報。なんと恵比寿にもこのお店があるそうです。ぜひ試してみて下さい[Link]。

追伸:このお店の前身は厚木にあるマカロニマーケットというお店だそうです[Link]。

火曜日, 11月 24, 2009

Small drip, small head-trip

 一杯のコーヒーとともに過ぎる緩やかな時間。その時に思い浮かぶ妄想あれやこれ。そんなコンセプトで大学の時に書いたエッセイが「たそがれコーヒー学」だった。それをタイトルにしたブログを始めてもうすぐ3年になる。無精の僕にしてはよく続いたものだと思う。これからも、自分の中に眠る表現力の畑を耕すつもりで、ちょっとずつ文章を書いていきたい。この御時世、他人の表現を食って消費しているだけではだめ。自分を表現しなくちゃ。
 今日は小さい秋を見つけた。LAでは紅葉は見られないと思っていたけど、通学に使っているウェストウッド通りの木々が紅く色づいていた。ペダルを少しゆっくりこいで走った。

土曜日, 11月 21, 2009

ゴーサイン

 先週のミーティングで、いつでもセミナーができるぐらいの完成度の資料を準備して、これまでの研究成果をChuckとAlexの前で報告した。こちらでは、結果なしでああだこうだと言ってもまったく相手にされない。「そうかもね。」程度の相づちが帰ってくるのが関の山。逆に言うと、結果をともなって自分の考えを示すと、きちんとした反応が返ってくる。だから今回はある意味賭だった。自分ではこれまでにない手応えを感じていたので、二人とも興味を示せばその感覚は「当たり」。そうでなければ、お先真っ暗。かなり自分を追い込んで資料を作った。
 そして結果は、「当たり」。ChuckもAlexも資料を食い入るように見つめ、僕の説明に真剣に耳を傾けてくれた。「こんなの見たことないよ。」とChuckは言い、一発で論文へのゴーサインが出た。今は、白紙に向かって「産みの苦しみ」を味わっているところ。

月曜日, 11月 16, 2009

第一回結婚記念の旅

 結婚一周年記念ということで、レンタカーを借りて旅行に行ってきた。左ハンドル・右車線でフリーウェイを運転するのは緊張の連続で、時速100kmで車間も開けずに急カーブを曲がるのはジェットコースターよりも迫力がある。
 旅で最初に訪れたのは、ロスから車で北へ2時間ぐらいのところにあるサンタバーバラ。今回は行かなかったがワイナリーが有名。街の中心部は建物に統一感(スペイン風)があってきれい。お昼はピアでカラマリ(小イカの揚げ物)とクラムチャウダーを食べた。うまい。
 さらに北へ90分ぐらい。旅の目的地は知る人ぞ知るカリフォルニアの天然温泉、「シカモア温泉」。各部屋に浴槽がついていて、懐かしの硫黄泉に入ることができる。日本人にはやっぱり温泉です。ここのレストランの食事がとてもおいしい。地ビールとステーキを堪能しました。かなりお勧めのリゾートホテルです(週末や休日は予約で埋まっているので、平日が狙い目)。
ホテルの裏には山道があって、30分ぐらいえっちらおっちら上っていくと...
じゃーん、海が一望できます。帰りにデンマーク風な街、ソルバングにも寄ってきました。突然ヨーロッパに来たような不思議な気持ちになる街でした。

月曜日, 11月 09, 2009

30個の指輪

 サンタモニカで開催されていた現代クラフトアートのイベントに行ってきた [Link]。アクセサリー、バック、工芸品、絵画など、アーティストたちが自らの作品や収集したコレクションを持ち寄って、出店でそれを展示販売していた。来客者のほとんどが年配のご婦人方で、おまけで旦那さんが金魚の糞みたいにくっついて歩いている、という感じだった。いつも思う。アクセサリーを見繕っているときのご婦人の目はアクセサリーよりも輝いている、と。
 さて、うちの奥さんはというと、英字新聞をラミネートしたバックが気に入って、ちょっとしたお出かけ用のバックを購入した(下の写真)。これはなかなか粋なアイデアだと思う [Link]。
 うちの奥さんがもう1つ気にしていたのが、マーブルの指輪 [Link]。何度もはめてはずし、はずしてははめするので、よほど気に入ったんだなと思い、結婚記念のプレゼントにした(2008年11月11日が結婚記念日。ポッキーの日と覚える。)。リングから玉が取り外し可能で、このモデルはいろんな色のマーブルが30個付いてくる。値段も$80ぐらいなので、そんなに高くない。いや、むしろとてもお買い得。女性諸氏、「カラット」だけが愛情の単位ではありませぬぞ。
 僕はというと、気に入った絵が何枚かあったのだが、高かかったので断念した。例えばこれ。素敵でしょ。

水曜日, 11月 04, 2009

The Oxford Book of Modern Science Writing

 UCLAストアで20%OFFセールをやっていたので、ついつい本を衝動買いをしてしまった。「The Oxford Book of Modern Science Writing」はなかなかおもしろい本だ。利己的な遺伝子の著者、リチャード・ドーキンスが、20世紀初頭から今日までの科学者の書き物の中から極玉の文章を選んだアンソロジー。それぞれにドーキンスのコメントが付いているのもおもしろい。ざっと眺めただけでも、僕のスーパースターたちの文章がこんなにある。
 紙面の都合で泣く泣く収録できなかった科学者がいると言いながら、Carl Saganが入っていたりするのもおもしろい。三流の科学よりも一流のSFの方がはるかにおもしろくて真実を語っているということか。
 本物の科学者が、考え抜いた末にたどり着いたのであろう表現にふれると、それだけでも気分が高揚する。参考文献として、論文を書く際のお供として、カンフル剤として、とても重宝する。

火曜日, 11月 03, 2009

「交付内定する」予定?

 新政権になり、予算削減の嵐の中でどうなることやらと思っていたが、応募していていた優秀若手研究者海外派遣事業に通ったようだ。でも送られた来た連絡がこんな感じなので実感がまるでわかない。
...貴殿の申請については、交付内定する予定であることをお知らせします。
 このあとに、諸手続が遅れている云々と書かれている。採用されたのは間違いなさそうだが、助成金の額や時期は未定だ。それでも、今回の留学は全部自腹を覚悟していたので、飛行機代が出るだけでもだいぶ助かる。もらえるものは何でもありがたく頂戴して、有効に使わせてもらいます。来年度以降の募集は停止になったので、ついていた。僕が以前もらった科研費若手スタートアップなども廃止されたと聞いている。若手研究者にとってはますます厳しくなるだろう。


月曜日, 11月 02, 2009

ハロウィン

「Trick or treat!」(お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ!)
「Happy Halloween!」(ハッピーハロウィン!)
 我が家にも仮装したちびっ子たちがやってきた。準備していた20セットのお菓子がものすごい勢いでなくなったので、慌てて近くのスーパーにお菓子を買い足しに行った。夕方6時ぐらいから子供たちがやって来て、8時には全てのお菓子がなくなった。スパイダーマン、ピカチュー、白雪姫、骸骨、謎の珍キャラクター、みんなかわいい格好をして、アパート中をお菓子ハンターたちが練り歩いた。日本ではあまりなじみのないイベントだけど、とても楽しかった。
 その後、すごいハロウィンの飾り付けをしている家があるというので、サンタモニカまで自転車で行ってきた。下がその写真。仕掛けの徹底ぶりは、ユニバーサルスタジオのお化け屋敷以上で、とても個人の家とは思えない。大勢の見物客が来ていた。
以下は妄想。
「お菓子をくれるくれないの如何(いかん)に関わらず、いたずらします。」
「(カシャ)」(逮捕)

木曜日, 10月 29, 2009

ハイテク読書の秋

 新しもの好き、読書好きの僕としては気になる話題。Amazonのkindle 2が国際対応し、日本でも使えるようになったのだ[Link]。とはいえ、購入できるのは英語の本だけで、日本語対応はしていない。PDFもソフトで加工すれば読めるが、レイアウトが崩れたりするし、何より手間がかかる。「論文はすべてkindleで読む」というクールな研究スタイルはまだ実現できない。以前、Chuckのkindleを触らせてもらったけど、ボタンをポチッと押してページをめくる操作は不自然な感じがする。iPhoneのように、画面をなでなでというふうにはいかない。ただし、画面表示は白黒だけどシャープでとてもきれい。なので、なおさら操作性の悪さが残念。
 来月にはBarns & Nobles(全米最大の書店)が操作性とデザインではkindleよりも遙かに完成度が高いNookという製品を出す[Link]。OSはGoogleのAndoroid。こちらは国際対応していないので、まだアメリカでしか本が買えないけど。Appleもタブレット型の製品をだすとの噂がある。机の周囲に氾濫した専門書や論文が1つのデバイスにすっきりと収まる日が来ることを祈りつつ、もう少し様子を見ることにしよう。

木曜日, 10月 22, 2009

きのこりす

先週雨が降った後、庭にきのこが生えた。それを食べている子リスがいた。

「旨すぎて笑いが止まらんなぁ。」
もしかして、...。

火曜日, 10月 20, 2009

スポーツの秋

 UCLAのサッカー男子チームの試合を見に行ってきた。この日はUCLA vs. Stanford。大学関係者とその家族はチケット代が無料(一般は7ドルで、子供は5ドル)。からっと晴れた日曜の午後、こんな風に時間を過ごすのもいいもんだ。試合は2-0でUCLAが勝ちました。ここしばらく全米チャンピオンから遠ざかっているので、今期は順調な滑り出しです。
 試合よりも気になったのが、UCLAブルーインズのマスコットのジョー。きれいな女の子を見かけるとやたらちょっかい出したり、子供に鼻くそをつけたり(もちろん冗談で)、やりたい放題。競技場の向こう側に見えるのはUCLAの校舎。とてもきれい。

木曜日, 10月 15, 2009

レイニーブルー

 昨日今日とロサンゼルスではめずらしく雨が降った。水溜まりをよけて歩く人々を尻目に、草花はここぞとばかりにチュウチュウ水分補給をしていた。
 午前中、例の英語のクラスに参加してきた。初回は周りの人がペラペラなのと(みんな教室に来る必要がないぐらい)、自分があまりにも話せないことに愕然とした。いきなり、「アメリカの健康保険制度の是非について、賛成派と反対派に分かれて議論しなさい」ではハードルが高すぎた。英語以前に保険のことがわからない。自分の無知を嘆いても仕方がないので、これを機にニュースをかかさずチェックすることにしよう。今日は議論しやすいトピックだったので少しはついて行けた。人口問題、シェイクスピアのロミオとジュリエットの英語(単語も文法もずいぶん違う)、ロサンゼルスでの経験談など。新鮮でおもしろい。来週は各自アメリカの文学作品の紹介をするようだ。僕が紹介するならマーク・トウェイントム・ソーヤかな。
 午後はミーティングで、最近の解析結果をChuckに説明した。「It's nifty!」と言っていたので、辞書で調べたら、ニフティーって「すばらしい」という意味だったんですね。こっちに来てから始めた研究もここ一ヶ月でだいぶ形になってきた。そんなこんなで、今日は雨降りでもブルーじゃない。

日曜日, 10月 11, 2009

もっさりバジル

 我が家のバジルがもっさりしてきました(写真手前)。先月は少し枯れかけましたが、肥料をまいたのが功を奏したようです。今はこうして太陽光を浴びて、すくすく育っています。いい子です。今週はモッツァレラチーズのパスタで美味しくいただきます。
 遅れて来た(うんこ)ルーキーの大葉も元気になり(写真奧)、新人のカモミールと何とかという花(名前を忘れた)も生えてきました。こうしてプランターの住人の生長を見るのが日々の楽しみです。

火曜日, 10月 06, 2009

セミナー三昧

 最近ではすっかり日が暮れるのも早くなり、朝晩は冷えるようになってきた。つい先週まで短パンにTシャツで学校に行っていたが、今日からジーンズとパーカーにした。春こちらに来たときの格好だ。あれから半年たったのか。早いものだ。
 新しいシャツに袖を通したときの心地よさや新鮮さが束の間なのと同様、この生活の新鮮さにも半年の時間の中で良くも悪くも慣れた。何をしにここに来たのか、頭を整理して、残りの時間を大切に過ごしたい。シャツを一度脱いで、洗濯後にまた袖を通せば、新鮮さは蘇る。
 秋の授業はとらず、毎日何か1つセミナーに出ることにした。ざっとWebで確認しただけでも、出たいセミナーがたくさんある。飛び入りで聞いてもわからないものばかりだろうけど、できるだけ質問をするようにしよう。
それから、UCLAのESLのハイレベルコースに週一度出ることにした。議論中心なのでついて行けるか心配だ。が、ついて行くしかない。

土曜日, 10月 03, 2009

ファンファーレ

 10月2日締め切りのEVOLANG8(2年に1度開かれる言語進化の国際会議)のアブストラクトを2つ提出した。毎度まいど文章を書き始めるときには、ある種の恐怖を感じる。「まる1日時間を費やして、1行も書けなかったらどうしよう」。それは白いキャンバスに向かうたびに画家が感じるそれと似ているかもしれない。「×××をやったら○○○が出ました」では論文にならない。背景にある物語を伝えられるか、これが肝心。
 前回のEVOLANG7はバルセロナ[Link1][Link2]で、このときはアブストラクトが受理されず、発表なしで学会に参加した。次回は前から行ってみたかったオランダ(ユトレヒト)。僕の好きなディック・ブルーナーやテオ・ヤンセンの母国。2つとも受理されるといいな。南無南無。とりあえず無事提出できたのでファンファーレを。



レベルが上がったかどうかは定かでない...。

火曜日, 9月 29, 2009

サンタモニカ図書館

 最近、週末によく行くのがサンタモニカ図書館。ロサンゼルス西部ではたぶん一番大きいと思う。建物はきれいで新しいし、パソコンを使って作業できる机もたくさんある。Wifiも自由に使えてカフェテリアもある。黙々と勉強する人、趣味の本を読む人、絵本を探す家族連れ、たくさんの人が利用している。でも込みすぎという感じはしない。この日は締め切りの迫った文章書きをやっていた。
 お昼までに行くと、アリゾナストリートではファーマーズマーケットが開かれている。新鮮な野菜や果物、チーズや肉などが売っている。ここで絞りたてオレンジジュースとソーセージサンドを買えば、Yummyな昼食になる。近くには買い物客で賑わうサードストリートプロムナードがあるので、ウィンドウショッピングをしたりお茶をしたりできる。この日は、捨て猫の里親捜しをしているボランティアが、猫を連れてきていた。かわいい。1ドル寄付して、Appleストアに向かった。新発売の雪豹がよく売れていた。

金曜日, 9月 25, 2009

Autumn in NY 2009 その2

早いものでもう9月が終わろうとしています。まだニューヨークの写真を載せてなかったので、印象に残ったものをアップします。

エンパイアステートビルからの夜景
地上は騒音とゴミだらけのthe cityですが、これは一見の価値ありです。
ゼイバース
ほぼ毎日ここで朝食をとりました。クロワッサンにオレンジジュースとコーヒーがついて4ドルぐらい。
自由の女神:
地面に寝っ転がって撮った写真。
奥さんの頭越しに見たマンハッタン:
こんな小さな島にたくさんの人がいるんですね
ツインタワー跡から放たれるレーザービーム(ニュージャージーからの眺め):
夜になるとこうなります。911の追悼のイベント。
ニューヨーク市立大学シティカレッジ
Oferは今年も相変わらず元気でした。がんばって論文をまとめようっと。

火曜日, 9月 22, 2009

新学期

 UCLAは今日から新学期がスタートした。6月中旬から9月末まで休みとはのんびりしているなあ。これも昨今の財政難の影響のためだろうか?カリフォルニア州の財政はかなり危機的状況で、マリファナを合法化して税収入を得る案[link]や囚人を解放して支出削減なんて案も出ているくらいだ(後者に関する法案は9/13に可決された[link])。当然、州立大学であるカリフォルニア大学も予算が大幅カットされ、大問題になっている[link]。研究費はもちろん、教授や大学スタッフの給料、図書館の費用[link]はかなりカットされ、一方、授業料は値上がりするようだ。日本から給料をもらっている僕には幸いあまり影響がないが、UCLAから給料をもらっているポスドクは生活が大変になるだろう。こちらのポスドクの給料はもともとあまり高くないのに、さらにカットされるのでは本当に気の毒だ。
 アッカーマン・ユニオン(大学生協)には最難関と言われる入試をパスした新入生たちでごった返していた。先週までの静寂が嘘みたいだ。また大学に活気が戻った。からっとしたロサンゼルスには不景気の湿っぽい話など似合わない。この湿っぽさを吹き飛ばす勢いで、LA滞在後半を有意義に過ごしたい。

木曜日, 9月 17, 2009

NYa

ニューヨーク市内を歩いているとよく目にするのが、「I ♥ NY」(I love New York)のTシャツ。これを見て閃いた。猫好きにはこれ。「I ♥ NYa」(I love にゃんこ)。ぱくりかな?

水曜日, 9月 16, 2009

ボストン1泊2日観光


 週末を利用してボストンへ行って来た。これがトラブル続きの珍道中。これからボストンに行く方の参考までに経験談をいくつか。
 マンハッタンからJFKまでは、地下鉄とエアトレインで約1時間20分かかる(地下鉄AまたはE)。アメリカ国内線の場合、余裕を持って2時間前には空港にいたい(日本と違って手荷物検査にものすごく時間がかかる)。僕らは朝4時起きでホテルを出た。予期せぬ地下鉄工事のため変な路線に乗り換えてしまい、Jamaica179駅というさびれた駅で降車するはめになった(途中、腹痛に襲われマックに駆け込むトラブルも発生)。そこからバスに乗り、結局JFKに着いたのは7時半近く。ぎりぎりセーフ。JFKからボストンのローガン空港の飛行は約40分で、ほとんど寝ている暇はない。ボストン着くと寝不足と疲労で既にヘトヘト。ホテルで2時間ぐらい寝てから市街に繰り出すことになった(ホテルはHarvard駅から遠いし、この日は雨。機嫌も斜め)。
 同じ早起きするのでもアムトラックでボストンに向かっていれば、地下鉄の乗り換えに悩まされることなく5時間まるまる寝ることができた。そして、着いたらそのままレッドラインでHarvard駅に行けた。値段も飛行機よりも割安だ。
 ボストン観光のスタートはこんな事情でとほほだったが、二日目は晴れたので市内を散策できた。ニューヨークからボストンに一泊二日旅行する際は以下に留意しましょう:
- 移動はアムトラックがよい(Pen Station <-> South Station)
- メトロカードは7日券を買う(1日券を二回買うよりお得)
- 駅まで徒歩で行けるホテルを選ぶ(North Station近くに安いホテルがある)
- John Harvard像を撫でたら手を洗う(学生がおしっこをかけたのという噂あり)
- MIT博物館は日曜無料
- リーガルシーフードはおいしい
- トロリーツアーとセグウェイツアーが良さげ(次回チャレンジ)

金曜日, 9月 11, 2009

Autumn in NY 2009

 ニューヨークに来ている。Oferのラボでデータ解析と議論をするために1週間ほど滞在する。昨年もちょうど9.11をまたぐようにしての滞在だった。今年は奥さんも一緒だ。タイムズスクウェアを通ると、この街はいろんなものを置き去りにしつつ、しかし凄い勢いで前進しているのだなと感じる。良くも悪くもこの必死さがニューヨークを世界の中心たらしめているのだろう。不景気色に覆われてもどこかポカーンとしているロサンゼルスとは対照的だ。その穏やかさゆえ、住みやすいというのもあるのだけど。
 初日からOferとのマシンガン的な議論にすっかり脳が掻き回された。久しぶりにこの感覚を味わった。自分の手を動かし、誰も出来なかったことを成し遂げてきた人だからこその自信がたっぷりだ。(ここには書けないけど)彼のグループはまたしても新しい現象を発見し、さらに壮大な実験を進めようとしている。5年後、またNatureに載るのでしょう。脳がぐつぐつしているこの感覚をロサンゼルスに持ち帰り、彼からの宿題を解かなくては。おっと、もうすく9.11です。

土曜日, 9月 05, 2009

カリタとピーツは仲良し


とうとう念願の手挽きコーヒーミルを買いました。お小遣いマエガリータで。ご覧のように把手以外はすべて銅で、このレトロな感じが気に入っています。さっそくピーツの豆を挽いて飲んでみました。蒸らしたときのコーヒーの泡立ちが全然違います。少々値段はしますが、良い仕事をします。これは一生モンです。LAに戻る直前、たまたま奥さんがハンズで見つけたので急遽購入しました。Amazonで買うともう少しお安いようです。





火曜日, 9月 01, 2009

山火事

 今日から9月です。LA滞在もまもなく折り返し地点。今月はニューヨークに行ったり、ボルケーノに調査に出かけたり、セミナーでメキシコにも行くかも知れない。一番良い季節にLAにあまりいないのが惜しいなあ、と思う今日この頃です。
 さて、民主党大躍進のニュースの陰でときどき報道されていますが、今、ロサンゼルスは燃えています[Link]。山火事です。カリフォルニアでは山火事は日常茶飯事なのでまたかという感じだったのですが、今回のはパサデナの近辺なのでちょっと心配です。僕が住んでいるロサンゼルス市はもっと南の海側なので、ここまで影響はありませんが。奥さんを空港に迎えに行った帰りにやたらと大きい雲があって、最初は入道雲かと思いましたが山火事の煙でした。はやく収まってくれると良いのですが。


Watch CBS Videos Online

木曜日, 8月 27, 2009

スノーれおぽん

 Mac OS X Snow Leopardが28日発売されるとのアナウンスがありました[Link]。Appleは製品の向こう側にあるユーザー体験 (user experience)を売る会社。よりスリムに高速になったとのこと。どんな具合に仕上がっているんでしょ。楽しみです。


 一方、こちらは奥さんの実家のトラオぽん。若干丸く、動作は緩慢になったとのこと。ふっくらと仕上がっております。

水曜日, 8月 26, 2009

イチブトゼンブ

複雑系の深遠なテーマ、人生が思うに任せぬ所以、ハイゼンベルグ、男女がすれ違う訳。

これも素敵。



これらに共通すること。イチブトゼンブ。

土曜日, 8月 22, 2009

Norvigのトーク

 引き続きCaltechで開催されたScipy 2009のお話。20日の招待講演で大物ゲストPeter Norvigの話を聞くことができた。Norvigは人工知能:エージェントアプローチ の共著者の一人。人工知能を勉強したことのある人なら必ず手にする教科書。これまでNASA Ames Research Centerのグループディレクターを勤め、現在はGoogleのグループディレクターをしている。
 今回のお題は、これからの科学計算に求められるプログラミング言語について。NorvigがPythonに行き着いた経緯、プログラムと研究、今後のプログラミング言語に期待されることなど、冗談を交えつつ深すぎず浅すぎず、実に良い塩梅のトークだった。特にWhat do scientists do?(科学者のお仕事は?)の説明が面白かったので、以下に抜粋します。もちろん0と6は半分冗談。
0. Write grant appllicatons(研究助成金の申請書を書く)
1. Observe and explore interesting phenomena(面白い現象を観察して探求する)
2. Generate hypothesis(仮説を作る)
3. Formulate models to explain phenomena(現象を説明するためにモデルを作る)
4. Test predictions made by the theory(理論的予測を検証する)
5. Modify theory and repeat(理論を変更し、(以上の作業を)繰り返す)
6. Publish in Science or textbooks/course notes(Scienceまたはテキストブック等で発表する。)
太っ腹なことにこの招待講演、その他の発表はScipyのウェブページでオープンソースとして公開されています。Norvigの講演はここ

水曜日, 8月 19, 2009

パサデナで円周率

 Pythonを用いた科学計算に関する学会に行ってきた[link]。開催地はパサデナにあるCaltech (カリフォルニア工科大学)。バスと電車を乗り継いで行かなくてはならないため、5時起床で6時に家を出たのだが、結局着いたのは10分遅刻の8時40分。最寄り駅から歩けるものと勝手に思っていたら、とんでもない、4km以上はあった。広すぎるぜカリフォルニア。
 専門は計算生物学だが、計算の学会に出たのは実は初めて。プログラミングは独学で学んだ。今日と明日はチュートリアルがあって、僕は基本クラスに参加した(参加者は圧倒的に上級クラスの方が多かった)。午前中はIPythonを使いながら基本的な文法の確認。さすがにこれはやさし過ぎた。午後は一番聞きたかった多次元配列のライブラリNumpyと描画ライブラリMatplotlibの入門。実際に開発に携わっている人が講義してくれたので、マニュアルでは分からないことが聞けて良かった。
 今日は円周率を求める演習をやったので、そのPythonによる実装を示します(Wallisの式による計算(上式))。分数をその都度計算すると端数をばっさり切って値が不正確になるので、分子と分母を先に計算してから割り算する必要がある。これをCで素直にやるとオーバーフローしてしまう(つまり、どんどん掛け算をしていくと、とてつもなく大きな数字になってしまう)。Pythonの場合は、一行目のおまじないのおかげで素直に計算ができる。
 そういえば先日、筑波大のスーパーコンピュータが円周率の計算で世界一になりました[link]。円周率計算はコンピュータ進化のベンチマークなのだそうです。
from __future__ import division

def wallis():

  num = den = my_pi = 1

  for i in range(1, 10000):

    tmp = 4 * i ** 2

    num *= tmp

    den *= tmp - 1

  my_pi = 2 * (num / den)

  return my_pi


if __name__ == "__main__":

  print wallis()

土曜日, 8月 15, 2009

初めてのアップグレード

 LAに帰る飛行機で初めてのアップグレードを経験しました。つまり、エコノーミーで予約したのだけど、何らかの事情で席が満席になり、ビジネスクラスに格上げになったのです。噂には聞いていましたが、いやー、本当に快適でした。座席はゆったりとしていて、お休みモードにするとほぼ横になることができます。
 席に着くとまずスチュワーデスさんがやってきて自己紹介をし、ウェルカムドリンクの希望を聞きます。もちろんコーラなんてたのみません。シャ、シャンパンです。食事がまたおいしい(写真は夕食の前菜)。「味のIT革命や〜!」(彦摩呂風)という感じです。
 周囲をきょろきょろと見渡してみると、お金持ち風な人たちばかりで、短パンにTシャツの僕は若干浮いていました。中には、見事なまでの小麦色の肌に花柄のワンピースという姿の女性がいました。たぶんプロテニス選手だと思います(テレビで見たことがある気がするのだが、名前はわからない)。成田→LAXは 9時間20分ですが、ぜんぜん長く感じませんでした。初めてのビジネスクラスでLAに無事帰ってきました。

火曜日, 8月 11, 2009

プチ太郎

 しばらく見ないうちに日本や僕の周囲はどんどん変化していた。僕自身も変化した(体重が6kg増えました...orz。体脂肪率は12%であまり変わりないのだけど)。プチ浦島太郎状態。ラボのみんなは元気だった(K川さんおめでとう!お幸せに)。家族も元気だった。そして猫たちも元気だった。源太ずし寿恵川のうなぎもおいしかった。温泉にも入った(かんぽの宿・いわき)。4ヶ月ぶりの日本を満喫しました。充電完了、そろそろ仕事に戻る時間です。今週の金曜にLAに帰ります。
 まず来週は国際会議Scipy@カルテクに参加、来月はOferラボ@ニューヨーク、その後、ボルケーノ@北カリフォルニアで野外調査。その間、EVOLANG8のアブストとシミュレーション、論文を仕上げたい。日本でできることをアメリカでやってもしょうがない。UCLAの恵まれた環境をフルに生かして、ひと化けもふた化けもする(体重以外)。

金曜日, 8月 07, 2009

夏の4冊

 湿度過多にゲリラ豪雨、コンビニと自販機、満員電車、人、ヒト、ひと。東京に帰ってきたのだなと思う瞬間。言葉が普通に通じるのも変な感じ。ロサンゼルスでは話が通じないことも多々ある。一時帰国の主要目的だった書類提出、研究打ち合わせ、セミナー、が終わって少し安堵している。日本語でのセミナーは久しぶりだったので、舌が回らなかったり適当な言葉が出なかったりして、ちょっとぎこちない場面もあった。質問もたくさん出たので、僕のセミナーは楽しんでもらえたのだと思う。
 東京でやりたかったことの1つ。それは最近の本を仕入れること。ロサンゼルスの日本人向けの本屋で買うと1.6倍の値段がするのだ。それは高すぎる。読みたかった本を生協とジュンク堂でまとめ買いした。一気に読むぞ。

相変わらず話の構成と文章がうまい

Getting Things Doneの基本

大野先生の力作

音声認識の一般読者向けの本

土曜日, 8月 01, 2009

しばし日本へ

 Mの向こうにS(un)が沈む頃、夕刻の街を33歳のチャリダーは駆け抜ける。風がとても心地良い。今日から2週間ほど日本に帰国するので、ロサンゼルスとはしばしのお別れ。LAXを1日の昼に出て、成田に着くのが2日の夕方なので、何か損した気分。次の日から、山のように書類があるので、きっとあっという間に時間は過ぎるのでしょう。実りある一時帰国にしたいものです。

金曜日, 7月 31, 2009

LAの日本人研究者たち

 先週の土曜、アパートで知り合った日本人の皆さんとBBQをしました。うちを含めて5家族が参加しました。僕以外は全員お医者さんで、1年とか2年、研究をするために家族でロサンゼルスに来ているそうです。夫たちは肉とビールをほうばりながら仕事の話をし、子どもたちは楽しそうに駆け回り、妻たちも楽しくおしゃべりをしていました。強い日差しの中、肉と同じぐらい焼けた楽しい1日でした。
 BBQ後、ロス在住の日本人研究者の集まりがあるからと誘われて、Nibei財団の集会に行って来ました。月に1度講演会を開き、交流の場を提供しているそうです。この日はUCLAの学長Gene Blockが講演をするというので、大勢の人たちが詰めかけていました。Gene Blockは生物時計の世界的権威で、何と学長なのにラボを持っているそうです。多忙な学長のスケジュールをこなしつつ、最先端の研究をするなんて超人ですね。講演も面白かったです。行動から神経回路まで、いたるところに24時間の周期現象が存在するというデータを見せてくれました。光のあたらない暗闇にいると、人の生物時計は後ろにズレ、ネズミの場合は前に進むそうです。それから時差ボケに関して、脳はかなり素早く現地時間に適応するのだけど体の方がそれについていけず、脳と体のアンバランスから生じるのではないか、という仮説を唱えていました。ちなみに、学長は日本好きで、車もスカイラインに乗っていました。

金曜日, 7月 24, 2009

足下の生態系

 毎朝決まった時間にPeet'sにやって来て、紅茶とデニッシュを買って外の席に腰掛けるおじさんがいる。このおじさん、デニッシュをひとくちサイズにちぎってはテーブルの上にポイッポイッと置き、半分も食べない。しばらくすると、毎度どこからともなく1羽の黒い鳥がやってきて、テーブルの下にこぼれたデニッシュのカスをついばみ始める。着地の時に1本の足をすぐに引っ込めるので、きっと足をけがしているのだろう。この鳥は頭の回転がよろしくないらしく、テーブルの上にあるパンには全然気付かない。いつまでたってもおじさんの足下をうろうろしている。
 面白いのはここから。この黒い鳥がやってくると、それを見ていたスズメやスズメみたいな鳥たちがわんさか押し寄せて来る。そしてあっという間に餌の場所を突き止め、デニッシュを持ち運んでしまう。さずがにカチンと来たのか、黒い鳥はスズメたちの後を追いかけるが、後の祭り。一羽のスズメを追いかけている隙に、別のスズメが餌を奪って行ってしまう。最後にはハトまでやってきて、残りを平らげてしまう。一番最初に餌の情報を仕入れながら、一番損をするとは。情報の上にあぐらをかくべからず。いや、この鳥がバ○なだけか...。

火曜日, 7月 21, 2009

バジる

 3週間ぐらい前から、我が家では家庭菜園を始めた。バジル、サラダ菜、ネギ、大葉。一番最初に芽を出したのがサラダ菜とネギで、スタートダッシュがすごかった。バジルは着実に生長し、今はこんな感じ。先週から、ちゃんとバジルの香りがするようになった。間もなくピザやモッツァレラチーズの上で活躍するに違いない。
 一方、サラダ菜は最近ぐったりとして、ネギも密度が高すぎるのかうまく生長してくれない。適当に種をまけばよいというものではないらしい。かなり遅れて、ようやく4つぐらいの大葉が芽を出し始めた。しかし、遅々として生長しない。期待を込めて「遅れてきたルーキー」と呼んでいたが、名前を改めることにした。「遅れてきたうんこルーキー」。だめだこりゃ。

木曜日, 7月 16, 2009

一時帰国前に思うこと

 最近は夏の日差しが照りつけ、30度近くまで気温が上がる。しかし、湿度が極端に低いので汗はほとんどかかない。アメリカの生活も4ヶ月目、開放的な雰囲気の中で、研究も生活もエンジョイしている。
 8月に2週間ほど一時帰国するので、これを機会にこれまでやってきたことや、まだやれてないことを振り返ってみる。まず研究。4月から1ヶ月半ぐらいは、しこしこプログラム書いていた。これができてからはデータ解析がぐんと進んだ。ある程度まとめる目処がついたので、ここからが腕の見せ所。問題の切り口のおもしろさ、方法の妥当さ、結果の明瞭さ、考察の鋭さ、これらが欠如した偽物論文は書きたくない(インクと紙の無駄→CO2増→エコじゃない)。
  • Do one thing really really well (1つのことをうんと良くやる)
  • Stay true (本物でいよう)
1つ目はGoogleのポリシーで、2つ目はPeet'sのポリシー。そして、これらは僕のMotto。
 やれてないこと。1つは英語。Chuckは「カズトシノエイゴハダイジョウブ」と言ってくれるけど、研究以外になるとヘボなのでまだまだ。今年はカリフォルニアの財政難で、無料のESLのサマースクールは(ほぼ)すべてキャンセルになってしまった。秋からUCLAの国際交流館でESL上級者コースが始まるはずなので、それに行こうと思っている。自習に利用しているESL Podcastは分かりやすいのでお勧めです。やれてないことのもう1つは写真。写真の腕をあげたい。

水曜日, 7月 15, 2009

動物行動とカオス

 ウェストウッドのPeet'sでコーヒーを飲んでからラボに行くのが僕の習慣。毎日ほぼ同じ時間に来て、「コーヒーS、マフィンは要らない、レシートも要らない」という僕の台詞を覚えている店員さんがいて、いつも「Have a good day!」と気持ちくコーヒーを渡してくれる。コーヒーを飲みながら読書するこの時間が好きだ。
 先月は「動物行動学入門 (同時代ライブラリー (185))」を読み直した。1985年の本なので、内容的には古くなっている部分もあるが、動物行動学の基本がとてもしっかりと書かれている。原書も訳本も古本でのみ入手可能。
 今月の本は「水滴系のカオス」。こちらも原書は1984年と古いのだが、翻訳されたのは2006年。訳もしっかりしているし、補足やその後の進展、参考文献など、原著にはない情報が付加されている。モデルを用いて複雑な現象を理解するというやり方のとてもよいお手本。以下は、目から鱗が落ちた箇所。
「モデル」とは、対象となる系の定性的振舞いを分析するため、関連する変数全てを用いずに、少数の変数とそのダイナミクスによって系を表現したものである。
...(途中略)...
この単純なモデルは何ら予測能力をもたないが、水滴系の振舞いを一次のオーダーで近似する程度の記述力をもっている。 水道のポタポタは、ミクロの規則とは関係なく生じるマクロな現象で、少数自由度カオスの良い例となっている。そのような系の予測可能性を情報理論を用いて考察する、というのがこの本の狙いである。どちらの本も書かれたのが1980年の半ばなんだ。かたや動物行動学かたやカオス。そんな時代だったんだ。

追伸(2009.07.10):
上記のSlater本は、その後、"Essentials of animal behaviour"という名前で再出版されていました。

月曜日, 7月 13, 2009

ランチパーティー

 TaylorラボのZacとAlex、Alexのガールフレンドを招いて、ランチパーティーをしました。日本食がよいだろうということで、奥さんが腕を振るって、ちらし寿司、野菜の天ぷら、豚の角煮、サラダ、けんちん汁を作りました。これだけ大がかりなパーティーをやるのは初めてです。
 Alexたちは昼過ぎにビールとフルーツタルトを持ってやって来ました。University Apartmentに来るのは初めてだそうで、「いいところだ」と感心していました。今月から多少値上がりしたとはいえ、$1,240で2ベットルーム・1バスルームの部屋は、ロサンゼルスでは格安です。大学が管理しているので安心だし。部屋を案内すると、あまりの物の少なさに驚いていました。2つの部屋のうち、1つは寝室、もう1つは書斎で、書斎は机しかありません。しかし、僕はこのシンプルさが気に入っています。
 御馳走に舌鼓を打ちながら、研究のこと、日本のこと、カリフォルニアのこと、家族のことなど、ぎこちない英語ながら楽しく話しました。Alexのガールフレンドがベジタリアンなので、奥さんが献立に苦労していましたが、おいしいと好評でした。次は、Alexが呼んでくれるそうなので、どんな料理がでるのか楽しみです。

火曜日, 7月 07, 2009

Birdsong Seminar

 Whiteのラボの人にお願いされて、月一でやっているBirdsong Seminarで発表した。夏休みということもあって、聴衆はいつもより少なかった。それでも、ChuckやArnoldをはじめ数人の先生と、ポスドクや院生が10数人来てくれた。少し拍子抜けしたけど、発表は全力でやった。最近やっている歌発達ダイナミクスの情報理論による解析について発表した。たくさんのp*log(p)を見せられても、生物系の人にはピンと来ないかもしれないと思い、いくつか簡単な例を分析してみせた。それが功を奏したのか、わりとみんなに興味を持ってもらえた。マイコドリの求愛ダンスを研究しているSchlingerと博士過程の学生さんは、僕の手法を使ってみたいと言っていた。僕も興味があるのでおもしろそうだ。下の動画はすごい。
 中には、ダイナミクスを語っても、「で?」とか「その現象の実体は何なの?」みたいなことを言う人もいた。それはそれで仕方ない。神経科学の人は、実体がないものはお気に召さない。ある現象を見つけたとして、彼らは、それに対応する遺伝子ニューロンといった実体を探したがる。それは理解ではなくてマッピングだ。「これです」と指差すことが理解じゃない。もちろん重要な作業ではあるけど。ニュートンが万有引力を定式化したのだって、落ちて来るのはリンゴじゃなく、ナシだってカボチャだってよかったはずだ(カボチャが落ちてきたら、骨折じゃすまないだろうけど...)。僕は、実体を流れさせるもの、その効果について知りたい。
 セミナーで発表するとアドレナリンが悪さをする。たぶん、出っぱなしになるんだ。勢いに任せて書いてみた。

日曜日, 7月 05, 2009

AX09

 ダウンタウンのコンベンションセンターで開かれたアニメの祭典、アニメエキスポ(略称AX)に行ってきた [Link]。北米最大のアニメコンベンションだそうで、会場にはお気に入りのキャラのコスプレをした人たちが大勢詰めかけていた。僕もどーもくんもどきと写真を撮らせてもらった(中に入っていたのは女性だったけど)。
 僕は、特定のジャンル(例えば、攻殻機動隊などのSFとか宮崎作品とか)を除いてあまりアニメは見ないが、文化としてあるいは表現方法としてのアニメにはとても興味がある。言葉では一次元的すぎる。絵のみの二次元は広すぎる。空間的広がりと言葉の制約によって、時間も織り交ぜながら、違う方向に緻密な表現を展開できるのではないか。日本のアニメのすごさの所在は人によって解釈が違うだろうけど、理屈はともかく、これだけの人を魅了し続けているのだから、これが何でもない訳がない。下の写真はDSになりたかった人。ふたを閉めたらただの箱。自虐的なギャグだろうか?