月曜日, 12月 26, 2011

寒い仙台で熱い議論

12/22, 23と2012年度第二回目の社会的知能発生学研究会が仙台で開かれた。今回は幹事補佐を仰せつかったので、スケジュール調整や講師打診、報告書の作成などの仕事をした。講師の選定には難儀したが、粘菌の研究でイグノーベル賞をとられた中垣先生など、ユニークな研究をしておられる方々に講演していただくことができた。僕も「情報生態系としてのTwitterネットワーク」というタイトルで話題提供をした。「知能」に興味をもつ様々な分野の研究者が一同に会して、ざっくばらんに議論できるのでとても有意義だ
 クローズドな会なので研究内容を詳細に書くわけにはきませんが、中垣先生の研究は既に論文と本になっているので、その一部を以下に記したい。(以下は、僕がまとめた報告書からの抜粋)

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 粘菌は神経系のない単細胞でありながら、不確定な環境でも適応的な行動を示すことが知られている。中垣氏らのグループは、真正粘菌モジホコリの変形体をモデル生物として、その適応的なアメーバ運動に関する情報処理の性質やメカニズムについて一連の実験を行っている。実験結果から、粘菌は迷路の最短経路を探す計算能力があることや、ダイクストラ法などのアルゴリズムとは別の形で多目的最適化を実現できることが示された。また粘菌は、周期的な環境変動を学習し予測することができ、迷いや個性と呼べるような性質をもつことが示された。さらに、それぞれの振舞いをもたらすメカニズムを解明するために、細胞生理学の実験事実に立脚した数理モデルが導入され、エサの輸送の流れに関する比較的単純なダイナミクスから、適応的な振舞いが生み出される様子が示された。
 このような単純な生物が示す適応的な振舞いは、知性の起源を考える上でとても重要であるとの議論がされた。また、粘菌のように物理運動が処理過程を担うよう情報表現とビット列による情報表現の違いは何か、複雑な生物の示す高次の知性(特に、社会的知性)とのつながりをどう考えるか、などの議論がなされた。


日曜日, 12月 25, 2011

クリスマス 2011

2011年のクリスマスがあっという間に過ぎようとしている。今年も奥さんが腕を振るい、キッシュとサラダ、クラムチャウダー、焼きたてのパンと鳥の丸焼き(これは生協)というディナーメニューだった。特に焼きたてパンが、香ばしくてほんのり甘くて美味しかった。
 そしてクリスマスケーキは昨年に続きラブリコチエ。少々お値段はするが、このボリュームとクオリティー。3層になっていて、甘過ぎない生クリームとイチゴがぎっしりで、とても美味しかった。
 クリスマスイブが終わると、一気に年越しムードになる。店の店頭にはサトウの鏡餅と正月飾りが山積みになっている。今年に別れを告げる前にできることをっと。



土曜日, 12月 17, 2011

区切り

今月の進捗状況報告が終わり、何となく自分の中では区切りがついた観がする。ここ2か月ぐらい研究の進む方向がぼんやりとしていたが、うんうんと悩んだ結果、少し頭が整理された。論文になりそうなテーマを3つ抱えているのだが、3月までにはそのうちの1つを形にしたい。
 Chuckたちとの論文は今週月曜に再投稿し、現在、審査中。レフェリーのコメントには全て答えられたし、だいぶ内容も洗練されたので、受理の吉報がほしい。理研時代からの宿題になっている論文も何とかせねば。
 ひつじ書房から出版される「進化言語学の構築」のために執筆した「言語進化の動的理解ー生物言語学と構成論的モデルによるアプローチ」は一回目の校正を終え、こちらは問題がなさそう。ああ、人工知能学会誌にも記事を書かねばならないのだった...。
 One thing at a time. 一歩一歩前へ進んで行こう。

木曜日, 12月 08, 2011

東京モーターショー2011

今年のモーターショーは幕張メッセではなく、東京ビックサイトで開催されている。義兄からチケットを安く買ったので、久しぶりに行ってきた(このために有給休暇をとった)。院生の頃、東京国際交流館に住んでいたので、実は、このあたりをよく自転車でサイクリングしていた。それ以来なので、懐かしい感じがした。
 平日とはいえ、企業の人、暇な大学生、コアなカーマニア、コンパニオン目当ての人など、来客数はとても多かった。きっと土日は混雑しすぎて、車を見るどころではないだろう。
 新生フェアレディーZがお目見えした頃と比べると、自動車に求めるものが随分と様変わりした。ショーの規模はだいぶ縮小され、全体的にエコカーの出典が多かった。特に、どの企業も電気自動車に力を入れているようだ。それから、きわどい衣装の女性コンパニオンが減り、かわってイケメンの男性コンパニオンが増えていた(いろいろな嗜好があるのだろう)。
 当然、例年よりスポーツカーの数が少なかったが、トヨタの86、マツダのTAKERI、スバルのBRZは、熱心に見入るファンが多く、僕も格好いいなと思った。スポーツカー以外では、SUZUKIのQ−Conceptという二人乗りの小型車がよくできるなと思った。
 今後、自動車という乗り物はどのように進化/深化していくのだろう。


ビックサイト入り口

トヨタの86


スズキのQ-Concept

金曜日, 12月 02, 2011

英語版

先日、思想地図βに掲載された僕の論考の英語版がWebで公開されました[Link]。こちらは無料でご覧になれます。鳥の音声は聞けないので、興味のある方はぜひGenron Assortというアプリをダウンロードして、package 001をお買い求め下さい。デザインもシンプルで素敵です。  12月。今年も残すところあとわずかです。懸案事項の論文を再投稿し(締切があるので来週中!)、ラボと研究会での発表を乗り切り、ばんばん研究も進め、悔いは出来るだけ残さず年を越したいものです。今年も我慢の年となりましたが、少しずつですが運は上向きになってきていると思います。

火曜日, 11月 22, 2011

研究室見学

高校生が研究室見学に来るということで、説明員の一人に選ばれ、自分の研究の話を10分にまとめて話した。理研にいた時は毎月のようにやっていたので、説明はもはや慣れっこだ。
 今日来たのは静岡の県立高校の学生で、みんな熱心にメモを取りながら話を聞いていた。僕が高校生の頃は、研究室訪問のようなイベントはなかったので、正直うらやましい。多感な時代に最先端の研究、特に数理モデルのことを知っていたら、もう少しまじめに数学を勉強したのに。
 研究者の前で発表するのとは違い、素直に関心を顔に出してくれるので、真面目な高校生の前で発表するのは楽しい。

木曜日, 11月 10, 2011

久々のオーラル

来年の3月に京都で開催される国際学会Evolang9に、口頭発表として採択された。タイトルは「Evolution of Small-world Birdsong Syntax: An Implication for Language Evolution」。ちなみこの学会の参加成績は次のような感じ。
  • Evolang5(ライプツィヒ)
    参加できず(投稿論文はリジェクト)
  • Evolang6(ローマ)
    口頭発表(若気の至り的なほろ苦いデビュー)
  • Evolang7(バルセロナ)
    参加のみ(提出論文はリジェクトされた)
  • Evolang8(ユトレヒト)
    ポスター発表(提出論文は1つポスターでアクセプト、もう1つはリジェクト。大会のプログラムがまずく、あまりポスターを見に来る人はいなかった。このときアイスランドの火山が噴火して、帰国できないのではとひやひやした。)
 今回はノーム・チョムスキーが招待講演でやってくる。その他の招待講演も豪華だ。彼の前で発表できたら嬉しいが、めっちゃ緊張しそうだ。僕の発表はUCLAでやっていた研究で、思想地図β vol.1の論考になったもの。
 まだこの研究内容と言語進化の関わりがちゃんと言えてないので、どのぐらい説得力のある考察ができるかが勝負だ。

水曜日, 11月 09, 2011

がんばれ、とらお!

 妻の実家で飼っている猫のとらちゃんが先週から具合が悪い。他の2匹の餌まで食べてしまうほどの食欲だったのに、今はなかなかご飯を食べてくれない。獣医さんに最初は糖尿病と診断されたのだが、糖尿病特有の食欲の旺盛さはない。心配だ。
 余談を許さない状況だが、昨日から少しずつ食欲が回復しているようなので、このまま順調に行ってほしい。
 男嫌いで、僕を見ると逃げ回っていた元気なとらちゃんに戻ってほしい。下の写真はまどろむとら。がんばれ、とら!病気になど負けるでない。






日曜日, 10月 30, 2011

テクノロジーとイノベーション

 久々に骨太の面白い本に出会えた。著者はテクノロジーの進化において収穫逓増(しゅうかくていぞう)というメカニズムが働いていることを指摘し、複雑系経済学の先駆けとなったブライアン・アーサー。
 テクノロジーとは何か。そして、それはどのように進化するのか。テクノロジーの進化理論を作るべく、著者の深い思索が展開されていく。
 大量データに圧倒される毎日を過ごしていると忘れがちだが、自分もこういう研究がしたくて複雑系に転じたのだった。読破しよう。



日曜日, 10月 23, 2011

そわそわ

 いつもこの時期はそわそわと落ち着きがない。科研費や論文の締め切りがあったり、がんばりも空しく悪い知らせが届いたりもする。腐っても何も良いことはない。
 ここまで何とかやってきたのだから、これからも何とかなるだろう。そう自分に言い聞かせて、眼前のことに集中することにする。さあ、明日からまた頑張るぞ。
 
 
 
 

土曜日, 10月 15, 2011

電子書籍になりました

 思想地図β vol.1に掲載された「鳥の複雑なツイートとその進化的デザイン」が電子書籍化されました。genron assortというアプリをダウンロードすれば、iPadやiPhoneで読めるようになります [Link]。package 001(350円)に浅子さんの論考とともに入っています。
 電子書籍版では、オオムジツグミモドキのさえずりを聞くことが出来ます。また、グラフがカラーになっています。アプリもシンプルで使いやすく、デザインが素敵です。
 この論考が多くの人にいろんなかたちで読まれることになり、著者としては幸せです。コンテクチュアズの皆様ありがとうございました。


木曜日, 10月 06, 2011

ジョブズ逝く

 彼の遺作となるiPhone4Sの発表の翌々日、ジョブズが亡くなった。今日のIT系のニュースではその話題で持ちきりだ。Appleの製品の魅力は彼の強烈な個性とセンスの賜物だ。これからのAppleはどうなるのだろうか。彼の意志を引き継ぎつつ新しい方向性を見せてほしい。
 以前ブログにも載せた彼がスタンフォード大学で行ったスピーチを再び載せたい。彼のトークには独特の魅力がある。Stay Hungry, Stay Foolish。

月曜日, 9月 26, 2011

検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?

 東日本大震災の際、電話や携帯はほとんど機能しなかったのに対して、インターネットは比較的安定して機能し、特にソーシャルメディアが大きな役割をしたことがその後の調査で明らかになっている。「大震災とソーシャルメディア」をテーマとした本は様々があるが、本書は在外邦人からの視点で書かれているのがおもしろい。著者は僕も1年ほど通ったUCLA出身のブロガーで、ソーシャルメディア革命という本も書いている。海外でどのような反応があったのかが興味深かった。
 先日の台風の際も都心ではやはりTwitterが有効だった。鉄道会社のホームページを見るよりも早く電車の運行状況がTwitterのタイムラインに流れた。車掌さんが気の利いたツイートをして乗客なごませたということもあった [Link]。これからますますソーシャルメディアはリアルを変えていくのだろうなあ。



 こちらもお勧めです。


火曜日, 9月 20, 2011

自炊

 念願のスキャナ付きのプリンタを購入した。自宅にある大量の雑誌や本を裁断してスキャンしてPDFにしたかったので(いわゆる”自炊”)、ADF付きの機種を探していてEPSONのEP-904AとbrotherのDCP-J925Nで迷ったが、店員さんの説明を聞いてコストパフォーマンスのよいbrotherに決めた。
 さっそく自宅のMacを無線LANで繋いでみたが、トラブルもなく順調に動いている。スキャナの使い心地もまずまず。試しに今年の物理学会誌の記事を片っ端からPDFにしている。
 写真印刷のきれいさが売りの6色インクのプリンタもあるが、よくよく考えてみると、きれいな写真を印刷するのは年に数えるほどで、ちょっとしたものを普通紙に印刷することがほとんどだ。「必要充分な高画質を最低限のコストで実現できるプリンター」というborherの宣伝文句は最もだと思う。DCP-J925Nはヨドバシカメラで22,000円だった。一体型も安くなったものだ。




水曜日, 9月 07, 2011

国宝松本城

 学会に参加した後、市内を散歩しつつ松本城を見学してきた。すっかり秋めいてきた青い空に天守閣がきれいに映えていた(Link)。現存する城のうち天守閣が残っているものは少なく、国宝は松本城を含め4つしかない。
 天守閣の中の階段の傾斜はかなり急で、最上階の6階まで上るのは結構体力がいる。最上階から市内を見渡すと、かつてはここが一番高い場所だったのだろうが、今ではもっと高いのっぽの建物が見える。お殿様が現代にタイムスリップしたら何と言うだろうか。ちなみに松本藩の初代藩主は石川数正だそうだ。徳川から豊臣に謎の寝返りをした知将だ。



 散歩の仕上げは旧開智学校。町民の寄付によって出来た町民のための学校で、こちらは重要文化財に指定されている。和洋折衷の古くて美しい建物だ。かつての学び舎の雰囲気が伝わってくる。
 松本市内は倉を改装したお店があったり古い街並が残っていて、散策するのが楽しい。


月曜日, 9月 05, 2011

ソーシャルメディア炎上事件簿

 最近ではTwitterは馬鹿発見器と呼ばれている。つい先週も製薬会社のある女性が、睡眠導入剤のハルシオンを飲み会で上司の酒に入れたなどとTwitterに書き込み大問題となった [Link]。
 この本はこのようなソーシャルメディアでの不注意な言動が原因となって炎上し、社会的問題にまで発展した事例をパターンに分けて紹介している。また、個人や企業が炎上を防止するための対策についても述べている。なかなか面白かった。
 TwitterやFacebookなどは簡単に利用できるだけに、ついその拡散力のことを失念し不用意につぶやいてしまう。対面のコミュニケーションと違い、後になってから「言い過ぎました」とか「言葉が足りませんでした」などと謝っても受け入れられづらい。ソーシャルメディアのおける一語の重さを念頭に置くべきだろう。

日曜日, 8月 28, 2011

パンダづくし

 ぱんだ珈琲店なるこのお店は何から何までパンダ一色だ。店内の装飾、グッズ、オムライスやカフェオレの模様、ランプ、そしてトイレの芳香剤まで。パンダ好きにはたまらないカフェだ。
 僕は水出しコーヒーをいただいたが、程よい苦みで美味しかった(レトロなグラスだ)。手の込んだパンダの装飾があるので、食べ物も飲み物もそれなりにお値段がするが、見かけだけではなく味はおいしい。
 途切れることなくお客さんが来ていて、常連さんや雑誌を見て来ている人がいるようだった。そして、今年パンダが来日してからお客さんが増えたそうだ(Link)。
 徹頭徹尾パンダ。何事も極めるのは大事だ。

火曜日, 8月 23, 2011

カフェ放浪

 休日は毎度カフェを巡っているのだが、先日はついてなかった。久しぶりにアンリ・ファーブルに行ったら、この日は高円寺ビアテラスのイベントや渡辺えりさんの劇団の演劇があり、大勢の人で満席
 仕方なく、前回行ったときにピザがおいしくて雰囲気が良かったAll C's Cafeに移動した。しかしこちらもお客さんが多く、窓際のソファー席はすでにうまっていて、奥のテーブル席に通された。
 店内には何かのコラボ企画でTシャツなどいろいろなグッズが飾られていて、その関係の人が数人お店にいた。この人たちが感じ悪かった。となりの席でタバコを吸いだしたので、他のお客さんが帰ったときにすかさず席を移動した。そしたらこの人たちも隣の席に移ってきて、すぱすぱやり出した。たまらなくなってお店をでた。赤ちゃんを連れたお客さんもいたのだから遠慮してい欲しいものだ。
 このまま家に帰るのもなんなので、前から気になっていた日本茶房ひとときに行った。二階の和室でちょっとした和菓子と日本茶や紅茶をいただくことができる。実家にいるみたいでとても落ち着けた。最初からここにくれば良かった。このお店をブログに書いてる方がいました [Link]。
 

火曜日, 8月 16, 2011

がれき座の向こうの"きぼう"

 帰省中、アクアマリンふくしまのある小名浜に行ってきた。ここには二度訪れたことがあるが、展示の質・量ともに日本屈指の素晴らしい水族館だ。今回の震災で津波の被害に遭い、魚や多くの生き物が命を失った。入り口の消えたままの信号機や壊れたままの倉庫がその惨状を物語っている。しかし、アクアマリンの建物は耐え残った。
 避難先の鴨川でアザラシの赤ちゃんが生まれたことがニュースにもなった(”きぼう”と名付けられた)。7/15にアクアマリンは再オープンした。この日も県内だけでなく県外からも多くのお客さんが訪れていた(観光客ではなく帰省した人たちなのだろう)。
 がれきで作ったステージの向こうに、いわき復興のシンボルとして、福島の希望として、アクアマリンは立っている。

月曜日, 8月 08, 2011

カブトムシの頃

 学校はもう夏休み。僕が小学生の3,4年生頃は、夏休みと言えば昆虫採集に明け暮れたものだった。お盆休みになると浪江の祖父母のところへ泊まりにいき、いわきではあまり見かけない珍しいトンボや蝶蝶を四六時中追っかけていた。
 ある時どうしてもカブトムシがほしくて朝5時にいとこの兄ちゃんを起こしに行ったら、「カブトムシはまだ寝てる」と言われ、「そうか」と納得していったん帰り、6時に二人で山へ出かけたら結局小クワガタしか残っていなかった、なんて思い出もある。とにかく僕は夏休みが大好きだった。
 カブトムシ、蝶蝶、桃、トマト、チューペット、花火、甲子園、プール、盆踊り、お泊まり、キャンプ、海 ...。夏をワクワクさせるキーワードはたくさんある。夏を真正面から楽しめないのは損だ。最近の自分を見て、そう思ったのでした。
 

日曜日, 7月 31, 2011

cafe apartment

 また1つ高円寺のお気に入りカフェが増えた。お店の名前はcafe apartment。ずっと気になっていたのだが、以前訪れたときは満席で断念したのだった。今回はたまたますいていたので、ゆっくりとした時間を過ごすことができた。
 店の中はおしゃれなアパートの一室といった感じで、テーブと座布団があったりして自分の家のようにくつろげる。(残念ながら店内の撮影はNG。食べ物などの写真はOK。)僕が好きなブラックベアのぬいぐるみがあった。
 写真は妻が食べたスコーンで、焼きたてのものを出してくれる。ほんのりと甘く、ジャムを付けて食べると程よい。コーヒーも深煎りで僕の好みの味。2時間ぐらい長居して、ネットをしたり本を読んだりしてリラックスして過ごした。
 平日は比較的すいているので狙い目だけど、水曜日は定休日なので注意。

月曜日, 7月 25, 2011

らいおん

 Mac OS X Lionが先週発売になり、早速アップデートしてみた。価格は2,600円で、今回はパッケージ販売はせず、App Storeからのダウンロードのみとなる。あまり推奨されない方法だが、Lionの起動ディスクを作ることもできるようだ[Link]。
 Macbook ProとAirにインストールしてみたところ、Proの方は動作が少し緩慢になったが、SSDに取り替えた初代Airの方はさくさく動いた。今のところ目立った違いは感じないが、細かいところが改善されている。ただ、前回Snow Leopardにアップデートしたときもそうだったが、周辺機器やソフトがまだLionに対応していないものが多く、アップデートを早まった観はある。少なくとも一か月は様子を見るべきだったか。
 今回、パッケージ管理はMac PortsからHomebrewに乗り換えた。emacsとscipy以外はすべてインストールできた。道具は一通りそろったので研究するのだー。

追記: 下の本によるとLionは同一アカウントなら複数台インストール可能だそうだ。

木曜日, 7月 21, 2011

ラブホルモン

 今年度から社会知能発生学研究会のメンバーとなり、先日、第一回目があった。たまに違う研究の話を聞くのは楽しい。
 一番興味深かったのは東田陽博先生の「オキシトシンと自閉症」の話だ。自閉症はコミュニケーション能力に困難が生じる障害で、脳機能の異常が関係しているとされるが発生原因は分かっておらず、治療方法も確立していない。しかし近年、オキシトシンというホルモンを投与すると自閉症の症状が劇的に改善される例が報告されてきているそうだ。
 最初にオキシトシンが注目されたのはハタネズミの研究で、一夫一婦制をとる平原ハタネズミの方が一夫一婦制をとらない山岳ハタネズミよりも優位に血中のオキシトシン濃度が高いことから、オキシトシンは社会性と関係があると考えられるようになった。
 その後、人間でもオキシトシンの投与で他者への信頼が増すことや、夫婦喧嘩を鎮める効果があることなどが実験的に検証されてきた。そのためオキシトシンはラブホルモンと呼ばれることもある。今のところオキシトシン投与による深刻な副作用は知られていないので、自閉症の治療薬として期待されている。
 血中にほんのわずかに存在するホルモンががらりと人や動物の行動を変化させる、というのは考えてみれば不思議だし、怖さすら感じる。生命はまだまだわからないことが多い。

火曜日, 7月 12, 2011

世界をみよう

 座・高円寺で「みにくいあひるのこ」人形劇を観てきた。この建物の二階にあるアンリ・ファーブルには頻繁に行くのだが、ここでお芝居を観るのは初めて。7/8から19日まで「世界をみよう」と称した演劇フェスティバルが開催されていて、デンマークやドイツのグループがやってきてパフォーマンスしている。
 みにくいあひるのこは小さい頃に絵本で読んだきりで、久しぶりにどんな内容だったのか思い出した。劇は二人の女性がパペットを繊細に操り、言葉は一切用いず、動きで感情を表現する。また音楽がそこにいい具合に絡んでくる。テレビやネットに刺激的な表現が溢れるこんな時代だからこそ、新鮮で懐かしい感じがした。
 8月からは渡辺えりさんの劇団による「ゲゲゲのゲ」が講演される。これも楽しみだ。演劇にはまる予感大。

日曜日, 7月 10, 2011

今日は休日?

 休日分散のため2日連続の休みがなくなり、その替わり「2, 3日働くと休み」という生活リズムができた。ただ平日が休日だと正直休んだ気がしない。平日の変な緊張感を引きずり、体が違和感を覚えるからだ。5日がっつり働いて、2日がっつり遊ぶ、というのがやはり僕には合っている。
 休みの日はもっぱらカフェでまったりとして時間を過ごしている。高円寺の"鉄板カフェ"は何度か紹介しているアンリ・ファーブルバーボン・タコスカフェ。アンリ・ファーブルは結婚パーティーのときにもお世話になり、僕ら夫婦のNo.1カフェだ。先週水曜に久しぶりにおじゃました。
 バーボン・タコスカフェは極うまのタコスやタコライス(写真)がいただける。こちらには昨日行ってきた。
 どちらのカフェも落ち着いた雰囲気で長居できる。高円寺にはたくさんいいカフェがあるのだが、結局、この2つを超えるカフェにはなかなか出会えない。今年の夏は(も)頻繁にお世話になりそうだ。
 さて今日は日曜だから出勤日...。変な感じ。

火曜日, 6月 28, 2011

猛暑の予感

 猛暑が始まった。ラボの僕の席は窓際で午後は強烈な西日がさす。今日はブラインドを下し、遮熱カーテンをしても、モニターの前は33℃まで上昇した。当然、冷房はつけていない。頭がのぼせた状態でプログラムを組み、走らせ、そうするとPCの熱でさらに温度が上昇する。
 ちょっとでも体を冷やそうと新アイテム「ウォータークールベルト」を導入した。首に巻く布状のもので中にジェルが入っている。水を含ませて首に巻くとしばらくの間ひんやりとする。今日は1時間に1回は水を含ませなおした。
 こんな暑さとの格闘があと数ヶ月は続きそうだ。今週から生研は消費電力を分散させるため、土日のどちらかが出勤日になり、平日のうち1日が休みになる。

月曜日, 6月 27, 2011

豚ヒコ

 渋谷でカフェと言えば以前ブログにも書いたMame-Hicoだが、今回は三号店、その名もMame-Hico Part IIIに行ってきた。
 お店の中に入ると大きなカウンターがあるだけで、テーブル席はない。そして不思議なことにメニューにとんかつがある。といってもキッチンの後ろに別の部屋があって、そこがとんかつ屋さんになっている。店の中に店があるおもしろい作りだ。
 読書のお供にアイスコーヒーとフルーツケーキをいただいた。ちょっとお高いがおいしいし、店内の雰囲気がいい。渋谷の一号店よりも落ち着ける。食べログの評価が高いのもうなづける。今度はとんかつをいただいてみたい。

水曜日, 6月 22, 2011

アウトバックステーキ

 妻の誕生日に渋谷のアウトバックステーキに久しぶりに行ってきた。初めてここのステーキを食べたのは南大沢に住んでいる頃で、肉厚のステーキに感激したものだった。今は南大沢店はなくなってしまったようだ。
 この日は平日にも関わらず渋谷店にはお客さんがたくさんいて、特に外国人が多かった。きっと日本のステーキには物足りないのだろう。
 妻は会員登録すると誕生日の人はアウトバックスペシャルが無料になるとの情報を手に入れ、さっそく登録してクーポンをゲットした。
 写真は僕が食べたリブアイステーキでこのボリュームだ。ソフトドリンクを頼むと大きなジョッキで出てくる。パンはお変わりしほうだいで、ほんのり甘いポイップバタークリームを付けて食べるとおいしい。誕生日ケーキも用意してくれた(アメリカンなのでガツンと甘いけど...)。これだけ食べて飲んで4,000円ちょっと。誕生日の人と一緒に行くとかなりお得です。
 店内のアメリカンな雰囲気にカリフォルニアの生活が恋しくなりました。

水曜日, 6月 15, 2011

ヴィレッジヴァンガードでつい

 先日、高円寺のヴィレッジヴァンガードにふらりと入って思わず買ってしまったものが2つある。一つ目の品は、tenohira no hanaと名付けられたiPhone4Gのケースで、紋様作家の佐々木瞬さんがデザインしたものだ。どれも個性的で魅力的だ。これまであまりグッとくるiPhoneケースがなくてラバーケースを付けていたのだが、ようやくお気に入りのケースに出会えた。
 もう一つの品は、今はやりのソーラー式充電器だ。携帯電話やiPod、DSやPSPなど各種コネクターがついていて、これ一台で全部に対応できる。さらにライトが付いていたり、USBでPCにさすとmicro SDリーダーにもなる。さすがに太陽光だけでは充電に時間がかかりすぎるが、USBで充電することもできる。キーホルダーとしては大きすぎるが、持ち運ぶのには十分。特に出張のときや緊急時に重宝しそうだ。楽天でも購入できる。

追記:使ってみた感想ですが、このソーラー式充電器はバッテリーの容量が小さく、思っていたほど充電ができませんでした。あまりお勧めはできません。(2011/7/3)



日曜日, 6月 12, 2011

 今日はいろいろな人の「怒り」を見聞きした日だった。まずは朝。近頃は暑くなって来たので窓を開けて寝るのだが、そうすると近所からいろんな声が聞こえてくる。子供たちの遊び声ならばいいのだが、母親が子供を叱りつけ、子供が泣き出して、それが延々続くことがある。子供は意地になって泣くために泣いている。そうするとますます母親の怒声がひどくなり、子供の泣き声もヒステリックになる。これは困りもんだ。夜には別の家から、母親が子供を叱りつける罵声が聞こえて来た。
 それからカフェでの出来事。新しく開拓したカフェでケーキをほうばりながら、1Q84 BOOK 3を読んでいた。すると一人の女性が入って来て、彼氏の愚痴をカフェの店員さんにこぼし始めた。狭い店内なので聞く気がなくてもまる聞こえだ。しばらくすると彼氏と思われる男性が入ってきて、何やらもめ始めた。「彼氏の家の風呂を洗うか洗わないか」でもめているようだった。
「どっちでもいいよ(ガォ!)」
 カフェの居心地が悪くなったので読書を途中にして店を出てしまった。
 誰かを怒る前に、幼稚園で習ったことを思い出しましょう。

木曜日, 6月 02, 2011

JSAI2011

 人工知能学会で発表するため盛岡に来ている。オーガナイズドセッション「人と環境にみる高次元のデータフローの生成と解析」で発表とパネリストをする。この学会に参加するのは実は初めてで、これまでの主戦場である物理学会や進化学会、動物行動学会とはずいぶん違うなあと感じた。質疑応答の仕方が物理学会よりも上品で大人な感じがする。
 今回は大震災に関するセッションが多く組まれていて、「人工知能研究者として一体何ができるか?」という問いかけが多く聞かれた。人工知能の研究は短期間で実用化されるようなものばかりではないが、このような問いかけはとても大事だと思う。震災時に情報通信技術や地域SNS(例えばモリオネット)がどのように活用されたかという事例報告はとても興味深かった。
 基礎研究からこのような応用研究まで、この幅の広さは人工知能学会の魅力だ。発表内容が玉石混淆なのは他の学会と同じだが。
 さて、明日は発表だ。

金曜日, 5月 27, 2011

がたガタ

 ここ1ヶ月でいろいろな物が壊れた。何の前触れもなく壊れたのがAppleのTime Capsule。無線LANとハードディスク(HD)を一体化した優れものだが、寄る年波には勝てず約4年で駄目になった。幸いにも中に入っていたHD自体はまだ生きていたので、さっそくデータをサルベージ(写真)。大事なデータはすべて救い出して事なきを得た。
 熱の問題もあり、無線LANとHDはやはり別々の方が良いという結論に至り、BuffaloのNAS対応の外付けHD(2TB)を購入した。これは値段も手頃でTime Machineの保存用にも使えて非常に良い。
 次に壊れたのが初代Macbook Airのファンとハードディスク。これらは完全に壊れたわけではなく、ファンはへたった音がうるさくなり、HDは次第に遅くなってきて挙動があやしいので、やばくなる前に先手を打った。ファンの交換はアップルストアで一週間の入院で治療費は8033円。HDは純正の物ではなく、128GBのSSDを購入して自分で取り替えた(参考)。結果として全く別人のように速くなった。あと2,3年もつならばよしとしよう。



木曜日, 5月 19, 2011

またひとつ

 またひとつ年をとった。昨日は丸一日グループ会議で夜は打ち上げの予定が入っていたので、前日に妻が誕生日料理を作ってくれた。メニューはクリスマスのときと同じ、カニピラフとローストビーフ。リーズナブルなお値段だけどおいしい。
 誕生日の度にブログに書いている気がするけど、ほんと時間がたつのはあっという間だ。しかしこう思うことにしよう。またひとつ経験を重ねた。レベルアップの音が聞こえるのもそんなに遠くはないと言い聞かせ。

日曜日, 5月 08, 2011

哲学堂公園

 天気がよかったのでサイクリングして来ました。早稲田通りと中野通りをえんやこら北上し、哲学堂公園へ。桜の名所ですが、今はツツジが見頃です。東洋大学の創設者で哲学者の井上円了が、ソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀った四聖堂を作ったのが公園の始まりだそうです。ここで誰もが突っ込みたくなることが...。
この4人の組み合わせおかしくない?
 人種もジャンルもばらばら。要するには、井上円了が好きな哲学者トップ4ということですよね。一番下の写真は妙正寺側の入り口付近にあるブロンズ像で、アブラハム、エクナトン、キリスト、釈迦、老子の5人。なぜこの組み合わせ?この近くにはガンジーも。何となくちぐはぐな感じもしますが、緑も池もグラウンドもある素敵な公園です。
 この後、新井薬師まで足を伸ばし、お昼を食べて、コトラcafeでコーヒーを飲んできました。暑すぎず寒すぎず、風の気持ちよいサイクリング日和でした。








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金曜日, 5月 06, 2011

5月5日は大人の日

 世間的に5/5はこどもの日ですが、今日は久しぶりの大人の休日でした。寝坊して、遅めの朝食を食べ、吉祥寺へ。チャリ通を始めたこともあり、動きやすいズボンと半袖のシャツをユニクロでまとめ買いしました。ヨドバシカメラの中のユニクロに行ったのですが、品揃えがすごいですね。発汗性に優れた機能的なシャツがあるかと思えば、デザインがユニークな企業とのコラボTシャツもあって購買意欲を刺激します。
 刺激次いでに、たまたま本屋さんの雑誌(下の表紙)で紹介されていたリトルスパイスというカレー屋さんに行ったら、これが激ウマでした。僕はポークカレー(左写真)を妻はチキンクリームカレーを食べました。ポークカレーはちょい辛め、チキンクリームカレーはマイルドだけどこくがある感じ。量もお昼に食べるにはちょうどいい感じです。
 その後は恒例のカフェ探しで、多奈加亭武蔵野文庫も混んでて駄目でした(武蔵野文庫には大竹まことさんがいました)。そこでたまたま見つけた珈琲散歩というお店に行きました。店内で珈琲豆を自家焙煎していて香りがよく、ブレンドコーヒーも美味しかったです。珈琲豆を買いにきているお客さんもひっきりなしにいました。なるほど吉祥寺が住みたい町ランキングの1位になるのも納得です。美猫にも出会えたし、いい休日でした。

火曜日, 5月 03, 2011

原稿書いたどー

3月末だった原稿の締切が4月末に伸び、余裕もって取り組めると思っていたけど、やはりそうはならず、今日の早朝になんとか原稿を提出した。来年、言語進化の国際学会EVOLANGが日本で開催されるのに絡んで、進化言語学の構築という論文集が今年の12月に発売される。そのための原稿だった。
 タイトルは「言語進化の生物学的基礎言語進化の動的理解ー生物言語学と構成論的モデルによるアプローチ」。鳥の歌(さえずり)を題材として、その構造原理、発達と進化のダイナミクスについて書いた。紙面の都合もあり詳細は省かざるをえなかった部分もあるけど、論文としては読みやすく書けたのではないかと思う。ちょっと推敲にかける時間が少なかったのが気がかりだけど。修正する機会はまだあるだろう。ところで、このタイトルはレネバーグの「言語の生物学的基礎」のオマージュになっている。(諸事情によりタイトルを変更)
 さて、ChuckとMartinとの論文は先月末に再投稿した。本の原稿も遅ればせながら書いた。次はOferたちとの論文だ。そして今の研究も...。うがー、時間がいくらあっても足りない。

金曜日, 4月 22, 2011

チャリ通

 定期が切れ、今日から自転車通勤を始めた。自転車は義兄から二万円でゆずってもらったUSPSモデルの黒いクロスバイク [Link]。ハンドルの幅が狭くて最初は少し乗りにくかったが、慣れるとかなりスピードが出せる。びゅんびゅんと車道を飛ばしていると、風がとても気持ちよい。UCLAに通っていた頃も毎日マウンテンバイクでWestwood boulevardを飛ばしていた。
 花粉症でずっと夜のジョギングができなかったので、なまっていた体をウォームアップするにはちょうどいい運動になる。そして、朝の満員電車にゆられるよりはだんぜん自転車の方がいいし、着くのも早い。家から研究所まで35分程度か。研究の方もこんな風に軽快にギアをあげていけたらいいな。まずは締め切りの原稿をかかなくちゃ...。

水曜日, 4月 13, 2011

がんばっぺ

 昨年度の春はEVOLANG、NetSciと立て続けに国際会議に出て、快活なスタートを切った。EVOLANGの最中に火山が噴火するトラブルもあったが、飛行機も予定通りで災難というほどではなかった(当時、こんな震災がおこるなどとは夢にも思わなかった...)。
 今年の春はというと、プロジェクトの研究員になり、職場は同じ駒場の別のキャンパスに移った。研究テーマもだいぶ変わった。これは自分であえてそうしたのだ。そして夜型人間から早寝早起きへ。新しい環境でまだ慣れないところもあるが、ここまではいい緊張感と集中力で仕事ができていると思う。ここ数日うまくいかなかったプログラムが今日動き始めた。
 故郷は「がんぱっぺ、いわき」をかけ声にして復興に全力をあげている。僕もがんばらねば。がんばっぺ。
 

日曜日, 4月 03, 2011

アール座読書館

 高円寺でまた新たなお気に入りカフェを発見した。お店の名前はアール座読書館。お店は若干分かりづらいところにあり、表の看板に書かれているコーヒーのメニューにもいい値段がするので、興味はあったがまだ行ったことがなかった。
 階段を登りお店のドアを開けると、店長らしき人が小声で「いっらっしゃいませ」とお出迎え。読書館の名の通り、店内は落ち着いて読書できる環境で、とにかく静か。会話は御法度で筆談のみとなっている。僕は香りの良いモカマタリを飲みながら、PCのバッテリーが切れるまで集中して論文の改稿作業した。通常、コーヒー1杯でカフェに長居するのためらわれるのだが、ここでは「どうぞどうぞ」という感じ。お一人様で行って、集中して読書したり作業をするのにはもってこいのお店だ。コーヒーもとてもおいしい。

月曜日, 3月 28, 2011

再始動

 気がつくと桜のつぼみが膨らみ始め、まもなく3月が終わろうとしています。学振PDとしてとしての研究生活。1年ごとにラボを移り、UCLAに留学もしました(一番の思い出)。間違いなく刺激の多い3年間でした。
 一方、結果(具体的には論文)がなかなか出ず、特に今年度は職探しでは苦労した年でした。そして、自分「専門」は何か、どこを進めば良いのかを深く考えさせられました。
 とにもかくにも新しい年度が始まろうとしています。来年度はあるプロジェクトの研究員をやります [Link]。がんばってもうひと化けします。
 

水曜日, 3月 23, 2011

春の足音

 まさかこんな深刻な災害が身近で起こるなんて誰が想像できたでしょう。今朝もいわきで震度5の地震があり、長い揺れが続いたのでひやりとしました。今、両親や親戚は県外に退避しています。妹たちも仕事のつごうで県外に行くことになりそうです。いわきには少しずつ物資が入るようになったものの、大変な思いをされている方がまだたくさんいます(江頭2:50が物資をいわきに届けたという心温まるニュースがありました [Link])。もちろん津波の被害にあった地域の方たちはもっとでしょう。
 通勤の途中、節電のため薄暗くなっている渋谷駅を見ていると、これは何かの悪い夢なのではないかと思います。しかし通行人の険しい表情を見て、やはり現実なのだと我に返るのです。
 三寒四温を繰り返してはいますが確実に春はやってきています。「今やるべきことを粛々とやるのだ。」それが先週はできませんでした。今週に入ってそれができるようになってきました。腐らずに1つずつていねいにやっていきます。

金曜日, 3月 18, 2011

あれから一週間

 東日本大震災が起きてから一週間がたちました。両親は避難所に退避していた祖母と親戚を連れて、別の親戚のもとへ無事避難しました。妹はいわきにいますが無事を確認しました。いわきの放射能のレベルは1μSv/h程度なので全く問題がありません[Link]。しかし、いわき市の北の一部地域が原発から30Km圏内に入っていたため、「いわきは放射能が危ない」という風評被害で物資が入ってこない状態にあります。これはマスコミの情報の伝え方がまずかったことが大きく影響しています!!
 そのため普通の市民が食料、水、ガソリン、オムツなどが手に入らない状態です。いわきは面積が広いので、ガソリンがなければ給水所に行けませんし仕事にも行けません。そして、重篤患者をかかえた磐城共立病院などでも食料、水、薬がないという危機的な状態にあります。
 ここにきてやっと小名浜港が動きだしたようですし、さっきのNHKの放送でいわきの危機的状況が伝えられていたので、事態は良い方へ動きだしたと思います。いわき市のみなさん、もう少しだけ辛抱して下さい。今単独で動くとかえって迷惑になるので、物資が送れる状態になったらすぐにできるだけの協力をします。

追記:2011年3月19日現在、磐城共立病院および近隣の病院では給水ができるようになったという知らせがありました。

日曜日, 3月 13, 2011

東日本大震災

 3/13、2時現在で死者、不明者は1800人以上、福島原発の爆発による被爆者が190人以上という。とんでもないことになってしまいました。僕らは無事です。僕の親戚はみんな無事を確認。妻の方の親戚は以前連絡がつかない状態です。
 つけっぱなしのテレビには信じられないような映像がつぎつぎと映し出され、Twitterのタイムラインは地震と津波の情報がどんどこながれています。余震も断続的に続き、原発も予断を許さない状態です。
 一刻も早く行方不明者が救助され、事態が収拾してくれることを祈るばかりです。僕にできることは現実を受け止め、粛々とやるべきことをやることです。そして、節電や節水、献金や献血、協力できることは積極的にやります。どうかこれ以上地震や津波が来ませんように。

追伸:Googleを通じて日本赤十字にわずかではありますが義援金を寄付させていただきました。少しでもお役に立てれば幸いです。
 

金曜日, 3月 11, 2011

原稿を書かねば...

 iTunesでお気に入りのジャズチャンネルをかけながら、真っ白い画面とかれこれ1時間にらめっこをしている。言葉が1ミリも出てこない。新しく文章を書き始めるとこはいつもこうだ。物書きを生業としている人はすごいなとつくづく思う。よくも次から次へと新しい表現を生み出せるものです。
 僕は文章がすらすらと書けたことなど一度もない。自分の頭をふわふわと漂っているイメージのようなものを捕まえては言葉で表現し、消し、また表現する、という作業を延々と繰り返す。頭の中には仮想の読者が住み着いていて、常に何事かぶつぶつとつぶやいてくる。産みの苦しみをしばらく味あった後、ようやく言葉のお通じが良くなり、その後はアドレナリンが出るのにまかせて一気に書きなぐる。このフェーズが過ぎると、明日のジョーのように燃え尽きて真っ白になっている自分がいる。
 とまあ、こんな風に書くとおおげさだが、物書きをしているときはスイッチを切り替えて気張らないといけないわけです。原稿の締め切りが近づいて来ました。来週が正念場です。

土曜日, 3月 05, 2011

パーティー

 先週の日曜の夕方、知人を招いて結婚パーティーをした。入籍をしたのが2008年11月11日だから、「おめでとう!」と声をかけてもらうのも何か変な感じがする。会場は僕らの夫婦のお気に入りのカフェ、アンリ・ファーブル。この雰囲気と料理ならばときっと気に入ってもらえるとだろう思っていたけど、みんなに喜んでもらえたようで良かった。
 忙しいところ、そして遠くから、全部で約50名の知人が集まってくれた。僕の友人は、中大、都立大、東大、理研、pingpong、妻の友人は大学と趣味のお友達と、本当に多くの方が来てくれた。とてもうれしかった。こんな風に友人が一同に会する機会はもうないんじゃないかな。
 司会は大学の友人O君に頼んだので、パーティーを満喫できた。さすが中学の先生だけあって司会進行がばっちりだった。師匠のIさんと妻の友人はスピーチをしてくれた(Iさんのスピーチは個性的すぎてびっくりする人が続出)。みなさん本当にありがとうございました!記憶に残る素敵なパーティーになりました。今後ともよろしくお願いします。
 

水曜日, 2月 23, 2011

行動のゆらぎとその機能的意義

 ラボの論文紹介で「Performance variability enables adaptive plasticity ‘crystallized’ adult song」(パフォーマンスのゆらぎは結晶化した大人のさえずりの適応的可塑性を可能にする)を紹介した。以前読んだのだが、今書いている論文の参考文献に引いていることもあり、再度読み直してみた。
 鳥はさえずり(歌)を学習しそれを”結晶化する”(ある一定の構造になり、そこから変わらない)のだが、そのような大人の固い歌にもわずかではあるがゆらぎがある。そのような行動のゆらぎは、単にモーターが制御しきれないから存在しているだけなのか、それとも何か機能的な意義があるのだろうか?後者の可能性を実験的に調べたのがこの論文である。
 ゆらぎでふらふらしているということは、逆に言うと試行錯誤的に探索できるということである。それを上手に利用できれば、より良い行動に変化することができる。この論文で示したことは、簡単に言うとそういうことだ。これもまた行動実験としては良い論文だ(前はこれを紹介した)。

金曜日, 2月 18, 2011

MacBook Airの入院

 昨晩、論文を書いている最中に「バキッ」という音がして、MacBook Air(愛称はShannon)のヒンジが壊れて蓋が180度開いてしまう状態になってしまった。修理に出せば時間もかかるし、費用も見当がつかない。セミナー発表を控えてえらいことになった...orz いっそのこと新しいAirを買ってしまおうかと思ったが、今夏に大刷新されたモデルが出るとの噂もあるので、今買うのはためらわれる [Link]。
 うーんと頭を抱えていたところ、妻がインターネットで調べて、初代MacBook Airで同様の故障が多発しているらしいという情報をゲットした。確かに、僕と同じような症状の書き込みがあちこちで見つかる。そしてAppleのホームページで、ヒンジの故障については無償で修理するということがわかった [Link]。
 これ幸いとさっそく今日、渋谷のリンゴ直販所(アップルストア)に持っていって修理を依頼してきた。見積額は58,550円!!しかし、この件に関しては無償でやってくれるそうだ。昨年の春にはMac Proの電源が破裂するという事態があったが、この時もAppleはただで直してくれた。3年ぐらい経つとあちこちがたがくるなあ。今回は1週間ぐらいでなおるそうだ。

日曜日, 2月 13, 2011

バレンタインイブ

 高円寺のお気に入りのカフェを2つはしごし、妻のおごりでバレンタインごちになった。ランチはバーボンタコスカフェで、僕はツナ・タコライス、妻はタコスのセットを注文した。ツナ、サルサ、アボカド、レタス、玄米、これらがいい塩梅に混ざり合って味も食感も絶妙。フレッシュジュースは絞り立てで、特にパインがおいしい。
 デザートはこの近くのcoffee amp.以前ブログで紹介したお店)で僕は珈琲とバナナケーキ、妻はカフェラテとアフォガードをいただいた。こちらもおいしい!高円寺はたくさんカフェがあるのがいいですね。久しぶりにゆったりとした日曜の午後を過ごしたのでした。


金曜日, 2月 11, 2011

対称性

 目下、「リズム」に関する論文を書いている。ドラフトは一通り書けたのだが、全然満足のいくできではない。まだ説明不足や過多が目立つ。また、内容的にパターンや規則に関する豊かな表現が必要になるのだが、僕のお粗末な英語だとどうしても単調になってしまう。
 どうしたものかと悩んでいる時、書棚から引っ張りだしてきた本にヒントが詰まっていた。UCLA Storeのセールで買った「Symmetry: The Ordering Principle」という本だ。「対称性」について書かれた12ドルの薄い本だが、そこで使われている表現や構成がとてもシンプルで美しい。内容もまた良い。美しいものを説明するのだから文章もまた美しくありたい。確か邦訳もあったと思うが英語版をお勧めする。
 ちなみに、物理学者は「対称性」と聞くとハアハアする。なぜなら「対称性あるところに保存則あり」と学校で習うからだ。例えば、運動量保存則は空間の並進対称性と、エネルギー保存則は時間の並進対称性と関係している。話は変わるが、香椎由宇は1万人に1人の奇跡の「左右対称顔」だそうな。あらゆる美しさの根源に対称性がある。

土曜日, 2月 05, 2011

残り2ヶ月

 学振研究員の期間も残り2ヶ月を切った。この間にやらなければならないことは山のようにある。ここまでピンチだと、もはや笑うしかない。GTDの第一歩として、まず懸念事項を書き出してみる。
  • (最低でも)論文2本:一本は共著者のところで止まっている。もう一本は今書いているところ。
  • 言語進化の本の原稿:そろそろ執筆を開始しないとやばい。しかし、どうせ書くからには内容の濃い面白いものを書きたい(今回は思想地図βのように自由には書けないだろうな。一応、論文集だし。)。
  • 社会的知能発生学研究会の発表:若手外部講師を引き受けることになった。発表時間はたっぷり3時間で、複雑系と言語進化とからめて研究の話をして下さいとのこと。しっかり準備をしないと。
 この他にも、pingpongのデータ解析、国際会議でのポスター発表やラボでのお別れセミナーなどなど。前途多難ですが、すべてこなして、気持ちよく新年度を迎えられるようにしたいものです。

金曜日, 1月 28, 2011

食える数学

 あちこちのブログ(例えばここ)で評判だった「食える数学」を読んだ。著者は数学科で数学を学んだ後、企業の研究所で工学に携わり、その後、工学部の教員となり数学を教えるに至る。数学科の数学と工学部の数学は全然違うということは大学にいるとしばしば耳にすることだが、著者は身をもってそれを体験し、それをざっくりとこの本にまとめている。著者は「証明を重視しない高等数学」を数学IVと呼び、それが工学部などで必要とされる数学だと主張する。確かに数学IVの良い教科書があったら、僕も数学を学ぶのに苦労しなかっただろう。
 数学者は美しさにこだわり、工学者は役に立つかどうかを最優先する。おそらく物理学者はこの中間ぐらいだろう。この中間を行くのにちょうどいい数学の本がほしいものだ。著者も書いているが、「これなら分かる応用数学教室」はそのうちの1冊だと思う。


日曜日, 1月 23, 2011

琥珀茶房

 僕ら夫婦の趣味はカフェ巡りで、休日はよく近所を散歩して新しいカフェを開拓している。今回は阿佐ヶ谷でいいカフェを発見した。琥珀茶房というお店で、阿佐ヶ谷駅から歩いて5分ぐらいのところにある。全席禁煙。店内にはジャズが流れ、いろんなカップが行儀よく飾られていて、雰囲気はとても落ち着いている。感じの良いおばさんが丁寧に入れてくれたコロンビアがうまい。デザートは300円と手頃なのもうれしい。読書しながらゆっくりとした時間を楽しむにはとても良いお店だ。入り口にはたまという猫が(運がよければ)います。にゃ〜。
 阿佐ヶ谷にはまだまだ知らないカフェがたくさんあるので、また機会があったら開拓してみたい。


木曜日, 1月 20, 2011

近所の本屋さんにて

 今朝、近所のあゆみブックス(高円寺店)に行ったら、入り口の目立つところに再入荷した思想地図β vol.1のコーナが設置されていた。お店の方の許可を得て写真を撮らせていただいた(快諾していただきありがとうございました!)。あゆみブックスは小さな本屋さんですが、置いてある本のセンスがとても良くてしばしば立ち寄ります。



 このコーナーには、他にも思想地図βの著者および内容的に関係した本が置かれていた。いくつかお勧めの本のリンクも張っておきます。東さんと北田さんの「東京から考える」は今読んでいるところで、僕にとってはとても新鮮。




月曜日, 1月 17, 2011

メディアがつくる違和感

 このシンポジウムに行ってきた[Link]。主体と環境(他者も含む)とのインターフェースを「メディア」と考えると、メディアが変われば当然我々はその影響を受けるし、研究やアートもまた例外ではない。特に現在のウェブは「拡張された脳」のと言えるぐらい強力なメディアとなった。また、TwitterやFacebookなどのSNSの興隆によってウェブが社会のインフラとして機能し始めたことによって、否が応でも我々は変わらざるを得ない。本来知り得ないはずの情報がネットを行き来し、本来繋がらないはずのモノ、コト、人がつながり化学反応が生じる。
 このような強力なメディアを手にした我々は次第に違和感を覚えるようになってきた。こんな状況をどう捉えればよいのだろう。シンポジウムでは、このような「違和感」を前向きに捉え、様々なケーススタディーが紹介されていたと思う。また、違和感を古びたパラダイムで分析的に解消するのではなく、むしろ違和感を生み出しつづけるものを作らなくてはいけない、というメッセージもあった。全ての科学が後者の立場に親和的なわけではないが、意気込みとしては大事だと思う。

月曜日, 1月 10, 2011

良薬口に苦し

 新年早々妻が風邪を引き、程なく僕も風邪を引いた。まずのどがチクチクと痛くなり、次に鼻水・鼻づまり。翌日から咳が出始め、昨日まで咳がひどかった。今日は大分体調が回復して、咳も出ない。先週末は面接があったので、何としても発表中ゲホゲホなんて状態はさけたかった。
 そこで、ここぞというときに、春先に風を引いたときにお医者さんからもらった竹筎温胆湯(チクジョウタントウ)という漢方を飲んだ。この薬はしみじみと苦い薬で、水で流し込んだ後も3時間ぐらいは苦さが口の中に残る。飲み込むのに勇気がいる。しかし効果は覿面で、飲んでしばらくするとタンがすっと切れて咳が出なくなる。おかげで発表は何とか乗り切れた。ここ数日で体重が2kgぐらい減って、体が軽くなった。災い転じて福となす。

月曜日, 1月 03, 2011

単純明快

 新年の抱負(New year's resolution)は「単純明快」でいきたいと思います。どんな分野であれ、本物だと感じる「もの」や「こと」には共通してこの言葉が当てはまると思います。ごちゃごちゃとして言い訳がましくなく、理路整然とビシッと一本筋が通っている。そういうものを生み出すためには、他人と比較することをやめ、自分がしたいことに忠実であるべきだと。小さい頃、友達の持ち物を羨むときに親に言われたはずです。「よそはよそ、うちはうち。」あるいは、坂本龍馬ならばこう言うでしょう。
世の人は我を何とも言はば言へ 我がなすことは我のみぞ知る
 昨年はあまり物事がうまくいかず心も折れかけましたが、また沸々と根拠のない自信が湧いてきました。ちょっとずつですが状況も好転しつつあります。先月発売された思想地図βは大変好評で、僕の記事にも読者から「おもしろかった」というツイートがいくつか寄せられました。うれしい限りです。現在、特設サイトにて記事のサンプルをご覧になることができます[Link]。
 迷いはポケットにしまって、コンパクトなスイングを心がけます。打球はセンターの頭上を越えて行くでしょう。